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 「セリーナだと?ふざけたこと言ってると殺すぞ!」
「嘘をつくなよ!」
シンヤは男の胸ぐらを掴む。
「やめてくれ……。本当のことだ……」
「どういうことですか?」
「セリーナは死んだんだ……。俺は、その体を借りているだけだ……」
「なんだって!?」
「お前たちに捕まったせいで、俺の人生は滅茶苦茶になったんだ……。だから、今度は俺の復讐のために利用させてもらうぜ……」
「何をするつもりだ?」
「まずは、こいつらを始末しなくちゃな……」
セリーナは、ナイフを取り出すと、カアレイカに向かって投げつけた。なんとか回避できたものの、怪我人が出ることになった。
「お前たちのせいで、街に被害が出ちまうな……」
「それはこっちのセリフだ!」
「そうかい……。なら、仕方がないな……」
セリーナは両手を前に出すと、魔法陣を展開した。そこから、大量の魔物が現れる。その数はかなり多い。
「どうするんだよこれ……」
「このままじゃ、街の人たちが危ないですよ!」
「とりあえず、やるしかないみたいだな……」
シンヤ達は武器を構えると、戦いを始めた。
シンヤ達4人は、セリーナの作り出した魔物と戦っていた。
「この野郎!」
カアレイクは剣を振り下ろす。だが、あっさり避けられてしまう。
「どうしたんだよ……。そんなもんか?」
「この!」
「次は俺の番だな……」
セリーナは指を鳴らすと、雷を落としてきた。それを何とか避ける。すると、今度は炎が落ちてくる。
「これで終わりだ……」
「まだまだこれからだ!」
その後も何度も攻撃が続いたが、どれも簡単に避けられてしまう。そして、ついにシンヤ達が追い詰められた時だった。突如として現れた人物が、攻撃を仕掛ける。
「ぐあっ!」
「誰だ!?」
シンヤ達は、突然のことに驚く。そこに立っていた人物は、シンヤ達に話しかけた。
「俺の名前はガバニードだ……。そこの奴は、俺に任せろ……。お前たちは他のやつらの相手をしてくれ……」
ガバニードと名乗った人物の体は、半透明になっていた。幽霊なのだろうか……?
「わかったよ!みんな行こう!」
「はい!」
シンヤ達は、セリーナ以外の敵を倒すことにした。
「くそっ……!あいつらさえいなけりゃ……」
セリーナは悔しそうに呟く。
「さぁ……。決着をつけようか……」
「調子に乗るなよ!」
セリーナは魔法で攻撃をしてきた。
「無駄だ……」
ガバニードは、手をかざすと結界を張り、それを防いだ。
「なんだと!?」
「覚悟しろ……」
ガバニードは、セリーナに近づく。
「来るなぁぁぁ!!」
セリーナは、必死に抵抗するが、全く歯が立たない。そのまま殴られてしまい、壁に激突する。
「ぐはっ……」
「終わりだ……」
「くそぉぉぉ!!!」
セリーナは最後の抵抗をするが、すぐに倒されてしまった。
それからしばらくして、全ての敵を片付けたシンヤ達は、ガバニードの元へ向かった。
「大丈夫ですか?」
「ああ……。問題ない……」
「あんたが助けてくれたのか?」
「ああ……。それよりも、早くここから離れないと……」
「どうしてだよ?」
「ここはもうすぐ崩壊する……」
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