上 下
46 / 61

46

しおりを挟む
 シンヤの目の前に、ミノタウロスが現れた。
「グルルルル……」
「こいつがボスか!」
「グオォーーーン!!!」
ミノタウロスは突進してきた。
「危ない!」
シンヤはギリギリのところで避けた。
「よし!今のうちに倒すぞ!」
シンヤは、素早く近づき攻撃を加えた。
「はあああっ!」
「ウガッ!?」
シンヤの攻撃により、ミノタウロスは倒れて消滅した。
「やったぁ!」
シンヤは喜んだ。
その時だった。
「シンヤさん!」
「なんだ……?うわぁっ!」
突然、地面から触手のようなものが伸びてきた。
シンヤは、それを間一髪のところで回避した。
「今度はなんなんだよ!?」
地面には大きな穴ができていて、その中からは無数の腕が生えてきていた。
「気持ち悪いなぁ……」
「気をつけてください……」
「わかったよ……」
(これは、もしかして……)
シンヤは、嫌な予感がしていた。
(イレイナさんの予想通りかもしれない……)
「シンヤさん!来ます!」
「わかってるよ!」
(とにかく今は、戦うしかない!)
シンヤは、触手を捌きながら考えていた。
(どうすれば……?)
考えているうちに、触手の数が増えてきた。
「くそっ!このままだとやばいな……」
(何か手はないのか……)
「シンヤさん!これを!」
イレイナが投げたものを、シンヤは受け取った。
「ありがとう!」
(これならいけるか……?)
「はああっ!」
シンヤは、魔力を纏わせたナイフを投げた。それは、正確に飛んでいき、魔物に命中した。
「グワァッ!」
その魔物は、すぐに消滅した。
それと同時に、全ての触手が消え去った。
「ふう……。なんとかなったな……」
「そうですね……」
「イレイナさんのおかげだよ!」
「そんなことありません!シンヤさんのおかげです!」
2人は、笑い合った。
「さてと、先に進むか……」
「そうですね……」
シンヤ達は、ダンジョンの奥へと進んだ。
5分ほど歩くと、広い空間に出た。そこには大量の魔物がいた。
「また来たか……」
「そうみたいですね……」
「一気に行くぞ!」
「わかりました!」
シンヤとイレイナは、戦闘を開始した。
「オラァッ!」
「はあぁっ!」
2人の連携で、多くの魔物を倒していった。
「よし……。あとはあいつだけか……」
「そうですね……。あの大きな魔物だけです……」
2人は最後の1体と対峙していた。
「グオォーーン!!」
「うるさいなぁ……。とりあえず、いくか……」
「そうですね……」
2人は走り出した。
「うおぉりゃああ!!」
「はあぁっ!」
2人同時に攻撃を繰り出したが、あまり効いていないようだった。
「まじか……」
「硬すぎますね……」
「そうだな……」
シンヤとイレイナの表情は曇っていた。
(こいつを倒すには、もっと威力を上げないとダメだ!)
「イレイナさん!俺に考えがあるんだけどいいかな?」
「はい。どんな作戦ですか?」
「それは……」
シンヤは、イレイナにある提案をした。
「わかりました。やってみましょう」
「うん!」
二人は、魔物に攻撃を仕掛けた。「グオオォッ!」
魔物は二人に向かってきた。
「よしっ!今だ!」
「はいっ!」
シンヤは、タイミングを見計らってジャンプした。
「グオッ!?」
そして、そのまま飛び蹴りを食らわせた。
「まだまだぁっ!」
続けて、回し蹴りを決めた。
「グギャアアッ!!」
魔物は、苦しんでいる様子だった。
「トドメだ!」
シンヤは、剣に魔力を込めた。
「これで終わりです!」
イレイナも、魔法を放った。
「グオォッ!!」
そして、魔物は消滅した。
「やったな!」
「やりましたね!」
シンヤ達はハイタッチを交わした。
「よし!先に進もう!」
「はい!」
2人は、奥の部屋に向かった。
シンヤ達が部屋に入ると、そこには宝箱があった。「あったぞ!」
「これが目的の物ですね」
「よし!開けるぞ!」
シンヤは、ゆっくりと蓋を開けた。すると、中には金色のブレスレットが入っていた。
「やったぁ!」
「よかったですね」
「これで目的達成だな!」
「そうですね」
2人は喜んだ。
「それじゃあ、帰るか……」
「はい……」
その時だった。突然、部屋の天井が崩れ始めた。
「なんだ!?」
「まさか……!」
イレイナが言った瞬間、天井が降ってきた。
「危ない!」
シンヤは咄嵯の判断でイレイナを押し倒した。
「きゃあっ!」
シンヤは、ギリギリのところで回避できた。だが……
バキィッ! 瓦礫の下敷きになってしまった。
「シンヤさん!」
イレイナは叫んだが、返事はなかった。
(どうしよう……)
イレイナが考えているうちに、魔物が近づいてきていた。
(やるしかない……)
イレイナは覚悟を決め、魔物に立ち向かった。
「うおおぉっ!」
イレイナは、次々と襲ってくる触手を捌いていた。
「はあっ!」
「グワァッ!」
イレイナの攻撃が魔物に命中した。しかし、魔物はすぐに再生してしまった。
(これではキリがない……)
「グワァッ!」
触手が襲いかかってきた。イレイナはそれをかわし、反撃しようとした。
「くらえっ!」
「グガアァッ!」
魔物は、すぐに消滅した。
「ふう……。なんとかなった……」
イレイナの息は荒くなっていた。
(早くシンヤさんを助けないと……)
イレイナは再び走り出した。
イレイナがシンヤの元にたどり着いた時、魔物はすでに消滅していた。「大丈夫ですか!?」
「……」
シンヤからの返事はない。
「シンヤさん?起きてください!」
「うぅん……」
シンヤからの反応はあったが、意識を失っていた。
「とにかく、ここから出ましょう……」
イレイナ達は、ダンジョンの外に出た。その後、シンヤは病院へ運ばれた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

どうやら今夜、妻から離婚を切り出されてしまうようだ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,689pt お気に入り:1,006

最初から間違っていたんですよ

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,242pt お気に入り:3,352

手のひら返しが凄すぎて引くんですけど

恋愛 / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:375

裏切者の婚約者は、愛人と共に不幸に墜ちる事となりました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:305pt お気に入り:178

(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)

恋愛 / 完結 24h.ポイント:213pt お気に入り:4,639

処理中です...