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「そちらの商品をお気に召されましたか……?」
「はい……。この剣が気に入りました……」
「かしこまりました……。でしたら、この商品はいかがでしょうか……?」
「これは……?」
「こちらは『鬼山剣・マルモソ』という剣になります。伝説の勇者が使っていたとされる名刀です」
「そんな凄い物が売っているんですね……」
「はい……。ですが、今は在庫が無くなっておりまして……。お客様が購入される場合は、入荷待ちとなるかと思われます……」
「そうですか……。ちなみに、いくらくらいするんですか?」
「金貨100枚となります……」
「高すぎる……。そんな大金は用意できないよ……」
「そうですか……。でしたら、別のものを探しましょうか……」
「すみません……。せっかく紹介してくれたのに……」
「いえいえ……。またの機会にでも来てください……」
その後も、いくつかの店を回ってみたのだが、なかなか納得できるものは見つからなかった。そして、二人は商店街の端にある小さな店の前に立っていた。
「この店が最後ですね……。こんな所に店があったんですね……」
「そうだね……。でも、この店なら何か見つかるかもしれないね……」
シンヤ達は店の中へと入った。すると、若い女性店員に話しかけられた。
「いらっしゃいませ……。本日はどのようなご用件でしょうか……?」
「えっと……。ちょっと見て欲しいものがあるんですけど……」
シンヤはカウンターの上に、先程購入したばかりの剣を置いた。
「この剣ですか……?確かに珍しい形をしていますけど……。これが何か?」
「実は、この剣は特別な力を持っているらしくて……。もし良かったら鑑定してほしいんですが……。ダメですか……?」
「そういうことでしたら、喜んで引き受けさせて頂きます!」
女性はすぐに店の奥に入っていくと、しばらくして戻ってきた。
「店長!この剣を調べてきました!」
「そうか……。それで、この剣は本物だったのか?」
「はい!間違いなく本物の悪魔剣ですね!この剣の名前は、『鬼山剣・マルモソ』と言います。この剣には強力な力が宿っていて、持ち主を選ぶと言われています」
「そうか……。君たちは運が良いな……。まさか、本物に出会えるとは思っていなかったよ……」
「えっ?これって偽物なんですか?」
「いや……。偽物ではないんだが……。ただ、その昔に盗まれてしまったんだよ……。それからずっと行方が分からなくなっていたんだが……。それが、こんな所にあったなんて……」
「そうなんですね……。それで、その剣を譲ってくれたりはしないんですよね……?」
「それは出来ないよ……。もう所有権は私に移っているからね……。それに、とても貴重なものだから、簡単に譲るわけにはいかないよ……」
「そうですよね……。分かりました……」
シンヤ達が諦めかけたその時、シラ-ジが口を開いた。
「あの……。この剣はボクが買うことは出来ないかな……?」
「うーん……。そうだね……。金貨50枚でどうだい?」
「そんな値段で良いんですか!?」
「もちろんだとも……。この剣の価値を考えたら安いぐらいさ……」
「ありがとうございます!」
シラ-ジは嬉しそうに礼を言うと、シンヤと二人で代金を支払った。
「ありがとうございます……。それでは、すぐにお渡ししたいのですが……。申し訳ありませんが、しばらくお時間をいただけないでしょうか……」
「どういうことでしょうか……?」
「この剣は特殊な力を持っていまして……。簡単には鞘から抜けないように封印されているんです。それを解かないと、使いこなすことは出来ません」
「そうなんですね……。じゃあ、すぐにお願いします……」
「かしこまりました……。では、こちらへどうぞ……」
シンヤとシラ-ジは店の奥にある部屋へと案内された。そこには、台座に置かれた一振りの剣が置かれていた。
「はい……。この剣が気に入りました……」
「かしこまりました……。でしたら、この商品はいかがでしょうか……?」
「これは……?」
「こちらは『鬼山剣・マルモソ』という剣になります。伝説の勇者が使っていたとされる名刀です」
「そんな凄い物が売っているんですね……」
「はい……。ですが、今は在庫が無くなっておりまして……。お客様が購入される場合は、入荷待ちとなるかと思われます……」
「そうですか……。ちなみに、いくらくらいするんですか?」
「金貨100枚となります……」
「高すぎる……。そんな大金は用意できないよ……」
「そうですか……。でしたら、別のものを探しましょうか……」
「すみません……。せっかく紹介してくれたのに……」
「いえいえ……。またの機会にでも来てください……」
その後も、いくつかの店を回ってみたのだが、なかなか納得できるものは見つからなかった。そして、二人は商店街の端にある小さな店の前に立っていた。
「この店が最後ですね……。こんな所に店があったんですね……」
「そうだね……。でも、この店なら何か見つかるかもしれないね……」
シンヤ達は店の中へと入った。すると、若い女性店員に話しかけられた。
「いらっしゃいませ……。本日はどのようなご用件でしょうか……?」
「えっと……。ちょっと見て欲しいものがあるんですけど……」
シンヤはカウンターの上に、先程購入したばかりの剣を置いた。
「この剣ですか……?確かに珍しい形をしていますけど……。これが何か?」
「実は、この剣は特別な力を持っているらしくて……。もし良かったら鑑定してほしいんですが……。ダメですか……?」
「そういうことでしたら、喜んで引き受けさせて頂きます!」
女性はすぐに店の奥に入っていくと、しばらくして戻ってきた。
「店長!この剣を調べてきました!」
「そうか……。それで、この剣は本物だったのか?」
「はい!間違いなく本物の悪魔剣ですね!この剣の名前は、『鬼山剣・マルモソ』と言います。この剣には強力な力が宿っていて、持ち主を選ぶと言われています」
「そうか……。君たちは運が良いな……。まさか、本物に出会えるとは思っていなかったよ……」
「えっ?これって偽物なんですか?」
「いや……。偽物ではないんだが……。ただ、その昔に盗まれてしまったんだよ……。それからずっと行方が分からなくなっていたんだが……。それが、こんな所にあったなんて……」
「そうなんですね……。それで、その剣を譲ってくれたりはしないんですよね……?」
「それは出来ないよ……。もう所有権は私に移っているからね……。それに、とても貴重なものだから、簡単に譲るわけにはいかないよ……」
「そうですよね……。分かりました……」
シンヤ達が諦めかけたその時、シラ-ジが口を開いた。
「あの……。この剣はボクが買うことは出来ないかな……?」
「うーん……。そうだね……。金貨50枚でどうだい?」
「そんな値段で良いんですか!?」
「もちろんだとも……。この剣の価値を考えたら安いぐらいさ……」
「ありがとうございます!」
シラ-ジは嬉しそうに礼を言うと、シンヤと二人で代金を支払った。
「ありがとうございます……。それでは、すぐにお渡ししたいのですが……。申し訳ありませんが、しばらくお時間をいただけないでしょうか……」
「どういうことでしょうか……?」
「この剣は特殊な力を持っていまして……。簡単には鞘から抜けないように封印されているんです。それを解かないと、使いこなすことは出来ません」
「そうなんですね……。じゃあ、すぐにお願いします……」
「かしこまりました……。では、こちらへどうぞ……」
シンヤとシラ-ジは店の奥にある部屋へと案内された。そこには、台座に置かれた一振りの剣が置かれていた。
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