【完結】皇太子も妹も決して許しませんので覚悟してください

asami

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 「うわっ!!あんなに大きな熊がいるのか……。あれは、ちょっとやばいかも……」
「そうだね……。でも、戦っている人は無事なのかな?」
「分からない……。でも、このまま放っておくわけにはいかないよな……」
「うん……。助けに行ってあげないと……」
「よし……。それなら、俺が囮になってあいつを引き付けるから、その間に二人は援護射撃をしてくれないかな?」
「了解だよ……。でも、危なくなったらすぐに逃げてきてね……」
「ありがとう……。それじゃあ行ってくるね……」
シンヤは、熊に向かって走り出した。
「おいっ!!お前、そこで何をしているんだ!!」
「ウガァッ!!」
「くそっ……!!」
熊はシンヤに向かって腕を振り下ろした。
「ぐはっ……!!」
シンヤはその攻撃をもろに受けてしまった。
「シンヤ君!!」
「だっ、大丈夫……。これくらいの傷なら、回復魔法で治せるから……」
「本当に?」
「ああ……。それよりも早く撃ってくれ……」
「了解だよ!」
サユリナは銃を構えて引き金を引いた。だが、弾は外れてしまう。
「くっ……。なかなか当たらないね……」
「まだだ!もう少し待っていてくれ!」
「分かった……」
「今だ!シラ-ジさん、お願いします!」
「任せておいて……」
シラ-ジは剣を抜き、熊の懐に入って切りつけた。
「グガッ……」
「これで終わりだよ……」
シラ-ジは、熊の首を切り落とした。
「ふう……。なんとか倒せたみたいですね……」
シンヤは安心してその場に座り込むと、怪我をした部分を回復させた。
「大丈夫かい、シンヤ君?」
シラ-ジは心配そうな顔をしながら話しかけた。
「はい……!何とか動けそうです……」
「それは良かった……。それで、君はどうしてこんなところにいたんだい?」
「実は、山の中にある洞窟に向かっている最中だったんです……」
「なるほど……。もしかして、その洞窟の中に用があるのかい?」
「はい……。そうですよ」
「そうか……。僕も一緒に行ってもいいかな?」
「いいですけど、どうしてですか……?」
「もしかすると、僕が欲しい素材が手に入るかもしれないからね……」
「そうなんですね……。分かりました……。じゃあ、行きましょうか……」
「うん……。そうだね……」
こうして、シンヤ達は洞窟に向けて歩き始めた。
シンヤ達は森の中にある洞窟の中に入っていた。
「この洞窟って、結構深いんだな……」
「確かに……。さっきの魔物が住み着いているだけあって、中は広かったからね……」
「もしかして、ここの奥に目的の物が眠っているのか?」
「おそらくだけどね……。でも、こんなところにどんな物を探しに来たの……?」
「それが……、俺もよく分かっていないんですよね……」
シンヤは苦笑いを浮かべながら答えた。
「よく分からないって……。それなのに、ここに来たの……?」
「はい……。なんか、ここに行けば見つかる気がしたんですよ……」
「ふむ……?不思議なこともあるものだね……。まあ、とりあえず奥まで進んでみようか……」
「了解しました……」
シンヤ達はさらに奥へと進んでいくと、広い空間に出た。そこには大量の宝箱が置いてあった。「ここは……?なんか、すごい量の宝箱が置かれているな……」
「本当だね……。どうやら、ここで当たりのようだよ……。シンヤ君、目的の物はどこだい?」
「えっと……。多分、一番大きな宝箱に入っていると思うんだけど……」
シンヤは大きな宝箱の前に立つと、ゆっくりと蓋を開けた。すると、中には一本の剣が入っていた。
「これが、目的のものなのかな……?」
シンヤは恐る恐る手に取ると、目の前に画面が表示された。
【アイテム:聖剣エクセルセイバー】
攻撃力+1000000
特殊効果:全ステータス強化(大)
HP自動回復効果付与
MP消費軽減効果付与 装備条件:STR500以上
※この武器を装備することはできません。
「なんだこれ……。なんかとんでもない性能なんですけど……」
「おっ、それなら僕の剣と交換しないかい?ちょうど、それと同じものが欲しかったんだよ……」
「いいですけど、俺が貰っちゃっても大丈夫なんですか……?」
「うん……。僕は他にも持っているからね……。それに、そんな凄い剣を僕が持つよりは、君みたいな子が持っていた方が似合うだろうしね……」
「そっ、そうですか……。それじゃあ、遠慮なく頂きますね……」
シンヤは、シラ-ジの剣を受け取った。すると、再び画面に表示された。
【アイテム:聖剣エクセルセイバーを手に入れた!!】
「あれ……?また、何か出てきたぞ……」
「それはエクセルセイバーっていう名前の剣だよ……。確か、かなり珍しいものだったはずなんだけど……?」
「へぇー!そうなんですか……。俺は、あまり詳しくないので知らなかったです……」
「もしかして、君は異世界から来た人なのかい……?」
「はい……。そうですよ……」「やっぱり……。それなら知らないのも無理はないよね……」
「シラ-ジさんは、どうして知っているんですか……?」
「実は僕も、異世界からやって来た人間だからだよ……」
「えっ!?そうなんですか……!!」
「うん……。といっても、もう元の世界に戻れないんだけどね……」
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