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異世界に来たセリーナはさっそく自分のステータスを確認した。……はぁ、これが私のこの世界でのステータスなのね、この状態から妹と皇太子に復讐しないといけないとなるとセリーナは気が遠くなるような感じで空を見上げるしかなかった。
「あの……あなたがたはもしかして……」
ふいに声をかけられて顔を上げるとそこには黒髪の少年と金髪の少女が立っていたのである。
「あー、俺たち怪しいものじゃないですから」
「私達もこの世界に転生してきたばかりなのですが……えっと……もしよろしければ一緒に行動させていただけませんか?」
そうして黒髪の少年タカテルと金髪の美少女タグリアナはセリーナ達に話しかけてきたのだ。
「私たちも……ですか?いいんですかね?」
セリーナの言葉に二人はうなずくのであった。
こうして三人の異世界人パーティが結成されたのである。
それからの道中は順調だった。モンスターと遭遇しても前衛の二人があっさり倒していってしまうのだから楽勝もいいところだ。
そして森を抜け草原に出たところで休憩をとることにしたのだった。
「それにしてもすごいわね二人とも、あんな簡単にドラゴンを倒しちゃって」
「いえそんなことないですよ!タカちゃんのおかげだし!」
「いやいや、俺なんて全然たいしたことないし」
「また謙遜するんだから~」
「ホントのことだってばさ」
どうやら二人の仲はかなり親密なものらしい、その様子を見てセリーナは思わずため息をつくのであった。
「お二人は恋人同士なんですね?」
その言葉を聞いて顔を真っ赤にする二人であったがすぐに否定した。
「ちっ違うよ!?ただの仲間だよ仲間!」
「そっそうだよねタカちゃん!!」
「おう、もちろんだとも!」
必死になって言い訳をする二人を見てセリーナは再び大きなため息をついたのであった。
「まあいいわ、それでこれからどうするつもりなの?」
「とりあえず近くの街まで行ってみようと思うんだけどどうかな?」
「それならここから近いところにボラアルデンテシュっていう港町があるんですよ、そこに行けば何か分かるかも知れません」
「じゃあその街に行ってみることにしようぜ」
こうして三人は近くにあった街道を歩いていったのである。
街道には時折馬車が通るくらいでほとんど人の気配はなかったのだが……
しばらく歩いていると前方に人影が見えてきたのである。「あっ誰かいるみたいですよ」
「本当だ!ちょっと話聞いてくるね」
そう言うとタグリアナは小走りで駆けていったのである。
「すいませーん!!ちょといいですか?」
少女の声に反応するように一人の青年が振り返った。
「はい、何でしょうか?」
タグリアナはその青年の顔を見ると驚いたように声を上げたのである。
「えぇ!?どうしてここに??」
「えっ知り合いなのか?」
タカテルが問いかけるとタグリアナは大きくうなずいた。
「うん、彼はこの世界で最初に出会ったプレイヤーなんだよ!」
「なるほど、そういうことだったのか、そりゃ驚くわけだな」
タカテルは納得すると改めて青年に話しかけたのであった。
「突然で悪いんだがあんたに頼み事があるんだ、この辺りに町はないかな?」
「ああ、それならもう少し行ったところにあるよ、ここよりは小さいけどね」
「ありがとう、助かったよ」
「いやいや、困っている人がいれば助けるのは当然だろう、君たちも気をつけて行くんだよ」
「はい、いろいろ教えてくれて本当にありがとうございました」
「いやいや、気にしないでくれ」
「じゃあ私たちは先に行くから、またどこかで出会ったらよろしくね!」
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ」
そう言ってタグリアナ達は再び歩き出したのである。
「あの……あなたがたはもしかして……」
ふいに声をかけられて顔を上げるとそこには黒髪の少年と金髪の少女が立っていたのである。
「あー、俺たち怪しいものじゃないですから」
「私達もこの世界に転生してきたばかりなのですが……えっと……もしよろしければ一緒に行動させていただけませんか?」
そうして黒髪の少年タカテルと金髪の美少女タグリアナはセリーナ達に話しかけてきたのだ。
「私たちも……ですか?いいんですかね?」
セリーナの言葉に二人はうなずくのであった。
こうして三人の異世界人パーティが結成されたのである。
それからの道中は順調だった。モンスターと遭遇しても前衛の二人があっさり倒していってしまうのだから楽勝もいいところだ。
そして森を抜け草原に出たところで休憩をとることにしたのだった。
「それにしてもすごいわね二人とも、あんな簡単にドラゴンを倒しちゃって」
「いえそんなことないですよ!タカちゃんのおかげだし!」
「いやいや、俺なんて全然たいしたことないし」
「また謙遜するんだから~」
「ホントのことだってばさ」
どうやら二人の仲はかなり親密なものらしい、その様子を見てセリーナは思わずため息をつくのであった。
「お二人は恋人同士なんですね?」
その言葉を聞いて顔を真っ赤にする二人であったがすぐに否定した。
「ちっ違うよ!?ただの仲間だよ仲間!」
「そっそうだよねタカちゃん!!」
「おう、もちろんだとも!」
必死になって言い訳をする二人を見てセリーナは再び大きなため息をついたのであった。
「まあいいわ、それでこれからどうするつもりなの?」
「とりあえず近くの街まで行ってみようと思うんだけどどうかな?」
「それならここから近いところにボラアルデンテシュっていう港町があるんですよ、そこに行けば何か分かるかも知れません」
「じゃあその街に行ってみることにしようぜ」
こうして三人は近くにあった街道を歩いていったのである。
街道には時折馬車が通るくらいでほとんど人の気配はなかったのだが……
しばらく歩いていると前方に人影が見えてきたのである。「あっ誰かいるみたいですよ」
「本当だ!ちょっと話聞いてくるね」
そう言うとタグリアナは小走りで駆けていったのである。
「すいませーん!!ちょといいですか?」
少女の声に反応するように一人の青年が振り返った。
「はい、何でしょうか?」
タグリアナはその青年の顔を見ると驚いたように声を上げたのである。
「えぇ!?どうしてここに??」
「えっ知り合いなのか?」
タカテルが問いかけるとタグリアナは大きくうなずいた。
「うん、彼はこの世界で最初に出会ったプレイヤーなんだよ!」
「なるほど、そういうことだったのか、そりゃ驚くわけだな」
タカテルは納得すると改めて青年に話しかけたのであった。
「突然で悪いんだがあんたに頼み事があるんだ、この辺りに町はないかな?」
「ああ、それならもう少し行ったところにあるよ、ここよりは小さいけどね」
「ありがとう、助かったよ」
「いやいや、困っている人がいれば助けるのは当然だろう、君たちも気をつけて行くんだよ」
「はい、いろいろ教えてくれて本当にありがとうございました」
「いやいや、気にしないでくれ」
「じゃあ私たちは先に行くから、またどこかで出会ったらよろしくね!」
「ああ、こちらこそよろしく頼むよ」
そう言ってタグリアナ達は再び歩き出したのである。
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