あなたにとって一番辛いと思われる復讐を用意させていただきました

第二十五話

　今回もまた在宅のアルバイト、テープ起こしというのだろうか映像から流れてくる音声を文字にするという作業が在宅ワーク専用サイトにあったので応募してみることにした。そうすると早速アンケートや課題テストが送られてきた。テストの内容は二つの文章を見比べてその違いを指摘するというものであった。二つの文章を差分チェックサイトにぶち込めば簡単である。当然テストは合格、しかしその後の~を用意しろだとかアプリを入れろとかいろいろ面倒くさい作業があるようでたかだか一作業数十円の物にそこまでやる必要があるのだろうかと思い始めた。そして面談があったのだが直前に腹痛にみまわれPCの前にいられなくなったため結局ブッチしてしまった……。

　単発バイトというものに応募してみた。高校卒業レベル、つまり大学入試ぐらいのレベルのテストを受けるだけというもので文系理系別々に3教科か4教科の試験を朝から夕方まで丸1日がかりで実施するらしい。面倒とは思ったものの中学高校時代は給料も出ないのに模擬試験のようなものを何度も受けさせられたことを考えるとこれでフルタイムで働いただけの給料がもらえるというのなら悪い話ではない。応募資格は大卒または現役大学生でとくに大学生歓迎と書かれていたため大学を卒業してから10年以上経ってる時点でいやな予感はしていた。予想通り応募した翌日に不採用のメールが届いた。まあ受験から何年も遠のいた人間のデータなんているわけないか……。とはいえこういう楽そうな単発バイトが合ったら応募していこうとも思った。まあ基本こういうのは学生有利だろうけれど……。

　とんでもない失敗をしてしまった。メールを送信するだけという単価は低いものの好きな時間にできるという在宅バイトに応募したのだがよくよく会社の名前を確認してみたところ、以前応募して面談をバックレたところと同じ会社だったということを後になって気付いたのである。思い起こしてみれば一軒当たり数十円という単価がよく似ていたのでその時点で気付くべきだったのだが見事に同じ轍を踏んでしまった。ここ以外の在宅ワークにもたくさん応募してはいるのだがLINEでの友達登録が面倒だったりとか、そもそも連絡が来なかったりとか応募者が多すぎて面談の日程すら確保できないようなのばかりで次のステップに進むことすらできていないという状態のなか、せっかくみつけた安いが暇つぶしで小遣い稼ぎくらいはできそうな仕事をみすみす逃してしまったのは情けない話ではある……。

「ブッチしてんじゃねぇよ！！」

ビリビリビリリリリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ！！