あなたにとって一番辛いと思われる復讐をご用意させていただきました

asami

文字の大きさ
上 下
10 / 89

第八話

しおりを挟む
 今の世界の自宅から歩いて25分くらいのところにある倉庫のバイトに応募した。和食の製造所のようだった。ちょっと調べてみるとフォークリフトでの作業もあるらしく資格のある自分にとってはチャンスかもと思った。(そう思って何度も応募しては落ちているわけなのだが)わけあって夜遅い時間に面接してもらうことになった。そこでフォークリフトについて聞いてみると衝撃の答えが返ってきたのだった。

「うちはプラッター(リーチ式のフォークリフト)しか置いてないよ。経験ある?」

リーチは一度も乗ったことがなかったのである。教習所ではカウンター式という座って乗るタイプでしか実技を受けていない、それを正直に伝えた時点でこの勝負は決まっていたのだろう。(もしこの会社のフォークリフトがカウンターだったとしても結果が変わっていたとも思えないが……)

 バイトととはちょっと違うのかもしれないが非正規雇用という意味では同じ派遣の仕事にも応募した。フォークリフト作業で時給は1300円、研修期間や実務経験なしの場合は1100円スタートととかだったと思う。自宅近くのファーストフード店で派遣元の人事と待ち合わせてフォークリフトの講習証明書と履歴書を渡す。(一応その際飲み物はおごってもらった)本来は履歴書を派遣元が確認するのは違法だとも聞いたことがあるのだがこのときはそうだった。派遣元で応募者の中から選考を行うとも言っていた。派遣の仕事はそういうのも違法だと聞いていたがこれも良いのだろうか?
結局そのまま連絡が来ず終わった。

 性懲りもなくまた洗車のバイト、自宅から20分ほどでフルタイムじゃなく週数回で時給も千数百円ぐらいならまあ何でも良いくらいの気持ちだったからである。勤務地まで歩いてみるとこれが結構疲れる、やはり歩いて20分以上はちときつい、もうこの時点でしんどくなってしまいあまりやる気がなかったためか面接はかなり適当に答えてたと思う、そして当然のように

「いつから入れる?」

なんてことは聞かれることもなく

「後日連絡する。」

と言われて次の日の朝にすぐ採用見送りの電話が来た。もうバイトに落ちるのがルーティーンワークになってきた頃のこと。

「そんなもんルーティーンワークにしてるんじゃないわよ、本気で受かろうとしなさい!」
ビリビリビリビリビリリリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

「うぐぉああああああああああああああああああ、だってしかたないだるぅおああああああああああああああああああああああああ……」
不採用にされて電撃を食らうまでがルーティーンワークで状態である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勘違いも凄いと思ってしまったが、王女の婚約を破棄させておいて、やり直せると暗躍するのにも驚かされてしまいました

珠宮さくら
恋愛
プルメリアは、何かと張り合おうとして来る令嬢に謝罪されたのだが、謝られる理由がプルメリアには思い当たらなかったのだが、一緒にいた王女には心当たりがあったようで……。 ※全3話。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

最後の思い出に、魅了魔法をかけました

ツルカ
恋愛
幼い時からの婚約者が、聖女と婚約を結びなおすことが内定してしまった。 愛も恋もなく政略的な結びつきしかない婚約だったけれど、婚約解消の手続きの前、ほんの短い時間に、クレアは拙い恋心を叶えたいと願ってしまう。 氷の王子と呼ばれる彼から、一度でいいから、燃えるような眼差しで見つめられてみたいと。 「魅了魔法をかけました」 「……は?」 「十分ほどで解けます」 「短すぎるだろう」

貴方にはもう何も期待しません〜夫は唯の同居人〜

きんのたまご
恋愛
夫に何かを期待するから裏切られた気持ちになるの。 もう期待しなければ裏切られる事も無い。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

処理中です...