7 / 86
第五話
しおりを挟む
その都市の最低時給そのままのアルバイトを受けた。仕事内容は駐車場から空港までの車での送迎というもの。送迎と言ってもわずか数百メートルほどの移動のため普段から車どころかそもそも外に出てすらいない自分でもできるかもと考え応募した。一回目は無視されたが二回目の応募でようやく面接の知らせが来た。自宅からの距離は歩いて15分ほどだ。
「普段から運転はしてる?」
「ウチの車は全長6メートルぐらいあるんだけどそれぐらいのサイズのに載ってたことある?」
とか結構普段からそれなりに運転経験がないと厳しいかんじの説明を受けた。まあその時点でなんとなくわかったことだが当然不採用。こういう職種には応募しても無駄だと分かった。
ホームセンターに応募した。ここは前から何度かモノを買ったことがあり、そこにはフォークリフトも置いてあったため資格をアピールすれば他の応募者に差をつけられると思った。(品出しなどが主でフォークの資格や経験必須などとはどこにも書いてなかった。)平日休日と毎日何時間でも出られることも面接で強調して話した。。最低時給で人もたりなさそうだったためここなら受かるかとも思ったが次の日には履歴書が郵送されてきた。きっと面接を終えてすぐに不採用者用の通知と同封して投函したのだろう……フォークでの実務経験がないのは伝えたが落とされたのはきっとそれだけが原因ではないのだろう、見た目が挙動不審なひきこもり犯罪者予備軍(というか存在自体が犯罪者そのもの)ニートそのものでこれはどれだけ人手不足な状況でも雇ったら絶対ダメなやつだ! その場にいたスタッフ全員が満場一致でそう判断したのだろうがこっちは精いっぱいやってこれなんだしもうどうしようもないのだった。
ここまでくるともう自分は普通のバイト……いやそれどころかどんなバイトにすら永遠に受かる日は来ないのではないのだろうかと割と本気で思えてきていた。だったらというかどうせ落ちるならタダでは落ちたくない! 職種とかどうでも良いからもう落ちる前提で落ちても何か得られるバイトはないのだろうかと考えるようになっていた。そんなときにタウンワークを読んでいるとちょうどそれがあった!
自宅から歩いて10分ほどの距離のビルにあるオフィス……どこにでもあるような事務作業の募集。しかしほかと違うのはそこが交通費代わりに面接者全員にクオカード1000円分を支給するというものだ。これなら落ちても1000円もらえる、そう考えると得しかないないじゃないか! さっそくウェブ応募するとすぐに面接の電話がかかってきた。基本ワードやエクセルを使って作業する事務職らしいので男は面接の前にお断りとか食らいそうな気もしていたもののその心配はすぐ消えた。面接の日は本当は歩いて10分ほどで交通費なんて本来は全く必要がないのだけれどそれを正直に伝えるとクオカードがもらえなくなるかもしれないため近くのバス停を通るようにわざとちょっとだけ回り道をして行った。面接では一応ある程度のPCスキルがあるとかhtmlエディタを使って簡単なホームページを作ったことがあるとか伝えるとわりと感心された。パソコンをあまり使ったことがなさそうな年配の男性面接官だったためか全然大したことでなくてもわりとすごいことをやったように思われたらしい。しかし当然不採用、まあそれは知っていたが履歴書を郵送してこない会社のためわざわざ後日再度オフィスにお邪魔して返してもらいに行く羽目になった。
「名に一度も働いてないくせに現金じゃないとはいえクオカードもらってんのよお仕置きよ!」
ビリリリリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
こんな生活がいつまで続くのだろうか……?
「普段から運転はしてる?」
「ウチの車は全長6メートルぐらいあるんだけどそれぐらいのサイズのに載ってたことある?」
とか結構普段からそれなりに運転経験がないと厳しいかんじの説明を受けた。まあその時点でなんとなくわかったことだが当然不採用。こういう職種には応募しても無駄だと分かった。
ホームセンターに応募した。ここは前から何度かモノを買ったことがあり、そこにはフォークリフトも置いてあったため資格をアピールすれば他の応募者に差をつけられると思った。(品出しなどが主でフォークの資格や経験必須などとはどこにも書いてなかった。)平日休日と毎日何時間でも出られることも面接で強調して話した。。最低時給で人もたりなさそうだったためここなら受かるかとも思ったが次の日には履歴書が郵送されてきた。きっと面接を終えてすぐに不採用者用の通知と同封して投函したのだろう……フォークでの実務経験がないのは伝えたが落とされたのはきっとそれだけが原因ではないのだろう、見た目が挙動不審なひきこもり犯罪者予備軍(というか存在自体が犯罪者そのもの)ニートそのものでこれはどれだけ人手不足な状況でも雇ったら絶対ダメなやつだ! その場にいたスタッフ全員が満場一致でそう判断したのだろうがこっちは精いっぱいやってこれなんだしもうどうしようもないのだった。
ここまでくるともう自分は普通のバイト……いやそれどころかどんなバイトにすら永遠に受かる日は来ないのではないのだろうかと割と本気で思えてきていた。だったらというかどうせ落ちるならタダでは落ちたくない! 職種とかどうでも良いからもう落ちる前提で落ちても何か得られるバイトはないのだろうかと考えるようになっていた。そんなときにタウンワークを読んでいるとちょうどそれがあった!
自宅から歩いて10分ほどの距離のビルにあるオフィス……どこにでもあるような事務作業の募集。しかしほかと違うのはそこが交通費代わりに面接者全員にクオカード1000円分を支給するというものだ。これなら落ちても1000円もらえる、そう考えると得しかないないじゃないか! さっそくウェブ応募するとすぐに面接の電話がかかってきた。基本ワードやエクセルを使って作業する事務職らしいので男は面接の前にお断りとか食らいそうな気もしていたもののその心配はすぐ消えた。面接の日は本当は歩いて10分ほどで交通費なんて本来は全く必要がないのだけれどそれを正直に伝えるとクオカードがもらえなくなるかもしれないため近くのバス停を通るようにわざとちょっとだけ回り道をして行った。面接では一応ある程度のPCスキルがあるとかhtmlエディタを使って簡単なホームページを作ったことがあるとか伝えるとわりと感心された。パソコンをあまり使ったことがなさそうな年配の男性面接官だったためか全然大したことでなくてもわりとすごいことをやったように思われたらしい。しかし当然不採用、まあそれは知っていたが履歴書を郵送してこない会社のためわざわざ後日再度オフィスにお邪魔して返してもらいに行く羽目になった。
「名に一度も働いてないくせに現金じゃないとはいえクオカードもらってんのよお仕置きよ!」
ビリリリリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!
「うぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
こんな生活がいつまで続くのだろうか……?
1
お気に入りに追加
163
あなたにおすすめの小説
すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした
珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。
色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。
バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。
※全4話。
許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?
珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。
それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。
※全3話。
裏切りの代償~嗤った幼馴染と浮気をした元婚約者はやがて~
柚木ゆず
恋愛
※6月10日、リュシー編が完結いたしました。明日11日よりフィリップ編の後編を、後編完結後はフィリップの父(侯爵家当主)のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
婚約者のフィリップ様はわたしの幼馴染・ナタリーと浮気をしていて、ナタリーと結婚をしたいから婚約を解消しろと言い出した。
こんなことを平然と口にできる人に、未練なんてない。なので即座に受け入れ、私達の関係はこうして終わりを告げた。
「わたくしはこの方と幸せになって、貴方とは正反対の人生を過ごすわ。……フィリップ様、まいりましょう」
そうしてナタリーは幸せそうに去ったのだけれど、それは無理だと思うわ。
だって、浮気をする人はいずれまた――
その断罪、三ヶ月後じゃダメですか?
荒瀬ヤヒロ
恋愛
ダメですか。
突然覚えのない罪をなすりつけられたアレクサンドルは兄と弟ともに深い溜め息を吐く。
「あと、三ヶ月だったのに…」
*「小説家になろう」にも掲載しています。
今日で婚約者の事を嫌いになります!ハイなりました!
キムラましゅろう
恋愛
うっうっうっ…もう頑張れないっ、もう嫌。
こんな思いをするくらいなら、彼を恋する気持ちなんて捨ててしまいたい!
もう嫌いになってしまいたい。
そうね、好きでいて辛いなら嫌いになればいいのよ!
婚約者の浮気(?)現場(?)を見てしまったアリス。
学園入学後から距離を感じる婚約者を追いかける事にちょっぴり疲れを感じたアリスは、彼への恋心を捨て自由に生きてやる!と決意する。
だけど結局は婚約者リュートの掌の上でゴロゴーロしているだけのような気が……しないでもない、そんなポンコツアリスの物語。
いつもながらに誤字脱字祭りになると予想されます。
お覚悟の上、お読み頂けますと幸いです。
完全ご都合展開、ノーリアリティノークオリティなお話です。
博愛主義の精神でお読みくださいませ。
小説家になろうさんにも投稿します。
平凡令嬢は婚約者を完璧な妹に譲ることにした
カレイ
恋愛
「平凡なお前ではなくカレンが姉だったらどんなに良かったか」
それが両親の口癖でした。
ええ、ええ、確かに私は容姿も学力も裁縫もダンスも全て人並み程度のただの凡人です。体は弱いが何でも器用にこなす美しい妹と比べるとその差は歴然。
ただ少しばかり先に生まれただけなのに、王太子の婚約者にもなってしまうし。彼も妹の方が良かったといつも嘆いております。
ですから私決めました!
王太子の婚約者という席を妹に譲ることを。
もう我慢する気はないので出て行きます〜陰から私が国を支えていた事実を彼らは知らない〜
おしゃれスナイプ
恋愛
公爵令嬢として生を受けたセフィリア・アインベルクは己の前世の記憶を持った稀有な存在であった。
それは『精霊姫』と呼ばれた前世の記憶。
精霊と意思疎通の出来る唯一の存在であったが故に、かつての私は精霊の力を借りて国を加護する役目を負っていた。
だからこそ、人知れず私は精霊の力を借りて今生も『精霊姫』としての役目を果たしていたのだが————
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる