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第二話

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 その次に応募したのはリサイクル工場だった。アルバイトではなく正社員の募集である、これもアルバイトじゃないないか! と言われればそうだが一応それについての理由も最後に書こうと思う。漫画や新聞や衣類や缶や瓶などのリサイクル品を回収するドライバーと重機などを工場内で操作して作業をする二つがあったのだが応募したのは後者だった。そこの応募資格はフォークリフトやバックホーやトラクターショベル、ショベルローダー等の重機などの作業資格を一つでも所持していることであった。自分は以前フォークリフトやショベルローダー等の資格を意味もなく取得していたこともあったため応募したらすぐにメールで面接日程の案内がきた。工場は近くに二つ、後から聞いた話なのだがさらにもう一つありいずれも10分ちょっと歩けば通える距離である。しかしグーグルマップというパソコンで扱える地図アプリのようなものの言う通りにいかなかったのがまずかったのか結構時間ギリギリになってしまい危うく遅れてしまうところだった。が、なんとか走って時間ギリギリで息を切らしながら到着して、そのまま面接を受け始めることにした。面接でははじめに給料について--試用期間から月給27万スタートでボーナスは年に3回、年収は一年目で390万ほどになるのだとか土曜の休みは隔週だとか、残業は1時間ほどあるとかそういうことを説明され、逆に面接官からは
「副業はしてないか、する予定がないか?」
とか
「体力はあるか?」
といった質問を受けた。もちろんずっと城の中でニート状態だったため正直に
「全く自信はありません!」
と答えそうになったがさすがにそれはまずいのはわかっていたため一応以前スポーツ(剣術や馬術など)をやっていたからあると答えたが明らかに嘘を言っているという感じはぬぐえなかっただろう。合否は一週間ほどで郵送、不採用の場合は履歴書を返してもらうということだったが結果はこの時点で明らかだった。そのときはまーそうだろうなーみたいな感覚であったが自宅から近いというのは魅力でありその後も何度も募集が出るたびに応募を繰り返した、正社員だけでなくバイトの募集もあったが
どれも落とされ続けた。というかそれからは応募しても不採用の返信すらしてこなかったのである。応募がちゃんとされていたのか確認の電話をしたら
「一度不採用にしたんだから何度も応募してくるな迷惑だ!」
といった態度を取られて切られてしまった。

「なぜグーグルマップ通りにいかなかったのですか、文明の利器を信じなさい!!」
ビビビビリビリビリィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

「うぐぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

俺はこれを何回受けることになるのだろうか……?

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