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第十一話
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私は以前勤めていた会社の社長の息子と結婚しました。結婚後まもなく妊娠したので、私は会社を退職して出産のために実家に戻りました。
ところが一ヵ月ほど経ったある日のこと、私はお腹に痛みを感じ始めました。今まで経験したことの無い激しい痛みでした。私はすぐに産婦人科に行きました。診察の結果、陣痛だということがわかりました。
そしてその日の夜遅く、私は分娩室に入っていきました。しかし、なかなか産まれません。予定日よりも一週間以上早かったせいかもしれません。
私は必死になって赤ちゃんを産み出そうとしました。するとその時、看護婦さんの叫び声が聞こえてきました。
「だめよ! あなたは死んでいるのよ!」
「え?」
驚いて顔をあげるとそこには白い服を着た女の顔がありました。その女の顔を見た瞬間、私は悲鳴をあげてしまいました。
「キャーッ!!」
しかしその女の顔をよく見ると、それは死んだはずの母だったのです。妻は私を見つめながら微笑んでいました。
「どうして……」
私は言葉を失ってしまいました。するとまた母の口元が動きました。
「ありがとう」
そう言ったように見えた瞬間、母の姿は消えていきました。
こうして私は無事女の子を出産することができました。名前は『美優』と名付けました。今はとても可愛い娘です。でもなぜか生まれたばかりの頃の写真を見ると、どこか生気がないというか、生きている人間とは思えない表情をしているのです。不思議ですね……。
ちなみにこの子が生まれた後、私はしばらくの間入院生活を続けなければなりませんでした。そして退院した後もしばらくは体調がよくなかったのです。でもそれが一体なぜなのかは今もわかっていません。
ところが一ヵ月ほど経ったある日のこと、私はお腹に痛みを感じ始めました。今まで経験したことの無い激しい痛みでした。私はすぐに産婦人科に行きました。診察の結果、陣痛だということがわかりました。
そしてその日の夜遅く、私は分娩室に入っていきました。しかし、なかなか産まれません。予定日よりも一週間以上早かったせいかもしれません。
私は必死になって赤ちゃんを産み出そうとしました。するとその時、看護婦さんの叫び声が聞こえてきました。
「だめよ! あなたは死んでいるのよ!」
「え?」
驚いて顔をあげるとそこには白い服を着た女の顔がありました。その女の顔を見た瞬間、私は悲鳴をあげてしまいました。
「キャーッ!!」
しかしその女の顔をよく見ると、それは死んだはずの母だったのです。妻は私を見つめながら微笑んでいました。
「どうして……」
私は言葉を失ってしまいました。するとまた母の口元が動きました。
「ありがとう」
そう言ったように見えた瞬間、母の姿は消えていきました。
こうして私は無事女の子を出産することができました。名前は『美優』と名付けました。今はとても可愛い娘です。でもなぜか生まれたばかりの頃の写真を見ると、どこか生気がないというか、生きている人間とは思えない表情をしているのです。不思議ですね……。
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