77 / 78
第七十五話
しおりを挟む
教育史の先生が夏休みの宿題を出しますと授業の時に言い出しました。
歴史的建物を旅行して回って写真とレポートを提出するというのが宿題でした。
授業のあと先輩に話を聞いてみると、その先生は毎年その宿題を出すそうです。
女子大生に学生の間に、旅行をさせるのが目的で、学生のためにと思って考えた宿題だそうでした。
しかし、旅行をするお金がない学生がいることなど、全然考えてはいないようでした。
夏休みに郷里に戻る途中、寄り道をして旅行すればなんとか安く済むと思いました。
しかし、それでもホテル代と食事代くらいは余計にかかってしまいます。
いろいろ考えて結局、アルバイトを探すことにしました。
大学の生協でアルバイトニュースを買ってから、ワープロの募集を調べてみました。
たくさん募集があってどこにしていいのかわかりませんでしたが、大学の近くなら便利だと思いよさそうな所を選びました。
大学の公衆電話で電話してみると事務の女の子らしい声で、履歴書をもって面接に来て下さいと言われました。
翌日に授業が終わってから、地図をたよりに場所をさがすと、小さなビルの郵便受けに出版社の名前を見つけました。
中に入って見ると、マンションの一室くらいの部屋に、原稿やなにやらた山のように積み上げたテーブルが部屋一杯に並んでいました。
部屋の隅の小さな応接セットに案内されると、責任者らしい男性が私の応対をしました。
男は自分が編集長だと言っていましたが、なにやらうさんくさそうな雰囲気でした。
履歴書をちらっと見ましたが、見たのは履歴書の表だけで裏に書いてある、資格の欄とかは見もしませんでした。
「じゃ、これからやって下さい」といきなり言われて私はびっくりしました。
「上着はその辺のロッカーにいれてくれればいいから」と言われて、私はローカーの空いている所を探しました。
すると女子高生のセーラー服が架けてあるのが見えました。
アルバイトの女の子に高校生でもいるのかしらと思いました。
席に着くと、隣の女性を紹介されました。
編集の手伝いをしていて、記事を書いたりしているそうでした。
将来は、ルポライターを目指していると編集長が話してくれました。
「内は実力主義だから、いい記事が書ける人にはどんどん書いてもらうからね。君もチャンスがあれば将来はライターになるのも夢じゃないからね」と編集長に言われました。
私でももしかして、将来はライターになれるのかと思い、夢がふくらんできました。
しばらくすると読者アンケートを集計してくれと言われて、投稿の手紙の束を渡されました。
読んでみると、痴漢体験の告白投稿でした。
一番過激なのを体験手記として載せるから選んでくれと言われて私はそれらしいのを選びました。
しかし、これじゃ記事にならないから私が記事にできるような痴漢体験を書けと言われました。
私はしかたなく高校の時の痴漢の出来事を書いてもっていくと、こんなんじゃ記事にならないだろうとしかられました。
私はそんなすごい痴漢にあってないので体験してないことは書けませんと断りました。
するとこれから一緒に映画館にこいと言われました。
入り口には上映中の映画の大きな看板がでていました。
映画館の中にはいると、映画は上映中でスクリーンが明るく見えました。
編集長と並んで席に着くと、私は変な映画だったら困るなと心配になりました。
映画の場面は、戦場のようで普通の映画らしいので安心しました。
銃撃戦の音が響くなかで、私のすぐ近くの通路を女子高生らしい女の子が通りました。
女子校生は席をさがしているようすでしたが、空いている席はいっぱいあるのに、通路を何度か往復していました。
それから通路の一番後ろまで行くと、席の後ろに立って立ち見をする様子でした。
私は席がいっぱい空いているのにどうしてなのかしらと不思議に思いました。
私の様子を見て「ここは痴漢の名所でね」と編集長が私の耳元でささやくように言いました。
「後ろで立ち見をすれば必ず痴漢にあうんだ、だから痴漢に会いたい女がああやって後ろに立ち見するってわけさ」と話が続きます。
私はそんな馬鹿な事はあるはずがないと思いました。
しかしもう一度後ろを振り返って見ると、女子高生のすぐ後ろには両脇から中年の男性が寄り添うように近づいて、なにか様子が変でした。
女子高生のスカートが後ろからめくられて、胸にも手が押し当てられているのが見えました。
私はやっぱり本当なんだとびっくりして前を向き直りました。
「映画が終わったら、近くのマクドナルドのトイレでフェ××オさせるのがいつものコースなんだぜ」と編集長が言います。
私は今度ばかりは私をからかって作り話をしているに違いないと思いました。
映画が終わると、場内が明るくなり私達は席を立ちました。
立ち見をしていた女子高生はもうどこに行ったのか見あたりませんでした。
映画館を出てから「ちょっとお茶飲んで行こう」と編集長が言いました。
私も、映画館に座っていてすこし疲れたので出版社に帰るまえにお茶くらいはいいと思いました。
角をまがると、すぐにマクドナルドがありました。
そういえばさっき編集長がマクドナルドでどうのこうのと言っていたのを思い出しました。
入り口を入ろうとするとすぐ目の前のガラス越しに女子高生がスカートの股を広げて座っているのが目にはいりびっくりしました。
女子高生の両脇には中年の男が座り女子高生の胸や腿のあたりに手を伸ばしていました。
さっきの映画館の女子高生でした。
私達はカウンターでコーヒーを飲むと、奥の席に座りました。
「どうだ言った通りだろう、このあとは、トイレにつれて行かれてフェ××オってわけだ」と編集長に言われて私はやっぱりそうなのかしらと思いました。
「あの女は、男を漁るためにああやってセーラー服来て映画館に来るんだ。おとなしそうな顔してるが、本当はドスケベ女さ」と聞かされて本当にびっくりしました。
コーヒーを飲み終わって帰ろうとすると女子高生がトイレに立つのが見えました。
すこし遅れてさっきの中年の男が二人後を付けるようにしてトイレに入っていきました。
私はやっぱり編集長の話はとても信じられないけれど本当だったのだとわかりました。
出版社に戻ると編集長に言われてさっきの女子高生の事を体験記事にまとめました。
もっと具体的に何をされたのか書かないとだめだと何度も書き直しをさせられました。
トイレのなかでフェ××オをした場面は見たわけでもないのでどう書いていいのか分かりませんでした。
原稿を書きながらいろいろ想像するとそれだけで体が熱くなってきました。
編集長に「書けましたから見て下さい」と言って記事を見せると、ちらっと見ただけで「これじゃだめだから、書き直しだ」と言われました。
私はどこを直していいのか分からずに何度か書き直してみましたが、そのたびにこんな記事は使えないと突っ返されました。
私は「いったいどこをどう直せばいいんですか」と半分泣きだしそうになりながら聞くと、もっと「自分で実際に体験したような書くんだ、それが体験手記なんだ」と言われました。
私はそれでも「じゃあ、体験したような書き方はどう書けばいいんですか」としつこく食い下がりました。
すると「だから、実際に取材して書けといってるだろう、もう一度映画館で取材して来い」と言われました。
映画館で自分からわざと痴漢にあってその体験を書けということだとやっと気が付いて私は涙がこみ上げてきました。
しかし編集長はまったく知らん顔をしていました。
私はともかく記事を書かないと行けないと思いながら、もう一度映画館に行くことにしました。
さっきのマクドナルドの前を通りかかると、もしかしたらさっきの女子高生がまだその辺にいるかもしれないと思いつきました。
もし都合よく女子高生を見つけられて取材できれば、自分で体験しなくてももっといい記事が書けるに違いないと思いました。
カウンターでコーヒーを頼んで、客席を丹念にさがすと、隅のほうで見覚えのあるセーラー服を見つけました。
さっきの女子高生に間違いありませんでした。
私はおそるおそる近づくと「こんにちは」とひとまず声をかけました。
女子高生は誰か知り合いにでも声をかけられたのかと思ったのか気軽な笑顔で答えてくれました。
私はどうきりだして良いのか分からずに「さっき映画館で映画みてませんでしたか」と聞いてみました。
すると「見てたけど」と相変わらず明るい顔で返事が返ってきました。
「こんなこと聞いたら失礼かもしれませんけど、痴漢に会いませんでしたか」とまたおそるおそる聞いてみました。
すると「あ見てたの、アルバイトなのよこれ」と返事が返ってきました。
アルバイトとの言葉にびっくりしていると「痴漢プレーのアルバイトでね、ここで携帯から連絡が来るのを待ってね、そんで客がきたら、映画館にいって、痴漢の相手をするってわけ、あなたもやりたいんでしょう、楽なアルバイトだし金にもなるから」と私が聞きもしないのに話を聞かせてくれました。
私はこれは絶対すごい記事が書けると、胸が躍りました。
「やりたいんなら紹介してあげるから」と女子高生に言われて私は
「お金欲しいんです私、是非お願いします」と頼みました。
すると女子高生は携帯でどこかと話をすると「すぐ近くだからこれから行ってね、」と私に言いました。
女子高生の言った事務所はマクドナルドのすぐ裏でした。
私はこれですごい記事を書けて私もルポライターでデビューできると半分うきうきしながら事務所まで行きました。
階段を上がってドアを開けると、中には数人の男の人がたむろしていました。
「さっき電話があった娘かな、仕事やりたいんだって、」と声をかけてきました。
私が「そうです」と返事をすると「じゃあこれに着替えて」とさっきの女子高生と同じセーラー服を渡されました。
どこで着替えたらいいのか分からずにセーラー服をもったままとまどった様子でいると「どっかトイレででも着替えてくれるかな」と言ってくれたので早速トイレで着替えました。
トイレから出ようとすると「最初の客は俺達だからな、分かってるだろうな」と脅すような口調で私の前に男が二人だちはだかりました。
私の手を取ると、半分引きずるようにして私のお尻に手を回してきました。
これはとんでもないことになると思い私は慌てて男の手を振り払いトイレに駆け込んで中から鍵をかけました。
男はトイレのドアを何度も叩きながら大きな声をだして私を脅しましたが私はトイレにしゃがみこんでいました。
しかししばらくして物音もしなくなりました。
私はいったいどうしようと思いましたが、編集長に携帯で電話して助けに来てもらうしかないと思いました。
携帯にでたのは編集の由香利さんでした。
私は誰でもいいからと思って「今すぐ来て下さい」と頼みました。
私はトイレで心臓が止まりそうになりながら、必死で由香利さんが来てくれるのを待ちました。
しばらくして、ドアが開いて誰か来たようで女性の話声が聞こえました。
私はやっと由香利さんが助けにきてくれたのだとほっとしました。
話がすこし続いてから、ドアの外で「もう大丈夫だから出てきていいわよ」と由香利さんの声がしました。
私はようやく安心してトイレから出ました。
すると男が私を取り囲んで押さえつけてきました。
びっくりして由香利さんの方を見ると「この娘生意気だから、体に思い知らせてやって、そのくらいしないと分からないから」と冷たい口調で言いました。
私はその途端に体中が凍り付いて震えてきました。
すると男の一人が「生意気なのはお前のほうだ、最初はお前からだ」と言って、由香利さんを押し倒しました。
由香利さんは「なにするのよ」と悲鳴をあげました。
最後の望みも奪われた由香利さんは奈落の底まで落とされ続けました。
由香利さんが至福への階段を上がりきると、今度は私が欲望を受け止める番が回ってきました。
男は私の腰を引きつけて力任せに攻め始めました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなりました。
意志を失った人形の体を女の宿命が支配し続けました。
空高くまで飛ばされた私の身体は、燃え尽きるまで宙をさまよい続けました。
心を失って震え続ける私の身体に、男は征服者の杭を誇らしげに打ち込み続けました。
歴史的建物を旅行して回って写真とレポートを提出するというのが宿題でした。
授業のあと先輩に話を聞いてみると、その先生は毎年その宿題を出すそうです。
女子大生に学生の間に、旅行をさせるのが目的で、学生のためにと思って考えた宿題だそうでした。
しかし、旅行をするお金がない学生がいることなど、全然考えてはいないようでした。
夏休みに郷里に戻る途中、寄り道をして旅行すればなんとか安く済むと思いました。
しかし、それでもホテル代と食事代くらいは余計にかかってしまいます。
いろいろ考えて結局、アルバイトを探すことにしました。
大学の生協でアルバイトニュースを買ってから、ワープロの募集を調べてみました。
たくさん募集があってどこにしていいのかわかりませんでしたが、大学の近くなら便利だと思いよさそうな所を選びました。
大学の公衆電話で電話してみると事務の女の子らしい声で、履歴書をもって面接に来て下さいと言われました。
翌日に授業が終わってから、地図をたよりに場所をさがすと、小さなビルの郵便受けに出版社の名前を見つけました。
中に入って見ると、マンションの一室くらいの部屋に、原稿やなにやらた山のように積み上げたテーブルが部屋一杯に並んでいました。
部屋の隅の小さな応接セットに案内されると、責任者らしい男性が私の応対をしました。
男は自分が編集長だと言っていましたが、なにやらうさんくさそうな雰囲気でした。
履歴書をちらっと見ましたが、見たのは履歴書の表だけで裏に書いてある、資格の欄とかは見もしませんでした。
「じゃ、これからやって下さい」といきなり言われて私はびっくりしました。
「上着はその辺のロッカーにいれてくれればいいから」と言われて、私はローカーの空いている所を探しました。
すると女子高生のセーラー服が架けてあるのが見えました。
アルバイトの女の子に高校生でもいるのかしらと思いました。
席に着くと、隣の女性を紹介されました。
編集の手伝いをしていて、記事を書いたりしているそうでした。
将来は、ルポライターを目指していると編集長が話してくれました。
「内は実力主義だから、いい記事が書ける人にはどんどん書いてもらうからね。君もチャンスがあれば将来はライターになるのも夢じゃないからね」と編集長に言われました。
私でももしかして、将来はライターになれるのかと思い、夢がふくらんできました。
しばらくすると読者アンケートを集計してくれと言われて、投稿の手紙の束を渡されました。
読んでみると、痴漢体験の告白投稿でした。
一番過激なのを体験手記として載せるから選んでくれと言われて私はそれらしいのを選びました。
しかし、これじゃ記事にならないから私が記事にできるような痴漢体験を書けと言われました。
私はしかたなく高校の時の痴漢の出来事を書いてもっていくと、こんなんじゃ記事にならないだろうとしかられました。
私はそんなすごい痴漢にあってないので体験してないことは書けませんと断りました。
するとこれから一緒に映画館にこいと言われました。
入り口には上映中の映画の大きな看板がでていました。
映画館の中にはいると、映画は上映中でスクリーンが明るく見えました。
編集長と並んで席に着くと、私は変な映画だったら困るなと心配になりました。
映画の場面は、戦場のようで普通の映画らしいので安心しました。
銃撃戦の音が響くなかで、私のすぐ近くの通路を女子高生らしい女の子が通りました。
女子校生は席をさがしているようすでしたが、空いている席はいっぱいあるのに、通路を何度か往復していました。
それから通路の一番後ろまで行くと、席の後ろに立って立ち見をする様子でした。
私は席がいっぱい空いているのにどうしてなのかしらと不思議に思いました。
私の様子を見て「ここは痴漢の名所でね」と編集長が私の耳元でささやくように言いました。
「後ろで立ち見をすれば必ず痴漢にあうんだ、だから痴漢に会いたい女がああやって後ろに立ち見するってわけさ」と話が続きます。
私はそんな馬鹿な事はあるはずがないと思いました。
しかしもう一度後ろを振り返って見ると、女子高生のすぐ後ろには両脇から中年の男性が寄り添うように近づいて、なにか様子が変でした。
女子高生のスカートが後ろからめくられて、胸にも手が押し当てられているのが見えました。
私はやっぱり本当なんだとびっくりして前を向き直りました。
「映画が終わったら、近くのマクドナルドのトイレでフェ××オさせるのがいつものコースなんだぜ」と編集長が言います。
私は今度ばかりは私をからかって作り話をしているに違いないと思いました。
映画が終わると、場内が明るくなり私達は席を立ちました。
立ち見をしていた女子高生はもうどこに行ったのか見あたりませんでした。
映画館を出てから「ちょっとお茶飲んで行こう」と編集長が言いました。
私も、映画館に座っていてすこし疲れたので出版社に帰るまえにお茶くらいはいいと思いました。
角をまがると、すぐにマクドナルドがありました。
そういえばさっき編集長がマクドナルドでどうのこうのと言っていたのを思い出しました。
入り口を入ろうとするとすぐ目の前のガラス越しに女子高生がスカートの股を広げて座っているのが目にはいりびっくりしました。
女子高生の両脇には中年の男が座り女子高生の胸や腿のあたりに手を伸ばしていました。
さっきの映画館の女子高生でした。
私達はカウンターでコーヒーを飲むと、奥の席に座りました。
「どうだ言った通りだろう、このあとは、トイレにつれて行かれてフェ××オってわけだ」と編集長に言われて私はやっぱりそうなのかしらと思いました。
「あの女は、男を漁るためにああやってセーラー服来て映画館に来るんだ。おとなしそうな顔してるが、本当はドスケベ女さ」と聞かされて本当にびっくりしました。
コーヒーを飲み終わって帰ろうとすると女子高生がトイレに立つのが見えました。
すこし遅れてさっきの中年の男が二人後を付けるようにしてトイレに入っていきました。
私はやっぱり編集長の話はとても信じられないけれど本当だったのだとわかりました。
出版社に戻ると編集長に言われてさっきの女子高生の事を体験記事にまとめました。
もっと具体的に何をされたのか書かないとだめだと何度も書き直しをさせられました。
トイレのなかでフェ××オをした場面は見たわけでもないのでどう書いていいのか分かりませんでした。
原稿を書きながらいろいろ想像するとそれだけで体が熱くなってきました。
編集長に「書けましたから見て下さい」と言って記事を見せると、ちらっと見ただけで「これじゃだめだから、書き直しだ」と言われました。
私はどこを直していいのか分からずに何度か書き直してみましたが、そのたびにこんな記事は使えないと突っ返されました。
私は「いったいどこをどう直せばいいんですか」と半分泣きだしそうになりながら聞くと、もっと「自分で実際に体験したような書くんだ、それが体験手記なんだ」と言われました。
私はそれでも「じゃあ、体験したような書き方はどう書けばいいんですか」としつこく食い下がりました。
すると「だから、実際に取材して書けといってるだろう、もう一度映画館で取材して来い」と言われました。
映画館で自分からわざと痴漢にあってその体験を書けということだとやっと気が付いて私は涙がこみ上げてきました。
しかし編集長はまったく知らん顔をしていました。
私はともかく記事を書かないと行けないと思いながら、もう一度映画館に行くことにしました。
さっきのマクドナルドの前を通りかかると、もしかしたらさっきの女子高生がまだその辺にいるかもしれないと思いつきました。
もし都合よく女子高生を見つけられて取材できれば、自分で体験しなくてももっといい記事が書けるに違いないと思いました。
カウンターでコーヒーを頼んで、客席を丹念にさがすと、隅のほうで見覚えのあるセーラー服を見つけました。
さっきの女子高生に間違いありませんでした。
私はおそるおそる近づくと「こんにちは」とひとまず声をかけました。
女子高生は誰か知り合いにでも声をかけられたのかと思ったのか気軽な笑顔で答えてくれました。
私はどうきりだして良いのか分からずに「さっき映画館で映画みてませんでしたか」と聞いてみました。
すると「見てたけど」と相変わらず明るい顔で返事が返ってきました。
「こんなこと聞いたら失礼かもしれませんけど、痴漢に会いませんでしたか」とまたおそるおそる聞いてみました。
すると「あ見てたの、アルバイトなのよこれ」と返事が返ってきました。
アルバイトとの言葉にびっくりしていると「痴漢プレーのアルバイトでね、ここで携帯から連絡が来るのを待ってね、そんで客がきたら、映画館にいって、痴漢の相手をするってわけ、あなたもやりたいんでしょう、楽なアルバイトだし金にもなるから」と私が聞きもしないのに話を聞かせてくれました。
私はこれは絶対すごい記事が書けると、胸が躍りました。
「やりたいんなら紹介してあげるから」と女子高生に言われて私は
「お金欲しいんです私、是非お願いします」と頼みました。
すると女子高生は携帯でどこかと話をすると「すぐ近くだからこれから行ってね、」と私に言いました。
女子高生の言った事務所はマクドナルドのすぐ裏でした。
私はこれですごい記事を書けて私もルポライターでデビューできると半分うきうきしながら事務所まで行きました。
階段を上がってドアを開けると、中には数人の男の人がたむろしていました。
「さっき電話があった娘かな、仕事やりたいんだって、」と声をかけてきました。
私が「そうです」と返事をすると「じゃあこれに着替えて」とさっきの女子高生と同じセーラー服を渡されました。
どこで着替えたらいいのか分からずにセーラー服をもったままとまどった様子でいると「どっかトイレででも着替えてくれるかな」と言ってくれたので早速トイレで着替えました。
トイレから出ようとすると「最初の客は俺達だからな、分かってるだろうな」と脅すような口調で私の前に男が二人だちはだかりました。
私の手を取ると、半分引きずるようにして私のお尻に手を回してきました。
これはとんでもないことになると思い私は慌てて男の手を振り払いトイレに駆け込んで中から鍵をかけました。
男はトイレのドアを何度も叩きながら大きな声をだして私を脅しましたが私はトイレにしゃがみこんでいました。
しかししばらくして物音もしなくなりました。
私はいったいどうしようと思いましたが、編集長に携帯で電話して助けに来てもらうしかないと思いました。
携帯にでたのは編集の由香利さんでした。
私は誰でもいいからと思って「今すぐ来て下さい」と頼みました。
私はトイレで心臓が止まりそうになりながら、必死で由香利さんが来てくれるのを待ちました。
しばらくして、ドアが開いて誰か来たようで女性の話声が聞こえました。
私はやっと由香利さんが助けにきてくれたのだとほっとしました。
話がすこし続いてから、ドアの外で「もう大丈夫だから出てきていいわよ」と由香利さんの声がしました。
私はようやく安心してトイレから出ました。
すると男が私を取り囲んで押さえつけてきました。
びっくりして由香利さんの方を見ると「この娘生意気だから、体に思い知らせてやって、そのくらいしないと分からないから」と冷たい口調で言いました。
私はその途端に体中が凍り付いて震えてきました。
すると男の一人が「生意気なのはお前のほうだ、最初はお前からだ」と言って、由香利さんを押し倒しました。
由香利さんは「なにするのよ」と悲鳴をあげました。
最後の望みも奪われた由香利さんは奈落の底まで落とされ続けました。
由香利さんが至福への階段を上がりきると、今度は私が欲望を受け止める番が回ってきました。
男は私の腰を引きつけて力任せに攻め始めました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなりました。
意志を失った人形の体を女の宿命が支配し続けました。
空高くまで飛ばされた私の身体は、燃え尽きるまで宙をさまよい続けました。
心を失って震え続ける私の身体に、男は征服者の杭を誇らしげに打ち込み続けました。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる