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第七十三話

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 春の休みに広島まで礼子さんと一緒に二人で旅行をしました。
朝早く起きて、東京駅で待ち合わせをしました。
早朝の新幹線に乗ると、昼近くには広島につきました。
駅で軽く食事をしてから、歩いて原爆公園まで行く事にしました。
随分ながい距離を二人であるくと、小さな川があり原爆ドームが見えてきました。
観光案内の写真そのままの建物が見えてきて、ちょっとびっくりしました。
近くまでくると建物は見た感じよりも小さくて、建物の周りでは観光客が記念写真を撮っていました。
私達も二人で並んで記念写真を撮ってもらいました。
原爆ドームから、原爆公園までの道のりは桜でいっぱいで、どこもかしこもお花見の人たちでいっぱいでした。
原爆記念館は中学生や高校生の集団がたくさん来ていて見て回るのはかなり大変でした。
展示された資料はちょっと気味が悪いのであまりよく見ませんでした。
資料館をでると、公園にはさっきの学生の集団が整列して点呼をとっていました。
もう午後も遅いのでそのあとは、広島球場をすぎて縮景園まで歩きました。
縮景園を一回りしてから、ホテルに付きました。
ホテルの部屋に戻ると礼子さんがホテルの案内をいろいろ見ていました。
「マッサージが呼べるから頼みましょう」と礼子さんが言います。
私も一日歩き疲れたので、マッサージくらいしてもらったほうがいいと思いました。
電話をしてしばらくして来たのは男性のマッサージ師が二人で、いかにもマッサージ師といった大きな分厚い手をしていました。
20分ほど足や腰をもんでもらうと、マッサージ師の一人が「気持ちのよくなるマッサージがあるんですがしてみませんか」と勧めます。
しかし、値段を聞いてみるとかなり高額なので、私たちはまた今度お願いしますねと返事をしました。
すると近所に面白い店があるので遊びにいってみませんかと勧められました。
「ちょっとしたアルバイト感覚でお金ももらえるんですよ」とマッサージ師さんが勧めます。
いったいどんな店かと興味があったので話を聞いてみるとビデオがあると言います。
ビデオをテレビにかけて画面がでると、女子高生の制服をきて目隠しをされた女性が、布団の上で乱暴されていて、それを別の部屋で大勢で見物しているビデオでした。
私と礼子さんが、あきれ果てた顔でビデオを止めると「お嬢さんがた、みなさん喜んでお出になってますよ」とマッサージ師さんがいやらしい顔で笑いました。
「この間も東京からきた女子大生が、とてもいい体験ができたと、とてもお喜びでしたよ」と言葉が続きました。
それでいくらになるんですかと礼子さんが聞くと「お嬢さんなら10万円はもらえます」と返事が返ってきました。
「そんなに安いんですか」と礼子さんが言うと「10万円といったら、たいした金額じゃないですか、」と言われました。
もう結構ですからとマッサージ師さんには帰ってもらうことにしました。
レストランで食事をしていると、すぐ隣の席に若い男女が座りました。
話を聞いているとちょうど結婚式のすんだばかりの様子でした。
仕事の都合で海外のハネムーンがキャンセルになって、国内旅行になったとかで、お嫁さんは不機嫌で言い争いをしていました。
私たちが部屋に戻ると、同じエレベータに乗り合わせて、二人は私たちの隣の部屋でした。
部屋にはいると、私と礼子さんは「この先あの二人大変だね」と話しました。
やはり二人で言い争うような声がしばらく続きました。
しかし、すこし時間がたつと女性の声がなんだか変でした。
喘ぐような叫ぶような大きな声が延々と聞こえてきます。
私たちはこれはとても部屋にいられないと思い、二人で部屋をでました。
ロビーで二人で時間をつぶしていると、中年の男性二人に声をかけられました。
礼子さんが事情を話して「部屋にはいられないんです」言うと、二人は笑いながら、じゃあこれからカラオケに行こう誘われました。
私たちはそれしかないと思って、ホテルを出て近くのカラオケで時間をつぶしました。
もう大丈夫だと思って、部屋に戻ってくると、やっぱり声は続いていて終わる様子もありません。
すると男性の一人が「こうゆうときにはいい手があるんだ」と言いながらロビーに降りていきました。
戻ってきたとき男性が手にしていたのはアダルトビデオのカセットでした。
部屋のテレビにはビデオもついていて、ロビーでビデオが借りられるようになっていたました。
男性はビデオのカセットを入れるといっぱいに音量を大きくしました。
部屋の中には女性のあえぎ声がいっぱいに響いて廊下まで聞こえるくらいでした。
しばらくビデオをつけっぱなしにしてから止めると、シーンとしてもう隣の部屋からはあの変な声は聞こえてきませんでした。
「どうだ、うまくいっただろう」と男性が言うと「じゃビデオは置いて置くからあとで返しておいてね、3日レンタルしといたから」と言いながら部屋をでていきました。



 私たちは翌朝までぐっすり寝られて大助かりでした。
翌日市内見物をして夕方ホテルのレストランで食事をしていると、女子大生らしい二人組が隣の席にで食事をしていました。
話の様子では、卒業旅行で二人で記念に旅をしているようでした。
「疲れたね、マッサージ頼もうか」と二人で話しているので、私は「ここのマッサージ師さんはとてもマッサージが上手ですよ、ホント昨日はとっても気持ちよくて、」と話しかけました。
すると二人も「今日はとっても疲れたから」と返事をしてくれてしばらく話が弾みました。
「じゃあお先に」と言いながら二人は部屋に戻ったようでした。
私たちはお茶を飲みながら、明日の予定などを二人で相談しました。
もうお風呂の時間だと思って部屋に戻ると、隣の部屋からやはり、かすかに声が聞こえてきました。
昨日よりは小さい声でしたが、やはり喘ぐような声で「あそこ感じる、いいの」とか聞こえてきました。
昨日の新婚夫婦はもうホテルを出て、隣の部屋はさっきの女子大生なはずでした。
どうやら女子大生は二人そろって、マッサージを頼んだ様子でした。
私たちはビデオをまた使ってみようかと思いましたが、今度はどうも効き目がなさそうなので、あきらめて部屋をでてホテルのロビーで時間をつぶしました。
マッサージはたぶん一時間くらいだろうと思って頃合いを見計らって部屋に戻ると、部屋は静かで隣の部屋からは物音一つしませんでした。
お茶でも飲もうかと思っていると礼子さんが「あれ、これなに」とビデオのカセットを手に持ってつぶやきました。
「あ、それさっきのビデオじゃない」と私が言うと「違うの、ビデオはもうテレビに入れてあるからこれは別のみたい」と礼子さんが不思議そうな口調で言います。
確かにビデオにはレンタルビデオのようなタイトルがついていませんでした。
「中身なにもはいってないんじゃないの」と私が言うと、礼子さんがビデオを再生しようと、テレビに入れていました。
画面が写り始めると場所はホテルの部屋のようで、一瞬私達の部屋を撮したビデオかと思いました。
しかしよくよく見ると写っている女性は隣の女子大生二人でした。
私と礼子さんがびっくりし見ているとそれは、隣の部屋の女子大生が気持ちのよくなるマッサージをしてもらっている一部始終を撮影したビデオでした。
私たちは隣の女子大生の部屋にあわてて飛んでいきました。
「このビデオが部屋に置いてあったんです」と礼子さんが話すと、二人の女子大生は事情を話してくれました。
旅行の記念にビデオも撮りませんかと言われてビデオも撮ってもらったところ、そのビデオを買い取るようにお金を要求されたと言います。
女子大生が打ち明けてくれた金額はずいぶん高額でとてもすぐには払えるお金ではありませんでした。
払えないなら裏ビデオに売り飛ばすから、それがいやなら今夜ショーに出るようにと言われたそうです。
どうもそのショーというのは地元の風俗店でやっている変なショーの事の様でした。
女子大生は困り果てた様でしたが、お金をどうにか工面したらしくこれから払いに行くと言います。
一緒に来て欲しいと言われて、私たち女子大生達と一緒に出かけることにしました。
暗い夜道をしばらく歩いて裏通りのビルに入り事務所らしい部屋に行くと感じの悪い男性が応対に出ました。
「金は持ってきたんだろうな」と男に言われて女子大生は「体で払います」とあきらめきった顔で男にいいました。
こうゆうことだったのかと思いましたが、ほかにどうにもならないと思いました。
女子大生二人にどうしても一緒に来て欲しいと頼まれて私達は事務所を一緒にでました。



 通りの奧の目立たない看板のでた旅館に着くと、小さい部屋に案内されました。
部屋の奥にお布団が用意してあって、控え室らしい部屋には男女が数人座っていました。
控え室からは小部屋の方に電球が向けられていて、控え室は暗くなっていました。
女子大生が奥に姿を消すとやがて女子高生のセーラー服姿で、二人は布団の上に横になりました。
男性が二人現れましたが、間違いなくマッサージ師の男性二人でした。
さっき見たビデオと同じ光景が、目の前で繰り替えされました。
やがて女子大生の叫ぶような声が響いてショーが終わりました。
すると電気が消えて二人のマッサージ師が私たちの腕をつかみました。
「一人10万だから、のこりはあんたらに払ってもらうからね」と言われて、私たちはようやくどうして、私たちが連れてこられたのかわかりました。
腕をねじ上げられ、私たちは布団の上に押し倒されました。
熱く煮えたぎった欲望を前にして、私の心は逆らう気力を失いました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
支配者に従順に従うことだけが、私に許された快感だと心の底から思えてきました。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされました。
信じられない感触が私の体中に広がると許しを請うことさえできなくなりました。
いつまで続くともわからない時間が私の心の中で凍り付いていました。
このままずっと続くのなら、私の体は暴君に従うしかないと覚悟しました。
支配者の剣は私の体を責め続けると、ようやく最後の一撃で私を打ち砕きました。
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