14 / 20
第十四話
しおりを挟む
アルバイトでお金も入ったので、春の休みに郷里に帰る途中、寄り道してあちこちを旅行することにしました。
新幹線で名古屋で下車すると名古屋城や明治村を見て歩き、岡山でも途中下車して、いろいろ見て歩きました。
倉敷にも足を延ばして、川の両側に立ち並ぶ白い倉の屋敷を見て回りました。
修学旅行の中学生の一団も来ていて、とても騒がしい雰囲気でした。
それから、大原美術館にも行きました。
友達からは随分と素敵な美術館だと話を聞いていたのですが、思ったより建物は小さくて、展示してある絵もあまり多くはありませんでした。
印象派の有名な絵がいろいろとあって、ルオーの小さな絵がたくさんありました。
予定より遅れてしまったのでホテルに帰る頃にはもうあたりが薄暗くなっていました。
ホテルのレストランで食事をしたあと、部屋に戻ってお風呂に入りました。
ぬるめのお湯につかって、のんびりしているとようやく気分が楽になりました。
浴衣に着替えてベッドに横になりましたが歩きすぎたせいか、足から腿のあたりが痛くてなかなか疲れがとれませんでした。
テレビを見ようと思ってテーブルの案内をよむと、ホテルのサービスでマッサージが呼べると書いてありました。
これはちょうどいいと思い、なにも考えずに電話でマッサージを呼びました。
しばらくしてドアをノックする音がありドアの外で男性の低い声がしました。
ドアを開けると白衣を着た中年の男性が立っていました。
体格はかなりよくて、骨太で肉厚でいかにも精力的な感じの男性でした。
私は部屋に入ってもらうと、ひとまずお茶を入れて出しました。
マッサージ師の手はとても指が太く、手のひらも厚くていかにもマッサージが上手そうな手でした。
マッサージ師はお茶を飲み終わると「どこがこってますかと」私に低い声で聞きました。
その声は聞いただけで体が震えてきそうなほど男性的な響きで私の耳に届きました。
「今日は歩きすぎたので」と私が途中まで言うと「ではうつぶせになってください」と耳元で言われました。
私はベッドにうつ伏せに寝てマッサージ師を待ちました。
マッサージ師の太い指がゆっくりと私のふくらはぎを揉み始めました。
ゆっくりとした指の動きはなんども繰り返し私のふくらはぎから腿のあたりを揉むと今度は肩から背中を揉んでくれました。
マッサージが終わるとマッサージ師に「この部屋はベランダにでられるんですよ」と教えられました。
夜景がとってもきれいですからとマッサージ師はベランダの戸を開けてくれました。
私はマッサージ師のあとについてベランダにでました。
ベランダの下はすぐホテルの中庭になっていて、そのむこうは一面のネオンの輝く夜景でした。
私が思わず景色に見とれているとマッサージ師は私を後ろから抱きしめてきました。
私の身体を襲う欲望は、嵐のような激しさでした。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなりました。
子宮からあふれる潮の流れがつま先から頭のてっぺんまでを奔流となって走り抜けていきました。
空高く飛ばされた私の身体は、最後の瞬間を望んで宙をさまよい続けました。
マッサージ師は私の身体を一撃で貫き通すと、最後の砦を打ち破って果てました。
新幹線で名古屋で下車すると名古屋城や明治村を見て歩き、岡山でも途中下車して、いろいろ見て歩きました。
倉敷にも足を延ばして、川の両側に立ち並ぶ白い倉の屋敷を見て回りました。
修学旅行の中学生の一団も来ていて、とても騒がしい雰囲気でした。
それから、大原美術館にも行きました。
友達からは随分と素敵な美術館だと話を聞いていたのですが、思ったより建物は小さくて、展示してある絵もあまり多くはありませんでした。
印象派の有名な絵がいろいろとあって、ルオーの小さな絵がたくさんありました。
予定より遅れてしまったのでホテルに帰る頃にはもうあたりが薄暗くなっていました。
ホテルのレストランで食事をしたあと、部屋に戻ってお風呂に入りました。
ぬるめのお湯につかって、のんびりしているとようやく気分が楽になりました。
浴衣に着替えてベッドに横になりましたが歩きすぎたせいか、足から腿のあたりが痛くてなかなか疲れがとれませんでした。
テレビを見ようと思ってテーブルの案内をよむと、ホテルのサービスでマッサージが呼べると書いてありました。
これはちょうどいいと思い、なにも考えずに電話でマッサージを呼びました。
しばらくしてドアをノックする音がありドアの外で男性の低い声がしました。
ドアを開けると白衣を着た中年の男性が立っていました。
体格はかなりよくて、骨太で肉厚でいかにも精力的な感じの男性でした。
私は部屋に入ってもらうと、ひとまずお茶を入れて出しました。
マッサージ師の手はとても指が太く、手のひらも厚くていかにもマッサージが上手そうな手でした。
マッサージ師はお茶を飲み終わると「どこがこってますかと」私に低い声で聞きました。
その声は聞いただけで体が震えてきそうなほど男性的な響きで私の耳に届きました。
「今日は歩きすぎたので」と私が途中まで言うと「ではうつぶせになってください」と耳元で言われました。
私はベッドにうつ伏せに寝てマッサージ師を待ちました。
マッサージ師の太い指がゆっくりと私のふくらはぎを揉み始めました。
ゆっくりとした指の動きはなんども繰り返し私のふくらはぎから腿のあたりを揉むと今度は肩から背中を揉んでくれました。
マッサージが終わるとマッサージ師に「この部屋はベランダにでられるんですよ」と教えられました。
夜景がとってもきれいですからとマッサージ師はベランダの戸を開けてくれました。
私はマッサージ師のあとについてベランダにでました。
ベランダの下はすぐホテルの中庭になっていて、そのむこうは一面のネオンの輝く夜景でした。
私が思わず景色に見とれているとマッサージ師は私を後ろから抱きしめてきました。
私の身体を襲う欲望は、嵐のような激しさでした。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなりました。
子宮からあふれる潮の流れがつま先から頭のてっぺんまでを奔流となって走り抜けていきました。
空高く飛ばされた私の身体は、最後の瞬間を望んで宙をさまよい続けました。
マッサージ師は私の身体を一撃で貫き通すと、最後の砦を打ち破って果てました。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる