偶像は堕ちていく

asami

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第十二話

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 新曲の録音が終わった後に海外でPVの撮影をする事になった。
場所はタイのプーケット島だ。
プーケット島にはまだ一度も行ったことが無いので、話を聞いたときは嬉しくて飛び上がった。
出発の当日は現地は暑いと言う話なので、みんなショートパンツにタンクトップというラフなスタイルで朝早く空港まで来た。
飛行機に乗ってる間中はみんなでお喋りをして、時間が経つのも忘れていた。
空港に着くと日本とは空の色も空気の香りも違っていて何を見ても新鮮なきがした。
撮影は一日で終わらせる予定で、翌日にはもう帰りの飛行機の予約を取ってある。
とりあえず撮影の前に昼の食事を済ませようという話になった。
私はきっと美味しいタイ料理が食べられるんだと期待したが入った店はマクドナルド。
マクドナルドだったら日本にもあるのにと思ってがっかりした。
マネージャーの話では「食べなれないタイ料理で、お腹を壊すと撮影に支障が出るから」との事だった。
まあそれも仕方ない話なので私たちは我慢してビッグマックを食べた。
食事の後はすぐに撮影のために浜辺に移動した。
真っ白い砂浜の向こうは真っ青な海が何処までも続いていて、日本の海とは大違い。
撮影は昼間天気のいい時にしないといけなので時間はあまりない。
さっそく撮影の準備に取り掛かった。
スタッフが大きな三脚を浜辺に立てて、カメラを用意するとその後ろに着替え用のテントを作ってくれた。
急いで水着に着替えたが、用意された水着はどれも大胆なデザインで肌の露出も多いい。
こんな水着でとても人前には出られないと思ったが、撮影の為だから文句など言ってる暇はない。
ラジカセから流れてくる音楽に合わせてダンスをしていると、いつの間にか見物客が集まり始めた。
海外の観光客らしくて私たちが日本のアイドルグループだとは知らない様子。
三回ほど歌に合わせて浜辺で踊ると、撮影は終了した。
急いで着替えを済ませると、みんなでホテルにもどって一日の予定は終わり。
ホテルでシャワーを浴びて一休みするとマネージャーが夕食の誘いに来た。
私はてっきりホテルの外でタイ料理を食べに行くとばかり思っていたが、案内されたのはホテルのレストラン。
ウェイトレスの女の子にメニューを渡されたけど英語で書いてあって何がなんだか分からない。
日本のレストランだったら料理の写真がメニューに載ってるのが普通だけど、ここのメニューには写真がない。
何を頼んでいいのか分からないのでマネージャーが適当に注文した。
しばらく待って出てきたのは大きなビフテキだった。
日本で食べるビフテキの三倍くらいある大きさだ。
ナイフで切ろうと思ったけど硬くてなかなか切れない。
なんとかやっと一口切って口に入れたけど硬くてかんでも噛み切れない。
私はビフテキを食べるのは諦めて、付け合わせのサラダとポテトだけ食べた。
他の女の子達もビフテキを食べるのは諦めてサラダとポテトだけ食べた。
スタッフの男の人たちは頑張ってビフテキを食べたけどやっぱりとても食べきれなくて半分くらいは残してしまった。
ビフテキの後にコーヒーが出たのでなんとか食べた気分にはなった。
食事のあと私はせっかくタイに来たんだからどこか行ってみたいとそれとなくマネージャーに言ってみた。
マネージャーからは撮影が終わったらホテルからでないようにと言われてしまった。
観光旅行に来たんじゃないんだから撮影が終わったらすぐ日本に帰るんだ。次の仕事の予定が一杯あるから遊んでる暇なんかないとマネージャーに言われてみんながっかりした顔だった。



 ホテルの部屋でテレビを見て時間を潰そうと思ったけど、テレビ番組はみなタイ語なので聞いていても全然訳が分からない。
しばらく歌番組を見ていたが、知らない歌手ばかりで見ていても全然面白くない。
しばらくベッドの上でぼんやりしていたが、お腹が空いてきた。
ケータリングを頼もうとしたけど英語は苦手だ。
注文の仕方が分からないので諦めるしかない。
どうしようかと思っていると彩香ちゃんから電話が掛かってきた。
ホテルの近くに回転寿司屋があるらしい。
日本だったら回転寿司屋はどこにでもあるけどここはタイだ。
回転寿司屋などある訳がない。
彩香ちゃんの話だと、ホテルのパンフレットに載っていて確かに回転寿司と書いてあるとの事。
私は半信半疑だったけど、お腹が空いていてとても我慢できないので彩香ちゃんと回転寿司屋に行くことにした。
彩香ちゃんが私の部屋まで迎えに来ると、ホテルのパンフレットを見せてくれた。
英語で書かれたパンフレットは何が書いてあるのか分からないけど、回転寿司の看板がでてる店の写真が載ってる。
確かに日本語で「回転寿司」と書いてある。
ホテルの前の大通りをしばらく歩いて角を曲がると少し先に「回転寿司」の大きな看板が見えてきた。
この店に間違いなさそう。
店に入ると中はかなり広くて、日本と同じベルトコンベアのレーンが回ってる。
客は現地の人が多いらしくて、席は大部分が埋まってる。
なんとか空いてる席を見つけて、お茶を入れるとさっそく回って来るお皿を取ろうとしてレーンの上を眺めた。
だけどなんだか変だ。
日本で普通に食べるような寿司ネタが全然ない。
変な形のおにぎりみたいな物が皿に載ってるけど何が入ってるのかさっぱり分からない。
しばらく待つとマグロの握りらしい皿が回ってきたので手を伸ばして取った。
お小皿のお醤油につけて握りを口に運んだが、マグロにしてはなんだか変な味。
それに御飯が硬くてお酢の味もしなくてとても食べられない。
どうしようかと思っていると「ご一緒させていただいてもよろしいですか」と声を掛けられた。
白いシャツにネクタイーしたサラリーマン風の男が二人テーブルの横に立っているのが見えた。
全然しらない顔だけど、ナンパでもないみたい。
店が混んでいるので相席を頼まれただけらしいので「構いませんけど」と彩香ちゃんが答えた。
二人とも現地の日本企業で働くサラリーマンらしくて、日焼けして色が黒いが真面目そうに見えた。
男の話ではこの店は不味くて有名で現地の日本人は殆ど立ち寄らない店らしい。
経営者も中国人で、回転寿司風の料理をだすだけで日本の寿司とは全然ちがうとの事。
近所に日本と同じ美味しい寿司を出す店があるから連れて行って貰うことになった。
店を出て大通りにでると車に案内された。
すぐ近くだと言うのに車に乗ると言うのは変な気もしたけど、車ですぐ近くという事らしい。
彩香ちゃんが車に乗ったので私も仕方なく彩香ちゃんの横に座った。
車が走り出したが、繁華街を抜けて住宅街に入っていく。
すぐ近くだという話だったけど思ったよりと随分と遠い。
しばらく走って家の前で車が止まったが、普通の住宅にしか見えない。
「ここが寿司屋なんですか」と彩香ちゃんが不審そうな顔で男に確かめた。
「そうなんだよ、日本人向けの秘密の寿司屋でね。普通の家で寿司屋をやってるんだ」と男がもっともらしく説明してくれた。
そういえばテレビの旅行番組で外国では日本人向けにそうゆう店もあると聞いたことがある。
玄関を入ると中は普通の住宅で、どうみても寿司屋には見えない。
「こっちなんだ」と男に案内されて奥の部屋に入ると大きなベッドが二つ置いてある。
どう考えたって寿司屋にベッドがあるわけない。
彩香ちゃんも男達の言う事がおかしいと気が付いたらしい。
「私達帰りますね」と言って部屋を出ようとした。
帰ると言っても車で来たのでどうやって帰ればいいのか分からない。
男にホテルまで車で送ってもらうしかない。
「おい。帰れるわけないだろう」と男が言うと彩香ちゃんの腕を掴んでベッドに押し倒そうとした。
彩香ちゃんは必死で男の腕を振り払おうとしたが男の力にはとても敵わない。
すぐにベッドの上に仰向けに押し倒されると、男が体を重ねた。
私も逃げようとしたが私の目の前に別の男が立ちはだかると逃げ場がない。
思い切って男に体当たりしたが男の体はびくともしない。
男が両手で私の体をしっかりと抱えると、ベッドに押し倒してきた。
私の子宮は男に乱暴に扱われるのを待ち望んでいるように熱くなった。
逆らう気持ちが、諦めの気持ちに変わったとき、ふいに体中が喜びで震えてきた。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされた。
子宮からあふれる潮の流れがつま先から頭のてっぺんまでを奔流となって走り抜けていった。
男が刻むリズムは最後の瞬間が近いことを私の子宮に告げると、いきなり奧までしっかりと届いてきた。
心を失って獣となった私の身体を、男は最後の一突きで貫いた。
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