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第五話
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新曲のプロモーションもだいたい終わったころ、マネージャーが大事な話があるとラブエンジェルズの5人を集めた。
「アメリカでライブをやることになったんだ、全部で5回、最初はニューヨークからだ」とマネージャーが得意げに話すのを聞いてみんな大喜び。
アメリカでライブをやる日本のアイドルなんて、まず滅多にいない。
日本で余程有名でも、アメリカでは全く無名だ。
日本のアイドルが海外でライブをやっても、日本から追っかけのファンが見に行くかそれとも現地の日本人のファンが来るだけ。
よっぽどの事がないかぎり、席は殆ど売れ残る。
マネージャーの話では今度の新曲の虹色ラブソングのプロモーションビデオをYOUTUBEに載せた所海外で大評判になったらしい。
現地の有名なプロモーターからの招待なので、安心して楽しんで来いと言われた。
ニューヨークに出発する一週間前から歌の練習とダンスの練習を毎日念入りに繰り返した。
いよいよ出発の当日成田から飛行機に乗る時になってこれから海外でライブをするんだという不安で心臓がつぶれそうになった。
前日にライブ会場近くのホテルに着くと、時差のせいでなかなか寝付けない。
ほとんど眠れないまま当日の朝になると、いよいよライブだと気持ちを引き締めた。
ライブ会場に入ってみると、伝統のある古い会場らしくて、造りが古風で空調もない。
客席はそれほど広くなくて一杯入っても2000人くらいだ。
マネージャーの話では入場券はソールドアウトしたとの事だけで本当にこの会場が一杯になるのか不安だった。
いつものように念入りにリハーサルをしたあと、開演の時間を待った。
ステージから客席を見ていると、開演時間直前になっても客の入りは悪くてがっかりした。
もうすぐ幕が上がるという時間になって急に客が増え始めて、幕が上がった時には凄い歓声が響いた。
最前列に陣取っているのは日本から応援にきたファンらしくて「有紀ちゃんーーー」と大声で叫ぶ声が聞こえた。
新曲の虹色ラブソングの前奏が始まると場内は熱気で大興奮になった。
日本でライブをする時にもファンの熱気はすごいけど、ニューヨークでそれ以上の熱気を感じて私は嬉しくて胸が一杯になった。
ライブが終わった後の翌日にマネージャーが現地の新聞を見せてくれた。
私と彩香ちゃんの大写しのカラー写真が新聞の一面にでかでかと載ってる。
日本でもこんなにでかでかと新聞に載ったことはない。
日本ではアイドルは一杯いるけど、外国では日本みたいなアイドルは珍しいらしい。
英語が読めないのでなんて書いてあるのか判らないけどマネージャーの話では絶賛してるらしい。
もしかして凄い事かもしれないと思ったが、地元の新聞なのでどれだけ読者がいるのかは分からない。
新聞で評判がよかったせいか、次の公演も大成功だった。
最終公演のシカゴでリハーサルをしているとき舞台のそでに見かけないアメリカ人のグループが来ているのに気が付いた。
お洒落な服装をしていて、公演のスタッフではないみたい。
関係者以外立ち入り禁止なので変だなと思ってたが誰も気にしてる様子はない。
リハーサルが終わった後に、マネージャーがアメリカ人のグループを紹介してくれた。
世界的に有名なロックバンドのシックスガンズだとマネージャーに言われたけど全然知らないバンドだ。
私が知らないだけでかなり有名らしいが、他のメンバーも知らないらしくて戸惑った顔をしている。
マネージャーの話ではグラミー賞を何度もとった有名なバンドだと言うけど、ロックなんか聞いたことも無い。
彩香ちゃんは一人だけ大げさに嬉しそうな顔をして、シックスガンズのメンバーと握手をしている。
すぐに私もシックスガンズのメンバーと握手をすると、他の女の子達も顔いっぱいに笑顔を作って握手を始めた。
なんだか分からないけど、チケットを人数分渡されたので彩香ちゃんが受け取った。
アメリカツアーの最後の公演が始まるとシックスガンズのメンバーがステージ脇で見学をしているのが見えた。
公演が終わった次の日は一日休みの日だったけど、夕方シックスガンズの公演に行くことになった。
昨日もらった券はシックスガンズのライブのチケットだったらしい。
移動用のバスで会場の体育館に行くと、駐車場がめちゃくちゃ広い。
中に入ると体育館だけあって、やたらと広くて日本の横浜アリーナくらいの大きさだ。
日本でもこんな大きな会場でライブをやるロックバンドなんてありま居ない。
チケットを入り口で見せると私たちは招待席に案内された。
マスコミ関係の人や、VIP用の特別席だ。
開演の予定時間が近づくと会場は観客で一杯になった。
バンドの演奏が始まると、観客席はすごい熱気でアイドルのコンサート並みだ。
私はロックバンドの曲など聞いたことがないので、音がうるさくて耳が痛くなった。
全部で2時間もある公演はどれもアメリカでは大ヒットした有名な曲らしいが私は初めて聞く曲。
歌詞も英語で何をいってるのか分からないし、どこがいいのかさっぱり分からなかった。
私は疲れがでて眠気をこらえながら、なんとか最後まで我慢して聞いた。
シックスガンズの公演が終わると打ち上げパーティーに誘われた。
私は疲れていてとてもパーティーなんかする気分じゃないけど相手は大物のロックバンドだ。
断る訳にはいかない。
近くのホテルのバーを借り切っての打ち上げパーティーは随分と豪華な部屋で高級そうな料理が一杯並んでいた。
最初はみんなで集まって料理を食べていたが、いつの間にか女の子と男の子がカップルになってソファーに座ってお喋りを続けた。
私はシックスガンズのポールと一緒にソファーに座ってポールの勧めてくれたシャンパンを飲みながらお喋りをしたが英語なんて全然分からない。
適当に「イエスイエス」と判ったようなふりをして返事をして、あとは身振り手振りで会話を続けた。
不意に「あぁーん、だめ」と言う小さな声が聞こえたので、声のする方を確かめると彩香ちゃんの胸にリックの手が押し当てられている。
これは不味い事になりそうと思ったときポールが私をソファーに押し倒してきた。
逃げられない時は従うしかないと、子宮が命じる声が私の身体に響いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなった。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していた。
空高くまで飛ばされた私の身体は、至福の快楽を目指して昇り続けた。
暗闇のなかで叫び続ける私の身体は、最後の喜びを一杯に受け止めた。
「アメリカでライブをやることになったんだ、全部で5回、最初はニューヨークからだ」とマネージャーが得意げに話すのを聞いてみんな大喜び。
アメリカでライブをやる日本のアイドルなんて、まず滅多にいない。
日本で余程有名でも、アメリカでは全く無名だ。
日本のアイドルが海外でライブをやっても、日本から追っかけのファンが見に行くかそれとも現地の日本人のファンが来るだけ。
よっぽどの事がないかぎり、席は殆ど売れ残る。
マネージャーの話では今度の新曲の虹色ラブソングのプロモーションビデオをYOUTUBEに載せた所海外で大評判になったらしい。
現地の有名なプロモーターからの招待なので、安心して楽しんで来いと言われた。
ニューヨークに出発する一週間前から歌の練習とダンスの練習を毎日念入りに繰り返した。
いよいよ出発の当日成田から飛行機に乗る時になってこれから海外でライブをするんだという不安で心臓がつぶれそうになった。
前日にライブ会場近くのホテルに着くと、時差のせいでなかなか寝付けない。
ほとんど眠れないまま当日の朝になると、いよいよライブだと気持ちを引き締めた。
ライブ会場に入ってみると、伝統のある古い会場らしくて、造りが古風で空調もない。
客席はそれほど広くなくて一杯入っても2000人くらいだ。
マネージャーの話では入場券はソールドアウトしたとの事だけで本当にこの会場が一杯になるのか不安だった。
いつものように念入りにリハーサルをしたあと、開演の時間を待った。
ステージから客席を見ていると、開演時間直前になっても客の入りは悪くてがっかりした。
もうすぐ幕が上がるという時間になって急に客が増え始めて、幕が上がった時には凄い歓声が響いた。
最前列に陣取っているのは日本から応援にきたファンらしくて「有紀ちゃんーーー」と大声で叫ぶ声が聞こえた。
新曲の虹色ラブソングの前奏が始まると場内は熱気で大興奮になった。
日本でライブをする時にもファンの熱気はすごいけど、ニューヨークでそれ以上の熱気を感じて私は嬉しくて胸が一杯になった。
ライブが終わった後の翌日にマネージャーが現地の新聞を見せてくれた。
私と彩香ちゃんの大写しのカラー写真が新聞の一面にでかでかと載ってる。
日本でもこんなにでかでかと新聞に載ったことはない。
日本ではアイドルは一杯いるけど、外国では日本みたいなアイドルは珍しいらしい。
英語が読めないのでなんて書いてあるのか判らないけどマネージャーの話では絶賛してるらしい。
もしかして凄い事かもしれないと思ったが、地元の新聞なのでどれだけ読者がいるのかは分からない。
新聞で評判がよかったせいか、次の公演も大成功だった。
最終公演のシカゴでリハーサルをしているとき舞台のそでに見かけないアメリカ人のグループが来ているのに気が付いた。
お洒落な服装をしていて、公演のスタッフではないみたい。
関係者以外立ち入り禁止なので変だなと思ってたが誰も気にしてる様子はない。
リハーサルが終わった後に、マネージャーがアメリカ人のグループを紹介してくれた。
世界的に有名なロックバンドのシックスガンズだとマネージャーに言われたけど全然知らないバンドだ。
私が知らないだけでかなり有名らしいが、他のメンバーも知らないらしくて戸惑った顔をしている。
マネージャーの話ではグラミー賞を何度もとった有名なバンドだと言うけど、ロックなんか聞いたことも無い。
彩香ちゃんは一人だけ大げさに嬉しそうな顔をして、シックスガンズのメンバーと握手をしている。
すぐに私もシックスガンズのメンバーと握手をすると、他の女の子達も顔いっぱいに笑顔を作って握手を始めた。
なんだか分からないけど、チケットを人数分渡されたので彩香ちゃんが受け取った。
アメリカツアーの最後の公演が始まるとシックスガンズのメンバーがステージ脇で見学をしているのが見えた。
公演が終わった次の日は一日休みの日だったけど、夕方シックスガンズの公演に行くことになった。
昨日もらった券はシックスガンズのライブのチケットだったらしい。
移動用のバスで会場の体育館に行くと、駐車場がめちゃくちゃ広い。
中に入ると体育館だけあって、やたらと広くて日本の横浜アリーナくらいの大きさだ。
日本でもこんな大きな会場でライブをやるロックバンドなんてありま居ない。
チケットを入り口で見せると私たちは招待席に案内された。
マスコミ関係の人や、VIP用の特別席だ。
開演の予定時間が近づくと会場は観客で一杯になった。
バンドの演奏が始まると、観客席はすごい熱気でアイドルのコンサート並みだ。
私はロックバンドの曲など聞いたことがないので、音がうるさくて耳が痛くなった。
全部で2時間もある公演はどれもアメリカでは大ヒットした有名な曲らしいが私は初めて聞く曲。
歌詞も英語で何をいってるのか分からないし、どこがいいのかさっぱり分からなかった。
私は疲れがでて眠気をこらえながら、なんとか最後まで我慢して聞いた。
シックスガンズの公演が終わると打ち上げパーティーに誘われた。
私は疲れていてとてもパーティーなんかする気分じゃないけど相手は大物のロックバンドだ。
断る訳にはいかない。
近くのホテルのバーを借り切っての打ち上げパーティーは随分と豪華な部屋で高級そうな料理が一杯並んでいた。
最初はみんなで集まって料理を食べていたが、いつの間にか女の子と男の子がカップルになってソファーに座ってお喋りを続けた。
私はシックスガンズのポールと一緒にソファーに座ってポールの勧めてくれたシャンパンを飲みながらお喋りをしたが英語なんて全然分からない。
適当に「イエスイエス」と判ったようなふりをして返事をして、あとは身振り手振りで会話を続けた。
不意に「あぁーん、だめ」と言う小さな声が聞こえたので、声のする方を確かめると彩香ちゃんの胸にリックの手が押し当てられている。
これは不味い事になりそうと思ったときポールが私をソファーに押し倒してきた。
逃げられない時は従うしかないと、子宮が命じる声が私の身体に響いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなった。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していた。
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