【完結】偶像は堕ちていく

asami

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第四話

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 新曲のプロモーションが一通り終わった後、マネージャーからテレビドラマにゲスト出演する話を聞かされた。
人気テレビドラマの最終回に私がヒロインとして登場するという話だ。
主演の河田純二さんが特別に私を指名してくれたらしい。
純二さんとは会ったことも無いのでなぜ私を指名してくれたのか理由は判らなかった。
マネージャーの話では、たまたまたプロモーションでテレビのワイドショーにでたとき番組の収録をスタジオで見ていたらしい。
河田純二さんといえばテレビドラマの俳優さんとしては超有名だ。
これまでに出演したテレビドラマはどれも視聴率が高くて大評判だ。
純二さんに気に入られたら、私だってテレビドラマの主演女優をまかされるのも夢じゃない。
私は急に降ってわいたチャンスに期待で胸が一杯になった。
ラブエンジェルズの他のメンバーは私だけテレビドラマに出演することになって羨ましくてしかたないらしい。
撮影はスタジオでやることになっていて、当日は早めに控室に入って台詞の練習をした。
テレビドラマは初めてだったので、台詞を暗記しようとしてもなかなか覚えられない。
メイクさんにメイクしてもらいながら必死で台詞を覚えた。
衣装に着替えて準備も済んだ後、他の俳優さんにも挨拶したほうがいいと思ってマネージャーと一緒に新曲のサイン入りのCDを持って控室を訪ねて回った。
純二さんの控室のドアをノックする時は、緊張して足が震えてしまった。
マネージャーが先に「この度は有難うございます」と礼を言うと私が「ラブエンジェルズの有紀です。よろしくお願いします」と挨拶した。
純二さんは明るい笑顔で「初めまして、こちらこそ宜しく。有紀ちゃんは本当に可愛いね。歌も踊りも上手だし」とすぐに私を褒めてくれた。
予定の時間になって、スタジオに入ると居酒屋のセットが組んである。
いかにも居酒屋らしい感じのテーブルと椅子が沢山ならんでいて、壁には焼き鳥とか雑炊とかのメニューを書いた紙がいっぱい張り付けてある。
リハーサルを何度かしたあと、いよいよ本番だ。
帰り際に主人公の純二さんにキスされるシーンだった。
リハーサルでは口を少し近づけるだけだったのに本番では本当にキスをされたので私は本当にびっくりしてしまった。


 撮影のあと、帰り支度をしていると純二さんが控室に入ってきた。
このあとテレビ局の会議室で打ち上げパーティーをやるので私にも出席して欲しいとの事だった。
打ち上げパーティーにはスタッフの他に出演した俳優さんや脚本家の人達も参加するとのこと。
私は他の俳優さんと親しくなるチャンスだと思って、打ち上げパーティーに出ることにした。
純二さんと一緒にエレベータでテレビ局の最上階の大会議室に案内された。
中に入ると会議室は思ったより広くて大勢の人が集まっていた。
いつもはホテルの宴会場を使ってるけど、予算が削られたので今回はテレビ局の会議室で打ち上げをすることになったらしい。
放送局のスタッフや俳優さん以外にも背広をきちんと来た人が何人かいて、スポンサーや広告代理店の人らしかった。
中央にテーブルが並べられていて、大きなお寿司の器と飲み物が沢山用意されていた。
私はどんなお寿司が用意されているのかと思って並んだお寿司の器を確かめてみた。
器にはお稲荷さんとかんぴょう巻しか入っていないので私はびっくしてしまった。
一応は人数分が用意してあるらしいがどの器もお稲荷さんとかんぴょう巻しか入っていない。
よっぽど予算が少ないらしい。
純二さんもお寿司を器を見てびっくりした顔で眉が動いた。
しかし次の瞬間に顔いっぱいに笑みを浮かべて「いや、僕はお稲荷さんが大好きなんですよ」と言い出した。
いくらなんでもお稲荷さんが大好きな人なんかいるわけない。
スポンサーや局の職員に気を使ってわざと大げさに言っているのに違いない。
そばで見ていた女優さんも「あら、美味しそうなお稲荷さんですね」と純二さんに調子を合わせて微笑んでる。
役者さんというのはあちこちに気を使わないといけない仕事らしい。
最初に純二さんが乾杯の音頭を取ると、その後は無礼講のパーティーになった。
純二さんは私に気を使ってくれて、他の俳優さんや脚本家に私を紹介してくれた。
背広を着た人には名刺をもらったが、私は名刺を持っていないので名刺交換はしなかった。
純二さんが「有紀ちゃんは顔が名刺だから、名刺はいらないよ」と言ってくれたのでほっとした。
普段はマネージャーにお酒を飲まないようにと注意されていたけど純二さんにビールを勧められてついつい飲み過ぎてしまった。
食べ物も残り少なくなったとき純二さんの音頭で三本締めをしてやっとパーティーが終わった。
純二さんが帰りを送ってくれるというので、私は純二さんと一緒にタクシーに乗った。
タクシーが動き出すと純二さんが「大事な話があるから、二人っきりで話せる所に行かないか」と私を誘った。
私はきっとテレビドラマの共演の話だと思って「はい」と返事をした。
タクシーが止まって純二さんと一緒に降りるとラブホテルに連れて来られたらしいと判って私は胸がどきどきしてきた。
純二さんは共演した女優さんと浮名を流すのが有名だ。
そうは言っても私がテレビドラマで純二さんと共演できるなら、願ってもないチャンスだ。
私は一応はアイドルグループラブエンジェルズのメンバーだけど、アイドルはいつまで続けられるのか判らない。
今はそこそこの人気だけど、人気が落ちればいずれ解散だ。
ドラマの俳優なら人気が、歳をとってもなんとか続けられる。
将来のことを考えると、純二さんに気に入られた方がいいに決まってる。
純二さんと一緒にラブホテルの部屋に入ると、私は初体験の時の事を思い出して胸が熱くなった。
私がソファーに座ると純二さんが私の隣に腰を降ろした。
「有紀ちゃん今日の演技はとっても上手だったよ。初めてであれだけ演技ができる女の子は滅多にいない。有紀ちゃんは才能があるよ。お世辞なんかじゃない本当だよ」と純二さんが言いながら私の膝の上に手を載せてきた。
私はきっと純二さんがテレビドラマに出演する話を私に切り出すはずだと思って純二さんにされるままになっていた。
「こんど始まるドラマだけど、まだ主演女優がきまってなくてね。有紀ちゃんにぴったしの役なんだ」と純二さんが言い出したので私はヤッターと心の中で叫んだ。
「清純な女子高生の役なんだけど、結構際どいシーンもっあってね。初体験のシーンとか、輪姦のシーンとかもあるけど有紀ちゃんならできるよね」と純二さんが言うと私の膝を指先でくすぐった。
私は心地よい感触に半分夢心地だった。
「有紀ちゃん今度のドラマでは他にも演技の難しいシーンがあってね、SMって知ってるかな」と純二さんが言い出した。
私は服のサイズの事かと思ったけど、テレビドラマと服のサイズになんの関係があるのか判らない。
「服のサイズですか。9号ですけど」と試しに純二さんに言ってみたがどうも違うらしい。
「SMというのはね。縄縛ってお仕置きをしたりする男と女の遊びなんだ。今度のドラマでは大事なテーマでね」と純二さんが私にも判るように説明してくれた。
私は以前みた映画でそれっぽいシーンを見たことがあるのを思い出して、なんとなく見当がついた。
「SMというのはね、男と女がご主人様と奴隷の関係なんだ。奴隷の女性はご主人様の男性の命令には何でも従わないといけない。一言でも逆らったら罰としてお仕置きを受けないといけないんだ」
「それを調教と言ってね。調教をされるのが喜びに感じるのがSMの醍醐味でね」と純二さんが説明してくれたがやっぱりあまりよく判らない。
「いまビデオを見せてあげるからそれで勉強するといいよ」と純二さんが言うと液晶テレビを操作した。
ソファーの横の大きな液晶画面に女性が恥ずかしい格好で縛られている画像が映し出された。
ビデオに映っているのは有名な女優の凛華さんだとすぐ判った。
最近話題になった映画の一場面らしい。
場面が変わると縛られたままの姿勢で男に責められているシーンが液晶テレビに映し出された。
顔を歪めて頭をのけ反らせては叫び声を上げる凛華さんの演技は真に迫っていて見ていて寒気がしてくる。
「調教されたあとのセックスは女性にとっては格別でね。だから奴隷になると調教をされたくてたまらなくなるんだよ」と純二さんに言われて私は段々とSMプレーの意味が分かってきた。
「この表情が出せたら、今度のドラマの主演女優は有紀ちゃんに決まりだね。有紀ちゃんできるかな」と純二さんが言い出した。
純二さんが言うように苦しさと不安に顔が歪んでいるがそれでいて、快感に陶酔した顔は女性が見ても妙に色っぽい。
「大丈夫。僕が演技の指導をしてあげる。有紀ちゃんも女優になりたければ、大人の演技ができないと駄目だからね。そのためには大人の体験を一杯するのが一番なんだ。有紀ちゃんだって調教される体験を何度もすれば大人の演技ができるようになるんだ。それが女優に成る近道なんだ」と純二さんに言われて私は確かにそうだと思った。
「まず最初に僕が有紀ちゃんのご主人様になってあげるよ、有紀ちゃんは僕の奴隷だ。可愛くて忠実な奴隷なんだ」と純二さんが言うと赤いロープと取り出した。
私は純二さんが今すぐ私を縛るつもりらしいと思って一瞬戸惑った。
不意に「誰か助けてーーー」と叫ぶ女の声が聞こえてきて、私は目が覚めたように気持ちがはっきりとした。
声は隣の部屋から聞こえてくるらしい。
純二さんは「大丈夫、こうゆう所ではよくある事なんだ、気にしなくていいんだよ」と言って平然とした顔をしている。
私はもし自分が助けを呼んでも、知らん顔をされるだけだと思うと心配な気持ちになった。
うっかりこんな所で純二さんの言いなりになったら、この先どんな目に会わされるのか判らない。
私は「私帰ります」と言うと純二さんの手を振り払って立ち上がろうとした。
純二さんは私の手をしっかりと掴むと「今更帰れるわけがないだろう」と急に怖い口調で私を怒鳴りつけて来た。
私は助けを求めて大声をだそうとしたが、怖くて声が出せなかった。
純二さんは手慣れた手つきで私を縛り上げると、ベッドの上仰向けに寝かせた。
「俺に逆らうとどんな目に会うか、その体にたっぷり教えてやるぜ」と純二さんが言うと私のお尻を手のひらできつく叩きつけて来た。
「なんでも言う事を聞きますと、約束するんだ、そうすれば許してやるぜ」と言いながら何度もお尻を叩かれて私はなんだか変な気分になってきた。
「なんでも言うとおりにします」と私がやっとのことで返事をすると、純二さんはすぐに私の上に体を重ねてきた。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲った。
私の身体を包み込んだ欲望の渦は、すぐには激しくならずに、私の感触を楽しんでいるようだった。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできなかった。
抵抗する気力もないくらいに私の体はもてあそばれた。
いつまで続くともわからない時間が私の心の中で凍り付いていた。
純二さんの繰り返す律動は最後の瞬間が近いことを私の身体に告げると、準備のための痙攣を繰り返した。
純二さんは私の身体を一撃で貫き通すと、最後の望みを打ち砕いた。
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