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第二話
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テレビのバラエティー番組にレポーター役で出演する事になった。
お笑いタレントのデモリさんが司会を務める人気番組だ。
私と彩香ちゃんがレポーターになって、原宿で悪徳スカウトを取材するという企画だった。
あらかじめ芸能プロダクションの悪徳スカウト役の役者さんが原宿で待っていて、私と彩香ちゃんが言葉巧みにスカウトされるのを隠しカメラで撮影するという手順だ。
グラビアアイドルに成れると誘われて事務所で契約書にサインして、写真を撮ることになるがヌード写真だと聞かされて断るところまでが番組だ。
収録のロケの直前に私だけマネージャーに呼ばれた。
なんの話だろうと思っていたらこんどの番組ではドッキリ企画があって騙されるのは彩香ちゃんだと聞かされた。
写真撮影の時、無理やり彩香ちゃんが裸にされそうになって、彩香ちゃんが泣き出したところでドッキリだと看板を持ったスタッフが登場するという手はずらしい。
私はそんなにうまく彩香ちゃんが騙されれて泣き出すのかと思って不安な気持ちだった。
収録の当日は私と彩香ちゃんはロケバスで原宿の大通りまで行って、撮影スタッフの準備が整うのを待った。
目立たないように裏通りでスタッフが集まると、カメラの前で「噂の悪徳スカウトの実態を調査したいと思います」と彩香ちゃんが番組の企画の説明をした。
私と彩香ちゃんが裏通りをゆっくりと歩き出すと、少し離れて隠し撮りのスタッフが追いかけてきた。
竹下通りに出て店を見ながら歩いていると、ちょうど四つ角のクレープ屋の屋台の前にお洒落な黒い背広を着た男性が女の子に声を掛けているのが目に入った。
どうやら噂の悪徳スカウトらしい。
彩香ちゃんは打ち合わせ通りに男に近寄ると「あの、ラフォーレ原宿はどこですか」と道を聞いた。
男は私と彩香ちゃんを見て「やあ、君たち可愛いね、歳はいくつ」といきなり聞いてきた。
道を聞いただけなのに歳を聞かれるなんてさすがに原宿だ。
「16です」と彩香ちゃんが答えると「君たちグラビアアイドルって知ってるか」と男が言い出した。
さっそくモデルのお誘いらしい。
「雑誌の表紙とかになるお仕事ですよね」と彩香ちゃんが調子を合わせて答えた。
「そうそう、君たちにぴったりの仕事なんだ、二人ともとっても可愛いからね」と男に言われて私はさすがにうまい事言うもんだと感心した。
男に名刺を渡されたので会社名を見ると「ジェイプロダクション」と書いてある。
ジェイプロダクションと言えば芸能プロダクションとしてはかなりの大手だ。
名刺が本物かどうかは判らないが、何もしらない女の子がジェイプロダクションの名刺を見せられたらきっと本物だと思うに違いない。
「よかったら、これから事務所に来てもらえないか、詳しい話をするから」と男に言われた。
事前の打ち合わせ通りにこの近くの事務所に行くものとばかり思って私はすぐに「はい」と答えた。
彩香ちゃんは取材は竹下通りだけで、事務所に行くとは知らされていなかったらしくて戸惑った様子だった。
男の後についていくと少し離れて隠し撮りのスタッフもついてきた。
裏通りに入ると隠し撮りのスタッフは目立たないように離れて撮影しているらしくて姿が見えなくなった。
角を曲がるとバンが駐車してあって乗るようにと勧められた。
打ち合わせでは事務所は歩いてすぐだと聞いていたが車で行くらしい。
撮影はどうなるんだろうかと気になったが、きっと事務所にはドッキリ用に別のカメラが用意してあるのに違いないと思った。
車がしばらく走ると六本木の裏通りに入った。
放送局の近くなので、収録に都合のいい場所を使ってるのだと思った。
ビルの裏口から部屋に案内されるとなんだか変な雰囲気だ。
部屋の中央に大きな丸いベッドがあって、その周りに鏡がある。
天上には豪華なシャンデリアが飾ってあって、きらきら光って見える
私は部屋の雰囲気に思い当たあたる節があった。
一度だけラブホテルに行ったことがあるけどその時の雰囲気とまったく同じだ。
どうやらラブホテルに連れ込まれたらしい。
私は初体験の時の事を思い出して胸が熱くなった。
私がまだラブエンジェルズのデビュー前にダンスのレッスンを受けていたダンスの先生が相手だった。
ダンスが上手にできなくてとてもアイドルになんか成れないと思いつめてダンスの先生に相談したのがきっかけだ。
他のメンバーはみな有名なタレントスクールの出身で子供の頃からダンスのレッスンを受けてる。
ダンスが踊れないのは私だけだ。
私がいたら他のメンバーの邪魔になるだけと思いつめて食事も喉を通らなくなるほど悩んだことがあった。
だけどダンスの先生は私にはとっても優しくてくれて決して叱ったりはしなかった。
だから辞めたい思った時相談する相手はダンスの先生しか思いつかなかった。
ダンスの先生は私の話を全部聞いてくれてとっても優しくしてくれた。
「誰だって最初は上手にできないのが当たり前、他の女の子がみんな上手に見えるけど気にしなくていいんだ」とダンスの先生に言われて私はダンスの先生に相談してよかったと心底思った。
その夜に初めてお酒を飲んで二人きりでラブホテルに行ったのは私にとっては大事な思い出だ。
私は「ここが事務所なんですか」と男に聞いてみた。
「そうだよ、部屋を借り切って事務所代わりに使ってるんだ」と男に言われて多分ロケの都合なんだと思った。
「さっそくだけど契約書にサインしてもらえるかな」といきなり契約書を出された。
細かい字で一杯に書いてある契約書は私が見ても何が書いてあるのかさっぱり判らない。
契約書の説明もなにもなしに、いきなり契約書にサインしろとか言うのはかなり無茶苦茶な話。
だけど番組の企画では悪徳事務所ということになっているでそれでいいのかも知れない。
私が先に契約書にサインすると彩香ちゃんもすぐにサインした。
「さっそくだけど最初はデリヘル面接のビデオにでてもらうから」と男が言い出した。
デリヘルと聞いて私はびっくりして腰を抜かしそうになった。
デリヘルとは言葉だけ聞くとお洒落な感じもするけど、やってることは援助交際みたいなものだ。
グラビアアイドルに成りたくて契約書にサインした女の子の仕事がデリヘルだなんてとんでもない悪徳事務所だ。
「まず最初はアダルトビデオに出て貰ってそれで人気がでたら、グラビアアイドルもやってもらうんだ。グラビアアイドルの女の子はみんなそうやってデビューするんだよ」と男がもっともらしく説明したが、そんな事があるはずがない。
「アダルトビデオって簡単に言うけどね、演技がとっても難しくてね。初心者にはとても務まらないんだ。だから演技の練習をかねて、最初はデリヘルで勉強してもらうからね。もちろん普通のデリヘルじゃなくて、デリヘルの盗撮ビデオなんだけどね」と男に言われて私は思い当たる節があった。
もうずっと前だけど彩香ちゃんが「面白いビデオもっらったの有紀ちゃんもきっと見たいと思って持ってきたのよ」と怪しげなDVDを見せてくれたことがある。
題名は「人妻淫乱デリヘル面接」となっていて、私はそのときはデリヘルが何の事かは全然しらなかった。
人妻が面接を受けながらエッチな質問に答えてそのあと服を脱いで裸になってお風呂場で怪しげな事をするビデオだった。
いったいどうしてそんなビデオがあるのかずっと不思議だったけど、やっと理由が分かった。
彩香ちゃんもデリヘル面接のビデオがどんなビデオかは知っているはず。
いくらなんでも二人でデリヘル面接のビデオ撮影になんか出るわけにはいかない。
私は面接の途中できっと、ビックリの看板を持ったスタッフが出てくる手はずだと思って「面接ならいつでもいつでもいいですよ」と答えた。
私と彩香ちゃんがベッドの横のソファーに座ると男が目の前に三脚を立ててカメラの用意をした。
照明のスイッチが入ったらしくて、白いこうもり傘が明るく輝いた。
カメラの位置を確かめたあと、すぐに撮影が始まったらしい。
「まず最初にデリヘルで働きたい理由を聞くからね、もちろんグラビアアイドルに成るためとか答えたらビデオがつまらないからね。お父さんの借金とか、両親が離婚したとか適当に話を作って答えるんだ」じゃ始めるからね」と言った後しばらく間を置いてから「最初にデリヘルで働きない理由をお聞きしたいんですが、答えてもらえますよね」と改まった口調で聞いてきた。
彩香ちゃんがまず「お父さんがギャンブル狂いで借金で首が回らなくなったんです」と答えた。
そういえば彩香ちゃんのお父さんはギャンブルが好きだと聞いたことがある。
借金で首が回らないというのはあながち嘘でもない気がした。
私は借金の理由がすぐには思いつかなかったので「私のお父さんもギャンブル狂いなんです」と彩香ちゃんの真似をして答えた。
男はすこし嫌な顔をしたが面接はそのまま続いた。
「男性経験は今まで全部で何人なのか教えてくれますか」と男に聞かれて彩香ちゃんが「15人くらいです」と答えた。
私はその答えを聞いてはっとした。
人数を正確に言えないのは、経験した人数が多いからじゃなくて輪姦されて人数が分からないせいだと私は気が付いた。
まだラブエンジェルズとしてデビューする前に、ダンスのレッスンのあと六本木のカラオケでナンパされたことがある。
その時はまだ男の子にナンパされるとどんなことになるのか知らなかったから、一緒にお酒を飲んで酔いつぶれてしまった。
ラブホテルに連れ込まれて彩香ちゃんと一緒に輪姦された時の事は今でもはっきりと覚えている。
輪姦なんかされて楽しいはずはないのに体が異様に興奮して朝まで震えてた。
「結構多いんだね、将来女優さんになるには男性経験が多い方が役作りに役立つんだよ」と男が言ったのを聞いて私はうっかりしたことは言えないと思った。
「そっちの子は男性経験は何人かな」と男に聞かれて私は「五人くらいです」と答えた。
五人のうち一人は初体験の相手のダンスの先生で、もう一人は親戚の叔父だが、あとの三人は輪姦された相手なので人数は判らない。
「男性経験はすくなくても大丈夫だから、心配しなくていいよ。これからいっぱい経験すればいいからね。デリヘルで働けば月に50人くらいは体験できるからね」と男に言われたがきっと冗談のつもりなんだと思った。
「じゃあ、服を脱いで体を見せて貰えますか」と男に言われて私はそろそろビックリの看板を持ったスタッフがでてくるはずだと思った。
いくらなんでもアイドルがテレビ番組で下着姿になるのを放送できるわけがない。
とりあえず服を脱ぐ振りをするだけでいいはずと思って私はブラウスのボタンをはずして半分脱ぎかけた。
だけどビックリの看板を持ったスタッフは出てこない。
彩香ちゃんが私の真似をしてブラウスを脱ぐとすぐにミニスカートも脱いで下着だけの姿になった。
まるで下着姿になるのを予想していたみたいに可愛らしくておしゃれな下着だった。
私はもしかして、ビックリの対象になってるのは彩香ちゃんじゃなくて本当は私なんじゃないかと不安になった。
しかたなく私もミニスカートを脱ぐと恥ずかしくて足が震えてきた。
「じゃあ次はフェ××オの研修をしてもらうからね。フェ××オは演技の基礎なんだ。将来女優さんに成りたければフェ××オが上手でないと駄目だからね」と男が言うのを聞いてそんな馬鹿な話があるはずないと思った。
私はドッキリ企画にしては変だと気が付いた。
きっと間違えて他のスカウトに声を掛けられちゃったのに違いない。
「おい譲治出番だ」と男が大声をだすとバスルームから全裸の男が出てきた。
私は男の股間を見てびっくりして目が離せなくなった。
とても信じられないような大きさで、真上を向いているのがはっきりと見えた。
「彩香ちゃん逃げるのよ」と私が大声をだしたが、男はすぐに私をベッドの上に押し倒してきた。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきた。
私の期待を裏切るように、ゆっくりとした波が私の感触を楽しむように打ち寄せてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
支配者の欲望に従順に従うことだけが、私に許された最後の希望だった。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされた。
信じられない感触が私の体中に広がると許しを請うことさえできなくなった。
支配者に従属するのが女の宿命だと私は心のそこから思い知らされた。
天国に放り投げられた私の体は、燃え尽きるまで宙をさまよい続けた。
暗闇のなかで震えが止まらなくなった私の身体は、男の最後の一撃を浴びて砕け散った。
お笑いタレントのデモリさんが司会を務める人気番組だ。
私と彩香ちゃんがレポーターになって、原宿で悪徳スカウトを取材するという企画だった。
あらかじめ芸能プロダクションの悪徳スカウト役の役者さんが原宿で待っていて、私と彩香ちゃんが言葉巧みにスカウトされるのを隠しカメラで撮影するという手順だ。
グラビアアイドルに成れると誘われて事務所で契約書にサインして、写真を撮ることになるがヌード写真だと聞かされて断るところまでが番組だ。
収録のロケの直前に私だけマネージャーに呼ばれた。
なんの話だろうと思っていたらこんどの番組ではドッキリ企画があって騙されるのは彩香ちゃんだと聞かされた。
写真撮影の時、無理やり彩香ちゃんが裸にされそうになって、彩香ちゃんが泣き出したところでドッキリだと看板を持ったスタッフが登場するという手はずらしい。
私はそんなにうまく彩香ちゃんが騙されれて泣き出すのかと思って不安な気持ちだった。
収録の当日は私と彩香ちゃんはロケバスで原宿の大通りまで行って、撮影スタッフの準備が整うのを待った。
目立たないように裏通りでスタッフが集まると、カメラの前で「噂の悪徳スカウトの実態を調査したいと思います」と彩香ちゃんが番組の企画の説明をした。
私と彩香ちゃんが裏通りをゆっくりと歩き出すと、少し離れて隠し撮りのスタッフが追いかけてきた。
竹下通りに出て店を見ながら歩いていると、ちょうど四つ角のクレープ屋の屋台の前にお洒落な黒い背広を着た男性が女の子に声を掛けているのが目に入った。
どうやら噂の悪徳スカウトらしい。
彩香ちゃんは打ち合わせ通りに男に近寄ると「あの、ラフォーレ原宿はどこですか」と道を聞いた。
男は私と彩香ちゃんを見て「やあ、君たち可愛いね、歳はいくつ」といきなり聞いてきた。
道を聞いただけなのに歳を聞かれるなんてさすがに原宿だ。
「16です」と彩香ちゃんが答えると「君たちグラビアアイドルって知ってるか」と男が言い出した。
さっそくモデルのお誘いらしい。
「雑誌の表紙とかになるお仕事ですよね」と彩香ちゃんが調子を合わせて答えた。
「そうそう、君たちにぴったりの仕事なんだ、二人ともとっても可愛いからね」と男に言われて私はさすがにうまい事言うもんだと感心した。
男に名刺を渡されたので会社名を見ると「ジェイプロダクション」と書いてある。
ジェイプロダクションと言えば芸能プロダクションとしてはかなりの大手だ。
名刺が本物かどうかは判らないが、何もしらない女の子がジェイプロダクションの名刺を見せられたらきっと本物だと思うに違いない。
「よかったら、これから事務所に来てもらえないか、詳しい話をするから」と男に言われた。
事前の打ち合わせ通りにこの近くの事務所に行くものとばかり思って私はすぐに「はい」と答えた。
彩香ちゃんは取材は竹下通りだけで、事務所に行くとは知らされていなかったらしくて戸惑った様子だった。
男の後についていくと少し離れて隠し撮りのスタッフもついてきた。
裏通りに入ると隠し撮りのスタッフは目立たないように離れて撮影しているらしくて姿が見えなくなった。
角を曲がるとバンが駐車してあって乗るようにと勧められた。
打ち合わせでは事務所は歩いてすぐだと聞いていたが車で行くらしい。
撮影はどうなるんだろうかと気になったが、きっと事務所にはドッキリ用に別のカメラが用意してあるのに違いないと思った。
車がしばらく走ると六本木の裏通りに入った。
放送局の近くなので、収録に都合のいい場所を使ってるのだと思った。
ビルの裏口から部屋に案内されるとなんだか変な雰囲気だ。
部屋の中央に大きな丸いベッドがあって、その周りに鏡がある。
天上には豪華なシャンデリアが飾ってあって、きらきら光って見える
私は部屋の雰囲気に思い当たあたる節があった。
一度だけラブホテルに行ったことがあるけどその時の雰囲気とまったく同じだ。
どうやらラブホテルに連れ込まれたらしい。
私は初体験の時の事を思い出して胸が熱くなった。
私がまだラブエンジェルズのデビュー前にダンスのレッスンを受けていたダンスの先生が相手だった。
ダンスが上手にできなくてとてもアイドルになんか成れないと思いつめてダンスの先生に相談したのがきっかけだ。
他のメンバーはみな有名なタレントスクールの出身で子供の頃からダンスのレッスンを受けてる。
ダンスが踊れないのは私だけだ。
私がいたら他のメンバーの邪魔になるだけと思いつめて食事も喉を通らなくなるほど悩んだことがあった。
だけどダンスの先生は私にはとっても優しくてくれて決して叱ったりはしなかった。
だから辞めたい思った時相談する相手はダンスの先生しか思いつかなかった。
ダンスの先生は私の話を全部聞いてくれてとっても優しくしてくれた。
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その夜に初めてお酒を飲んで二人きりでラブホテルに行ったのは私にとっては大事な思い出だ。
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「そうだよ、部屋を借り切って事務所代わりに使ってるんだ」と男に言われて多分ロケの都合なんだと思った。
「さっそくだけど契約書にサインしてもらえるかな」といきなり契約書を出された。
細かい字で一杯に書いてある契約書は私が見ても何が書いてあるのかさっぱり判らない。
契約書の説明もなにもなしに、いきなり契約書にサインしろとか言うのはかなり無茶苦茶な話。
だけど番組の企画では悪徳事務所ということになっているでそれでいいのかも知れない。
私が先に契約書にサインすると彩香ちゃんもすぐにサインした。
「さっそくだけど最初はデリヘル面接のビデオにでてもらうから」と男が言い出した。
デリヘルと聞いて私はびっくりして腰を抜かしそうになった。
デリヘルとは言葉だけ聞くとお洒落な感じもするけど、やってることは援助交際みたいなものだ。
グラビアアイドルに成りたくて契約書にサインした女の子の仕事がデリヘルだなんてとんでもない悪徳事務所だ。
「まず最初はアダルトビデオに出て貰ってそれで人気がでたら、グラビアアイドルもやってもらうんだ。グラビアアイドルの女の子はみんなそうやってデビューするんだよ」と男がもっともらしく説明したが、そんな事があるはずがない。
「アダルトビデオって簡単に言うけどね、演技がとっても難しくてね。初心者にはとても務まらないんだ。だから演技の練習をかねて、最初はデリヘルで勉強してもらうからね。もちろん普通のデリヘルじゃなくて、デリヘルの盗撮ビデオなんだけどね」と男に言われて私は思い当たる節があった。
もうずっと前だけど彩香ちゃんが「面白いビデオもっらったの有紀ちゃんもきっと見たいと思って持ってきたのよ」と怪しげなDVDを見せてくれたことがある。
題名は「人妻淫乱デリヘル面接」となっていて、私はそのときはデリヘルが何の事かは全然しらなかった。
人妻が面接を受けながらエッチな質問に答えてそのあと服を脱いで裸になってお風呂場で怪しげな事をするビデオだった。
いったいどうしてそんなビデオがあるのかずっと不思議だったけど、やっと理由が分かった。
彩香ちゃんもデリヘル面接のビデオがどんなビデオかは知っているはず。
いくらなんでも二人でデリヘル面接のビデオ撮影になんか出るわけにはいかない。
私は面接の途中できっと、ビックリの看板を持ったスタッフが出てくる手はずだと思って「面接ならいつでもいつでもいいですよ」と答えた。
私と彩香ちゃんがベッドの横のソファーに座ると男が目の前に三脚を立ててカメラの用意をした。
照明のスイッチが入ったらしくて、白いこうもり傘が明るく輝いた。
カメラの位置を確かめたあと、すぐに撮影が始まったらしい。
「まず最初にデリヘルで働きたい理由を聞くからね、もちろんグラビアアイドルに成るためとか答えたらビデオがつまらないからね。お父さんの借金とか、両親が離婚したとか適当に話を作って答えるんだ」じゃ始めるからね」と言った後しばらく間を置いてから「最初にデリヘルで働きない理由をお聞きしたいんですが、答えてもらえますよね」と改まった口調で聞いてきた。
彩香ちゃんがまず「お父さんがギャンブル狂いで借金で首が回らなくなったんです」と答えた。
そういえば彩香ちゃんのお父さんはギャンブルが好きだと聞いたことがある。
借金で首が回らないというのはあながち嘘でもない気がした。
私は借金の理由がすぐには思いつかなかったので「私のお父さんもギャンブル狂いなんです」と彩香ちゃんの真似をして答えた。
男はすこし嫌な顔をしたが面接はそのまま続いた。
「男性経験は今まで全部で何人なのか教えてくれますか」と男に聞かれて彩香ちゃんが「15人くらいです」と答えた。
私はその答えを聞いてはっとした。
人数を正確に言えないのは、経験した人数が多いからじゃなくて輪姦されて人数が分からないせいだと私は気が付いた。
まだラブエンジェルズとしてデビューする前に、ダンスのレッスンのあと六本木のカラオケでナンパされたことがある。
その時はまだ男の子にナンパされるとどんなことになるのか知らなかったから、一緒にお酒を飲んで酔いつぶれてしまった。
ラブホテルに連れ込まれて彩香ちゃんと一緒に輪姦された時の事は今でもはっきりと覚えている。
輪姦なんかされて楽しいはずはないのに体が異様に興奮して朝まで震えてた。
「結構多いんだね、将来女優さんになるには男性経験が多い方が役作りに役立つんだよ」と男が言ったのを聞いて私はうっかりしたことは言えないと思った。
「そっちの子は男性経験は何人かな」と男に聞かれて私は「五人くらいです」と答えた。
五人のうち一人は初体験の相手のダンスの先生で、もう一人は親戚の叔父だが、あとの三人は輪姦された相手なので人数は判らない。
「男性経験はすくなくても大丈夫だから、心配しなくていいよ。これからいっぱい経験すればいいからね。デリヘルで働けば月に50人くらいは体験できるからね」と男に言われたがきっと冗談のつもりなんだと思った。
「じゃあ、服を脱いで体を見せて貰えますか」と男に言われて私はそろそろビックリの看板を持ったスタッフがでてくるはずだと思った。
いくらなんでもアイドルがテレビ番組で下着姿になるのを放送できるわけがない。
とりあえず服を脱ぐ振りをするだけでいいはずと思って私はブラウスのボタンをはずして半分脱ぎかけた。
だけどビックリの看板を持ったスタッフは出てこない。
彩香ちゃんが私の真似をしてブラウスを脱ぐとすぐにミニスカートも脱いで下着だけの姿になった。
まるで下着姿になるのを予想していたみたいに可愛らしくておしゃれな下着だった。
私はもしかして、ビックリの対象になってるのは彩香ちゃんじゃなくて本当は私なんじゃないかと不安になった。
しかたなく私もミニスカートを脱ぐと恥ずかしくて足が震えてきた。
「じゃあ次はフェ××オの研修をしてもらうからね。フェ××オは演技の基礎なんだ。将来女優さんに成りたければフェ××オが上手でないと駄目だからね」と男が言うのを聞いてそんな馬鹿な話があるはずないと思った。
私はドッキリ企画にしては変だと気が付いた。
きっと間違えて他のスカウトに声を掛けられちゃったのに違いない。
「おい譲治出番だ」と男が大声をだすとバスルームから全裸の男が出てきた。
私は男の股間を見てびっくりして目が離せなくなった。
とても信じられないような大きさで、真上を向いているのがはっきりと見えた。
「彩香ちゃん逃げるのよ」と私が大声をだしたが、男はすぐに私をベッドの上に押し倒してきた。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきた。
私の期待を裏切るように、ゆっくりとした波が私の感触を楽しむように打ち寄せてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
支配者の欲望に従順に従うことだけが、私に許された最後の希望だった。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされた。
信じられない感触が私の体中に広がると許しを請うことさえできなくなった。
支配者に従属するのが女の宿命だと私は心のそこから思い知らされた。
天国に放り投げられた私の体は、燃え尽きるまで宙をさまよい続けた。
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