淫獄の玩具箱

asami

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第六十話

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 朝家を出て駅まで歩いて電車に乗っているとしばらくしてお腹が痛くなった。
なんとか我慢して学校のある駅で降りたがとてもたって居られなくてその場にしゃがみ込むと動けなくなった。
駅員さんがすぐに救急車を呼んで病院に運ばれた。
目が覚めたとき俺は病室でベッドで寝ていた。
医者の話では若年性女体化症とかの難病らしい。
身体が女体化する病気で100万人に一人の難病だとの話だ。
遺伝性の病気で中学生頃に発症して治療法はないと言われた。
そういえばおばあちゃんも中学生までは男の子として育てられたとの話を聞いた覚えがある。
一週間ほどで女体化がすむまでは体中が痛いので入院が必要だと言われた。
毎日少しづつ胸が大きくなり、睾丸も小さくなって行った。
俺は自分の体に起こった変化にとまどうだけだった。
オXンXンも小さくなってしまいには消えてしまった。
立ちションベンができないので、トイレでは女の子みたいに座って小便をするようになった。
俺は将来の事や学校のことが心配になって夜もなかなか寝つけなかった。


 一週間たって退院の日が来たとき、俺の身体はどこから見ても女の身体だった。
お母さんが着替えを持ってきてくれたが女物の服だった。
下着も女物のパンティーとブラジャーだった。
ブラジャーは初めてなので着け方が分からなかったがお母さんに教えてもらってなんとか付けた。
家に戻って自分の部屋のベッドで寝ているとやっと気持ちが楽になった。
翌日学校に行こうと思って制服を着ようとすると女物のセーラー服を渡された。
俺は学園祭の余興で女装したときにセーラー服を来たことがあるがまさか本当にセーラー服を着て学校に行くとは思わなかった。
学校に着いて教室に入るとき俺は友達がどんな顔をして俺がセーラー服を着ているのをみるのか不安な気持ちだった。
友達はみな俺の変化に気がつかないふりをしてくれた。
週末になって学園祭が始まった。
前日は丸一日かけて学園祭の準備だ。
俺達のクラスでは人形劇をすることになって教室に人形劇用の舞台を作って椅子を並べて大忙しだった。
当日は親子連れが一杯見に来て場内の整理をするのが大変だった。
今年の学園祭にはテレビドラマの収録もかねていて、テレビ局のスタッフがカメラをもって会場を撮影して回っていた。
学園祭の最終日は恒例のミスコンだ。
今年のミスコンは応募者が少なくて盛り上がらない。
テレビドラマの撮影のためにも参加者が多くないと格好がつかない。
直前になって応募者を募集するとアナウンスがあった。
だが誰も手を上げる女の子はいない。
「おい、ちょうどいいミスコンに参加してくれ」とミスコンの実行委員の輝ちゃんに声を掛けられた。
俺はどうしようかと迷ったが輝ちゃんとは小学校の時からの古い付き合いだ。
頼みを断る訳にもいかない。
「しょうがねえな、でてもいいぜ」と俺は仕方なく答えた。
さっそく可愛らしい衣装に着替えてお化粧もすると自分で見ても別人みたいに可愛い。
ミスコンの審査がはじまって自己紹介も済むと一人一人が特技を披露する段になった。
俺の同級生の真佐子さんがチアガールの衣装を着てチアダンスを踊ると、場内に拍手が沸いた。
髪の毛を頭の後ろで結ってお化粧もしてるのでいつもの真佐子さんとはまるで別人のように可愛らしい。
俺は特技なんかないので、得意の宙返りをしてみせた。
クルリと後ろ向きに宙返りをすると会場が異常なくらい盛り上がった。
スカートを履いたまま宙返りをするとパンティーが丸見えになるのを俺はうっかりしていたのだと気がついて恥ずかしくて死にそうになった。
いよいよミスコンの優勝者の発表になってどうゆうわけか俺の名前が呼ばれてしまった。
会場がもりあがったというだけの理由で選ばれたらしい。
ミスコンが終わるとテレビ局のディレクターに呼び止められた。
「よかったら、テレビのバラエティー番組に出演してもらえないかな、テレビドラマの番宣なんだけど。でてくれるよね」とディレクターに誘われて断れなかった。

 翌日の午後にテレビ局に行くと、待合室でしばらく待たされたあとバラエティー番組の収録が始まった。
俺は他の俳優さんと一緒にテレビドラマの宣伝をするとディレクターに頼まれていた宙返りを披露した。
今度は恥をかかないようにとスカートの下には黒いスパッツを履いていたけどそれでも随分と注目を浴びた。
番組には有名な映画の監督もコメンティターで出演していていろいろと話を聞かれた。
番組の収録も終わって帰ろうとすると黒沢監督に声を掛けられた。
「よかったら一緒にどこかで食事をしていかないか、大事な話があるんだ」と黒沢監督に言われて俺は断る訳にはいかないと思った。
体育館をでてタクシーに乗ると六本木のイタリア料理の店に着いた。
しばらく食事をしながら雑談が続いた。
両親の事とか兄弟の事とか趣味や学校生活についていろいろ聞かれたのでなるべく当たり障りのない返事をした。
「ところで付き合っている男性は居るのかな」と黒沢監督に聞かれて俺は困ってしまった。
俺はもともと男だから男友達は一杯居る。
だが女の子に付き合っている男性が居るのかと聞くのは特別な関係の男性がいるのか確かめたくて聞いているはずだ。
「友達はいっぱいいますけど、特別な関係の男性はいません」と俺は曖昧に答えた。
「こんどの男の子が女の子に変身して大騒動になる映画の企画があるんだけどね。今日のミスコンを見ていて主役は友美ちゃんがぴったしだとぴんと来たんだ」と黒沢監督が話を続けた。
黒沢監督はたまたま今日テレビ番組の収録で俺の事を見ただけで俺が病気のせいで女の子になったのは知らないはず。
「見た目は女の子だけど性格は男の子っぽいのが今度の役にぴったりなんだ」と黒沢監督に言われてなるほどそうゆう事かと事情が分かった。
「是非今度の映画の主役をやって欲しいんだ、やって貰えるよね」と黒沢監督に言われて私はびっくりしてしまった。
ついちょっと前に病気で女の子になったばかりなのに今度は映画の主演女優の話だ。
俺は夢でも見ているように有頂天になった。
「本当ですか」と俺が聞くと「もちろん本当だよ、僕が映画の監督なんだから主演女優は僕が決めるんだ」と黒沢監督は自信たっぷりに答えた。
「だが今度の映画にはラブシーンもあるんだ」と黒沢監督が話を続けた。
「それも結構大胆なラブシーンでね、裸になるのも覚悟して欲しいんだ」と黒沢監督に言われて俺は戸惑った。
俺はもともと男だから上手に男優さんを相手にラブシーンをする自信はない。
「ラブシーンですか、私にもできるんでしょうか」と俺は黒沢監督に聞いてみた。
「出来るかどうか実際に演技してもらえればすぐ分かるよ、大丈夫きっと出来るから」と黒沢監督が言ってくれた。
「演技力のテストをするからこれから一緒に来てもらえるかな」と黒沢監督に言われて俺は断れなかった。



 レストランを出て裏道をしばらく歩くとラブホテルらしい建物の前に来た。
「ここなら二人だけでゆっくりできるからね」と黒沢監督に言われて俺はそうゆうものかと思った。
二人でラブホテルの部屋にはいると黒沢監督は「じゃあまず身体を見せてもらおうか、裸になって貰えるよね」と言い出した。
俺は今は女の子だがついさっきまで男の身体だった。
身体を見てもらえればきっと女優には向いていないと言われると思ったが裸になるしかしょうがない。
私がセーラー服を脱いで下着だけの姿になると「全部脱いでもらえるかな、そうしないと身体の線がよくわからないからね」と黒沢監督に言われてしまった。
俺は女の子になってからは男性の前で裸になるのは初めてだったが黒沢監督に逆らうわけにはいかない。
ブラジャーとパンティーを脱いで全裸になると恥ずかしくて身体が熱くなった。
「いい身体してるじゃないか、女らしくてとても素敵だよ」と黒沢監督が言ってくれたので俺は一安心した。
「いま大好きな男の子の前で全裸になっているって想像してご覧。そのときなんて言いたくなるのか考えてご覧。一番言いたい事はなにかな」と黒沢監督に言われた。
俺はもともと男だから男の子を好きになったことなんかない。
全裸で大好きな男の子の前に立って言う言葉なんて思いつかない。
なんでもいいから言ってみるしかない。
「私あなたが大好きなんです。私の身体も心もあなたの物です。あなたの好きにして下さい」と俺は思いつく言葉を並べてみた。
「そうだね、女の子が男の子を好きになったら言いたいことは決まってるよね。その気持ちを身体全体で表現するんだ」と黒沢監督に言われたが俺はどうしていいのか分からなかった。
俺はもうどうなってもいいと思って黒沢監督に抱きつくと「お願い早くして、もう我慢できないの」と言いながら必死でしがみついた。
「そうだ、それでいいんだ、何をして欲しいのかちゃんと言いなさい。言わなければやってあげないよ」と黒沢監督が意地悪そうな口調で俺の耳元で囁いた。
「もうだめ、あなたの好きにして欲しいの。早くして」と俺が甘えた声でおねだりすると黒沢監督は俺をベッドに押し倒してきた。
俺の身体を襲う欲望は、嵐のような激しさだった。
黒沢監督の欲望は、楽しみを先に延ばしたいかのように、俺の身体ををじらしながら開いてきた。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
許されない喜びの深い淵に俺の体は沈み込んで戻ることができなくなった。
俺の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けた。
信じられない感触が俺の体中に広がると許しを請うことさえできなくなった。
時計の針が止まると、永遠の時間が俺の体を支配していた。
天高くまで飛ばされた俺の身体は、至福の時を目指して昇り続けた。
廃墟となって燃え続ける俺の身体に、黒沢監督は所有者の杭を力強く打ち下ろして来た。
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