【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第八十一話

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 コーラス部の先輩から急に電話があり、「映画の試写会があるんだけどね、よかったら来てくれないかしら、切符余っちゃってるのよ」と誘われました。
「いやね、大学の時から付き合ってた男の子いたでしょう、年下の。その子が劇団入ってたんだけど、映画に出演したのよね。まあそこそこの役でね」
「そんで試写会の切符たくさんもらったんだけどね、なにしろあまり付き合いなかったから上げる相手なくてね、悪いけどねお願い暇だったら見に来て」と熱心に頼まれて、まあ仕方ないと思って見に行く事にしました。
当日試写会の会場前で待ち合わせをすると、会場の近くにはテレビの中継車も来ていて、大変な混雑でした。
どうやら、出演者の不倫騒動があってテレビ局が駆けたと先輩が説明してくれました。
「もっとも、わざと話題になるように不倫の話を写真週刊誌に載せてもらったんだけどね」と聞かされて私はびっくりしてしまいました。
しばらく待っていると、大学の時のコーラス部の同級生や、先輩もたくさん集まってきました。
映画が終わると、大学の時の仲間みんなでお茶を飲んで行こうという話になりました。
大学の時帰りによく寄った、喫茶店にみんなで入ると話に花が咲いてなかなか帰る口実を見つけられませんでした。
ようやく話す話題もなくなって誰ともなく席を立つと、こんどは「私が払う」とかのレシートの奪い合いが始まり、私はうんざりして見ていました。
一応は「あ、私が払います」と言っては見たものの、さっさと誰か払えばいいのにと思うだけでした。
一応は一番学年が上だった先輩が払うことになりやっとお開きになりました。
帰ろうとすると静子さんに呼び止められました。
「ねえ、教育必帯借りたままになってるでしょう、今日返すから取りに来てよ、ねえいいでしょう」と言うので私は帰りに寄ることにしました。
静子さんのアパートは大学の近くで、よくクラブのコンパの後みんなで一緒に集まっては夜遅くまで騒いだのが思い出でした。
アパートへ曲がる路地を入ると懐かしくて涙がでそうになりました。
静子さんは大学のとき住んでいたアパートの前を通り過ぎると少し離れたマンションに私を案内しました。
「いちおう引っ越ししたの、すぐ近くなんだけど、お風呂ないと不便でしょう」と言われて、私は部屋に入りました。
すぐに書棚に案内されましたが、大学の時使った教科書がまだそのまま並べられていて、私は懐かしさで胸がいっぱいになりました。
一番目のつくところに、私が大学の時使っていた教育必帯がきちんとおいてありました。
「お茶くらいいれるからちょっと待っててね」と静子さんが言うので、私は少しゆっくりしていくことにしました。
あらためて部屋の様子を見回すと、壁のハンガーに紺のプリーツスカートがかけてありました。
よくよく見ると、すぐ横にかけてあるのはセーラー服の上着でした。
私の視線に気がついたのか静子さんはコーヒーの茶碗を持ってが座りながら「ああ、あれ、男の人ってああゆうの好きでしょう」とこっそり苦笑いをしてみせました。
私はなんだかわかりませんでしたがあまり追求しない方がいいような気がしました。
二人でお茶を飲みながらお菓子を食べて、一休みすると「ねえこの部屋ね面白いものがみれるのよ」と静子さんが突然言い出しました。
「電気消してね、窓の外から、向かいのビルを見るとね、面白いの、私も最初はホントにびっくりしたんだけどね」と言いながら電気を消してカーテンを少しどかして向かいのビルを二人で覗き込みました。
薄いカーテンの奥で、裸の男性が数人、セーラー服を着た女性の周りを取り囲んでいるのが見えてびっくりしました。
「ほら、秘密クラブとかいうのあるでしょう、エッチなパーティーとかするの」
「カーテンが一応かかってるんだけどね、夜だとカーテンが透けて、こっから丸見えなのよ」
「本当にもうあきれ果てて、馬鹿みたい、ここからだとね部屋の中央がちょうど見えるのよ、窓がちょっと高いでしょうだから」と言うので私も、なんと返事をしていいのかわからずにうなずくだけでした。
「実はね私もあのパーティーに出たことあるのよ」
「普段は本当の女子高生を集めてパーティーやるんだけどね、ほら女子高生だからさ、約束どおり来ない事もあるわけよね」
「それで急に人数が足りなくなったときなんか、携帯で電話がかかってくるってわけ」
「客は中年のオヤジばかりだからさあ、ちょっとくらい年くってても見分けつかないのよね」
「そんで、初めてだとか言って演技するの、痛いとか言ってみたりしたね」
「どうあなたもやってみるんだったら紹介してあげても良いわよ」と言われて私はびっくりして聞いていました。
「私はちょっと」と言葉を濁すと、「旦那とはどうなの」と今度は別の攻め方をしてきました。
「まあなんとかやってるけど」と答えると「あっちのほうはどうって聞いてるのよ、旦那はあっちのほうはだめなんでしょう」と追求されて答えに困ってしまいました。
このくらいのアルバイトだったら誰でもやってるのよ、ほら駅前のスーバーのレジの女の子もこないだ来てたわよ『旦那じゃ、物足りないの』とか言って」とまるで当たり前のことの用に言い放ちました。
私は試しに「それでどうやって誘われたの」と聞いてみると「最初はモデルの話だったんだけどね、ほら週刊誌のグラビアに載るとか言われて」
「それで『最初はパーティーコンパニオンとから始めてください』とか言われたのがそこでやってるパーティーだったって訳よ」と言われてなるほどそうやって誘うのかと納得しました。
しばらくおしゃべりをしてから私は、「旦那が待ってるからそろそろ帰るわね」と言うと「待ってる人がいるのはいいわね」と静子さんに言われて余計なことを言ってしまったと思いました。
私はお茶のコップを台所に運んで洗ったあと、「じゃ、また今度ね」と適当に挨拶しました。
静子さんも「じゃ、またね」と言ってくたので大学生の時に戻ったような気分でした。
ドアに横にある鏡で身支度を整えてからドアを開けると外はもう真っ暗でした。
帰りに駅の近くに小さなスーパーがあったので、明日の朝食を何か買って行こうと思い店に入りました。
ベーコンと卵とレタスを買ってレジを通ると、すこし小柄な女性はお化粧もしていなくて、とてもモデルに誘われるような女性には見えませんでした。
きっと別の女性のことなのねと思って店を出ようとすると「奥さん、ちょっと話聞いてくれるかな、いや怪しいものじゃないんだ、奥さんモデルになる気はないかな」と若い男性に声をかけられました。
私はもしかしてさっき話にでたモデルのスカウトかと思ってどきどきしてきました。
「どんなモデルなんですか」と聞いてみると。
「いや、ファンションモデルとか、雑誌のモデルとか、仕事はいろいろだから好きなの選んでくれたらいいんだよ、いやな仕事はやらなくていいんだ」と調子のいい答えがかえってきました。
「よかったらすぐ撮影するから、ほら客先に配る写真を撮るんだ、もちろんプロのカメラマンが撮るんだけどね」
「スタジオはこの近くだから大丈夫すぐ済むよ」と誘うので私は試しに「エッチな写真じゃないでしょうね」と言ってみると「いや、仕事だから最初はちょっとエッチな写真なんかの仕事もあるけどね、それはそれ、有名になるためには最初からよろこんでそうゆう仕事を撮らないと、なかなか次の仕事は回ってこないんだよ」
「誰でも最初は抵抗があるけれど、一度思い切り自分を見せてしまえば、次からはそれが楽しくて楽しくて、どんどん写真とってもらいたくなるんだよ」と熱心に勧められました。
そういえば確かにそうかもしれないと思っていると、「じゃ来てもらおうか」と男の子の手が私のお尻に当てられて一緒に歩き出しました。
私はここまで誘われたらもう断れないような気分になっていて自分でもなにがなんだか判らなくなっていました。
「じゃあ、まず契約書にサインしてもらうから、いやモデルになるときは最初に契約書を作るんだ、モデル事務所に所属することになるからね」と男の子が言うので、私はなるほどそうゆうものかと思いました。
近くのビルの階段を上がると、小さな事務所に通されました。
事務所には正面に日本刀の飾り物が置いてありなんだか変な感じがしました。
「じゃこれね、サインして拇印おしてね、これで仕事が入るとそのぶん内からお金がもらえるんだよ、いや、内の事務所に入ればすぐテレビにも出れるんだよ、さっきも出演依頼がきててね、人が足りなくて困ってたんだ」と調子のいい事を言われて私はその気になって、契約書をよく読みもせずにサインをしました。
「じゃあ、ひとまず客先に配る写真撮るからねこっちに来てくれるかな」と言って奥の部屋に案内されると、傘をひっくりかえしたような照明装置や、カメラが置いてあり簡単な写真スタジオになっていました。
もしかして私が誘われたのはちゃんとしたモデルクラブで私はこれがきっかけで映画スターにでもなれるかもしれないと胸が膨らんできました。
「じゃ、これに着替えて」と言って渡されたのは女子高生が着るようなセーラー服でした。
「あの、これ着るんですか、これ着て写真とってどうするんですか」と私は急に不安になりました。
すると「質問は一切なしね、言われたら、言われた通りの事をする、これが基本だから、できないならもう帰っていいから」と急にさっきとは打って変わった冷たい口調で言われました。
私は言われた通りするしかないと思い男の子の見ている前でセーラー服に着替えました。
すると男の子はカメラを撮って、「じゃ、そこに立ってね、顎を引いて、そそ、いい感じだ」「じゃ、そこで一度右向こうか、顔だけ右、それからゆっくり正面に向き直る、そそいいよ、いい感じ」と慣れた素振りで写真を撮り始めました。
私はなんだか分かりませんでしたが、プロの人に写真を撮ってもらっていると思うとなんだかもう一流のモデルさんになったような気分でした。
こんなにたくさん写真を撮ってどうするのかしらと思うくらいの枚数の写真を撮り続けて、やっと撮影が終わったようでした。
「じゃあさっそく最初の仕事なんだけどパーティーコンパニオンからやってもらうから」
「判ってると思うけど、これは仕事だからね。客には失礼のないようになんでも希望どうりしてもらうから。これが出来ないようならもう次の仕事はないからね」と男の子に言われて私はこれが静子さんをうまくだまして誘った手口なんだと納得しました。
こんな言い方されたら普通の女の子だったらうまく騙されるはずねと思うとなんだか腹がたってきました。
「私、やっぱりいいです」と言って席を立とうとすると、いきなり男の子が「このまま帰れるわけねえだろう」と大きな声をだしました。
すると突然隣の部屋から数人の男の子たちが飛び出してきて私の体につかみかかりました。
隣の部屋に引きずり込まれると、白いマットレスが中央に敷いてあり、その周りにはビデオのカメラが取り囲んでいました。
「おい、もう契約書は書かせたんだ、あとは構わねえから、やっちまえ」とさっきの男の子が大きな声で言うのが聞こえました。
私は逃げ出すチャンスなどないとすぐに分かりました。
時間が止まったまま、征服の杭が私の体をもてあそび続けました。
いつ終わるのかわからない儀式は、時の流れが止まったように終わることがありませんでした。
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