【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第五十三話

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  新聞の折り込みチラシを見ていると近所に開店したばかりのカラオケ店を見つけました。
開店セールでチラシのクーポン券を持っていくと500円で歌い放題と宣伝していました。
私は理恵子さんを誘って早速行ってみることにしました。
レッドローズと大きな看板のある店は、近くの大通りに出来たばかりで、駐車場は100台も入れるくらいの広さでした。
店はとても混んでいて1時間待ちだと掲示板に書いてありました。
私達は待合室で待たされましたがちょうど私達のすぐ後からきた二人組の男性に話しかけられました。
話題は最近のモーニング娘とか、たわいのないものでしたが、しだいにちょっとエッチな下ネタが多くなりました。
理恵子さんは、調子を合わせて笑い転げていましたが、私は黙って聞いていました。
順番が来ると、私達が知り合いだと店員が思ったのか、一緒の席に案内されました。
私達は一時間歌い放題というので、せっせと得意な曲を選んでは歌いまくりました。
すぐに時間がたって帰ろうとする頃にはもう喉がガラガラになりました。
男の一人が「いい喉の薬があるから、これ飲んでおけばいい」と言って紫色の錠剤を渡してくれました。
理恵子さんは言われるままにジュースと一緒にすぐ薬を飲み込みました。
私はなにか変な薬だと困ると思って飲んだ振りをしてお財布にしまいました。
会計が済む間に私はトイレにいって来ましたが、戻って入り口や駐車場をさがしても理恵子さんの姿は見あたりませんでした。
私はしばらく店で理恵子さんを待ちましたが、見当たらないので一人で先に帰ったと思い、私だけ一人で帰ることにしました。
夜になると理恵子さんの旦那から電話があり、「理恵子が今夜帰って来ないが、どこにいるのか知らないか」と聞かれました。
私は思い当たる節はありましたが、「知りません、駅までは一緒に来ました」と答えました。
翌朝になって理恵子さんから電話があり私の所に泊まったことにして欲しいと言われました。
私は会社に電話して、昨日電話があったあとに、理恵子さんが来て泊まっていったと理恵子さんの旦那に嘘をつきました。



 一週間ほどたって、理恵子さんがまた私の所に泊まることにして欲しいと電話してきました。
夕方になって、理恵子さんの旦那さんが家に来て「理恵子はどこに居るんだ」と言い出しました。
「まだ来てません」と返事をすると、「来るまで待たせてもらう」と言って帰りませんでした。
深夜になっても、理恵子さんは来るわけはなく朝の7時くらいになってようやく理恵子さんが帰ってきました。
「いったいどうゆうつもりなんだ」と旦那が理恵子さんにつかみかかると、髪をひっぱりました。
言い争いが続くと、理恵子さんは座り込んで泣き出しました。
祐輔さんは会社に行く時間だと言って私の家を出て行きました。
理恵子さんもなんとか私がなだめるとやっと泣きやんで家に帰ってくれました。
夕方理恵子さんから電話がかかってきて、「こんど浮気したら、お前を殺して自分も死ぬ」と旦那に言われたと言います。
しかし浮気の相手には写真を撮られていて「呼び出しに応じなければ、写真を旦那の会社に送ってやる」と脅されているそうでした。
私がよくよく問いつめると浮気の相手というのはこの間理恵子さんに薬を飲ませた男でした。
あの薬はやっぱり変な薬で、飲まされると男が欲しくてたまらなくなり、何をされても逆らえなくなるということでした。
「一度アレ飲んでセックスしたら、もうとても止められなくなっちゃうから」と理恵子さんが言うので、私はあのとき薬を飲まなくてよかったとつくづく思いました。
「呼び出しに応じても旦那に殺される、呼び出しに応じなければ写真を旦那の会社に送られてやっぱり旦那に殺される。どっちでも自分は殺されてしまうので、なんとか助けて欲しいの」と理恵子さんにお願いされましたが私は返事に困りました。
私が黙っていると、理恵子さんが「替わりに有紀ちゃんを行かせると約束したのよ、お願いよあなただって浮気したいでしょう」と言うので私はびっくりしました。
私を替わりに行かせればなんとか許してやるというのが相手の男性の言い分だそうでした。
いくらなんでもそんなことで解決できるはずはないのにと、私は呆れた気持ちで理恵子さんの頼みを聞いていました。
どう答えたらいいのか分からなくて、私は「旦那に相談してみますね」と言い訳をして電話を切りました。
私は旦那に「ねえ私が浮気したらどうする」と聞いてみました。
すると「お前みたいな女、相手する男がいるわけないだろう、浮気できるならやってみな」と言って私に背を向けてDVDを見始めました。
いくら夫婦でも言っていいことと悪いことがあるのにと、私は悔しくて涙がこぼれてきました。
一人でトイレに駆け込んで泣き続けましたが、どうにも悔しくて気持ちが収まりませんでした。
私は旦那が浮気してみろと言ったんだから、浮気ぐらいしてやると腹立ち紛れに思いました。
私は理恵子さんに電話して「旦那が浮気してもいいって言ってるから、私行くわね」と返事をしました。
理恵子さんはひどく驚いていましたが、私が替わりに行くというので、ようやく心の荷が降りてほっとした口調でした。
翌日待ち合わせの場所で待っていると、車が来て乗せられました。
車はしばらく走るとすぐラブホテルに入っていきました
中に入ると部屋の真ん中には丸い形をした大きなベッドがありました。
ふんわりと柔らかそうなベッドの上には、ピンク色のレース模様のシーツがかけられていました。
ベッドの上で紫色の照明が輝いていました。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲いました。
私に抵抗する余裕を与えて、私を征服するのを楽しむかのように、男はゆっくりと私の身体を開いてきました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
逆らう気持ちが、諦めの気持ちに変わったとき、ふいに体中が喜びで震えてきました。
激しい渦の流れに私の体は飲み込まれ、体ごと深く沈み込んで浮き上がる望みもなくなりました。
抵抗する気力もないくらいに私の体はもてあそばれました。
私に許されたのは、望みを捨てて従属する快感に身をゆだねることだけでした。
空高くまで飛ばされた私の身体は、至福の時を求めて宙を舞い続けました。
男は私の身体を天高く投げ上げると、次の瞬間に奈落の底に突き落としました。
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