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第四十七話
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いつも遊びに来ている近所の真弓さんと、いつものように居間でテレビをつけてお茶を飲んでいると「ところで有紀ちゃんフリーマーケットに出す物何かない」と聞かれました。
「何でもいいのよ、いらない物なんでも出せばいいの、使わないタオルとか、コップとか、何でも売れるから」と言われて、全然使っていないブランド物のタオルを奧から出してきました。
結婚するとき旦那の叔母がお祝いに買ってくれたんですが、ずっと使わないままになっていました。
「あ、これならすぐ売れるわよ800円でどう」と言われてちょっと安すぎる気がしましたが、もう古いものなのでお金になるならいいかと思いました。
「売れたらお金もってくるわね」と言って真弓さんはブランド物のタオルを持っていきました。
フリーマーケットの当日に朝真弓さんから電話があって、「ちょっとフリーマーケットの売り子手伝ってくれない、一人だとさ、トイレにもいけないじゃない、友達頼んどいたんだけど急に用事できちゃったの」と言われました。
私もせっかくのブランド物のタオルが売れないと困るので渋谷の代々木公園まで行くことにしました。
会場は広い公園いっぱいに、小さなスペースが区切られていて、真弓さんの店も中央の混雑した場所にありました。
朝方は人通りもほとんどなくて、これで売れるのかしらと思っていましたが、昼過ぎから大変な混雑になって、あっという間に半分くらいの商品は売れてしまいました。
午後になって、急に空に黒い雲が広がってきました。
「天気予報だと晴れだといってたのにね、雨になるのかしらね」と真弓さんと話していると、急に大粒の雨がポツリポツリと落ち始めました。
空を見上げて様子を見ているとあっというまに土砂降りの雨が降り始めました。
私達は慌てて、並べていた商品を紙袋に入れて濡れないようにかたづけました。
あれほどたくさんいた客も、雨のせいで人っ子一人いなくなり、隣の店でも品物を濡れないように車にしまい込んでいました。
「よかったらそっちの荷物も車に入れましょうか、濡れちゃいますよ」と隣の店の男の子に言われて私達は残りの品の入った紙袋を車に載せてもらいました。
雨はみていても、すぐには止みそうになく、他の店も荷物を車に積み込んでは店をたたんで帰り始めました。
「俺たちもう帰るんだけど荷物どうします、近くだったら一緒に運んでもいいけど」と男の子達に言われました。
男の子達の家の場所はそんなには近くではなかったのですが、車ではすぐだという話しなので、私達は一緒に荷物を運んでもらう事にしました。
車が動き始めると、すぐに高速に乗って真弓さんのマンションの近くまで来ました。
高速を降りて大通りに降りると、車は真弓さんのマンションの前の通りに止まりました。
男の子達が手際よく荷物を運び入れると、真弓さんは台所でコーヒーの支度を始めました。
私はすることがなく、かといって何もしないでいる訳にもいかないので、荷物を開けて寝室のクロゼットにしまおうとしました。
手近なクロゼットを開けてみると、なかにはネグリジェが掛けてあるのが見えました。
黒のフリルの一杯ついたネグリジェはかなりお色気のあるデザインでした。
ちょうど男の子が荷物を持って入ってきたので、私はあわててクロゼットを閉めました。
しかし男の子は荷物をクロゼットに入れるものと思って、クロゼットを大きく開け直しました。
男の子の視線がネグリジェを見つめたまま凍り付つたように動かなくなりました。
私があわててクロゼットを閉めようとすると、男の子が私を押し倒してきました。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきました。
私の身体を包み込んだ欲望の渦は、すぐには激しくならずに、私の感触を楽しんでいるようでした。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
支配者の許しがなければ、私は涙を流すことさえできなくなりました。
私の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
支配者が究極の快楽の時を告げるのを待つしかもう希望はなくなりました。
暗闇のなかで震え続ける私の身体は、最後の喜びで限りなく満たされました。
「何でもいいのよ、いらない物なんでも出せばいいの、使わないタオルとか、コップとか、何でも売れるから」と言われて、全然使っていないブランド物のタオルを奧から出してきました。
結婚するとき旦那の叔母がお祝いに買ってくれたんですが、ずっと使わないままになっていました。
「あ、これならすぐ売れるわよ800円でどう」と言われてちょっと安すぎる気がしましたが、もう古いものなのでお金になるならいいかと思いました。
「売れたらお金もってくるわね」と言って真弓さんはブランド物のタオルを持っていきました。
フリーマーケットの当日に朝真弓さんから電話があって、「ちょっとフリーマーケットの売り子手伝ってくれない、一人だとさ、トイレにもいけないじゃない、友達頼んどいたんだけど急に用事できちゃったの」と言われました。
私もせっかくのブランド物のタオルが売れないと困るので渋谷の代々木公園まで行くことにしました。
会場は広い公園いっぱいに、小さなスペースが区切られていて、真弓さんの店も中央の混雑した場所にありました。
朝方は人通りもほとんどなくて、これで売れるのかしらと思っていましたが、昼過ぎから大変な混雑になって、あっという間に半分くらいの商品は売れてしまいました。
午後になって、急に空に黒い雲が広がってきました。
「天気予報だと晴れだといってたのにね、雨になるのかしらね」と真弓さんと話していると、急に大粒の雨がポツリポツリと落ち始めました。
空を見上げて様子を見ているとあっというまに土砂降りの雨が降り始めました。
私達は慌てて、並べていた商品を紙袋に入れて濡れないようにかたづけました。
あれほどたくさんいた客も、雨のせいで人っ子一人いなくなり、隣の店でも品物を濡れないように車にしまい込んでいました。
「よかったらそっちの荷物も車に入れましょうか、濡れちゃいますよ」と隣の店の男の子に言われて私達は残りの品の入った紙袋を車に載せてもらいました。
雨はみていても、すぐには止みそうになく、他の店も荷物を車に積み込んでは店をたたんで帰り始めました。
「俺たちもう帰るんだけど荷物どうします、近くだったら一緒に運んでもいいけど」と男の子達に言われました。
男の子達の家の場所はそんなには近くではなかったのですが、車ではすぐだという話しなので、私達は一緒に荷物を運んでもらう事にしました。
車が動き始めると、すぐに高速に乗って真弓さんのマンションの近くまで来ました。
高速を降りて大通りに降りると、車は真弓さんのマンションの前の通りに止まりました。
男の子達が手際よく荷物を運び入れると、真弓さんは台所でコーヒーの支度を始めました。
私はすることがなく、かといって何もしないでいる訳にもいかないので、荷物を開けて寝室のクロゼットにしまおうとしました。
手近なクロゼットを開けてみると、なかにはネグリジェが掛けてあるのが見えました。
黒のフリルの一杯ついたネグリジェはかなりお色気のあるデザインでした。
ちょうど男の子が荷物を持って入ってきたので、私はあわててクロゼットを閉めました。
しかし男の子は荷物をクロゼットに入れるものと思って、クロゼットを大きく開け直しました。
男の子の視線がネグリジェを見つめたまま凍り付つたように動かなくなりました。
私があわててクロゼットを閉めようとすると、男の子が私を押し倒してきました。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきました。
私の身体を包み込んだ欲望の渦は、すぐには激しくならずに、私の感触を楽しんでいるようでした。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
支配者の許しがなければ、私は涙を流すことさえできなくなりました。
私の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
支配者が究極の快楽の時を告げるのを待つしかもう希望はなくなりました。
暗闇のなかで震え続ける私の身体は、最後の喜びで限りなく満たされました。
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