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第四十五話

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 夕食の買い物にスーパーに行こうと思って家を出ようとすると急に電話がなりました。
出てみると大学の時の先輩の真理絵さんで「昨日の夜ゼミの先生の奥さんがなくなって今日通夜なの」と言われました。
先生の奥さんは、もともとゼミの学生だった女の子で、先生とはずいぶん年が離れていました。
大学の研究室が懐かしいらしくて、ワープロを打つとか理由をつけては研究室に来たりして、よく手作りのケーキを持ってきてくれました。
急な病気らしくて「白血病」とか言う言葉を真理絵さんが口にしたので、私は胸が痛みました。
すぐに黒い喪服に着替えて、大学の近くのお寺まで行くと、大学の時の友達がたくさん駆けつけていました。
読経も一通り済んで、式場を後にするとせっかくだからみんなでお茶を飲んで行こうという話になりました。
帰ろうとすると真理絵さんに呼び止められました。
「ねえ、教育用語辞典借りたままになってるでしょう、今日返すから取りに来てよ、ねえいいでしょう」と言うので私は帰りに寄ることにしました。
真理絵さんのアパートは大学の近くで、よくクラブのコンパの後みんなで一緒に集まっては夜遅くまで騒いだのが思い出でした。
アパートへ曲がる路地を入ると懐かしくて涙がでそうになりました。
真理絵さんは大学のとき住んでいたアパートの前を通り過ぎると少し離れたマンションに私を案内しました。
「いちおう引っ越ししたの、すぐ近くなんだけど、お風呂ないと不便でしょう」と言われて、私は部屋に入りました。
すぐに書棚に案内されましたが、大学の時使った教科書がまだそのまま並べられていて、私は懐かしさで胸がいっぱいになりました。
一番目のつくところに、私が大学の時使っていた教育用語辞典がきちんとおいてありました。
「お茶くらいいれるからちょっと待っててね」と真理絵さんが言うので、私は少しゆっくりしていくことにしました。
二人でお茶を飲みながらお菓子を食べて、一休みすると「ねえこの部屋ね面白いものがみれるのよ」と真理絵さんが突然言い出しました。
「電気消してね、窓の外から、向かいのビルを見るとね、面白いの、私も最初はホントにびっくりしたんだけどね」と言いながら電気を消してカーテンを少しどかして向かいのビルを二人で覗き込みました。
薄いカーテンの奥で、裸の女性にカメラを向けた男が見えました。
「ほら、裏本とかいうのあるでしょう、よくインターネットで男の人が夢中になってみてるやつ、あそこで撮ってるのよ」
「カーテンが一応かかってるんだけどね、夜だとカーテンが透けて、こっから丸見えなのよ」
「本当にもうあきれ果てて、馬鹿みたい、ここからだとね部屋の中央がちょうど見えるのよ、窓がちょっと高いでしょうだから」と言うので私も、なんと返事をしていいのかわからずにうなずくだけでした。
「こないだなんかね、この近くのスーパーのレジの女が写真撮られてたのよ」
「馬鹿みたい、アルバイトの主婦らしいんだけど、誘われて写真撮らせるのってどうゆう神経なのかしらね」と早口でまくし立てました。
「でもいったいどうやって口説いたのかしらね、よっぽど口説くのが上手なのね」と言うので「モデルに誘われたいの真理絵さんも」と聞いてみると「やあねえ、でもいいお金になるらしいわよ、それに裏本からデビューして、映画スターになった女優さんもいるとか言う話聞いたことあるの、でもあのスーパーのレジの女が映画スターになれるわけないわよね」と教えてくれたので、私は知らない世界を少し覗き見して少しは偉くなったような気がしてきました。
しばらくおしゃべりをしてから私は、「旦那が待ってるからそろそろ帰るわね」と言うと「待ってる人がいるのはいいわね」と真理絵さんに言われて余計なことを言ってしまったと思いました。
私はお茶のコップを台所に運んで洗ったあと、「じゃ、また今度ね」と適当に挨拶しました。
真理絵さんも「じゃ、またね」と言ってくたので大学生の時に戻ったような気分でした。
ドアに横にある鏡で身支度を整えてからドアを開けると外はもう真っ暗でした。
慣れない道をなんとか思い出しながら近くの駅まで歩いていると、セーラー服をきた女子高生の二人組とすれ違いました。
振り返って見ると、二人のスカートはほとんどパンティーが見えそうなくらい短くて、こんな夜遅くに大丈夫かしらと心配になりました。
二人の行く先はさっき真理絵さんが教えてくれたマンションの方角でした。
私はもしかしてと気になって二人のあとをこっそりついていきました。
少し先の角を二人が曲がると、行き来はやっぱりさっきのマンションでした。
私はもしかして偶然他の部屋に来ただけかもしれないと思いましたが、あの裏本撮影の部屋に呼び出されているのかもしれないと心配になり思い切って声をかける事にしました。
急ぎ足で二人のすぐ後ろまで来ると、「ねえ、あなたたちどこに行くの」と話しかけてみましたが、ほかの言い方をした方がよかったかもしれないと後悔しました。
すると二人は立ち止まってこちらに振り返るとお互いに顔を見合わせてから「私たち写真撮って貰いにきたんですよ、写真のモデルしてるんです」と答えてくれました。
私はやっぱりと思い「写真んてどんな写真か知ってるの裏本てゆうのよ、エッチな写真撮られるのよ」と二人にお説教を始めよました。
すると二人はまた顔を見合わせて笑い出すと「雑誌の表紙なんですよ、ほら女の子向けの雑誌がいろいろあるでしょう、その表紙の写真を撮ってもらうんです」と言い出しました。
「そんなの嘘よだまされてるのよ」と私が必死で説得しようとすると、「よかったら一緒に来て写真撮るの見てみませんか、そんな変な写真じゃないんですよ」と明るく言い返されました。
私はやっぱり間違えたのかしらと思いましたが、二人が声を揃えて誘うので一緒に中に入ってみることにしました。
女子高生に案内されてマンションの2階に行くと、ラルフ写真スタジオと看板がでていて、ドアを入ったすぐには受付がありました。
女の子の一人が受付の机の上に置いてあるベルを鳴らすと、カメラマンらしい男性が出てきました。
女子高生はいきなり「このおばさん変なんですよ、私たちが裏本撮られるんだって言うんです、それもここで撮られるんだそうですよ」と言うなり笑い出しました。
カメラマンの男も釣られて一緒に笑い出すと、「よかったら撮影を見ていきませんか」と愛想よく私たちをスタジオに案内してくれました。
カメラマンは一人で照明器具とカメラの準備をすると、女の子に「じゃこれに着替えてきて」と言ってキャミソールらしい服を渡しました。
私はやっぱりエッチな写真なんだと確信して見ていると、女の子は勝手に他の服も手にとると着替えをするために隣の部屋に入りました。
しばらく時間がすぎて女の子達がでてくると、ジーパンとタンクトップの上にキャミソールを着ているだけで色気もなにもない格好でした。
カメラマンの男は慣れた様子で「いや、可愛いねほんとに何着ても似合うね、サイコーだよ、可愛い写真とってあげるからね」としきりに二人に声をかけながらカメラのシャッターの音をバチャバチャさせました。
いろんなポーズを撮って20分ほどで撮影が済むと女子高生はまた着替えのために隣の部屋に入るとしばらくして出てきました。
やっぱり余計な心配だったんだとわかると私は自分が恥ずかしくて穴があったら入りたいくらいでした。
女子高生達が帰ろうとするので、私も一緒に帰ろうとするとカメラマンに呼び止められました。
「よかったら写真のモデルになってくれないかな、いや表情がいいんだ、君の表情はなんて言うか、女子高生より女子高生らしくて、最近の女子高生は学生らしくなくてね」
「いや君はイメージがぴったしなんだな、もうサイコーにぴったしだ」とおだてられました。
私はこれはもしかして雑誌の表紙にでもしてもらえるのかしらと心の中ではにんまりとぬか喜びをしました。
さっそく渡されたテニスウェアに着替えようと隣の部屋に入ると、うきうきした気分で着替えました。
アンダースコートはすこし大きすぎたのですが写らないからいいやと思ってスタジオに戻ろうとしました。
すると私の後ろでドアがあくとカメラマンが入ってきました。
私はうれしくなって「着替えすみました」と言うと、カメラマンはいきなり「どこから聞いたんだ、ここで裏本撮ってるなんて」
「余計な事あちこちに言いふらしてるんじゃないだろうな」
「いったい誰から聞いたんだ、裏本の事」と言われて私はびっくりして足が震えてきました。
よくよく当たりを見回すと部屋の中央にはソファーがあり、壁際の窓にはカーテンが掛かっていました。
この部屋が真理絵さんの窓から見えた裏本の撮影現場に間違いありませんでした。
カメラマンはいきなり私を床に押し倒すと、そばにあった縄でぐるぐる巻きに縛りつけました。
天井には滑車がつけてあり私の体は足を開いた格好で海老反りに吊るされました。
「誰が教えたのか白状してもらおうか、白状するまでは此処からは帰さないからな」と言うと男は私が広げた足の間に腰を割り込ませてきました。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲いました。
私に抵抗する余裕を与えて、私を征服するのを楽しむかのように、男はゆっくりと私の身体を開いてきました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされました。
私の体は意志のない人形のようにもてあそばれて引き裂かれました。
空高くまで舞い上がった私の身体は、最後の瞬間を望んで空をさまよい続けました。
男は私の身体を一撃で貫き通すと、私の目からは涙がこぼれて止まらなくなりました。
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