【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第三十四話

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 旦那の冬物のコートをクリーニングに出そうと思ってポケットを調べていると、内ポケットからカードの形をした会員証がでてきました。
どうせレンタルビデオ屋のカードだと思って、気にもしてませんでしたが捨てる訳にもいかないので、旦那の部屋のパソコンの前にでも置いておこうと思いました。
しかし、部屋に入ってパソコンの前に置いてよくよく見ると、どうも怪しい会員証に見えました。
電話番号が書いてあったので、さっそく電話して見ると、受付の女性の声が聞こえました。
「あのどうゆう店なんですか」と何も考えもしないで聞いてみると、「あ、内はお客さんの身元みんな確かめてますから、だいじょぶですよ」
「普通の人妻の方でも安心してご入会できますから」と返事がきました。
どうやら、人妻も入会するクラブというのでこれはどう考えても怪しいとぴんと来ました。
「あの、私でも入会できますか」と聞いてみると、「あ、会員の方の紹介がないとだめなんですが、あと身元がわかる運転免許証とかも必要です」と明るい声の返事がきました。
私は「じゃ、これから行きますから」と言って電話を切りました。
免許を取ってから一度も車に乗っていない、免許証も役に立つことがあるんだと思い、免許証を引き出しの奧から探すと、教えられた場所に行くことにしました。
池袋の裏手にはいると、小さい路地の奧にマンションがありその裏に小さなビルがありました。
「さっき電話したんですが、それでどんな風になってるんですか」とさりげなく聞いてみると、
「うちはインターネットの交際クラブなんです、既婚の方専用で、いわゆる不倫ですね、条件の合った相手を紹介しますので、あとはインターネットの電子メールで交際していただいてます」
と慣れた様子で説明をしてくれました。
最近旦那がインターネットに夢中になって、それも私にパソコンを触らせないのはこのためだとようやく気が付いて私ははらわたが煮えくりかえってきました。
どんなことをしてるのか証拠をつかもうと私も会員になることにしました。
「会員の紹介がないと、だめなんですが、誰のご紹介ですか」と聞かれて、私は旦那の会員証を見せました。
すると、デジカメで顔写真を撮ってそのままプリンターで会員証を作ってくれました。
女性は無料だというので、お金もかからずほっとしました。
インターネットでは、自分のプロフィールを公開して、あとは希望する相手の条件を書くようにといろいろ教えてくれました。
私は、「また今度来ます」と言って店をでました。
家に戻ると旦那のパソコンを動かしてみました。
しかし、旦那も馬鹿ではないらしくて、旦那のデータはパスワードがないと見れないように仕掛けがしてありました。
私は自分のデータもこっそりとパスワードで隠すように設定し直すと、自分のプロフィールを適当に書いてアップロードしました、そして希望する条件に旦那の年収から職業趣味までぴったり同じに書きました。
電子メールはすぐに驚くほどたくさん来ました。
メールアドレスを一つ一つ確かめると旦那の会社からのメールがありました。
プロフィールを確かめてみると、旦那に間違いありませんでした。
私は適当に話しを作っては、旦那にメールして旦那の反応を楽しんで見ていました。
しばらくすると、私の悪口や、会社の上司の悪口をあたりまえのようにメールに書いてくるようになりました。
私は絶対旦那に違いないことを確かめようと、ある夜、「あなたパソコンばかりで全然あたしに構ってくれないじゃないの、こんなことだったら離婚よ」と強く言ってみました。
すると、翌日のメールには、「嫁さんに離婚したいと言われた、あんな女こっちから離婚してやる、俺にはお前だけだ」とか調子のいい言葉が返ってきました。


 私はもうそろそろ頃合いだと思って、男とホテルで待ち合わせをしました。
ロビーから少し離れた植木の陰に隠れて様子を見ていると、中年の男性がホテルの回転ドアから入ってきました。
その姿を見た途端に私は急に胸が締め付けられました。
まだ私が大学生の頃、合コンのあと礼子さんと帰ろうとして終電に乗り遅れて、駅前でふらふらしている時カラオケに誘われた中年の男性にそっくりでした。
頭は半分はげ上がって、背は低く、手足は痩せているのにお腹だけは以上に突き出た格好がまだ目に浮かんできます。
いかにも田舎臭い風体で、がに股であるく姿もなにもかもが瓜二つでした。
あのときカラオケに誘われた後、ラブホテルまで連れ込まれていいように遊ばれた記憶が私に戻ってきました。
あの重いお腹にのしかかられて身動きがとれないまま、天国に行かされた思いは決して忘れられるものではありませんでした。
女の子だったら誰でも近づきたいとさえ思わない男性に、体の芯から行かされて泣きじゃくった思いは今でも忘れられませんでした。
名前も電話番号も聞かなかったので、一度きりになってしまった経験が、当時は悔しくてなりませんでした。
もう二度と経験することがないと思っていたあの感触がまた私のからだによみがえってきました。
私は待ち合わせた相手がこの男でなければいいと祈るような気持ちでした。
男が席に着くと携帯を取りだして電話を始めました。
やっぱり違ったんだと思って、私はこんなことはやめてもう帰ろうと思い振り返ろうとしました。
その瞬間に私の携帯が鳴りました。
私が話すと、それに合わせ席に座った男もなにか携帯に返事をするのが見えました。
携帯で教えられた服装は、やっぱり今席に座っている男に間違いありませんでした。
私はもう自分の気持ちには逆らえないと覚悟を決めました。
後ろから男の座った席に近づくと「遅れてごめんなさい」と精一杯かわいらしい声を作って話しかけました。
「じゃ、行こうか、部屋はとってあるから」と男に言われて私は「よろしくお願いしますね」と言うのが精一杯でした。
部屋に入ると男はすぐに私をベッドに押し倒してきました。
欲望の嵐が激しい竜巻となって私の体に襲いかかってきました。
私の期待を裏切るように、ゆっくりとした波が私の感触を楽しむように打ち寄せてきました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
今誰が私を支配しているのか、それだけが私の涙を誘う喜びでした。
逃げることの出来ない快楽の時が始まったことを私は思い知らされました。
子宮からあふれる潮の流れがつま先から頭のてっぺんまでを奔流となって走り抜けていきました。
このままずっと奧まで責められたら、私は暴君に屈服するよりないと覚悟しました。
廃墟となって燃え落ちた私の身体に、男は所有者の刃を力強く打ち込み続けました。
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