【完結】令嬢はされるがままに

asami

文字の大きさ
上 下
30 / 122

第三十話

しおりを挟む
 旦那の背広をクリーニング店に取りに行くと、店番の女の子に「ポケットにこれ入ってました」と言って小さなカードを渡されました。
見たところクレジットカードではなく、なにかの会員証の用でした。
どうせレンタルビデオ屋のカードだと思って、気にもしてませんでしたが捨てる訳にもいかないので、旦那の部屋のパソコンの前にでも置いておこうと思いました。
しかし、部屋に入ってパソコンの前に置いてよくよく見ると、どうも怪しい会員証に見えました。
電話番号が書いてあったので、さっそく電話して見ると、受付の女性の声が聞こえました。
「あのどうゆう店なんですか」と何も考えもしないで聞いてみると、「あ、内はお客さんの身元みんな確かめてますから、だいじょぶですよ」
「普通の人妻の方でも安心してご入会できますから」と返事がきました。
どうやら、人妻も入会するクラブというのでこれはどう考えても怪しいとぴんと来ました。
「あの、私でも入会できますか」と聞いてみると、「あ、会員の方の紹介がないとだめなんですが、あと身元がわかる運転免許証とかも必要です」と明るい声の返事がきました。
私は「じゃ、これから行きますから」と言って電話を切りました。
免許を取ってから一度も車に乗っていない、免許証も役に立つことがあるんだと思い、免許証を引き出しの奧から探すと、教えられた場所に行くことにしました。
池袋の裏手にはいると、小さい路地の奧にマンションがありその裏に小さなビルがありました。
「さっき電話したんですが、それでどんな風になってるんですか」とさりげなく聞いてみると、
「うちはインターネットの交際クラブなんです、既婚の方専用で、いわゆる不倫ですね、条件の合った相手を紹介しますので、あとはインターネットの電子メールで交際していただいてます」
と慣れた様子で説明をしてくれました。
最近旦那がインターネットに夢中になって、それも私にパソコンを触らせないのはこのためだとようやく気が付いて私ははらわたが煮えくりかえってきました。
どんなことをしてるのか証拠をつかもうと私も会員になることにしました。
「会員の紹介がないと、だめなんですが、誰のご紹介ですか」と聞かれて、私は旦那の会員証を見せました。
すると、デジカメで顔写真を撮ってそのままプリンターで会員証を作ってくれました。
女性は無料だというので、お金もかからずほっとしました。
インターネットでは、自分のプロフィールを公開して、あとは希望する相手の条件を書くようにといろいろ教えてくれました。
私は、「また今度来ます」と言って店をでました。
家に戻ると旦那のパソコンを動かしてみました。
しかし、旦那も馬鹿ではないらしくて、旦那のデータはパスワードがないと見れないように仕掛けがしてありました。
私は自分のデータもこっそりとパスワードで隠すように設定し直すと、自分のプロフィールを適当に書いてアップロードしました、そして希望する条件に旦那の年収から職業趣味までぴったり同じに書きました。
電子メールはすぐに驚くほどたくさん来ました。
メールアドレスを一つ一つ確かめると旦那の会社からのメールがありました。
プロフィールを確かめてみると、旦那に間違いありませんでした。
私は適当に話しを作っては、旦那にメールして旦那の反応を楽しんで見ていました。
しばらくすると、私の悪口や、会社の上司の悪口をあたりまえのようにメールに書いてくるようになりました。
私は絶対旦那に違いないことを確かめようと、ある夜、「あなたパソコンばかりで全然あたしに構ってくれないじゃないの、こんなことだったら離婚よ」と強く言ってみました。
すると、翌日のメールには、「嫁さんに離婚したいと言われた、あんな女こっちから離婚してやる、俺にはお前だけだ」とか調子のいい言葉が返ってきました。


 私はいったいどうしようかと思い恭子さんに相談してみました。
すると「待ち合わせて合う約束をしてみれば、それで私が代わりに会いに行ってあげるから」
「あなたが、直接会うと、喧嘩になっちゃうかもしれないし、私だったら大丈夫でしょう」と言ってくれました。
私は確かにいいアイデアだと思い、男と池袋のモスバーガー前で会う約束をしました。
少し早めに二人で待ち合わせの場所に行くと、私はすこし離れた裏通りに隠れて様子をみることにしました。
約束の時間になると、恭子さんに携帯電話がかかってきて男が近くまで来ているようでした。
恭子さんが携帯をしまうと、すぐに男が恭子さんに声を掛けてきました。
しかし後ろ姿の背格好は私の旦那ではないようでした。
二人は話しながら並んで歩くと、すぐ近くのゲームセンターに入っていきました。
私はゲームセンターの外で二人が出てくるのを待ちましたが、いつまで立ってもでてくる様子はありませんでした。
不安な気持ちになって、ゲームセンターの中に入って恭子さんを探しましたが、どの階を見てもそれらしい女性は見つかりませんでした。
私はゲームセンターから出ようとして一階に戻ると、大変なことに気が付きました。
ゲームセンターには裏口があり、そこからも出入りができるようになっていました。
小さな裏口をくぐると細い道の両側にはラブホテルが並んでいました。
もしかして、このラブホテルのどこかに連れ込まれたのではと思いましたが、どうやって探していいのか分かりませんでした。
そのとき、携帯電話が鳴り出てみると恭子さんでした。
「お願いすぐに助けにきて、殺されちゃう」と必死の声が聞こえてきたので、私はすぐに教えられたラブホテルの部屋に飛び込みました。
ドアを開けると部屋のベッドの上には恭子さんが裸にされて縛られているのが見えました。
私が恭子さんの側に駆け寄ろうとすると、ドアの陰に隠れていた男が私の後ろから抱きついてきました。
私はそのまま恭子さんの上に押し倒されました。
私の後ろから男が勢いをこめて攻め始めました。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできませんでした。
私の体は意志のない人形のようにもてあそばれて引き裂かれました。
時計の針が止まると、永遠の時間が私の体を支配していました。
このままずっと最後まで責められたら、私の体は支配者に従うしかないと覚悟を決めました。
男は私の身体を天高く投げ上げると、快楽を楽しむ時も与えずに絶望の淵に突き落としました。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

処理中です...