【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第二十話

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 いつも遊びにきている邦美さんが、「最近うちで車買ったのね、旦那が欲しいて言うんで」と話しを始めました。
「それで、近所のファミリーレストランとかちょくちょく行ってるんだけどね」
「別も用もないのに、高速に乗ってファミレスいくのよ、コーヒー飲みに、馬鹿みたいでしょう」と邦美さんの話しが続きました。
「それでね、今度旦那がスキーに行きたいっていうんだけど、一緒に来てくれるわよね」
「旦那と二人でスキーに行ったってしょうがないから、4人で行けばそこそこ話しもはずむでしょう」と誘われました。
私は断る理由もないので、「旦那に相談してみます」と返事をしました。
旦那が帰ってきてから食事のあと聞いてみると「俺はスキーは得意なんだぞ、プロ並だ」と自慢話を始めました。
これは珍しく機嫌がいいので、私はようやく気持ちが楽になりました。
私は大学の授業で行ったスキー教室いらいスキーをしたことがなくて、スキーの道具も持っていなかったのですが、邦美さんが古いのを貸してくれるというので余計なお金がかからなくてほっとしました。
当日は朝早く邦美さんが車で迎えに来てくれて、昼過ぎにはスキー場に着きました。
私はとてもちゃんとは滑れないので初心者コースでだらだらと時間をつぶしました。
ほかの3人はそこそこ上手なようで、中級者用のコースで楽しんだようでした。
ホテルで一泊して、朝方から昼までまた滑って、午後には車でスキー場をでました。
車は高速に乗って、来た道を逆にたどって東京に戻りました。



 まっすぐ家に戻る前に、この間出来たばかりのファミリーレストランに寄って一休みすることになりました。
旦那は今日は疲れたからと言ってビールを頼みました。
邦美さんの旦那も、ビールを頼みましたが家ももうすぐ近くなので大丈夫だろうと思いました。
私達はビールを飲み終わると店を出ました。
もうすぐ、角を曲がれば私のマンションだという道で、急に自転車が飛び出してきました。
二人乗りの自転車は、車にはわずかに当たった程度でしたが、勢いよく横に倒れました。
すぐに運転していた男の子が起きあがって自転車を起こそうとしましたが、様子が変でした。
後ろの席に二人乗りしていた女の子が立ち上がれませんでした。
あわてて駆け寄ると、顔をゆがめて痛がっていました。
どうも、倒れた拍子にどこか怪我をしたようてした。
旦那が慌てて救急車を呼ぶと、しばらくしてサイレンの音がしてきました。
近所の人が数人、私達の近くで様子をうかがっていました。
救急車に女の子が乗り込むと、男の子と私が一緒についていく事にしました。
近くの病院の救急入り口から運び込まれるとすぐにレントゲンを撮りました。
私達は、担当の医者に呼ばれて説明を受けました。
自転車が倒れた拍子に、足を突いたのが悪かったらしくて、左足が骨折しているそうでした。
女の子はすぐに手当を受けて病室に運ばれました。
私は旦那に事情を連絡しましたが、警察は呼ばないことにしたと言っていました。
なんでも邦美さんの旦那が、今度友達とスキーに行くことになっていて、免停になると困るからと言っているそうでした。
飲酒運転だとすぐ免停だから、それだったら治療費払ったほうが全然いいからと邦美さんの旦那が言っているそうでした。
私はそうゆう問題ではないと思いましたが、「治療費は全部払いますから」と二人に言うと、二人とも警察に届けないことには同意してくれました。
私はそれだけでは申し訳ないと思って「ほかになにか出来ることあったら行って下さいね」と言ってみました。
もしかして困った事でもお願いされるかもしれないと思っていましたが、「別に何もありません」と言われてほっとしました。
翌日夕方買い物に行こうとすると、ドアのベルがなって人相の悪い二人組の男性が立っていました。
二人は昨日事故に遭ったお嬢さんの代理だと名乗り「モデルの仕事が入ってたんだがね、それが昨日の事故でだめになったんだ、なにしろモデルには足は命だからね、もうこれでモデルの仕事はできなくなった」
「こうゆう時はね、加害者が賠償金支払うことになってるんだが、モデルの収入3年分で2千万を支払ってもらうんだ。いや本当はもっと高いんだが、奥さんは素直に謝ったから半額でいいってあの女が言うんでね」と当たり前な口調で話し始めました。
私はそんな金を払える訳もないので、「主人に相談します」と言ってみるとその場は素直に帰ってくれました。
しかし、翌日にはまた同じ時間にくると昨日と同じ台詞を繰り返し言うと、今度は「いつ払ってくれるか、はっきりしてもらわないとこのまま帰るわけには行かないんだよ、奥さん」と言って1時間ほど玄関口に立ったまま、部屋の様子を伺いながら私をにらみつけました。
翌日になるともう私は半分ノイローゼになって、気が狂いそうになり旦那にも「なんとかもう来ないようにできないの、私もういや」と泣きながら言ってみましたが旦那は「そんな金払えるわけないから、なんとか自分で追い払えよ、おれは昼間は仕事で忙しいんだ」と言ってろくに相手もしてくれませんでした。
翌日男たちがまた来ると「奥さんよかったら、替わりに奥さんがモデルの仕事をしてみていか。仕事の収入の半分をこっちに払ってもらえればいいから」と言い出しました。
私はそれは都合がいいと思いましたが、私がモデルなど出来るはずがないと思い「私がモデルの仕事をするんですか」と言ってみると「いや、奥さん、年の割りには若く見えるし、肌もきれいだし、小柄な割りには良い体してるし、シロートっぽい雰囲気がまたいいから、モデルにはぴったしだよ」と調子の良い返事が帰ってきました。
私はそんなに言ってくれるならモデルの仕事を引き受けてみようと思い男たちが用意してきた契約書にサインしました。
じゃあ、来てもらおうかと言われて駅前の事務所に案内されると、2階の奥は小さな写真スタジオになっていて、ソファーの周りには照明のライトや、ビデオカメラが置いてありました。
「じゃあ脱いでもらおうか」といきなり言われて、私はモデルさんだから服を脱ぐくらいは当たり前なのかしらと思って、服を脱いで下着だけの姿になりました。
すると、カメラの横に立っていた、大柄な男性がいきなり服を脱ぎ始めました。
私がびっくりしていると「なんのモデルだと思ってるんだ、アダルトビデオに決まってるだろう」とカメラマンが言い出しました。
私はとんでもない事になったと逃げ出そうとしましたが、すぐにソファーの上に押し倒されました。
逃げられない時は従うしかないと、子宮が命じる声が私の身体に響いてきました。
私の身体を包み込んだ欲望の渦は、すぐには激しくならずに、私の感触を楽しんでいるようでした。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
逆らう気持ちが、諦めの気持ちに変わったとき、ふいに体中が喜びで震えてきました。
竜巻のような激しい勢いで吹き抜ける嵐の中では、もう逃げることもできませんでした。
抵抗する気力もないくらいに私の体はもてあそばれました。
暴君が究極の至福の時を告げるのを待つしかもう望みはなくなりました。
男は私の身体を征服すると私の目からは涙がこみ上げて止まらなくなりました。
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