【完結】令嬢はされるがままに

asami

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第十八話

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 夕御飯の支度をしていると旦那からメールがあり「接待で遅くなる」と連絡してきました。
私は作りかけていた料理をどうしようと思いながら、旦那の帰りを待ちました。
もう終電も終わった頃ようやく旦那が帰ってきましたが、接待の相手の農協の理事長さんが一緒でした。
旦那は理事長さんを客間に案内すると、「こないだ郵便受けに入ってた風俗のビラあるだろう、あれどこにあるんだ」と言い出しました。
私は「もうゴミ箱にいれたけど」と答えると旦那は「どこのゴミ箱だそれ、あの理事長さんは女癖が悪くて、女の体を提供しないと契約が取れないんだ」
「いつも接待で使ってる銀座のクラブのママに相談したら、『うちはそうゆう店じゃありません』とけんもほろろなんだ。」
「それで、今度は嫁さん紹介しろって言い出して、言い出したらきかないんだ、お前に相手をさせるわけいかないだろう」と言い出すので私は一緒になって風俗のビラを探しました。
寝室のゴミ箱から取り出したビラを旦那に渡すと携帯の番号に電話をして、「ちょっと太めの女性で経験豊富な娘お願いします」と頼んでいました。
「どうせなら、お前に似た女がいいだろう、どうせ酔ってるから、明日の朝になれば誰が相手をしたかなんて覚えてないんだ、お前が相手をしたことにすればいいだろう」と旦那が言い出すので、「私ちょっと太めなんかじゃないけど、それに経験豊富でもないし」と言い返すと、「今はそんなこと言ってる暇ないだろう」と言われました。
しばらくして、ドアを叩く音がして背の低い少し太めの女性が立っていました。
化粧はそれほど濃くもなく、近所の奥さんといった感じの女性でしたが、あまりかわいらしい雰囲気ではありませんでした。
「これはちょうどいいや、お前のパジャマあるだろういつもの、あれ着てもらえ」と旦那が言うので、いつものパジャマを女性に渡しました。
こっちで着替えて下さいねと言って寝室に案内して、髪も後ろできつくゆわいてもらいました。
女性が部屋に入ると、「いや、奥さん綺麗だね、いい体してるじゃないか」と理事長さんが言う声が聞こえてきました。
やっぱり旦那が思った通り、その女性を私だと思いこんでいるようでした。
しばらく静かになったと思うと、女性の喘ぐ声が聞こえてきました。
やがて声は大きくなったり小さくなったりと波が繰り返すように続くと、急に泣き声になりました。
私はその声を聞いた途端に体が震えて止まらなくなりました。
旦那にしてもらうときは、ほんの数分だけで、女性の体がこんなにも感じて反応するなんて私の全くしらない世界でした。
自分でもどうしていいのか分からないまま、私は自分で指を使っていました。
何度も繰り返される女性の叫び声をきいて、私もこんな体験ができたらどんなにいいだろうと心の底から思えてきました。
ちょうど一時間たって料金分の時間がすぎたらしくて女性は部屋を出ると玄関から出ていきました。
外では車が待っていたようで、車が近づいて女性を乗せて遠ざかる音が聞こえました。



 翌朝旦那はいつもの時間に仕事があると言って出かけていきました。
私は理事長さんに朝食を用意すると、昨日の事を聞いてみました。
すると「ああ、あの女なら、俺の事を忘れられなくしてやったよ」と得意そうに自慢話しを始めました。
私はそんな話しは聞きたくないので、「今日はいい天気になりそうですね」と話題を変えようとしました。
しかし理事長さんは「あの女『こんなすごいの初めてっていって、泣き出しやがって』」とまだ話しを続けていました。
私は知らん顔をして返事をしませんでした。
理事長さんが「これから会議があるんだ、まだゆっくりしたいんだが、失礼させてもらうよ」と言ったので私はほっとしました。
理事長さんが出て行ったあと、お昼のワイドショーを見ていると電話がありました。
「クレジットカードがどうしても見つからないんだが、置き忘れてはないかな、ちょっと見てくれないか」という理事長さんからの電話でした。
私は昨日の客間を何度か探して見ましたがクレジットカードは見つかりませんでした。
もしかしてと思い私は昨日の風俗のビラの番号に電話してみました。
「もしかして、クレジットカードを間違って持ち帰ってないか調べてみてくれませんか」と遠回しに言ってみると「調べてみます」と言う返事が返ってきました。
私は少し不安な気持ちで返事を待っていると「うちの娘が、間違ってもって来てるみたいなんで、これから返しに行きます」と折り返し連絡があり私はやれやれと思いました。
しばらく待っていると昨日の女性がやってきました。
クレジットカードを渡してくれてこれで一安心と思っていると「ねえ奥さん、アルバイトしてみない」と女性が言い出しました。
「どう奥さん旦那さんが相手してくれてないでしょう、刺激が欲しいんじゃない、奥さんにぴったりのアルバイトなのよ」と言うので危ないアルバイトだというのはすぐ分かりました。
私が断ろうとすると「奥さん、仕事取るのに女で接待する会社ってどんな会社なのかしらね、週刊誌で記事にでもなったら旦那さん困るんじゃない」と言い出しました。
「どう、アルバイトしてみる、それとも週刊誌の記事で旦那さんが困るのとどっちがいいのかしらね」と女性が言うので、私はやっと女性の言う意味が分かりました。
「今ね、ちょうど人妻と交際したいっていう男性が近くまで来てるのよ、これから来てもらいますからね」と言われて私は足が震えてきました。
女性が携帯を取り出してなにか話しをするとすぐにドアが開いて男が入ってきました。
最初から男がドアの外で待っていたのに違いありませんでした。
私はもう逃げられないと思い、体中が震えて動けなくなりました。
男は私に近づくとソファーに私の体を押し倒して来ました。
欲望の儀式が始まる予感が、私の身体を襲いました。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがありました。
私の体は空高く放り上げられたまま、落ちることを許されずに回り続けました。
支配者に従属するのが女の宿命だと私は心のそこから思い知らされました。
天高く飛ばされた私の身体は、至福の時を望んで宙を舞い続けました。
理事長さんの欲望は私の体を十分に楽しむと、ようやく最後の一撃で私を打ち砕きました。
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