21 / 21
エピローグ
そして、夢の中へ
しおりを挟む
「こんにちは。キヨさん、見に来てくださっていたんですね」
久しぶりに聞く伊達 雫の声は、以前と変わらずにハツラツとしていた。
収容人数を1万8千人にまで拡張された”聖地”多喜城スタジアム。
今日は多喜城FCのJ1・J2入れ替え戦の第1戦目が行われる日だった。
あの映画のように劇的なJ2昇格からもう5年になる。
J3優勝の看板を引っさげて参戦したJ2の舞台で、多喜城FCは厳しい現実を見せつけられる形になった。
アリオスや福石と言った主力の怪我も重なり、昇格から2年間、連続で残留争いをする事になる。
J2、2年目のシーズン途中を持って清川監督は引責辞任という形になり、後任にはヘッドコーチが監督代行としてチーム内昇格する。
ギリギリでJ2残留を決めたそのシーズンの後、多喜城FCで現役を引退した元日本代表、森 一がチーム初のOB監督として就任した。
清川の基本戦術を踏襲しつつも、新しい理論を少しずつ投入し、3年の月日を費やして徐々に順位を上げた多喜城FCは、ついにJ1入れ替え戦の舞台を迎えたのだった。
清川の頭の中には、あのまま自分が率いていれば、もっと早くこの舞台に上がれたかもしれないと言う思いがある。しかし、清川にはまだ理解しきれないような新しい理論を取り入れて勝ちを重ねる多喜城FCを見ていると、逆に自分が率いていたらJ3降格の憂き目にあっていたかもしれないと言う恐れもある。
横浜アルマーダを解任された時にも感じた、やり残したことがあるような、全てやり尽くしたような気持ちを、今も感じることがあった。
懐かしい雫の顔を見て、今まで何度も考えたそんなことが頭をかすめた清川は、「監督商売ってのは因果なもんだ」と小さく首を振った。
「クラブボックスルームに来てください。テルさんもフクさんも来てますよ」
笑って手を引く雫に誘われて、清川は代表監督が視察に来た時などに使用されるVIPルームへと連れて行かれる。バックスタンド側の最上階にある大きな扉を雫が清川の手を引いたまま、反対側の手で開くと、そこには懐かしい顔ぶれが揃っていた。
「キヨさん、久しぶり!」
最初に声をかけてきたのは、石元 輝夫。
清川の辞任と同時に引退した3人の選手のうちの一人で、清川が辞任後に始めた宮城県内でのサッカースクールで、時々講師として子どもたちの指導を頼んでいたため、この顔ぶれの中では一番良く会っている。
しかし、最近はボール1つ持って海外の子供達と交流すると言うバラエティー番組のコーナーが人気になっており、ここ2ヶ月ほどは顔を合わせていなかった。
「おひさしぶりです」
石元の横からスーツ姿で握手を求めてきたのは福石 泰。彼はJ2昇格後3年目に負った怪我が元で現役を引退している。
アマチュア時代にお世話になっていた倉庫会社で、今は次長と言う肩書きを持っていた。
二人の背後、ボックスルームの壁に設置されたモニターには、CSで生中継されているこの試合の映像が映しだされていた。その解説席に座っていたのは、相変わらず金髪の山田 芳裕だった。
したり顔で試合展望を語るその顔を見ると、清川は後で呼び出してやろうと、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「で? どうなんだ、今日の調子は?」
窓際に設置された席に腰を下ろしながら、清川が尋ねる。眼下には満員のサポーターで一色に染まるスタジアムが一望できた。
「イチさんが言うには『勝てるだけの練習はしてきた。後は実力を出し切れるかどうか』だそうです」
清川の隣にサッと陣取った雫が、満面の笑みを浮かべてそう答える。
まるで自分がインタビューに答えているような既視感に、清川も笑って頷いた。
「バリッチフィジカルコーチが言うには、『延長も含めて120分走れる体を作ってきた』そうなので、楽しみにしてるといいですよ」
テーブルの上に、注いだばかりの生ビールのジョッキを並べながら、雫に変わって広報部長の職についた仁藤 克行が笑いかけた。
清川が見下ろすピッチの中に、次々と選手が走りこむ。
片端、財満、千賀、渡部、森尾など、知った顔も多かったが、J2昇格のあのシーズンから、顔ぶれは半分ほど変わっていた。
「おいおい、ナオキがキャプテンマーク巻いてるじゃねぇか」
ビールを吹き出しそうになりながら、「確か、先週までは渡部が巻いていたはずだ」と、ホテルで見た試合を思い出し、清川が声を上げる。
「ナオキさんはもう『ミスター多喜城』ですからね」
財満と千賀、どちらの二つ名を『ミスター多喜城』にするかで、サポーターグループの中でも一悶着あったらしいが、財満自身の「俺は『天才』財満だから」の一言で上手く収まったらしい。
今では『ミスター多喜城』と言えば千賀の代名詞として定着している。
千賀の立ち居振る舞い、プレー内容は、それほどまでにプロとしてサポーターからも仲間からも評価されていた。
「……あいつがねぇ」
清川が教えた選手の中で、一番成長した選手と聞かれれば、それはやはり千賀だろう。代表に呼ばれるような派手な選手ではないが、ちゃんと「居て欲しい時に居て欲しい所に居られる選手」に育った。
分かってはいても、どうしても「あのナオキが」と思ってしまう。
清川にとって、千賀はヨチヨチ歩きの頃から育て上げた、自分の子供のような存在だったのだ。
見つめる先、千賀の隣に立つ一際大きなブラジル人ボランチの姿が清川からもよく見える。
「あれが噂の現役ブラジルU-21代表ボランチだな」
多喜城を退団後、ブラジルで代理人を始めたアリオスが、自信を持って薦めてくれたのが、あのブラジル人ボランチのエデウソンだ。
中東やイタリアのクラブからもあったと言うオファーを全て蹴り、J1昇格の切り札として、この夏から多喜城に所属している。
シーズン途中での加入という難しい状況でもエデウソンは上手くチームにフィットし、攻守のつなぎ役として、既に多喜城に無くてはならない存在になっていた。
「エデウソンのプレーは面白いよ! キヨさん見てないの?」
雫と反対側に座った石元が、聞いても居ないのに説明を始める。テルが饒舌になるということは、かなりいい選手なんだろうなと、清川は目を細めた。
ふと、反対側に目をやると、じっと清川を見つめる雫と目が合った。
広報部長の肩書を捨て、C級コーチ資格を取った雫は、昨年から育成部コーチとして小学生以下の女子の指揮を執っている。
プロの監督として、多喜城から離れた清川と、それでも繋がっていたいという雫の思いがとらせた、清川と同じ「監督」と言う道だった。
目が合ったまま、視線を外すことも出来ない。
まっすぐ見つめられたその瞳を無理やり遮るように、ジョッキを持ち上げた清川はそっと目を瞑った。
「しかし、揃いも揃って多喜城に集まるとはな」
自嘲を含んだ清川の言葉に、皆が笑い、雫が頷く。
「みんな、多喜城FCが大好きですから。……キヨさんと一緒に、みんなで作り上げた、この夢みたいなチームが……本当に大好きなんです」
大きなビールジョッキを持った雫の姿に、初めて出会った時の様子がフラッシュバックして重なる。
真剣に多喜城FCを応援する、レプリカユニフォームを着た可愛らしい女の子。
まさかあの時は、あの出逢いから、こんな宝物の出来上がる場所に導かれるとは思っても見なかった。
偶然なのか、必然なのか。
運命なのか、奇跡なのか。
そのきっかけが何だったにせよ、全てはこの一人の女の子がより合わせた絆によって作り上げられた事のように清川には思えた。
かつての戦友。そして今でも同じチームを応援する仲間たちとジョッキをぶつけあうと、清川は試合に目を戻す。
ピッチの中では、怪我から完全に復帰し、日本代表にも呼ばれるようになった財満が、キックオフのボールを蹴り出したところだった。
変わってゆくチーム、変わらないこの風景。
そして、あの時からずっと、今もそこにある――あの横断幕。
『俺達はいつだってここに居る! 共に行こう! 頂上!』
あの頃と同じ多喜城FCのチームチャントが地鳴りのように鳴り響き、ボックスルームの仲間たちにもあの頃の情熱をよみがえらせる。
清川はジョッキをテーブルに置くと、一人のサポーターとして多喜城FCへと声援を送った。
――了
久しぶりに聞く伊達 雫の声は、以前と変わらずにハツラツとしていた。
収容人数を1万8千人にまで拡張された”聖地”多喜城スタジアム。
今日は多喜城FCのJ1・J2入れ替え戦の第1戦目が行われる日だった。
あの映画のように劇的なJ2昇格からもう5年になる。
J3優勝の看板を引っさげて参戦したJ2の舞台で、多喜城FCは厳しい現実を見せつけられる形になった。
アリオスや福石と言った主力の怪我も重なり、昇格から2年間、連続で残留争いをする事になる。
J2、2年目のシーズン途中を持って清川監督は引責辞任という形になり、後任にはヘッドコーチが監督代行としてチーム内昇格する。
ギリギリでJ2残留を決めたそのシーズンの後、多喜城FCで現役を引退した元日本代表、森 一がチーム初のOB監督として就任した。
清川の基本戦術を踏襲しつつも、新しい理論を少しずつ投入し、3年の月日を費やして徐々に順位を上げた多喜城FCは、ついにJ1入れ替え戦の舞台を迎えたのだった。
清川の頭の中には、あのまま自分が率いていれば、もっと早くこの舞台に上がれたかもしれないと言う思いがある。しかし、清川にはまだ理解しきれないような新しい理論を取り入れて勝ちを重ねる多喜城FCを見ていると、逆に自分が率いていたらJ3降格の憂き目にあっていたかもしれないと言う恐れもある。
横浜アルマーダを解任された時にも感じた、やり残したことがあるような、全てやり尽くしたような気持ちを、今も感じることがあった。
懐かしい雫の顔を見て、今まで何度も考えたそんなことが頭をかすめた清川は、「監督商売ってのは因果なもんだ」と小さく首を振った。
「クラブボックスルームに来てください。テルさんもフクさんも来てますよ」
笑って手を引く雫に誘われて、清川は代表監督が視察に来た時などに使用されるVIPルームへと連れて行かれる。バックスタンド側の最上階にある大きな扉を雫が清川の手を引いたまま、反対側の手で開くと、そこには懐かしい顔ぶれが揃っていた。
「キヨさん、久しぶり!」
最初に声をかけてきたのは、石元 輝夫。
清川の辞任と同時に引退した3人の選手のうちの一人で、清川が辞任後に始めた宮城県内でのサッカースクールで、時々講師として子どもたちの指導を頼んでいたため、この顔ぶれの中では一番良く会っている。
しかし、最近はボール1つ持って海外の子供達と交流すると言うバラエティー番組のコーナーが人気になっており、ここ2ヶ月ほどは顔を合わせていなかった。
「おひさしぶりです」
石元の横からスーツ姿で握手を求めてきたのは福石 泰。彼はJ2昇格後3年目に負った怪我が元で現役を引退している。
アマチュア時代にお世話になっていた倉庫会社で、今は次長と言う肩書きを持っていた。
二人の背後、ボックスルームの壁に設置されたモニターには、CSで生中継されているこの試合の映像が映しだされていた。その解説席に座っていたのは、相変わらず金髪の山田 芳裕だった。
したり顔で試合展望を語るその顔を見ると、清川は後で呼び出してやろうと、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「で? どうなんだ、今日の調子は?」
窓際に設置された席に腰を下ろしながら、清川が尋ねる。眼下には満員のサポーターで一色に染まるスタジアムが一望できた。
「イチさんが言うには『勝てるだけの練習はしてきた。後は実力を出し切れるかどうか』だそうです」
清川の隣にサッと陣取った雫が、満面の笑みを浮かべてそう答える。
まるで自分がインタビューに答えているような既視感に、清川も笑って頷いた。
「バリッチフィジカルコーチが言うには、『延長も含めて120分走れる体を作ってきた』そうなので、楽しみにしてるといいですよ」
テーブルの上に、注いだばかりの生ビールのジョッキを並べながら、雫に変わって広報部長の職についた仁藤 克行が笑いかけた。
清川が見下ろすピッチの中に、次々と選手が走りこむ。
片端、財満、千賀、渡部、森尾など、知った顔も多かったが、J2昇格のあのシーズンから、顔ぶれは半分ほど変わっていた。
「おいおい、ナオキがキャプテンマーク巻いてるじゃねぇか」
ビールを吹き出しそうになりながら、「確か、先週までは渡部が巻いていたはずだ」と、ホテルで見た試合を思い出し、清川が声を上げる。
「ナオキさんはもう『ミスター多喜城』ですからね」
財満と千賀、どちらの二つ名を『ミスター多喜城』にするかで、サポーターグループの中でも一悶着あったらしいが、財満自身の「俺は『天才』財満だから」の一言で上手く収まったらしい。
今では『ミスター多喜城』と言えば千賀の代名詞として定着している。
千賀の立ち居振る舞い、プレー内容は、それほどまでにプロとしてサポーターからも仲間からも評価されていた。
「……あいつがねぇ」
清川が教えた選手の中で、一番成長した選手と聞かれれば、それはやはり千賀だろう。代表に呼ばれるような派手な選手ではないが、ちゃんと「居て欲しい時に居て欲しい所に居られる選手」に育った。
分かってはいても、どうしても「あのナオキが」と思ってしまう。
清川にとって、千賀はヨチヨチ歩きの頃から育て上げた、自分の子供のような存在だったのだ。
見つめる先、千賀の隣に立つ一際大きなブラジル人ボランチの姿が清川からもよく見える。
「あれが噂の現役ブラジルU-21代表ボランチだな」
多喜城を退団後、ブラジルで代理人を始めたアリオスが、自信を持って薦めてくれたのが、あのブラジル人ボランチのエデウソンだ。
中東やイタリアのクラブからもあったと言うオファーを全て蹴り、J1昇格の切り札として、この夏から多喜城に所属している。
シーズン途中での加入という難しい状況でもエデウソンは上手くチームにフィットし、攻守のつなぎ役として、既に多喜城に無くてはならない存在になっていた。
「エデウソンのプレーは面白いよ! キヨさん見てないの?」
雫と反対側に座った石元が、聞いても居ないのに説明を始める。テルが饒舌になるということは、かなりいい選手なんだろうなと、清川は目を細めた。
ふと、反対側に目をやると、じっと清川を見つめる雫と目が合った。
広報部長の肩書を捨て、C級コーチ資格を取った雫は、昨年から育成部コーチとして小学生以下の女子の指揮を執っている。
プロの監督として、多喜城から離れた清川と、それでも繋がっていたいという雫の思いがとらせた、清川と同じ「監督」と言う道だった。
目が合ったまま、視線を外すことも出来ない。
まっすぐ見つめられたその瞳を無理やり遮るように、ジョッキを持ち上げた清川はそっと目を瞑った。
「しかし、揃いも揃って多喜城に集まるとはな」
自嘲を含んだ清川の言葉に、皆が笑い、雫が頷く。
「みんな、多喜城FCが大好きですから。……キヨさんと一緒に、みんなで作り上げた、この夢みたいなチームが……本当に大好きなんです」
大きなビールジョッキを持った雫の姿に、初めて出会った時の様子がフラッシュバックして重なる。
真剣に多喜城FCを応援する、レプリカユニフォームを着た可愛らしい女の子。
まさかあの時は、あの出逢いから、こんな宝物の出来上がる場所に導かれるとは思っても見なかった。
偶然なのか、必然なのか。
運命なのか、奇跡なのか。
そのきっかけが何だったにせよ、全てはこの一人の女の子がより合わせた絆によって作り上げられた事のように清川には思えた。
かつての戦友。そして今でも同じチームを応援する仲間たちとジョッキをぶつけあうと、清川は試合に目を戻す。
ピッチの中では、怪我から完全に復帰し、日本代表にも呼ばれるようになった財満が、キックオフのボールを蹴り出したところだった。
変わってゆくチーム、変わらないこの風景。
そして、あの時からずっと、今もそこにある――あの横断幕。
『俺達はいつだってここに居る! 共に行こう! 頂上!』
あの頃と同じ多喜城FCのチームチャントが地鳴りのように鳴り響き、ボックスルームの仲間たちにもあの頃の情熱をよみがえらせる。
清川はジョッキをテーブルに置くと、一人のサポーターとして多喜城FCへと声援を送った。
――了
0
お気に入りに追加
19
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
古屋さんバイト辞めるって
四宮 あか
ライト文芸
ライト文芸大賞で奨励賞いただきました~。
読んでくださりありがとうございました。
「古屋さんバイト辞めるって」
おしゃれで、明るくて、話しも面白くて、仕事もすぐに覚えた。これからバイトの中心人物にだんだんなっていくのかな? と思った古屋さんはバイトをやめるらしい。
学部は違うけれど同じ大学に通っているからって理由で、石井ミクは古屋さんにバイトを辞めないように説得してと店長に頼まれてしまった。
バイト先でちょろっとしか話したことがないのに、辞めないように説得を頼まれたことで困ってしまった私は……
こういう嫌なタイプが貴方の職場にもいることがあるのではないでしょうか?
表紙の画像はフリー素材サイトの
https://activephotostyle.biz/さまからお借りしました。
演じる家族
ことは
ライト文芸
永野未来(ながのみらい)、14歳。
大好きだったおばあちゃんが突然、いや、徐々に消えていった。
だが、彼女は甦った。
未来の双子の姉、春子として。
未来には、おばあちゃんがいない。
それが永野家の、ルールだ。
【表紙イラスト】ノーコピーライトガール様からお借りしました。
https://fromtheasia.com/illustration/nocopyrightgirl
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
アーコレードへようこそ
松穂
ライト文芸
洋食レストラン『アーコレード(Accolade)』慧徳学園前店のひよっこ店長、水奈瀬葵。
楽しいスタッフや温かいお客様に囲まれて毎日大忙し。
やっと軌道に乗り始めたこの時期、突然のマネージャー交代?
異名サイボーグの新任上司とは?
葵の抱える過去の傷とは?
変化する日常と動き出す人間模様。
二人の間にめでたく恋情は芽生えるのか?
どこか懐かしくて最高に美味しい洋食料理とご一緒に、一読いかがですか。
※ 完結いたしました。ありがとうございました。
雨上がりに僕らは駆けていく Part1
平木明日香
恋愛
「隕石衝突の日(ジャイアント・インパクト)」
そう呼ばれた日から、世界は雲に覆われた。
明日は来る
誰もが、そう思っていた。
ごくありふれた日常の真後ろで、穏やかな陽に照らされた世界の輪郭を見るように。
風は時の流れに身を任せていた。
時は風の音の中に流れていた。
空は青く、どこまでも広かった。
それはまるで、雨の降る予感さえ、消し去るようで
世界が滅ぶのは、運命だった。
それは、偶然の産物に等しいものだったが、逃れられない「時間」でもあった。
未来。
——数えきれないほどの膨大な「明日」が、世界にはあった。
けれども、その「時間」は来なかった。
秒速12kmという隕石の落下が、成層圏を越え、地上へと降ってきた。
明日へと流れる「空」を、越えて。
あの日から、決して止むことがない雨が降った。
隕石衝突で大気中に巻き上げられた塵や煤が、巨大な雲になったからだ。
その雲は空を覆い、世界を暗闇に包んだ。
明けることのない夜を、もたらしたのだ。
もう、空を飛ぶ鳥はいない。
翼を広げられる場所はない。
「未来」は、手の届かないところまで消え去った。
ずっと遠く、光さえも追いつけない、距離の果てに。
…けれども「今日」は、まだ残されていた。
それは「明日」に届き得るものではなかったが、“そうなれるかもしれない可能性“を秘めていた。
1995年、——1月。
世界の運命が揺らいだ、あの場所で。
色呆リベロと毒舌レフティ
雪銀海仁@自作絵&小説商業連載中
青春
《青春ランキング最高順位7位/3969作
同週間最高17位、同月間最高22位
HJ文庫大賞を二回、二次落ち
第12回集英社ライトノベル新人賞一次通過》
(1次落ち率9割)
スポーツ女子を愛して止まないサッカー部の星芝桔平は、中三の時に同学年でU17日本代表の水池未奈を見てフォーリンラブ。
未奈のいる中学の高等部、竜神高校を受験し合格しサッカー部に入部。水池にべたべたと付きまとう。
そして訪れる水池との決戦の日。星芝は水池を振り向かすべく、未奈とひっついていちゃいちゃすべく、全てを捧げて水池率いる女子サッカー部Aチームと戦う!
作者はサッカー経験者、主人公のイメキャラにチュートリアル徳井さんを据えた、色呆け男子高校生の本格サッカーものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
神様のボートの上で
shiori
ライト文芸
”私の身体をあなたに託しました。あなたの思うように好きに生きてください”
(紹介文)
男子生徒から女生徒に入れ替わった男と、女生徒から猫に入れ替わった二人が中心に繰り広げるちょっと刺激的なサスペンス&ラブロマンス!
(あらすじ)
ごく平凡な男子学生である新島俊貴はとある昼休みに女子生徒とぶつかって身体が入れ替わってしまう
ぶつかった女子生徒、進藤ちづるに入れ替わってしまった新島俊貴は夢にまで見た女性の身体になり替わりつつも、次々と事件に巻き込まれていく
進藤ちづるの親友である”佐伯裕子”
クラス委員長の”山口未明”
クラスメイトであり新聞部に所属する”秋葉士郎”
自分の正体を隠しながら進藤ちづるに成り代わって彼らと慌ただしい日々を過ごしていく新島俊貴は本当の自分の机に進藤ちづるからと思われるメッセージを発見する。
そこには”私の身体をあなたに託しました。どうかあなたの思うように好きに生きてください”と書かれていた
”この入れ替わりは彼女が自発的に行ったこと?”
”だとすればその目的とは一体何なのか?”
多くの謎に頭を悩ませる新島俊貴の元に一匹の猫がやってくる、言葉をしゃべる摩訶不思議な猫、その正体はなんと自分と入れ替わったはずの進藤ちづるだった
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる