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第二章:あっくんは貴族となり、平和な生活を城塞都市で営む
第18話「あっくんとようじょ」
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「ふむ、それはとても興味深い」
クリスティアーノは小さなチーズをひとつまみ口に放り込むと、ビール――ハーブではなくホップを使った最新のビール――をゴクリゴクリと音を立てて喉に流し込んだ。
僕は今、一人でクリスティアーノの屋敷を訪れていた。
りんちゃんの将来についての相談をするためのこの会話をりんちゃんに聞かせたくはなかったからだ。
僕が一人で訪ねてきたのを知った妙に嬉しそうな表情で現れたクリスティアーノは、テーブルにビールとおつまみを並べて、奥まった部屋へ僕を招いてくれたのだった。
「ふぅ……神に恩を着せる……か」
「うん、少なくともそれで元の世界に帰れた人を僕は1人だけ知ってる」
神の無くしモノを見つけた褒美として、元の世界へ帰った転移者。僕の記憶にあるかぎり少なくとも100人は送り出した転移者の中のたった1人。
確率で言えば1%未満の話ではあるけど、大事なのは転移者がこの情報を持っていなかったってことだ。
クリア条件を知らずにクリアした人が1%と言うこと。
「神様に恩を売る」という情報を手に入れた今、……言ってしまうと攻略情報を見たあとの僕たちであれば、成功する確率は賭けに値するはずだと僕は考えていた。
「日本へ帰るという望み以外にもなかなか役に立ちそうな情報だな。……わかった、情報は私の方で調べてみよう」
「ありがとうクリスティアーノ。僕たちはこの世界になんのツテもないから本当に助かるよ」
「気にするな。社会的にはどうあれ、私たちは友人だろう?」
似合わないあごひげを撫でながら、小アルカナの兵士の一人、護符の王から受け取ったビールのおかわりに口をつける。
最近流行っているこの上面発酵ビール(とクリスティアーノが言っていた)は、どうやら彼の口にあったらしい。
大きめのピルスナーグラスで、僕が見ている前だけでも4杯目のビールを彼は一気に飲み干した。
「友達……うん、そう言ってもらえて嬉しいよ、クリスティアーノ」
僕もビールを飲む。
今までお酒と言えばぶどうジュースみたいな甘いワインだけだった僕には、その苦味と酸味は衝撃的だった。もちろん嫌というわけではない。むしろ、どちらかと言うと好きなものの部類に入る。
どういう訳か僕は昔、毎日こんなビールを1リットルも飲んでいたような記憶があった。
「気に入ったかね? まだ値段は高いが、この醸造所はいい上面発酵のビールを作る。私はこの醸造所をまるごと手に入れるつもりだ。来年には私の荘園でホップと大麦を植えて、これを大量に作るよ」
「手に入れるって……買うの?」
「不思議な事を聞くのだな、それ以外に手に入れる方法があるかね? 私はね、今までのようなグルートビールとは違う、日本で飲んでいたようなホップを使ったビールをがぶがぶ飲みたいのだよ」
「グルートビール?」
「あぁ、私もよく知らないのだが、ニガヨモギやイソツツジと言うなんとも食欲をそそらない名前の薬草を使って、食料として使えない粗悪な燕麦などで作っている原始的なビールらしいんだ。まぁそれでも味は悪くないんだが、それがビールかと聞かれれば私は否と答えよう。私は、日本で飲んだあの生ビールが好きなのだよ。アクナレート、君も日本人ならわかるだろう?」
また一気にビールを煽り、顔を少し赤らめたクリスティアーノは、普段の達観したような姿からは想像できない熱量を持って僕に語る。
僕もグラスを傾け、喉をごくりと鳴らすと心の底から頷いた。
「私はチートのすべてをかけて、日本式のビールを作り上げてみせる。それが今の私の大きな野望の1つなのだよ。2~3年もすれば庶民でも飲めるくらいに普及してるはずだ。そしていつかはあの下面発酵のビールにたどり着くのだ。しかし生憎名前は知っていても作り方を知らないのだがね。……まぁうちの研究班がいつかはたどり着くさ。君も気に入ったなら好きなだけ樽を持って行くといい」
「野望かぁ……ビールの製造工程が野望かぁ……あ、検索かけてみようか?」
「検索? 何を言っているのだ、アクナレート。酔ったのか?」
「酔ってないよ。あれ? 言ってなかったっけ? 僕のチート、水晶のこと」
黒いローブの中から水晶球を取り出す。僕が手をかざして頭の中で「下面発酵のビールの作り方」を検索すると、水晶の表面には様々な文章が浮かび上がった。
あいにくとビールの醸造法に詳しくなく、そのビールで酔いが回ってきた僕には、そこに何が書いてあるかはよくわからない。
それでもクリスティアーノが護符の王を呼んでそれを確認させると、レデルは驚いた表情を隠すこともせず、急いでそれをメモに取り、そわそわとクリスティアーノの屋敷を出て行ってしまった。
「……レデルも居ても立っても居られなかったようだな」
「うん、なんか役に立ったみたいで良かった」
「……」
「……うん?」
「隠してたのか?」
「え? なにを?」
「アクナレートのチートはデスサイズだけだと思っていた……と言うより、一人の人間に与えられるのは一つのチートだけなんだと思っていたよ」
少し寂しそうにクリスティアーノが苦笑いを浮かべる。
手酌でビール片手に哀愁を漂わせるその姿は、まるで新橋のサラリーマンのように見えた。
「いや、言い忘れてただけだよ。って言うかクリスティアーノなんか23個もチート持ってるんだよね? 一人一個ってことはないんじゃない?」
「アクナレート、勘違いしてもらっては困る。私のチートはあくまでも『タロットの兵士を呼び出せる』と言う一つのチートだよ。呼び出せる大アルカナ、22人の将軍がそれぞれ別のチートを持っていると言う特集なものではあるがね」
そう言われればそうか。
確かに僕も転移者を送り出すときに2つ以上の能力を与えた覚えはない。
それに、水晶で選択するチートを記述するフィールドも1つ分しか無かったはずだ。
「でもまぁ、僕の場合死神の鎌も水晶も、転移時に得た能力って訳じゃないしなぁ。もともと持ってたって言うか……」
「もともと?」
「あ、うん。僕ってほら『転移トラック神』やってたから、普通の転移者とは違うと思うんだよね」
クリスティアーノが椅子に座ったままグラリとよろめく。
一瞬呆然としたあと額を押さえてため息をつくと、ぐいっとビールを飲み干した。
「……私は友達だと思っていたのだがね、アクナレート。どうやら君は私のことを信用してくれていなかったらしい」
「いや違うよ! ほんと、言い忘れてただけだってば! 信用してなかったらこうやって相談になんか来ないし、そもそも今クリスティアーノに打ち明ける意味もないでしょ? それにほら、友達じゃなかったら、僕がこんなに普通に会話できるわけないじゃないか!」
拗ねたようにただビールを飲むクリスティアーノが機嫌を治すまで、僕は一生懸命説得を続ける。
こんなに色々な話をしたのは初めてかも知れない。
10分ほども話し続けて、もう何も思いつかなくなった僕が半泣きになって口を閉じると、クリスティアーノはやっと視線を僕に向けてくれた。
「ふむ、思ったよりも弁が立つな、アクナレート。本当にコミュ障なのかい?」
面白そうに僕を見るクリスティアーノに、僕は何も言えなくなった。
ビールのグラスを置いて、彼は少し姿勢を正す。
「まぁ冗談はさておき、少なくとも君は私にチートを授け、転移させたトラック神とは別人だと思う。彼女はコミュ障じゃなかったし、もっと情報開示に積極的だったからね。と言うことは、だ。この世界には複数の転移トラック神が居るのだろう。……まぁ君の先代か後任と言うことも考えられるが、とにかく私の聞いた転移トラック神のルールとは違う転移者が居る可能性が出てきた。仮にも『神』を名乗るものがそう何人も居るとは思わなかったのだが、これは私の戦略に重大な問題を生じさせる可能性がある……悪い知らせだ」
「悪い……知らせ?」
「そうだ。私は彼女から受けた説明の元で、私と同じこの世界へと転移してきた転移者をチェックしていたのだよ。能力を持ち、この世界の知識をほとんど持たず、日本の常識を持ち合わせた人間をね」
「あぁ、それなら僕の担当してた地域も日本だったし、間違ってないと思うよ」
「……アクナレート、君は本当に迂闊だな。君が担当していた地域が日本なんだろう? それは暗に他の地域を担当している転移トラック神が居たと言うことではないのかね?」
僕は言葉を失う。
無意識に「担当」と言う言葉を使っていたけど、確かに言われてみればその通りだ。
僕が日本を担当していると言うことは、他の地域を担当している転移トラック神も居るって言うことだ。
「……そう言えば、転移トラック神を統括してる上位の神様も居たし、僕以外にも居るのかもしれない」
「そう考えるのが妥当だろう。さて、もう一つ。……まぁ前提が崩れているかも知れない状況で気にするのも何だが、彼女の言っていたルールがもう一つある」
クリスティアーノが僕を見つめる。
僕はゴクリと喉を鳴らし、彼の言葉を待った。
「転移できるのはトラックに轢かれて死んだ者だけだ」
「……うん、僕のルールもそうだよ」
クリスティアーノは空になった僕と自分のグラスにビールを注ぎ、ひりつく喉を潤した。
「だとしたらアクナレート。君も転移トラック神になる前は、日本でトラックに轢かれたのではないのかね?」
転移トラック神になる前?
僕は今まで全く考えていなかった「転移トラック神になる前の記憶が無い」と言う自分の状況の異常さに、今更気づいてしまったのだった。
クリスティアーノは小さなチーズをひとつまみ口に放り込むと、ビール――ハーブではなくホップを使った最新のビール――をゴクリゴクリと音を立てて喉に流し込んだ。
僕は今、一人でクリスティアーノの屋敷を訪れていた。
りんちゃんの将来についての相談をするためのこの会話をりんちゃんに聞かせたくはなかったからだ。
僕が一人で訪ねてきたのを知った妙に嬉しそうな表情で現れたクリスティアーノは、テーブルにビールとおつまみを並べて、奥まった部屋へ僕を招いてくれたのだった。
「ふぅ……神に恩を着せる……か」
「うん、少なくともそれで元の世界に帰れた人を僕は1人だけ知ってる」
神の無くしモノを見つけた褒美として、元の世界へ帰った転移者。僕の記憶にあるかぎり少なくとも100人は送り出した転移者の中のたった1人。
確率で言えば1%未満の話ではあるけど、大事なのは転移者がこの情報を持っていなかったってことだ。
クリア条件を知らずにクリアした人が1%と言うこと。
「神様に恩を売る」という情報を手に入れた今、……言ってしまうと攻略情報を見たあとの僕たちであれば、成功する確率は賭けに値するはずだと僕は考えていた。
「日本へ帰るという望み以外にもなかなか役に立ちそうな情報だな。……わかった、情報は私の方で調べてみよう」
「ありがとうクリスティアーノ。僕たちはこの世界になんのツテもないから本当に助かるよ」
「気にするな。社会的にはどうあれ、私たちは友人だろう?」
似合わないあごひげを撫でながら、小アルカナの兵士の一人、護符の王から受け取ったビールのおかわりに口をつける。
最近流行っているこの上面発酵ビール(とクリスティアーノが言っていた)は、どうやら彼の口にあったらしい。
大きめのピルスナーグラスで、僕が見ている前だけでも4杯目のビールを彼は一気に飲み干した。
「友達……うん、そう言ってもらえて嬉しいよ、クリスティアーノ」
僕もビールを飲む。
今までお酒と言えばぶどうジュースみたいな甘いワインだけだった僕には、その苦味と酸味は衝撃的だった。もちろん嫌というわけではない。むしろ、どちらかと言うと好きなものの部類に入る。
どういう訳か僕は昔、毎日こんなビールを1リットルも飲んでいたような記憶があった。
「気に入ったかね? まだ値段は高いが、この醸造所はいい上面発酵のビールを作る。私はこの醸造所をまるごと手に入れるつもりだ。来年には私の荘園でホップと大麦を植えて、これを大量に作るよ」
「手に入れるって……買うの?」
「不思議な事を聞くのだな、それ以外に手に入れる方法があるかね? 私はね、今までのようなグルートビールとは違う、日本で飲んでいたようなホップを使ったビールをがぶがぶ飲みたいのだよ」
「グルートビール?」
「あぁ、私もよく知らないのだが、ニガヨモギやイソツツジと言うなんとも食欲をそそらない名前の薬草を使って、食料として使えない粗悪な燕麦などで作っている原始的なビールらしいんだ。まぁそれでも味は悪くないんだが、それがビールかと聞かれれば私は否と答えよう。私は、日本で飲んだあの生ビールが好きなのだよ。アクナレート、君も日本人ならわかるだろう?」
また一気にビールを煽り、顔を少し赤らめたクリスティアーノは、普段の達観したような姿からは想像できない熱量を持って僕に語る。
僕もグラスを傾け、喉をごくりと鳴らすと心の底から頷いた。
「私はチートのすべてをかけて、日本式のビールを作り上げてみせる。それが今の私の大きな野望の1つなのだよ。2~3年もすれば庶民でも飲めるくらいに普及してるはずだ。そしていつかはあの下面発酵のビールにたどり着くのだ。しかし生憎名前は知っていても作り方を知らないのだがね。……まぁうちの研究班がいつかはたどり着くさ。君も気に入ったなら好きなだけ樽を持って行くといい」
「野望かぁ……ビールの製造工程が野望かぁ……あ、検索かけてみようか?」
「検索? 何を言っているのだ、アクナレート。酔ったのか?」
「酔ってないよ。あれ? 言ってなかったっけ? 僕のチート、水晶のこと」
黒いローブの中から水晶球を取り出す。僕が手をかざして頭の中で「下面発酵のビールの作り方」を検索すると、水晶の表面には様々な文章が浮かび上がった。
あいにくとビールの醸造法に詳しくなく、そのビールで酔いが回ってきた僕には、そこに何が書いてあるかはよくわからない。
それでもクリスティアーノが護符の王を呼んでそれを確認させると、レデルは驚いた表情を隠すこともせず、急いでそれをメモに取り、そわそわとクリスティアーノの屋敷を出て行ってしまった。
「……レデルも居ても立っても居られなかったようだな」
「うん、なんか役に立ったみたいで良かった」
「……」
「……うん?」
「隠してたのか?」
「え? なにを?」
「アクナレートのチートはデスサイズだけだと思っていた……と言うより、一人の人間に与えられるのは一つのチートだけなんだと思っていたよ」
少し寂しそうにクリスティアーノが苦笑いを浮かべる。
手酌でビール片手に哀愁を漂わせるその姿は、まるで新橋のサラリーマンのように見えた。
「いや、言い忘れてただけだよ。って言うかクリスティアーノなんか23個もチート持ってるんだよね? 一人一個ってことはないんじゃない?」
「アクナレート、勘違いしてもらっては困る。私のチートはあくまでも『タロットの兵士を呼び出せる』と言う一つのチートだよ。呼び出せる大アルカナ、22人の将軍がそれぞれ別のチートを持っていると言う特集なものではあるがね」
そう言われればそうか。
確かに僕も転移者を送り出すときに2つ以上の能力を与えた覚えはない。
それに、水晶で選択するチートを記述するフィールドも1つ分しか無かったはずだ。
「でもまぁ、僕の場合死神の鎌も水晶も、転移時に得た能力って訳じゃないしなぁ。もともと持ってたって言うか……」
「もともと?」
「あ、うん。僕ってほら『転移トラック神』やってたから、普通の転移者とは違うと思うんだよね」
クリスティアーノが椅子に座ったままグラリとよろめく。
一瞬呆然としたあと額を押さえてため息をつくと、ぐいっとビールを飲み干した。
「……私は友達だと思っていたのだがね、アクナレート。どうやら君は私のことを信用してくれていなかったらしい」
「いや違うよ! ほんと、言い忘れてただけだってば! 信用してなかったらこうやって相談になんか来ないし、そもそも今クリスティアーノに打ち明ける意味もないでしょ? それにほら、友達じゃなかったら、僕がこんなに普通に会話できるわけないじゃないか!」
拗ねたようにただビールを飲むクリスティアーノが機嫌を治すまで、僕は一生懸命説得を続ける。
こんなに色々な話をしたのは初めてかも知れない。
10分ほども話し続けて、もう何も思いつかなくなった僕が半泣きになって口を閉じると、クリスティアーノはやっと視線を僕に向けてくれた。
「ふむ、思ったよりも弁が立つな、アクナレート。本当にコミュ障なのかい?」
面白そうに僕を見るクリスティアーノに、僕は何も言えなくなった。
ビールのグラスを置いて、彼は少し姿勢を正す。
「まぁ冗談はさておき、少なくとも君は私にチートを授け、転移させたトラック神とは別人だと思う。彼女はコミュ障じゃなかったし、もっと情報開示に積極的だったからね。と言うことは、だ。この世界には複数の転移トラック神が居るのだろう。……まぁ君の先代か後任と言うことも考えられるが、とにかく私の聞いた転移トラック神のルールとは違う転移者が居る可能性が出てきた。仮にも『神』を名乗るものがそう何人も居るとは思わなかったのだが、これは私の戦略に重大な問題を生じさせる可能性がある……悪い知らせだ」
「悪い……知らせ?」
「そうだ。私は彼女から受けた説明の元で、私と同じこの世界へと転移してきた転移者をチェックしていたのだよ。能力を持ち、この世界の知識をほとんど持たず、日本の常識を持ち合わせた人間をね」
「あぁ、それなら僕の担当してた地域も日本だったし、間違ってないと思うよ」
「……アクナレート、君は本当に迂闊だな。君が担当していた地域が日本なんだろう? それは暗に他の地域を担当している転移トラック神が居たと言うことではないのかね?」
僕は言葉を失う。
無意識に「担当」と言う言葉を使っていたけど、確かに言われてみればその通りだ。
僕が日本を担当していると言うことは、他の地域を担当している転移トラック神も居るって言うことだ。
「……そう言えば、転移トラック神を統括してる上位の神様も居たし、僕以外にも居るのかもしれない」
「そう考えるのが妥当だろう。さて、もう一つ。……まぁ前提が崩れているかも知れない状況で気にするのも何だが、彼女の言っていたルールがもう一つある」
クリスティアーノが僕を見つめる。
僕はゴクリと喉を鳴らし、彼の言葉を待った。
「転移できるのはトラックに轢かれて死んだ者だけだ」
「……うん、僕のルールもそうだよ」
クリスティアーノは空になった僕と自分のグラスにビールを注ぎ、ひりつく喉を潤した。
「だとしたらアクナレート。君も転移トラック神になる前は、日本でトラックに轢かれたのではないのかね?」
転移トラック神になる前?
僕は今まで全く考えていなかった「転移トラック神になる前の記憶が無い」と言う自分の状況の異常さに、今更気づいてしまったのだった。
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