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ピンクの痰
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カズくんは、人工呼吸器が外れて、状態が落ち着いたとの事で、リカバリールームから大部屋に移された。
酸素は2Lカヌラではあったが、自分で廊下を歩くこともできたし、ゼリー食も食べられる様になった。
やっとこれで、手術を始められることが出来る・・・
数日、私もカズくんもそんな先が見通せる穏やかな日々を過ごしていた。
そんな穏やかな日が3日ほど経った面会でのこと。
私がカズくんの病室へとやってくると、咳をしているカズくんのがいた。
気のせいか、少しいつもよりも元気がなく、肩で息をしている。
酸素も2Lから4Lに上がっていた。
ふと、目を落とすと、ゴミ箱には沢山のティッシュが捨ててあり、その中の一つにピンク色の痰がついていた。
「カズくん、これはいつから?!」
私がカズくんにチョット不安げに聞く。
「朝から痰が多いいんだよ」
カズくんは多分、何も分かっていないのだろう。
「看護師さんは知っているの?」
「いや、知らないと思う」
私は、すぐさまナースコールをすると、看護師さんが部屋にやってきた。
「どうされました?」
「すみません、これなんですが・・・」
私がゴミ箱に入ったピンクの痰がついたティッシュを看護師さんに見せると、看護師さんはチョットびっくりした様な表情を見せた。
そして、看護師さんはすぐに部屋を出ていった。
「何?、なんか変なの?」
カズくんはキョトンとした顔で私に聞いてくる。
私は、カズくんの指先をを見る。やっぱり、少し爪の色が白っぽかった。
「多分、これから検査になると思うよ」
私がそう言っていると、先ほどの看護師さんが車椅子を持ってやってきて、CT検査を今からやりに行きますと、言ってきた。
カズくんは、急な事ではあったが、素直に車椅子に乗ると検査へと向かった。
部屋に残された私は、その間、ずっと不安だった。
まさかと思うけれど、もしかしたらまた再び肺水腫がカズくんの体の中で起きているのではないか・・・
嫌な予感。
それしか私の頭には浮かんでこなかった。
それからしばらくしてカズくんは看護師さんに車椅子を押されて、部屋に車椅子で戻ってきた。
「なんでもないよ、大丈夫だよ」
そういうカズくんの言葉が、虚しく私の耳に響く。
しかし、そんなカズくんを嘲笑う様に、血液検査や痰培養の検査など、次々と検査がやってくる。
そして1時間後。
呼吸器の医師が急いそとやってきた。
「検査の結果、カズさんの肺に水が溜まっています。すぐに抗生剤とステロイド剤の投与を始めます。」
と、言ったのです。
やっぱり、私の嫌な予感は当たりました。
カズくんは更に酸素も5Lに上げられ、結局リカバリールームへと再び戻ることとなりました。
酸素は2Lカヌラではあったが、自分で廊下を歩くこともできたし、ゼリー食も食べられる様になった。
やっとこれで、手術を始められることが出来る・・・
数日、私もカズくんもそんな先が見通せる穏やかな日々を過ごしていた。
そんな穏やかな日が3日ほど経った面会でのこと。
私がカズくんの病室へとやってくると、咳をしているカズくんのがいた。
気のせいか、少しいつもよりも元気がなく、肩で息をしている。
酸素も2Lから4Lに上がっていた。
ふと、目を落とすと、ゴミ箱には沢山のティッシュが捨ててあり、その中の一つにピンク色の痰がついていた。
「カズくん、これはいつから?!」
私がカズくんにチョット不安げに聞く。
「朝から痰が多いいんだよ」
カズくんは多分、何も分かっていないのだろう。
「看護師さんは知っているの?」
「いや、知らないと思う」
私は、すぐさまナースコールをすると、看護師さんが部屋にやってきた。
「どうされました?」
「すみません、これなんですが・・・」
私がゴミ箱に入ったピンクの痰がついたティッシュを看護師さんに見せると、看護師さんはチョットびっくりした様な表情を見せた。
そして、看護師さんはすぐに部屋を出ていった。
「何?、なんか変なの?」
カズくんはキョトンとした顔で私に聞いてくる。
私は、カズくんの指先をを見る。やっぱり、少し爪の色が白っぽかった。
「多分、これから検査になると思うよ」
私がそう言っていると、先ほどの看護師さんが車椅子を持ってやってきて、CT検査を今からやりに行きますと、言ってきた。
カズくんは、急な事ではあったが、素直に車椅子に乗ると検査へと向かった。
部屋に残された私は、その間、ずっと不安だった。
まさかと思うけれど、もしかしたらまた再び肺水腫がカズくんの体の中で起きているのではないか・・・
嫌な予感。
それしか私の頭には浮かんでこなかった。
それからしばらくしてカズくんは看護師さんに車椅子を押されて、部屋に車椅子で戻ってきた。
「なんでもないよ、大丈夫だよ」
そういうカズくんの言葉が、虚しく私の耳に響く。
しかし、そんなカズくんを嘲笑う様に、血液検査や痰培養の検査など、次々と検査がやってくる。
そして1時間後。
呼吸器の医師が急いそとやってきた。
「検査の結果、カズさんの肺に水が溜まっています。すぐに抗生剤とステロイド剤の投与を始めます。」
と、言ったのです。
やっぱり、私の嫌な予感は当たりました。
カズくんは更に酸素も5Lに上げられ、結局リカバリールームへと再び戻ることとなりました。
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