傲慢猫王子は落ちぶれ令嬢の膝の上

小桜けい

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40 夫婦の営み

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「エステル……」



 熱っぽく囁かれ、アルベルトの唇が首筋を這う。



「あ……っ」



 思わず零れた声は、まるで自分のものではないように甘く艶めいていて……エステルは慌てて両手で口を覆う。



(な、何? 今の声……?)



 そんなエステルの反応に、アルベルトがククッと笑った。



「そう……そのまま、声を聞かせてくれ」



 アルベルトの唇が首筋から鎖骨へと下りていき、エステルが身に纏っている薄い夜着をそっとはだけさせた。



「あっ……」



 咄嗟に隠そうとした手を取られ、頭の上で纏めて押さえられる。



「あの……殿下……? これも夫婦の営みには必要なのですか?」



 おずおずと尋ねた。

 アルベルトが無暗やたらに失礼なことをするとは思えない。

 それでも、いくらなんでもこんな恰好は恥ずかしくて仕方がなかった。かぁっと頬が羞恥に火照って来る。



「ああ。そなたの全てを私に見せてくれ」

「はい……」



 頬を染めながらエステルが頷くと、するりと夜着を脱がされる。

 アルベルトの顔が下りて、片方の胸の頂を口に含んだ。



「ああっ!」



 敏感になった頂を舌で転がされ、もう片方は手で揉みしだかれる。



「あっ、はぁっ……んぁっ」



 びくびくと勝手に身体が跳ねるのを止められない。

 もう一方も指で摘まれ、グリグリと押し潰されるたびに甘い痺れが走った。



(あ……なんだか……)



 切ないような感覚がどんどんと下腹部に溜まっていく。

 もじもじと太ももをすり合わせるエステルに気づいたのか、アルベルトが胸から口を離し、今度はお腹やおへそに口づけながら下へと下りていく。



「あっ、殿下……っ」



 アルベルトがエステルの脚を割り、太ももをそっと撫でた。



「そなたは……どこもかしこも甘いな」



 うっとりと囁かれ、そのまま脚の付け根に吸い付かれる。



「ああっ! やぁっ!」



 思わず腰を浮かせて逃れようとしたが、がっしりと腰を押さえられて動けない。

「殿下ぁ……っ」



 エステルの懇願にも耳を貸さず、アルベルトは何度も強く吸い上げる。その度にビクビクと腰が跳ねてしまうのが止められない。

 やがて、アルベルトが身を起こすと同時にエステルの下肢を隠していた最後の一枚に手がかかった。



「あ……」



 咄嗟に脚を閉じようとしたが、それより先にあっさりと脚を広げられてしまう。



「……っ」



 恥ずかしさで思わずギュッと目を瞑った。



「ああ……美しいな」



 感極まったような呟きと共に、アルベルトの指先が秘所に触れるのを感じた。



「ああっ! ああぁっ!」

 くちゅりと濡れた音が耳に届き、あまりの羞恥に涙が零れる。



(な、何がどうなっているの……?)



 初めて感じる感覚にエステルは動揺を隠せなかった。

 アルベルトの指先が動くたびに、そこから甘い痺れが全身に広がり、勝手に腰が跳ねる。



(あ……)



 やがて、彼の指先が敏感な一点に触れた時、ビリッと強い刺激が走った。



「あっ!」



 思わず目を見開いて仰け反るエステルに、アルベルトが目を細める。



「ここが良いのか?」



「やぁっ! ああぁっ!」



 花芽を弄られ、もう何も考えられない。ただ与えられる快楽に翻弄されて、ビクビクと身体が震える。

 いつの間にか、アルベルトの指の動きに合わせて腰を揺らしていた。



「はぁ……っ、あっ! ああっ!」



 やがて、一際大きな快楽の波に攫われる。

 エステルの全身から力が抜け、ぐったりと寝台に沈み込んだ。



「はぁ……っ、ん……」



 荒い息を吐きながらぼんやりとアルベルトを見ると、彼は愛おし気にエステルの頬を撫でた。



「そなたは本当に可愛いな」



「殿下……?」



 まだ頭が回らない。

 ただ、彼の声がとても甘くて心地よかった。



(ああ……)



 もう何も考えられない。このまま眠ってしまいたい……。

 そんな思いとは裏腹に身体の奥が疼き始めるのを感じた時。

 アルベルトの手が下腹部をまた弄り始めた。

 今度はぬるぬると愛液を滴らせた秘所に、彼の長い指が差し込まれる。



「……っ」



 そんな所に他人の指を入れるなど想像もしたことはなかったが、アルベルトが教えてくれる夫婦の営みの手順なのだから、間違いはないだろう。

 エステルは強く目を瞑り、胎内を蠢く違和感に耐えた。

 ゆっくりと抜き差しを繰り返す指を無意識にギュッと締め付けてしまうのが解る。

 そんなエステルにアルベルトは口づけ、さらに深くまで指を埋め込んでくる。



「んん……っ!」



 やがて、アルベルトの指がある一点に触れた時、ビクッと大きく腰が跳ねた。

 その反応に気をよくしたのか、アルベルトが集中して同じ場所を攻め立てる。



「ああっ! やっ! ああぁっ!」



 強すぎる快楽から逃れようと身をよじるが、アルベルトはがっしりとエステルの腰を掴んで離さない。



「んぁっ! あ、あぁっ!」



 やがて二度目の絶頂に押し上げられて、大きく身体をしならせた。

 はぁはぁと荒い息を吐いて呆然とするエステルの脚を抱え上げ、アルベルトが覆い被さってくるのを感じる。



「あ……」



 ぼんやりと彼を見上げると、熱っぽい眼差しをしたアルベルトと目が合った。

 どちらからともなく唇を合わせる。



「先に謝っておく……初めての時だけは痛むそうだが、できるだけ加減するので堪えてくれ」

「はい……」



 何をされるのか解らなかったが、エステルは素直に頷いた。

 アルベルトが身体の位置を変え、下肢に熱いものが触れるのを感じた次の瞬間。

 メリメリと何かが押し入ってくるのを感じ、エステルは大きく目を見開く。



「あ……っ」



 痛いというより、とにかく苦しい。



「力を抜いてくれ……そう、ゆっくりと息を吐いて……」



 アルベルトの声も苦しそうだ。

 言われるままに必死に息を吐くと、少し楽になった気がした。

 少しずつ、確実に、身体の奥へとアルベルトが入ってくる。



「あ……」



 やがて、コツンと最奥を突かれるのを感じた。



「はぁ……全部入ったぞ」

「ん……」



 エステルの胎内に全てを埋め込んだアルベルトが熱い吐息を漏らす。その声すらも今の彼女には甘い刺激となった。

 そのまましばらく動きを止めて、エステルの呼吸が落ち着くのを待ってから、ゆっくりと動き出す。



「あっ、ああっ!」



 最初はゆっくりと、次第に早くなる動きに翻弄される。



(ああ……)



 ぼんやりとした意識の中で思う。

 これが夫婦の営みというものか……と。

 まだ貫かれている場所は痛むし、刺激が強すぎることばかりでまだ自分の中で処理しきれないが、アルベルトとグチャグチャに混ざり合って一つになるような感覚はとても心地よい。

 やがて、痛みの中にまた甘い快楽が顔を出し始める。身体の奥から大きな波が押し寄せてくるのを感じた。



「ああっ! あああぁ……っ!」



 大きく仰け反って達するエステルの胎内がギュッと締まり、アルベルトも呻き声を上げて熱を放つ。

 そのまま彼はエステルの上に崩れ落ち、ギュッと抱きしめてきた。

 しばらく二人で抱き合ったまま、荒い息を吐いて呼吸を整える。

 やがて、先に息を整えたアルベルトがエステルの唇に触れるだけの口づけを落とした。



「愛している……私のエステル」



 甘く蕩けるような囁きと共に、再び唇が塞がれる。

 その心地よさに身を委ねながら、エステルはそっと目を閉じた。

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