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衝突3
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「申し訳ありません、全部、私がやったことなんです」
「ナナさん、何を?」
「ここ最近の不自然な出来事について、手を回していたのは全て私なんです」
「何故、そんなことを」
「過去の昴流様の行動からその真意を推測しました。昴流様が口に出来ない不都合な事象を代わって処理していくことが私の使命。……そう考えていました。それが、こんな結果になるだなんて予想も出来ずに」
「ナナ……僕は、そんなことを、望んでは、いないよ。宙光には、幸せに……ぐっ」
「申し訳ありません昴流様。全ては私の間違いが引き起こした事態です……どうして、どうして今も私は涙を流せないのでしょう。きっと、それが悪かったのですね」
「過ちを気に病むことはない。……ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だよ、ナナ」
「はい。申し訳ございません昴流様」
「そして、すまない、宙光。僕が、もっと早く、気付いて、やれば、お前と、向き合えて、いれば」
「……嘘だ。お前の言っていることは全て嘘だ」
「そう思われても、仕方ない。でも、僕は……」
「もう喋るな昴流。宙光も認めろ、こんな状況になってまで嘘を吐く必要が何処にある。昴流はな、ただ不器用なだけで、最初からずっとお前のことを大事に思っていたんだよ」
「そんな……じゃあ、俺、何やってんだよ」
「解ったら、救急車を呼んでくれ、頼む」
「……解った」
「ナナさん、何を?」
「ここ最近の不自然な出来事について、手を回していたのは全て私なんです」
「何故、そんなことを」
「過去の昴流様の行動からその真意を推測しました。昴流様が口に出来ない不都合な事象を代わって処理していくことが私の使命。……そう考えていました。それが、こんな結果になるだなんて予想も出来ずに」
「ナナ……僕は、そんなことを、望んでは、いないよ。宙光には、幸せに……ぐっ」
「申し訳ありません昴流様。全ては私の間違いが引き起こした事態です……どうして、どうして今も私は涙を流せないのでしょう。きっと、それが悪かったのですね」
「過ちを気に病むことはない。……ただ認めて、次の糧にすればいい。それが大人の特権だよ、ナナ」
「はい。申し訳ございません昴流様」
「そして、すまない、宙光。僕が、もっと早く、気付いて、やれば、お前と、向き合えて、いれば」
「……嘘だ。お前の言っていることは全て嘘だ」
「そう思われても、仕方ない。でも、僕は……」
「もう喋るな昴流。宙光も認めろ、こんな状況になってまで嘘を吐く必要が何処にある。昴流はな、ただ不器用なだけで、最初からずっとお前のことを大事に思っていたんだよ」
「そんな……じゃあ、俺、何やってんだよ」
「解ったら、救急車を呼んでくれ、頼む」
「……解った」
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