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nandemoE

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最後の恋5

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「不思議ね。今になって、過去の全ての場面が上書きされていくような気がする」

「俺も、今同じ事を考えていた」

「青春時代、私にとって貴方は風景の一部のようなものだと思ってた。でも、今にして思えば思い出のページにはいつも貴方が写っていて、そのことが今、とても幸せな記憶になって甦っていく……上手く言葉には出来ないんだけど」

「解るよ。俺達は決して隣にはいなかったけど、ずっと、何処かでその姿を追っていた。いつも瑞樹が写っていたその記憶が、今、とても愛おしいんだ」

「ねえ、大君くんは私のどんなこと覚えてる? 私の一番古い大君くんの記憶はね。小学生の頃、スイミングスクールの大会で自己ベストで優勝して飛び上がってたところ。初めて大君くんのこと格好良いと思ったの」

「俺は、そうだな。スイミングの帰りはいつもあいつアイス食ってるなって思ってた」

「あ、酷っ! 人を食いしん坊みたいに」

「いや、でも良いんだ。結果的に栄養が胸に行ったのか高校生になった頃には良い女だなって思ったもんだ」

「男子ってそういうところばかり見てるよね、大君くんは違うと思っていたのに」

「何言ってんだ、職場では存分にセクハラしてやっただろ?」

「それはそれなりに経験を積んできた後の大君くんだから。高校生の頃の大君くんはちょっとウブな感じで可愛かったよ」

「そうだったか?」

「私、大君くんが放課後校舎裏で告白してたの覚えてる。すっごくカチコチで」

「見てたのかよ」

「その後、子供みたいに飛び上がって喜んでた大君くんを見て、なんかムカついた」

「お、嫉妬か?」

「どうでしょうね? 私に彼氏がいなかったとでも?」

「くそう、悔しいが確かに瑞樹は可愛かった。特に文化祭でバニーガールの格好してた瑞樹なんか、多分一生忘れられない」

「あ、あれは先輩が強引に」

「その後、朱莉に睨まれて大変だった」

「それは大君くんが悪い」

 そんな風に暫く思い出話で旧誼を暖めるよう語り合った。
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