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元妻7

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 カラン、と乾いた音を立てて店のドアが開いた。二人の視線が向かう先に朱莉が立っていた。頬はこけ、肌のつやは消え、痩せ細った小柄な女だった。

「ごめんなさい」

 彼女は入り口で深々と頭を下げた。

「まあ入れよ」

 熊三はそう言って朱莉を大君の隣へ促した。

「変わっていないのね、全然」

「おかげさまで」

「申し訳ありませんでした。……ずっと謝りたいと思っていました」

「もう良いです、済んだことですから」

「私も、罰を受けました」

「昴流から聞いています」

「息子を、全てを失って30年以上。ずっと苦しんできました」

「……大変でしたね」

「どんなに会いたいと願っても、会えませんでした」

「俺にしたことと、同じことをされただけですよね」

「昴流は、元気にしていますか?」

「子供もおり、幸せそうに見えます」

「孫が……いたんですね」

「……それはさぞ、後悔なさったでしょうね」
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