フューマン

nandemoE

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元妻6

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「もう済んだことだ」

「お前は良いのかよ! 死ぬほど辛かったんじゃねぇのかよ!」

 熊三は大君の代わりに泣いていた。

「お前は何で許せるんだよ、何でそんな奴を今更気遣えるんだよ!」

「だから、許すとか気遣うとかじゃねぇって言っただろ」

「許せねぇ。俺はあいつが許せねぇよ」

「その辺にしておけよ、朱莉が来て変に思うだろ」

 店内に拳を叩きつける音が響いた。

「出来れば、あいつには会いたくなかったな」

「すまねえ、俺が無神経だった」

「別に良いよ。朱莉の目的は予想付いてるし、あいつを目の前にした時の自分の気持ちも確認しておきたい。熊ちゃんの言う通り、ケリつけて新たな人生を歩むのも悪くない」

「強いな、ヒロは」

「一度死んだせいか色々俯瞰して見える、解る。……あの時のあいつの気持ちも」
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