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男二人5
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「ともかく、僕は全ての女共の価値をゼロにしてやりたいんだ! ……父さんならこの気持ち、解るはずだ」
「解る。解るよ。ついこの間まで、父さんも誰でも良いから復讐したいという気持ちに駆られていたからな」
「今は違うとでも言うのかい?」
「自分でも解らない。でも今はそんなことを考えてはいない。何人かの女を騙した時か、安楽死を選択した時か、それとも目覚めた時か。いつだか、何故だかも良く解らないけど、いつの間にか上手く清算できていたようなんだ」
「それじゃあ、それじゃあ僕のこの復讐心はどうやって晴らせば良いんだい」
「解らない。でも昴流がそう言うってことはさ、本当は自分でもその復讐心って奴を何とかしたいって思っているんだ。でもその方法が解らない。そりゃそうだよ、その気持ちが嘘のように消えた父さんでさえ覚えていないんだから。でも、確かに父さんは今、自分の中の醜い心にケリをつけられたのは確かだよ。だから、昴流が自分の心に決着を付けられるまでは、父さんがそばにいてやるよ。そう言うのは多分、人間の方が得意なんだ」
「ありがとう父さん。でも、できるかな、僕に」
「大丈夫、大丈夫だ、父さんが何とかしてやる」
「父さんまたその台詞? 何だよもう酔っちゃったの?」
「まだまだ。こんなに楽しいのに早々に酔い潰れてたまるか」
「そうこなくっちゃ」
それから暫く親子二人で語り明かした。
「解る。解るよ。ついこの間まで、父さんも誰でも良いから復讐したいという気持ちに駆られていたからな」
「今は違うとでも言うのかい?」
「自分でも解らない。でも今はそんなことを考えてはいない。何人かの女を騙した時か、安楽死を選択した時か、それとも目覚めた時か。いつだか、何故だかも良く解らないけど、いつの間にか上手く清算できていたようなんだ」
「それじゃあ、それじゃあ僕のこの復讐心はどうやって晴らせば良いんだい」
「解らない。でも昴流がそう言うってことはさ、本当は自分でもその復讐心って奴を何とかしたいって思っているんだ。でもその方法が解らない。そりゃそうだよ、その気持ちが嘘のように消えた父さんでさえ覚えていないんだから。でも、確かに父さんは今、自分の中の醜い心にケリをつけられたのは確かだよ。だから、昴流が自分の心に決着を付けられるまでは、父さんがそばにいてやるよ。そう言うのは多分、人間の方が得意なんだ」
「ありがとう父さん。でも、できるかな、僕に」
「大丈夫、大丈夫だ、父さんが何とかしてやる」
「父さんまたその台詞? 何だよもう酔っちゃったの?」
「まだまだ。こんなに楽しいのに早々に酔い潰れてたまるか」
「そうこなくっちゃ」
それから暫く親子二人で語り明かした。
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