60 / 121
レッスン57「畑 (9/10)」
しおりを挟む
新タイトル画像
ドット絵お師匠様
***********************
翌朝、
「【無制限収納空間】!!」
西の森の東に広がる草原で、目の前に広がる広大な地面を深さ数十センチほどまでごっそりと【収納】する。
「「「「「おぉぉぉおおおおおおッ!?」」」」」
後ろで見物している難民の方々から驚嘆の声と歓声が。
腹いっぱい食べてぐっすり眠ったからなのか、みな元気なように見える。
ここは、中央通りからやや北に登った地点。
わずかに傾斜になった平野だ。
いまからここに、農村を作る。
「――【目録】」
お馴染みのウィンドウを表示させ、大量の土の中から岩や石、草を取り除き、
「【無制限収納空間】!」
土の半分を戻す。
このとき、ミミズは殺さないように細心の注意を払う。
そしてその上に、西の森から持ってきた腐葉土を――
「【無制限収納空間】!」
乗せる。
次に、
「【無制限収納空間】!」
目の前に、大量の骨――一角兎から分離させた骨を出し、
「ノティア、これ、砕いて乾燥してもらえる?」
隣にいるノティアがうなずいて、
「肥料ですわね。――【念動】」
骨が宙に浮いて、
「【風の刃】」
風の初級魔法のはずだけれど、ノティアの手から放たれた無数のかまいたちによって、骨が一瞬で木っ端みじんになる。
「【乾燥】」
そして骨が、一瞬にして水気を失う。
「「「「「な、ななな……」」」」」
驚いている難民さんたちと、
「ありがとう、ノティア」
もはや慣れっこになってしまった僕。
「じゃ次はこれを――【収納空間】」
言ってノティアの前に大量の草を出す。
「これは――灰にすればよいんですの?」
「おおっ、よく知ってるね!」
「農業は国の根幹ですもの」
そうか、ノティアは末席とはいえお姫様だった。
かくいう僕は、灰が肥料になるというのをお師匠様から教えてもらった。
『魔力養殖』の最中に、いろいろとお話してもらえるんだよね。
その中に『農業基礎講座』ってのがあって、曰く『三大肥料はチッソ、リンサン、カリウム』とか言うらしくって、詳しくは理解できなかったけれど、要は灰が重要な肥料になるらしいんだよね。
「【火炎】」
……なんて考えている間に、ノティアが上質な灰を大量に作ってくれた。
「【収納空間】」
僕は骨と灰の肥料を【収納】し、
「【無制限収納空間】!」
目の前の耕した部分の上に、まんべんなく肥料を出現させ、
「【無制限収納空間】!」
さらにその上に、残りの土をかぶせる。
「よし! じゃあ最後に――【無制限収納空間】【無制限収納空間】【無制限収納空間】【無制限収納空間】……」
肥料、腐葉土入りの土を何度も入れたり出したりしてかき混ぜて、完成だ。
「こんな感じですが……どうでしょうか? 農業はよく知らないので、ちょっと自信はないのですが……」
後ろで目を真ん丸にしていた村長さんに話しかける。
「お、おぉぉ……」
村長さんは即席の畑に駆け寄り、土をすくい上げて、
「す、素晴らしいぃ~~~~ッ!!」
振り向いた村長さんの目には涙が浮かんでいる。
「これほどの上質な畑があれば、この地でも十分にやっていけそうです! あぁ、神様……」
「畑神様の誕生ですわね」
隣のノティアが茶化してくる。
「もぅ……じゃあ次はっと」
僕は虚空から、ミッチェンさんが一夜で引いてくれた農村の地図を開く。
■ ◆ ■ ◆
そんなふうにして、道を作り畑を作りあぜを作って回った。
お昼前には、数十の畑が完成した。
難民の人たちは、見物しながらやんややんやの大興奮だったよ。
そうして急ごしらえした農村の一角でシャーロッテが入れてくれたお茶を飲んで休んでいると、
「あの、町長様?」
村長さんがおずおずと聞いてくる。
「ところどころ空いているスペースは何なのでしょう? そこにも畑を入れた方が――」
「あぁ、皆さんが住むための家を入れるんですよ」
「家を、入れる!?」
「あとは、川も引き入れます」
「川を、引くぅ!?」
■ ◆ ■ ◆
少し北上した地点から川の支流を作り、いつものように舗装した。
「じゃあ、流しますよ~! 危ないから川から離れてください!」
すべての舗装が終わり、あとはノティアが【物理防護結界】でせき止めている部分を接続するだけになって。
川の周りに群がる難民さんたちに向かって声を張り上げる。
「じゃ、ノティア」
「はい」
ノティアが展開していた【物理防護結界】が消え、川の本流から勢いよく水が流れ込んでくる。
「「「「「おぉぉぉおおおおおおッ!?」」」」」
大興奮の難民の方々。
あはは……最近じゃ僕とノティアが新たに川を引いても、みんな慣れっこになっちゃって誰も驚いてくれないから、逆に新鮮だ。
「町長様ぁ~~~~ッ!!」
とそのとき、南の方からミッチェンさんが走ってきた。
「家の手配、できました! こちら、30軒分の空き家のリストと連絡相手です」
ミッチェンさんが差し出してきた紙束を受け取る。
「さすがミッチェンさん!」
本当に仕事が早い!
「じゃあ僕とノティアで行ってきますので、あとの差配はお願いできますか?」
「お任せください!」
「クリス君、わたくしにも見せてくださいな」
「うん」
「じゃあまずは、王都から参りましょうか――3、2、1、【瞬間移動】!」
■ ◆ ■ ◆
途中、王都のレストランでノティアとの食事を挟みながら、王都といくつかの大都市を回り、空き家を回収した。
いや、ノティアに連れていかれたレストランがものすごい高級店で、気が引けたんだけど、『わたくしが出しますから! 後生ですから!』なんて言われちゃね……。
そして、午後は農村へ空き家を移築して回った。
こうして、一日にして百数十人が住めるだけの農村が現出した。
***********************
次回、クリスが難民救済に奔走している裏では――…
ドット絵お師匠様
***********************
翌朝、
「【無制限収納空間】!!」
西の森の東に広がる草原で、目の前に広がる広大な地面を深さ数十センチほどまでごっそりと【収納】する。
「「「「「おぉぉぉおおおおおおッ!?」」」」」
後ろで見物している難民の方々から驚嘆の声と歓声が。
腹いっぱい食べてぐっすり眠ったからなのか、みな元気なように見える。
ここは、中央通りからやや北に登った地点。
わずかに傾斜になった平野だ。
いまからここに、農村を作る。
「――【目録】」
お馴染みのウィンドウを表示させ、大量の土の中から岩や石、草を取り除き、
「【無制限収納空間】!」
土の半分を戻す。
このとき、ミミズは殺さないように細心の注意を払う。
そしてその上に、西の森から持ってきた腐葉土を――
「【無制限収納空間】!」
乗せる。
次に、
「【無制限収納空間】!」
目の前に、大量の骨――一角兎から分離させた骨を出し、
「ノティア、これ、砕いて乾燥してもらえる?」
隣にいるノティアがうなずいて、
「肥料ですわね。――【念動】」
骨が宙に浮いて、
「【風の刃】」
風の初級魔法のはずだけれど、ノティアの手から放たれた無数のかまいたちによって、骨が一瞬で木っ端みじんになる。
「【乾燥】」
そして骨が、一瞬にして水気を失う。
「「「「「な、ななな……」」」」」
驚いている難民さんたちと、
「ありがとう、ノティア」
もはや慣れっこになってしまった僕。
「じゃ次はこれを――【収納空間】」
言ってノティアの前に大量の草を出す。
「これは――灰にすればよいんですの?」
「おおっ、よく知ってるね!」
「農業は国の根幹ですもの」
そうか、ノティアは末席とはいえお姫様だった。
かくいう僕は、灰が肥料になるというのをお師匠様から教えてもらった。
『魔力養殖』の最中に、いろいろとお話してもらえるんだよね。
その中に『農業基礎講座』ってのがあって、曰く『三大肥料はチッソ、リンサン、カリウム』とか言うらしくって、詳しくは理解できなかったけれど、要は灰が重要な肥料になるらしいんだよね。
「【火炎】」
……なんて考えている間に、ノティアが上質な灰を大量に作ってくれた。
「【収納空間】」
僕は骨と灰の肥料を【収納】し、
「【無制限収納空間】!」
目の前の耕した部分の上に、まんべんなく肥料を出現させ、
「【無制限収納空間】!」
さらにその上に、残りの土をかぶせる。
「よし! じゃあ最後に――【無制限収納空間】【無制限収納空間】【無制限収納空間】【無制限収納空間】……」
肥料、腐葉土入りの土を何度も入れたり出したりしてかき混ぜて、完成だ。
「こんな感じですが……どうでしょうか? 農業はよく知らないので、ちょっと自信はないのですが……」
後ろで目を真ん丸にしていた村長さんに話しかける。
「お、おぉぉ……」
村長さんは即席の畑に駆け寄り、土をすくい上げて、
「す、素晴らしいぃ~~~~ッ!!」
振り向いた村長さんの目には涙が浮かんでいる。
「これほどの上質な畑があれば、この地でも十分にやっていけそうです! あぁ、神様……」
「畑神様の誕生ですわね」
隣のノティアが茶化してくる。
「もぅ……じゃあ次はっと」
僕は虚空から、ミッチェンさんが一夜で引いてくれた農村の地図を開く。
■ ◆ ■ ◆
そんなふうにして、道を作り畑を作りあぜを作って回った。
お昼前には、数十の畑が完成した。
難民の人たちは、見物しながらやんややんやの大興奮だったよ。
そうして急ごしらえした農村の一角でシャーロッテが入れてくれたお茶を飲んで休んでいると、
「あの、町長様?」
村長さんがおずおずと聞いてくる。
「ところどころ空いているスペースは何なのでしょう? そこにも畑を入れた方が――」
「あぁ、皆さんが住むための家を入れるんですよ」
「家を、入れる!?」
「あとは、川も引き入れます」
「川を、引くぅ!?」
■ ◆ ■ ◆
少し北上した地点から川の支流を作り、いつものように舗装した。
「じゃあ、流しますよ~! 危ないから川から離れてください!」
すべての舗装が終わり、あとはノティアが【物理防護結界】でせき止めている部分を接続するだけになって。
川の周りに群がる難民さんたちに向かって声を張り上げる。
「じゃ、ノティア」
「はい」
ノティアが展開していた【物理防護結界】が消え、川の本流から勢いよく水が流れ込んでくる。
「「「「「おぉぉぉおおおおおおッ!?」」」」」
大興奮の難民の方々。
あはは……最近じゃ僕とノティアが新たに川を引いても、みんな慣れっこになっちゃって誰も驚いてくれないから、逆に新鮮だ。
「町長様ぁ~~~~ッ!!」
とそのとき、南の方からミッチェンさんが走ってきた。
「家の手配、できました! こちら、30軒分の空き家のリストと連絡相手です」
ミッチェンさんが差し出してきた紙束を受け取る。
「さすがミッチェンさん!」
本当に仕事が早い!
「じゃあ僕とノティアで行ってきますので、あとの差配はお願いできますか?」
「お任せください!」
「クリス君、わたくしにも見せてくださいな」
「うん」
「じゃあまずは、王都から参りましょうか――3、2、1、【瞬間移動】!」
■ ◆ ■ ◆
途中、王都のレストランでノティアとの食事を挟みながら、王都といくつかの大都市を回り、空き家を回収した。
いや、ノティアに連れていかれたレストランがものすごい高級店で、気が引けたんだけど、『わたくしが出しますから! 後生ですから!』なんて言われちゃね……。
そして、午後は農村へ空き家を移築して回った。
こうして、一日にして百数十人が住めるだけの農村が現出した。
***********************
次回、クリスが難民救済に奔走している裏では――…
22
お気に入りに追加
336
あなたにおすすめの小説
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

追放された最強賢者は悠々自適に暮らしたい
桐山じゃろ
ファンタジー
魔王討伐を成し遂げた魔法使いのエレルは、勇者たちに裏切られて暗殺されかけるも、さくっと逃げおおせる。魔法レベル1のエレルだが、その魔法と魔力は単独で魔王を倒せるほど強力なものだったのだ。幼い頃には親に売られ、どこへ行っても「貧民出身」「魔法レベル1」と虐げられてきたエレルは、人間という生き物に嫌気が差した。「もう人間と関わるのは面倒だ」。森で一人でひっそり暮らそうとしたエレルだったが、成り行きで狐に絆され姫を助け、更には快適な生活のために行ったことが切っ掛けで、その他色々が勝手に集まってくる。その上、国がエレルのことを探し出そうとしている。果たしてエレルは思い描いた悠々自適な生活を手に入れることができるのか。※小説家になろう、カクヨムでも掲載しています

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる