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19「インスタ女子組 VS サブカル女子組」
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💭 🔁 ❤×?230
いつも通り花と花瓶を始末して、執筆しながら始業を待つ。
徐々に教室が賑わっていき、ふと左を見れば、いつものように、いつの間にか星狩さんが座っている。
相変わらず存在感が薄いけど、そんなの問題にならないくらい可愛い。天使かもしれない。
しかも、可愛いだけでなく、たわわに実った2つの大きな果実が何とも――
『ドコを見ているのカナ?(ㆆ ㆆ )ジー』
すっ、と視界にスマホが差し込まれた。
顔を上げると、星狩さんが苦笑いをしている。
「うわわっ! ごっ、ごめんなさい見てません!」
『物部くんは本当にエッチだなぁ(〃艸〃)』
で、でへへ……。
【Vヲタ】武威「ぬをををッ!? 八角殿、貴殿どうやってこんなにいいねを!?」
僕の右隣にたむろしている『サブカル男子組』で、武威くんが八角くんに尋ねている。
そうそう、ソレ、僕も気になっていた。
【ハッカー】八角「簡単なXXS――クロスサイトスクリプティングだよ。……内緒だよ?」
【Vヲタ】武威「クロス……? 何はともあれ流石はハッカー! いや、これは最早ウィザード級では!?」
【ハッカー】八角「ど、どどどDTちゃうわ!」
彼らの楽しい掛け合いを聞きながら『クロスサイトスクリプティング』についてググると――これ、マジもんの犯罪行為じゃないか!
【バカットー】馬子「なぁなぁ八角、俺にもやり方教えてくれよ」
損害賠償を言い渡されているのに、普通に学校に来ているバカットーが八角くんに絡む。バカなのか。バカなんだろうな。
【ハッカー】八角「い、嫌だよ。拡散させたらバレるじゃん」
【下種野郎】種田「いいじゃねぇか。俺ら友達だろ?」参戦する。八角くんのスマホを取り上げる。
【ハッカー】八角「か、返して! 返せよ!」
【下種野郎】種田「ああっ!? てめぇ誰に向かって口聞いてんだゴラァ!?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「ストップストップ!」仲裁に入る。クラスの警察官は今日も健在だ。
【下種野郎】種田「ちっ……」八角くんへスマホを投げ返す。
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっとぉ~、八坂さんと馬肉さんも、相互いいね体制に入りなさいよ」天晴さんの転落により、一躍クラスの中心人物となった舞姫さんが、『サブカル女子組』に詰め寄る。
【神絵師】上江「ちょっと舞姫さん、止めてよ」
【セミプロダンサー】舞姫「止めて欲しいのはこっちなんですけど。不公平は良くないと思うんですけどー」
【801】八坂「わ、私――」
【四コマ漫画】四谷「あおい、気にしなくていいからね」
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっと、こっちは気にするんですけど!」
【猫可愛がり】猫目「そうよそうよ! アンタたちはいいねに余裕があるみたいだけど、こっちは余裕無いんだから!」
【写真家】写楽「そ、そうだよ……みんなで協力し合うべきだと思う」
最大派閥だったはずの『インスタ女子組』も、すっかり数を減らしてしまった。天晴さんは不登校、蝿塚さんは入院、相曽さんと出目さんは死んでしまって……。
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっと聞いてんの、八坂さん馬肉さん!?」
【女子Vヲタ】馬肉「…………」俯く。
【801】八坂「……わ、分かった」牛歩戦術の様にスマホを操作してから、「……これ、私のアカウント」
【セミプロダンサー】舞姫「…………え?」八坂さんのスマホを覗き込んで、固まる。「え? え? えええええッ!? アガサ・やおいって――八坂さんがアガサ先生!? アタシ、大・大・大ファンなんです! いつもお世話に――――……」
【猫可愛がり】猫目「え? 麻衣ちゃん、何言って――」
【セミプロダンサー】舞姫「あ~~~~ッ!! 何でも無いっ!!」ぶんぶんと手を振って、「何でも無い何でも無い何でも無いっ!! 今の無し!!」
【バカッター】馬子「なになに、何の話ぃ~?」話を拗らせる天才が、今度は女子同士の戦場に首を突っ込む。「え、何。これが八坂のアカウント? キモ、変態じゃん。ぎゃはは」
八坂さんはブルブル震えながら泣いている。
【バカッター】馬子「うぇ~、Foo⤴⤴ これが八坂のアカウントでぇ~っす」
馬子のTwittooを見ると、八坂さんのアカウントが晒し上げられていた。案の定、BL作家さんだ。それも、フォロイー数百人に対してフォロワー1万人超えという、大物も大物だった。
当の八坂さんは、泣きながら教室を出て行ってしまった。
いつも通り花と花瓶を始末して、執筆しながら始業を待つ。
徐々に教室が賑わっていき、ふと左を見れば、いつものように、いつの間にか星狩さんが座っている。
相変わらず存在感が薄いけど、そんなの問題にならないくらい可愛い。天使かもしれない。
しかも、可愛いだけでなく、たわわに実った2つの大きな果実が何とも――
『ドコを見ているのカナ?(ㆆ ㆆ )ジー』
すっ、と視界にスマホが差し込まれた。
顔を上げると、星狩さんが苦笑いをしている。
「うわわっ! ごっ、ごめんなさい見てません!」
『物部くんは本当にエッチだなぁ(〃艸〃)』
で、でへへ……。
【Vヲタ】武威「ぬをををッ!? 八角殿、貴殿どうやってこんなにいいねを!?」
僕の右隣にたむろしている『サブカル男子組』で、武威くんが八角くんに尋ねている。
そうそう、ソレ、僕も気になっていた。
【ハッカー】八角「簡単なXXS――クロスサイトスクリプティングだよ。……内緒だよ?」
【Vヲタ】武威「クロス……? 何はともあれ流石はハッカー! いや、これは最早ウィザード級では!?」
【ハッカー】八角「ど、どどどDTちゃうわ!」
彼らの楽しい掛け合いを聞きながら『クロスサイトスクリプティング』についてググると――これ、マジもんの犯罪行為じゃないか!
【バカットー】馬子「なぁなぁ八角、俺にもやり方教えてくれよ」
損害賠償を言い渡されているのに、普通に学校に来ているバカットーが八角くんに絡む。バカなのか。バカなんだろうな。
【ハッカー】八角「い、嫌だよ。拡散させたらバレるじゃん」
【下種野郎】種田「いいじゃねぇか。俺ら友達だろ?」参戦する。八角くんのスマホを取り上げる。
【ハッカー】八角「か、返して! 返せよ!」
【下種野郎】種田「ああっ!? てめぇ誰に向かって口聞いてんだゴラァ!?」
【陽キャリーダー】蹴鞠「ストップストップ!」仲裁に入る。クラスの警察官は今日も健在だ。
【下種野郎】種田「ちっ……」八角くんへスマホを投げ返す。
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっとぉ~、八坂さんと馬肉さんも、相互いいね体制に入りなさいよ」天晴さんの転落により、一躍クラスの中心人物となった舞姫さんが、『サブカル女子組』に詰め寄る。
【神絵師】上江「ちょっと舞姫さん、止めてよ」
【セミプロダンサー】舞姫「止めて欲しいのはこっちなんですけど。不公平は良くないと思うんですけどー」
【801】八坂「わ、私――」
【四コマ漫画】四谷「あおい、気にしなくていいからね」
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっと、こっちは気にするんですけど!」
【猫可愛がり】猫目「そうよそうよ! アンタたちはいいねに余裕があるみたいだけど、こっちは余裕無いんだから!」
【写真家】写楽「そ、そうだよ……みんなで協力し合うべきだと思う」
最大派閥だったはずの『インスタ女子組』も、すっかり数を減らしてしまった。天晴さんは不登校、蝿塚さんは入院、相曽さんと出目さんは死んでしまって……。
【セミプロダンサー】舞姫「ちょっと聞いてんの、八坂さん馬肉さん!?」
【女子Vヲタ】馬肉「…………」俯く。
【801】八坂「……わ、分かった」牛歩戦術の様にスマホを操作してから、「……これ、私のアカウント」
【セミプロダンサー】舞姫「…………え?」八坂さんのスマホを覗き込んで、固まる。「え? え? えええええッ!? アガサ・やおいって――八坂さんがアガサ先生!? アタシ、大・大・大ファンなんです! いつもお世話に――――……」
【猫可愛がり】猫目「え? 麻衣ちゃん、何言って――」
【セミプロダンサー】舞姫「あ~~~~ッ!! 何でも無いっ!!」ぶんぶんと手を振って、「何でも無い何でも無い何でも無いっ!! 今の無し!!」
【バカッター】馬子「なになに、何の話ぃ~?」話を拗らせる天才が、今度は女子同士の戦場に首を突っ込む。「え、何。これが八坂のアカウント? キモ、変態じゃん。ぎゃはは」
八坂さんはブルブル震えながら泣いている。
【バカッター】馬子「うぇ~、Foo⤴⤴ これが八坂のアカウントでぇ~っす」
馬子のTwittooを見ると、八坂さんのアカウントが晒し上げられていた。案の定、BL作家さんだ。それも、フォロイー数百人に対してフォロワー1万人超えという、大物も大物だった。
当の八坂さんは、泣きながら教室を出て行ってしまった。
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