「強くてニューゲーム」で異世界無限レベリング ~美少女勇者(3,077歳)、王子様に溺愛されながらレベリングし続けて魔王討伐を目指します!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
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第3章 「私が魔王国内で大暴れする話」
108(2,998歳)「成り上がり開始!」
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「まったく……人の書斎に無理やり押し入るとは、魔力の少ない人はやはり野蛮ですな」
書斎で椅子にふんぞり返り、開き直った様子のビジューさん。
「貴様っ、領主たる儂からの召喚状を無視しおってからに、何をぬけぬけと!」
激昂する領主さん。
何やら修羅場ってるご様子。
「で? 何か御用ですかな、私よりも魔力の少ない領主サマ?」
「なっ……うぐぐ、貴様が無作為に売り捌く金銀財宝の所為で、魔王国中の通貨、宝石の相場が大混乱に陥っていると、各領地貴族からクレームを受けておるのじゃ! 貴様、儂に無断でこんなことをして、ただで済むと――」
「は? 私が貴方にお伺いを立てる必要があるのですか? 魔力100万を超える私が、たかだか10万程度の、あなたに?」
……いやまぁ10万でも十分に、『魔法を極めた魔族やハイエルフ』レベルで、人族基準じゃ賢者様の十倍のMPだからね!?
なんというか、魔力のインフレ具合がドラゴンボ○ルみを感じるよ……かくいうMP10奥の私が一番のインフレキャラだけどさ。
「だいたい、表にあったような巨大なダイヤモンドなぞ、どこから掘り当てたというのじゃ!?」
「教える義理はありませんな」
「いーや、ある。領内で新たな鉱山を発見した場合、この儂に届け出る義務が領民にはある! これは魔王国における決まりであって儂が決めたことではない。貴様、魔王様に歯向かう意思がないならば、速やかにこの【取引契約】書にサインし、新たな鉱山の場所を吐け」
「ぐっ……」
苦しそうな表情のビジューさん。なるほど、魔力の低い領主の命令は受けなくても許されても、魔力の高い魔王の命令は聞かなきゃならないってことか。
果たしてビジューさんは【取引契約】書にサインし、
「鉱山を見つけたわけではない」
「ほう? ならば他領からの輸入履歴を調べるとしよう」
言って領主様は【瞬間移動】で姿を消した。
「アリソン! 他の3人を連れて書斎に来い! 大至急だ!」
「は、はい!」
◇ ◆ ◇ ◆
「これから数日の間、君たちにはひたすら金銀財宝の生成を行ってもらいたい」
書斎にて、ビジューさんが私たちにマジックバッグ――袋に【アイテムボックス】が【付与】された代物――を手渡す。
「家の世話も店の番もしなくて良い。魔力ポーションならここに10樽置いてある。食事もここに運ばせる」
「「「「ははっ」」」」
言われるがまま、ひたすら金銀財宝の塊を作ってはマジックバッグへ放り込む。
「くそっ、こんなに早く嗅ぎつけてくるとは!」
ビジューさんはと言えば、焦った様子で何やら書類仕事している。
その日は夜中までずっと金銀財宝を生成し続けた。
ご飯はちゃんと出してもらえたし、夜中になって『そろそろ休ませてください』と言ったら、お風呂と睡眠を許してもらえた。
◇ ◆ ◇ ◆
翌日も朝から書斎で金銀財宝大放出! していると――
「なるほど、な」
領主様が書斎に【瞬間移動】で現れた!
「新しい鉱山でもなく輸入でもないというわけか」
「お前たち! いいから生成を続けろ!!」
顔色を変えたビジューさんからの命令。
「「「「は、はい!」」」」
「宝石を生成できるレベルの魔法使いなど何人もいない」
領主様が壮絶な笑顔で私を見る。
「少なくとも数日前までは、この領にはいなかった――アリソン君、君がこの街に現れるまでは」
あー……見破られてるな。
「ところでアリソン君、君は奴隷身分に甘んじていても良いのかね?」
「どういうことでしょうか?」
金銀財宝生成は続けつつも、答える。
「アリソン! 耳を貸すな!」
ビジューさんが必死に遮ろうとする。
「奴隷は主人と購入元の奴隷商に『魔法決闘』で勝利すれば、奴隷の身分から解放されるのだ。自由の身に、なりたくはないかな?」
「えっそうなんですか!?」
もちろん知っていた。アデスさんから受講済みだよ。
でも『ずっと山奥で暮らしてた常識を知らない15歳』を演じる上では、知らないことにしておくしかなかった。
「なりたいです、自由の身に!」
「やめろ、アリソン!」
必死に抵抗するビジューさんへ、
「ご主人様、私と決闘――」
突如猛烈な吐き気に襲われる!
「うぉぇぇぇええええええええええええ!!」
◇ ◆ ◇ ◆
目を開くと書斎のソファーに寝かされていた。
「……気がついたか」
ビジューさんが疲れた顔をしている。
部屋に領主様はおらず、デボラさん、サロメさん、クロエちゃんは相変わらず金銀財宝生成を続けている。
「謝るよ。決闘のことを隠していたことと、【隷属契約】に本来入れるべき、『奴隷からの決闘申し込みの自由』という項目を意図的に抜いていたことを」
なんと、ビジューさんが頭を下げてきた!
先ほどビジューさんが私を制止しようとしたのは、決闘を申し込まれたくなかったからなのか、それとも私が決闘を申し込もうとすると、【隷属契約】違反で苦痛に苛まれると知っていたからなのか。
「その上でお願いなんだが、私のことを見逃してもらえないか? もうすぐ領主が決闘のことを盛り込んだ新しい【隷属契約】書を持ってくる。どうせ私はアリソンに敵わないだろうし、デボラ、サロメ、クロエ相手でもそうだろう。領主が来るまでは宝石の生成を続けてもらい、領主が来た時点でお前たちを奴隷から解放する。金は――自由に出せるから要らないか? くれというなら用意するが」
「それでいいですよ」
ざまぁ展開はまだですかって? お腹蹴られたこととか、デボラさん、サロメさん、クロエちゃんが弄ばれたことへの仕返しはしないのかって?
いやまぁ……私を殺してくれた元辺境伯を許してしまった時に、さらに言うならフェッテン様を2度も殺してくれたアデスさんを味方に引き入れた時に、そういう感情はすっかり薄くなっちゃったんだよね。まぁ、一応謝ってはくれたし。孫悟○だってベジ○タ許したじゃん?
「…………すまんな」
ほどなくして、領主様が新しい【隷属契約】書を持って現れた。
こうして私は自由の身分と、3人の配下を手に入れた。
***********************************************
追記回数:26,042回 通算年数:2,998年 レベル:5,100
次回、復讐少女クロエちゃんが、無敵の魔力を携えて野に放たれる……。
書斎で椅子にふんぞり返り、開き直った様子のビジューさん。
「貴様っ、領主たる儂からの召喚状を無視しおってからに、何をぬけぬけと!」
激昂する領主さん。
何やら修羅場ってるご様子。
「で? 何か御用ですかな、私よりも魔力の少ない領主サマ?」
「なっ……うぐぐ、貴様が無作為に売り捌く金銀財宝の所為で、魔王国中の通貨、宝石の相場が大混乱に陥っていると、各領地貴族からクレームを受けておるのじゃ! 貴様、儂に無断でこんなことをして、ただで済むと――」
「は? 私が貴方にお伺いを立てる必要があるのですか? 魔力100万を超える私が、たかだか10万程度の、あなたに?」
……いやまぁ10万でも十分に、『魔法を極めた魔族やハイエルフ』レベルで、人族基準じゃ賢者様の十倍のMPだからね!?
なんというか、魔力のインフレ具合がドラゴンボ○ルみを感じるよ……かくいうMP10奥の私が一番のインフレキャラだけどさ。
「だいたい、表にあったような巨大なダイヤモンドなぞ、どこから掘り当てたというのじゃ!?」
「教える義理はありませんな」
「いーや、ある。領内で新たな鉱山を発見した場合、この儂に届け出る義務が領民にはある! これは魔王国における決まりであって儂が決めたことではない。貴様、魔王様に歯向かう意思がないならば、速やかにこの【取引契約】書にサインし、新たな鉱山の場所を吐け」
「ぐっ……」
苦しそうな表情のビジューさん。なるほど、魔力の低い領主の命令は受けなくても許されても、魔力の高い魔王の命令は聞かなきゃならないってことか。
果たしてビジューさんは【取引契約】書にサインし、
「鉱山を見つけたわけではない」
「ほう? ならば他領からの輸入履歴を調べるとしよう」
言って領主様は【瞬間移動】で姿を消した。
「アリソン! 他の3人を連れて書斎に来い! 大至急だ!」
「は、はい!」
◇ ◆ ◇ ◆
「これから数日の間、君たちにはひたすら金銀財宝の生成を行ってもらいたい」
書斎にて、ビジューさんが私たちにマジックバッグ――袋に【アイテムボックス】が【付与】された代物――を手渡す。
「家の世話も店の番もしなくて良い。魔力ポーションならここに10樽置いてある。食事もここに運ばせる」
「「「「ははっ」」」」
言われるがまま、ひたすら金銀財宝の塊を作ってはマジックバッグへ放り込む。
「くそっ、こんなに早く嗅ぎつけてくるとは!」
ビジューさんはと言えば、焦った様子で何やら書類仕事している。
その日は夜中までずっと金銀財宝を生成し続けた。
ご飯はちゃんと出してもらえたし、夜中になって『そろそろ休ませてください』と言ったら、お風呂と睡眠を許してもらえた。
◇ ◆ ◇ ◆
翌日も朝から書斎で金銀財宝大放出! していると――
「なるほど、な」
領主様が書斎に【瞬間移動】で現れた!
「新しい鉱山でもなく輸入でもないというわけか」
「お前たち! いいから生成を続けろ!!」
顔色を変えたビジューさんからの命令。
「「「「は、はい!」」」」
「宝石を生成できるレベルの魔法使いなど何人もいない」
領主様が壮絶な笑顔で私を見る。
「少なくとも数日前までは、この領にはいなかった――アリソン君、君がこの街に現れるまでは」
あー……見破られてるな。
「ところでアリソン君、君は奴隷身分に甘んじていても良いのかね?」
「どういうことでしょうか?」
金銀財宝生成は続けつつも、答える。
「アリソン! 耳を貸すな!」
ビジューさんが必死に遮ろうとする。
「奴隷は主人と購入元の奴隷商に『魔法決闘』で勝利すれば、奴隷の身分から解放されるのだ。自由の身に、なりたくはないかな?」
「えっそうなんですか!?」
もちろん知っていた。アデスさんから受講済みだよ。
でも『ずっと山奥で暮らしてた常識を知らない15歳』を演じる上では、知らないことにしておくしかなかった。
「なりたいです、自由の身に!」
「やめろ、アリソン!」
必死に抵抗するビジューさんへ、
「ご主人様、私と決闘――」
突如猛烈な吐き気に襲われる!
「うぉぇぇぇええええええええええええ!!」
◇ ◆ ◇ ◆
目を開くと書斎のソファーに寝かされていた。
「……気がついたか」
ビジューさんが疲れた顔をしている。
部屋に領主様はおらず、デボラさん、サロメさん、クロエちゃんは相変わらず金銀財宝生成を続けている。
「謝るよ。決闘のことを隠していたことと、【隷属契約】に本来入れるべき、『奴隷からの決闘申し込みの自由』という項目を意図的に抜いていたことを」
なんと、ビジューさんが頭を下げてきた!
先ほどビジューさんが私を制止しようとしたのは、決闘を申し込まれたくなかったからなのか、それとも私が決闘を申し込もうとすると、【隷属契約】違反で苦痛に苛まれると知っていたからなのか。
「その上でお願いなんだが、私のことを見逃してもらえないか? もうすぐ領主が決闘のことを盛り込んだ新しい【隷属契約】書を持ってくる。どうせ私はアリソンに敵わないだろうし、デボラ、サロメ、クロエ相手でもそうだろう。領主が来るまでは宝石の生成を続けてもらい、領主が来た時点でお前たちを奴隷から解放する。金は――自由に出せるから要らないか? くれというなら用意するが」
「それでいいですよ」
ざまぁ展開はまだですかって? お腹蹴られたこととか、デボラさん、サロメさん、クロエちゃんが弄ばれたことへの仕返しはしないのかって?
いやまぁ……私を殺してくれた元辺境伯を許してしまった時に、さらに言うならフェッテン様を2度も殺してくれたアデスさんを味方に引き入れた時に、そういう感情はすっかり薄くなっちゃったんだよね。まぁ、一応謝ってはくれたし。孫悟○だってベジ○タ許したじゃん?
「…………すまんな」
ほどなくして、領主様が新しい【隷属契約】書を持って現れた。
こうして私は自由の身分と、3人の配下を手に入れた。
***********************************************
追記回数:26,042回 通算年数:2,998年 レベル:5,100
次回、復讐少女クロエちゃんが、無敵の魔力を携えて野に放たれる……。
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