宮廷料理官は溺れるほど愛される~落ちこぼれ料理令嬢は敵国に売られて大嫌いな公爵に引き取られました~

「お前は姉と比べて本当に愚図だね」
天才の姉と比べられて両親から冷遇を受けてきたシェラ。
戦争で故国を失った彼女は敵国の宮殿に売られ虐められていた。
「紅い髪が気持ち悪い」「可愛げがない」「愛想がない」
食事は一日に二回しかないし、腐ったパンと水ばかり。
上司は仕事しない、同僚はサボる、雑用で手のひらも痛い。
そんなある日、彼女はついに脱走を決意するが、あえなく失敗する。
脱走者として処刑されかけた時、『黄獣将軍』と呼ばれる公爵が助けてくれた。
「強気なところがいいな。紅い髪が綺麗だ」
「君ほど優しい女性は見たことがない」
大嫌いなのにぐいぐい溺愛してくる公爵の優しさにだんだんと惹かれていくシェラ。
同時に彼女は自身のある才能を開花させていく。
「君ほどの逸材、この国にはもったいないな」
だが、公爵は一年前、シェラの姉を殺した男だった。
「なんでお姉ちゃんを殺したの……?」
どうやら彼には秘密があるようで──
一方、シェラを虐げていた宮殿では破滅が近づいていた……。
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