君のナミダに渇くカラダ

あーむす。

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7.心配ですし、それに…

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ー着きましたよ。

リーダーのマンションの前でタクシーが止まる。

「じゃあ、タクシー代の支払い頼むな。」

そう言って、リーダーは私にお札を手渡した。

私はそのお金を少し見つめて…その場で支払いをした。

「っおい、安田、俺は自分で帰れそうだからお前はこのまま帰れ。」

ドアを開けて降りようとしていた彼は慌てたように言う。

「ーいえ。リーダーが一人で歩けるか心配ですし、それに…」

支払いを済ませてさっと車を降りた私は、反対側のドアに回り込み彼に手を差し出した。

「私の住んでる場所、ここの向かいです。」

そう、タクシーが止まって驚いた。

あの向かいのマンションに彼が住んでいたなんて。

それは確かに利便がいいだろう。

2人でこの土地を褒めあっていたのか。

思わずクスクスと笑いあった。

再び彼の手を私の肩に回したが、今度は恐怖心は訪れなかった。

しかし、彼の部屋にたどり着く頃には、また彼の体調は悪くなっていた。

「…大丈夫、ですか?」

「…あぁ、大丈夫だ。」

その声すら弱々しい。

なんだろう…貧血とか、そう言うこと?などと勝手に考察してみる。

「すみません、ベッドまで運ばせてもらいますね。」

「…すまないな。」

彼の部屋は必要最低限しか物を置いてないだろう!というようなシンプルな1人部屋だった。

なんだか彼らしい真面目そうな部屋だな…と思いつつベッドまで運ぶ。

「ありがとう。今日はすごく助かった。」

やはり横になると少しは落ち着いたらしく、私の方をみて素直に礼を言ってくる。

その様子は、普段、冷徹仕事マシーンと呼ばれているとは想像もつかなかった。

「いえ、私もありがとうございます。」

「なんで安田が俺に礼をいうんだよ。」

少し可笑しそうに彼はいうが、私はどうしてもその言葉を言いたかったのだ。

今まで行けなかった飲み会にも、行く勇気をくれた。

男の人と2人で車内に乗っても怖くなかった。

ましてや、事情はどうであれ、男の人の部屋に上がるなんて、私には一生出来ないな、と思っていた。

私に、変わる希望を与えてくれて、ありがとう。

それもこれも、あの時感じたあたたかさのおかげ……


(…ん?)

そこまで思い立ってハッとした。

そういえば、この人はなんであの時あんなことをしたんだろう。
少なくとも、今日接していた限り、そんなことをする人だとは思えなかった。
たとえそれが私の脚色であったにしても、それなら部屋に上がった今、こうして無事なはずはない。


じゃあ…意識が朦朧としていたから、とか?

今なら聞いてもいいような気がした。

「あの、この間のことなんですけど……」
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