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本編
その頃山の民達は、
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三巳が頭を唸らせている間の事です。
村では動きが有りました。
「集まったな、皆の衆」
村の広場、中程では無く母獣を迎えた入り口近くの広場の方に、山の民達が勢揃いしています。
みんなの視線を一身に集め、遠くまで聞こえるように、されど決して声を張り上げている訳ではなく、ロウ村長が厳かに言いました。
集まった山の民達はロウ村長の言葉にゴクリと唾を飲み込み、聞き逃さまいと真面目な顔で聞き入っています。
「我々はこの日の為に入念な準備をして来た。
しかしいざ行かんと決した直後、近年まれに見る早い積雪が始まり断念せざるを得なかった」
ロウ村長が「くぅっ」と悔しそうに拳を固めれば、山の民達も同調してホゾを噛みます。
「かの方には三巳が言付けてくれたとはいえ、越冬の間はフラストレーションが溜まりに溜まった事だろう。
しかし!その雪も今年は早く解け、山頂ももうほとんど地肌が見えている!」
ロウ村長が山頂を指差し声を張り上げます。
山の民達も「おおおー!」っと拳に力を入れて盛り上がりを見せてます。
「今こそ!出発の時!」
「「「おー!」」」
「我々もただ結衣諾々と冬に篭っていた訳では無いと証明する時!」
「「「おー!」」」
「吹雪の時も!猛吹雪の時も!視界が遮られ、前が見えなくなっても!諦めず、めげず、己の力を昇華させて来た!
それを!かの方、サラマンダーに伝えるのだ!」
「「「うおおおおおおおおお!!」」」
ロウ村長は仁王立ちに両拳を両脇で力強く固め、胸を張り言い放ちました。
それに呼応して山の民達の大絶叫が山に木霊しました。振動が伝わり、驚いた木々の鳥達が一斉に飛び立ちます。丁度農作業で近くを通ったタウろんも驚きに飛び上がり、目を大きくまん丸に開けました。
『こ、怖いモー』
一種異様な雰囲気に、タウろんは逃げる様にその場から離れていきました。
周囲で生き物達が遠巻きに見物する中、山の民達のアドレナリンは最高潮に分泌されまくりです。
「山へ、行きたいかー!」
「「「おー!」」」
「サラマンダーに会いたいかー!」
「「「うおー!」」」
「よぅし!では、サラマンダーに挨拶し隊、出動ー!!」
「「「いよっしゃあああ!!」」」
華々しい見送りを背に、ロウ村長率いるサラマンダーに挨拶し隊(以下サラ隊)は威風堂々と出発をしました。
本来は普通に挨拶をして終わる筈でした。
しかし長い冬の間に目的がズレていました。そしてその事に誰も気付いていませんでした。
「いやぁ、三巳のお母さん神の時は遠慮してたからなー」
「本当、三巳の手前我慢したけど、サラマンダーなら大丈夫だものね」
見送る山の民達は、大きく手を振りながら好き勝手に話しています。
ただでさえ春は人を開放的にさせるのです。母獣の歓迎の時は最後に大いに盛り上げていましたが、山の民達的には最初から参加出来なかったら時点でカウントに入れていないのです。
一方、サラ隊は凄まじい勢いで山を駆け上っていました。今すぐサラマンダーに会いたくて仕方が無いのです。
「ふふふふふふっ、やっとこの日の為に編み出したあの技を披露出来るのね」
「ふっ、腕がなるな」
大人達がヤル気に満ち満ちている中、ミナミは(大人なのに子供みたい)と笑みを深めています。余りにも愉快に進むので、ミナミも緊張無く進む事が出来ています。
子供の様にはしゃいでいても、大人は矢張り大人です。道中はしっかり山でのイロハをミナミに教えながら登って行きました。
地獄谷入り口まで来ると、サラマンダーの気配を確認し、確かに大きな力の本流を感じ取りました。
「サラマンダー殿!お邪魔申し上げる!」
ロウ村長は方々に響き渡る、けれど決して不快にはさせない声で言いました。
ロウ村長達はサラマンダーの拒否の気配が無い事を確認し、更に奥へと進んで行きました。
そのまま気配のする方へ進めば、一番大きな間欠泉の上に寝そべったサラマンダーが見えてきました。
「!大きい……!」
サラマンダーはドラゴンの姿をしています。それはもう獣神型の三巳より大きいです。
ミナミは想像以上の大きさに息を飲みました。
「お初にお目に掛かる、サラマンダー殿。
不敬ではあるかと思うが、獣神である三巳にもしていないので敬語は無しでいかせて頂く事を了承願いたい」
『構わぬ。元より我らに言語は意味を為さない。心で会話を為しているからな。
しかし気をつけられよ。言葉は隠せても心は隠せないのだから』
ロウ村長が挨拶をし、事前承諾を願い出ると、サラマンダーも首をもたげて眼光を鋭く眇めました。
「有難い。
では、改めて。私は山の中腹にある村の村長をしている者だ。
今回新たに山の仲間に加わった火の精霊、サラマンダー殿にご挨拶申し上げに来た」
『うむ。話は三巳様より聞いている。
我は先住民たる者達を脅かす気は無いから安心せよ。
この場所も古来より親しまれた場所と聞いている。今まで通り過ごされよ』
「感謝する。
では少しばかりではあるが歓迎と感謝の意を伝えたいと思う。宜しいか?」
『ほう?面白い』
サラマンダーは興味津々に寝そべった姿勢から少し上体を起こしました。
その目の前に、ミナミが村で収穫した果物をドッサリと並べます。その間、総合魔法の遣い手のミアは緻密な魔力を練り上げ、ロウ村長とロイドがその補佐をしていました。
サラマンダーは「ほう」と目を細め、その緻密で繊細な魔法構築に感嘆の声を漏らします。
「それではご覧あれ。
我等がミアによる創作魔法」
準備が整った所でロウ村長がニヤリと悪戯っぽく笑い、ミアに場を譲ります。
そして一言。
「花火。打ち上げ開始!」
ロウ村長の合図に、ミアの魔法が炸裂しました。
ひゅぅるるるるる。と音を上げて白い光が青空に向かって高く登っていきます。そして光は大きく花開きました。直後にやってくるバァン!という大きな音に、サラマンダーは両眼をカッ開いて口を一文字に引き伸ばしました。体もビビビっと振動しています。
「まだまだこんなものじゃ無い。
ミア!ロイド!続けて行くぞ!」
ミアに続いてロウ村長とロイドも参戦します。
大きな物や、形が複雑な物はミアが、それ以外はロウ村長とロイドが力を合わせて魔法花火を打ち上げていきました。
サラマンダーは瞬きも忘れて花火に魅入っています。中でも大きな花火が気に入ったらしく、打ち上がる度に尻尾をビッタンビッタン跳ねています。
サラマンダーが尻尾を振る度地面が揺れますが、そんな事でへこたれる柔な鍛え方は誰もしていませんでした。
「ふふふふ!」
「はははは!」
「イケル!イケルぞ!」
それよりも明らかに気に入ってくれた事がわかり、ロウ村長達の盛り上がりも最高潮です。高笑いが止まりません。花火の音に掻き消されなかったら不審に思われてしまうかもしれません。
そしてミナミはその様子を具に見ていました。
「尊敬して良いんだか、呆れて良いんだかわからない盛り上がり方ね」
複雑な心境の顔をしていました。
「ラストぉー!」
様々な種類の花火を順に打ち上げた後、ロウ村長が最大に声を張り上げます。
ロウ村長の合図で昼の空に見事なスターマインが炸裂しました。
下は横に広く噴水の様に吹き出す花火。
中程でポンポンと多種多様な花火が同時に彩る花火。
上空にいくと大玉な花火がカラフルに大輪の花を咲かせています。
これらは魔法で出来ているので昼間でも良く見えました。
最後に一際大きな花火がドカンと上がると、最後にナイアガラ花火で締めを括りました。
『~っ!~っ!』
サラマンダーは何も無くなった空を、声も無く惜しげに見上げています。
暫く見上げてお仕舞いだと理解すると、はふーーーっと長く息を吐いてロウ村長達を慈しみの目で見ました。
『良い。とても良い。心地の良い火の魔法であった』
流石はサラマンダーです。火の精霊です。三巳の前では畏っていても、やっぱり派手に咲き誇る大輪の火も好きな様です。
ロウ村長はサラマンダーと気が合いそうだと確信しました。コクリと頷いて親指をビッと立てました。
『しかしあれだな。これは夜空に放てば余程映えるだろう』
名残惜しげにもう一度空を見上げて言うサラマンダーに、ロウ村長は「確かに」と夜空の花火大会を思い付くのでした。
村では動きが有りました。
「集まったな、皆の衆」
村の広場、中程では無く母獣を迎えた入り口近くの広場の方に、山の民達が勢揃いしています。
みんなの視線を一身に集め、遠くまで聞こえるように、されど決して声を張り上げている訳ではなく、ロウ村長が厳かに言いました。
集まった山の民達はロウ村長の言葉にゴクリと唾を飲み込み、聞き逃さまいと真面目な顔で聞き入っています。
「我々はこの日の為に入念な準備をして来た。
しかしいざ行かんと決した直後、近年まれに見る早い積雪が始まり断念せざるを得なかった」
ロウ村長が「くぅっ」と悔しそうに拳を固めれば、山の民達も同調してホゾを噛みます。
「かの方には三巳が言付けてくれたとはいえ、越冬の間はフラストレーションが溜まりに溜まった事だろう。
しかし!その雪も今年は早く解け、山頂ももうほとんど地肌が見えている!」
ロウ村長が山頂を指差し声を張り上げます。
山の民達も「おおおー!」っと拳に力を入れて盛り上がりを見せてます。
「今こそ!出発の時!」
「「「おー!」」」
「我々もただ結衣諾々と冬に篭っていた訳では無いと証明する時!」
「「「おー!」」」
「吹雪の時も!猛吹雪の時も!視界が遮られ、前が見えなくなっても!諦めず、めげず、己の力を昇華させて来た!
それを!かの方、サラマンダーに伝えるのだ!」
「「「うおおおおおおおおお!!」」」
ロウ村長は仁王立ちに両拳を両脇で力強く固め、胸を張り言い放ちました。
それに呼応して山の民達の大絶叫が山に木霊しました。振動が伝わり、驚いた木々の鳥達が一斉に飛び立ちます。丁度農作業で近くを通ったタウろんも驚きに飛び上がり、目を大きくまん丸に開けました。
『こ、怖いモー』
一種異様な雰囲気に、タウろんは逃げる様にその場から離れていきました。
周囲で生き物達が遠巻きに見物する中、山の民達のアドレナリンは最高潮に分泌されまくりです。
「山へ、行きたいかー!」
「「「おー!」」」
「サラマンダーに会いたいかー!」
「「「うおー!」」」
「よぅし!では、サラマンダーに挨拶し隊、出動ー!!」
「「「いよっしゃあああ!!」」」
華々しい見送りを背に、ロウ村長率いるサラマンダーに挨拶し隊(以下サラ隊)は威風堂々と出発をしました。
本来は普通に挨拶をして終わる筈でした。
しかし長い冬の間に目的がズレていました。そしてその事に誰も気付いていませんでした。
「いやぁ、三巳のお母さん神の時は遠慮してたからなー」
「本当、三巳の手前我慢したけど、サラマンダーなら大丈夫だものね」
見送る山の民達は、大きく手を振りながら好き勝手に話しています。
ただでさえ春は人を開放的にさせるのです。母獣の歓迎の時は最後に大いに盛り上げていましたが、山の民達的には最初から参加出来なかったら時点でカウントに入れていないのです。
一方、サラ隊は凄まじい勢いで山を駆け上っていました。今すぐサラマンダーに会いたくて仕方が無いのです。
「ふふふふふふっ、やっとこの日の為に編み出したあの技を披露出来るのね」
「ふっ、腕がなるな」
大人達がヤル気に満ち満ちている中、ミナミは(大人なのに子供みたい)と笑みを深めています。余りにも愉快に進むので、ミナミも緊張無く進む事が出来ています。
子供の様にはしゃいでいても、大人は矢張り大人です。道中はしっかり山でのイロハをミナミに教えながら登って行きました。
地獄谷入り口まで来ると、サラマンダーの気配を確認し、確かに大きな力の本流を感じ取りました。
「サラマンダー殿!お邪魔申し上げる!」
ロウ村長は方々に響き渡る、けれど決して不快にはさせない声で言いました。
ロウ村長達はサラマンダーの拒否の気配が無い事を確認し、更に奥へと進んで行きました。
そのまま気配のする方へ進めば、一番大きな間欠泉の上に寝そべったサラマンダーが見えてきました。
「!大きい……!」
サラマンダーはドラゴンの姿をしています。それはもう獣神型の三巳より大きいです。
ミナミは想像以上の大きさに息を飲みました。
「お初にお目に掛かる、サラマンダー殿。
不敬ではあるかと思うが、獣神である三巳にもしていないので敬語は無しでいかせて頂く事を了承願いたい」
『構わぬ。元より我らに言語は意味を為さない。心で会話を為しているからな。
しかし気をつけられよ。言葉は隠せても心は隠せないのだから』
ロウ村長が挨拶をし、事前承諾を願い出ると、サラマンダーも首をもたげて眼光を鋭く眇めました。
「有難い。
では、改めて。私は山の中腹にある村の村長をしている者だ。
今回新たに山の仲間に加わった火の精霊、サラマンダー殿にご挨拶申し上げに来た」
『うむ。話は三巳様より聞いている。
我は先住民たる者達を脅かす気は無いから安心せよ。
この場所も古来より親しまれた場所と聞いている。今まで通り過ごされよ』
「感謝する。
では少しばかりではあるが歓迎と感謝の意を伝えたいと思う。宜しいか?」
『ほう?面白い』
サラマンダーは興味津々に寝そべった姿勢から少し上体を起こしました。
その目の前に、ミナミが村で収穫した果物をドッサリと並べます。その間、総合魔法の遣い手のミアは緻密な魔力を練り上げ、ロウ村長とロイドがその補佐をしていました。
サラマンダーは「ほう」と目を細め、その緻密で繊細な魔法構築に感嘆の声を漏らします。
「それではご覧あれ。
我等がミアによる創作魔法」
準備が整った所でロウ村長がニヤリと悪戯っぽく笑い、ミアに場を譲ります。
そして一言。
「花火。打ち上げ開始!」
ロウ村長の合図に、ミアの魔法が炸裂しました。
ひゅぅるるるるる。と音を上げて白い光が青空に向かって高く登っていきます。そして光は大きく花開きました。直後にやってくるバァン!という大きな音に、サラマンダーは両眼をカッ開いて口を一文字に引き伸ばしました。体もビビビっと振動しています。
「まだまだこんなものじゃ無い。
ミア!ロイド!続けて行くぞ!」
ミアに続いてロウ村長とロイドも参戦します。
大きな物や、形が複雑な物はミアが、それ以外はロウ村長とロイドが力を合わせて魔法花火を打ち上げていきました。
サラマンダーは瞬きも忘れて花火に魅入っています。中でも大きな花火が気に入ったらしく、打ち上がる度に尻尾をビッタンビッタン跳ねています。
サラマンダーが尻尾を振る度地面が揺れますが、そんな事でへこたれる柔な鍛え方は誰もしていませんでした。
「ふふふふ!」
「はははは!」
「イケル!イケルぞ!」
それよりも明らかに気に入ってくれた事がわかり、ロウ村長達の盛り上がりも最高潮です。高笑いが止まりません。花火の音に掻き消されなかったら不審に思われてしまうかもしれません。
そしてミナミはその様子を具に見ていました。
「尊敬して良いんだか、呆れて良いんだかわからない盛り上がり方ね」
複雑な心境の顔をしていました。
「ラストぉー!」
様々な種類の花火を順に打ち上げた後、ロウ村長が最大に声を張り上げます。
ロウ村長の合図で昼の空に見事なスターマインが炸裂しました。
下は横に広く噴水の様に吹き出す花火。
中程でポンポンと多種多様な花火が同時に彩る花火。
上空にいくと大玉な花火がカラフルに大輪の花を咲かせています。
これらは魔法で出来ているので昼間でも良く見えました。
最後に一際大きな花火がドカンと上がると、最後にナイアガラ花火で締めを括りました。
『~っ!~っ!』
サラマンダーは何も無くなった空を、声も無く惜しげに見上げています。
暫く見上げてお仕舞いだと理解すると、はふーーーっと長く息を吐いてロウ村長達を慈しみの目で見ました。
『良い。とても良い。心地の良い火の魔法であった』
流石はサラマンダーです。火の精霊です。三巳の前では畏っていても、やっぱり派手に咲き誇る大輪の火も好きな様です。
ロウ村長はサラマンダーと気が合いそうだと確信しました。コクリと頷いて親指をビッと立てました。
『しかしあれだな。これは夜空に放てば余程映えるだろう』
名残惜しげにもう一度空を見上げて言うサラマンダーに、ロウ村長は「確かに」と夜空の花火大会を思い付くのでした。
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