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本編
干物三巳
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大分日差しが暑くなり夏真っ盛りに入ろうとしています。
とは言っても山の中腹に位置する村は、都会の様に暑苦しくはなりません。
「あー、夏の度に思うけど。前世も都会暮らしなんてしないで田舎暮らしすれば良かったんじゃーん」
とか三巳がボヤく位には快適に過ごせます。
「クーラーの要らない生活ー」
そう言いながら縁側でダラける三巳。コレが干物女とか云うやつでしょうか。
時折吹く風がソヨソヨと三巳の毛並みを揺らしていきます。
「あー、何も無いが最高だー」
コロンと転がり温くなった床から冷んやりの床でダラけます。
ポカポカサンサン太陽の光が心地良いです。
余りにも毛並み以外が動かないので、蝶々やトンボが三巳の上に止まっていきます。
「うーん。このままだと駄目獣になりそーだなー」
顔だけキリっとさせていますが、体はダル~んとなったままです。
「三己姉ちゃーん!」
「ぐえっ」
うつ伏せで縁側の敷物と化している三己の上に小さな塊がピョンコと乗りました。
「遊ぼー!」
「おきょっ」
更に小さな塊がピョンコと乗りました。
「かけっこしよー!」
「ふみっ」
又々小さな塊が乗ってきます。
「えー?かくれんぼが良いよー!」
「ひでぶっ」
これでもかと小さな塊が乗ってきます。
「おままごとが良いな……」
も一つおまけに小さな塊が乗ろうとして、乗れなくてオロオロして半泣きです。
気付いたお友達が引っ張り上げてくれました。
お陰で三己は小さな塊ズに埋もれてしまいました。
尻尾だけがピクピクと動いています。
「でーい!」
堪らず三己は勢いよく立ち上がりました。
小さな塊達は、三己の頭上と肩と腰と尻尾にしがみ付いてキャッキャと喜びました。
自分で乗れなかった小さな塊は、落ちない様に三己が尻尾でクルンと保護しています。
「ふっふっふー。寝る子を起こした子供達はこうだー!」
「「「キャー♪」」」
三己はその場でクルクル回ったり、木から木、屋根から屋根にピョンピョン飛んで、アクロバティックに動きます。
勿論小さな子供達が振り落とされない様に、魔法でさり気無く守っています。
子供達は三己に遊んで貰えて嬉しそうにはしゃいでいます。
「いやー、皆が来てくれて良かったなー。
あのままだと三己は干物女になるとこだったよー」
カラカラ笑って言う三己に、子供達はキョトーンとします。
「三己姉ちゃん干物なのー?」
「ジャーキーかー?」
「ミオラはアジの干物のが好きだなー」
純真無垢な子供達には干物女と言う意味が判らない様です。
そもそも山の民に干物になる様な大人が男女共にいません。三己位です。
お陰で子供達は好きな干物談議に花を咲かせました。
三己はその様子にホッコリと癒されます。
「ほれ、広場に着いたぞー」
広場に着くなり上体を倒して降り易い様にしてあげます。
しかし三己にしがみ付いているのが楽しい子供達は離れません。
「どーしたー?駆けっこに隠れんぼに御飯事しないのかー?」
三己が聞くなり子供達は「あ」と思い出して飛び降りました。
「「「するー!」」」
元気良く返事をする子供達は三己の周りをキャッキャと駆け回ります。
「よーし、順番にやってこーなー」
「「「わーい♪」」」
三己に頭を撫でられながら子供達は喜びました。
こうして干物にならなかった三己は、子供達がお家に帰るまで遊び倒しました。
とは言っても山の中腹に位置する村は、都会の様に暑苦しくはなりません。
「あー、夏の度に思うけど。前世も都会暮らしなんてしないで田舎暮らしすれば良かったんじゃーん」
とか三巳がボヤく位には快適に過ごせます。
「クーラーの要らない生活ー」
そう言いながら縁側でダラける三巳。コレが干物女とか云うやつでしょうか。
時折吹く風がソヨソヨと三巳の毛並みを揺らしていきます。
「あー、何も無いが最高だー」
コロンと転がり温くなった床から冷んやりの床でダラけます。
ポカポカサンサン太陽の光が心地良いです。
余りにも毛並み以外が動かないので、蝶々やトンボが三巳の上に止まっていきます。
「うーん。このままだと駄目獣になりそーだなー」
顔だけキリっとさせていますが、体はダル~んとなったままです。
「三己姉ちゃーん!」
「ぐえっ」
うつ伏せで縁側の敷物と化している三己の上に小さな塊がピョンコと乗りました。
「遊ぼー!」
「おきょっ」
更に小さな塊がピョンコと乗りました。
「かけっこしよー!」
「ふみっ」
又々小さな塊が乗ってきます。
「えー?かくれんぼが良いよー!」
「ひでぶっ」
これでもかと小さな塊が乗ってきます。
「おままごとが良いな……」
も一つおまけに小さな塊が乗ろうとして、乗れなくてオロオロして半泣きです。
気付いたお友達が引っ張り上げてくれました。
お陰で三己は小さな塊ズに埋もれてしまいました。
尻尾だけがピクピクと動いています。
「でーい!」
堪らず三己は勢いよく立ち上がりました。
小さな塊達は、三己の頭上と肩と腰と尻尾にしがみ付いてキャッキャと喜びました。
自分で乗れなかった小さな塊は、落ちない様に三己が尻尾でクルンと保護しています。
「ふっふっふー。寝る子を起こした子供達はこうだー!」
「「「キャー♪」」」
三己はその場でクルクル回ったり、木から木、屋根から屋根にピョンピョン飛んで、アクロバティックに動きます。
勿論小さな子供達が振り落とされない様に、魔法でさり気無く守っています。
子供達は三己に遊んで貰えて嬉しそうにはしゃいでいます。
「いやー、皆が来てくれて良かったなー。
あのままだと三己は干物女になるとこだったよー」
カラカラ笑って言う三己に、子供達はキョトーンとします。
「三己姉ちゃん干物なのー?」
「ジャーキーかー?」
「ミオラはアジの干物のが好きだなー」
純真無垢な子供達には干物女と言う意味が判らない様です。
そもそも山の民に干物になる様な大人が男女共にいません。三己位です。
お陰で子供達は好きな干物談議に花を咲かせました。
三己はその様子にホッコリと癒されます。
「ほれ、広場に着いたぞー」
広場に着くなり上体を倒して降り易い様にしてあげます。
しかし三己にしがみ付いているのが楽しい子供達は離れません。
「どーしたー?駆けっこに隠れんぼに御飯事しないのかー?」
三己が聞くなり子供達は「あ」と思い出して飛び降りました。
「「「するー!」」」
元気良く返事をする子供達は三己の周りをキャッキャと駆け回ります。
「よーし、順番にやってこーなー」
「「「わーい♪」」」
三己に頭を撫でられながら子供達は喜びました。
こうして干物にならなかった三己は、子供達がお家に帰るまで遊び倒しました。
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