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本編
竹の子何派?
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三巳達が竹の子狩りから戻って直ぐ。太陽が真上を過ぎた頃の時間帯に、山の民とリリが村の広場に集まっています。
籠いっぱいの姫竹を村全体で山分けするのです。
「おお。熊が出たって聞いたし、今回は少ねぇと思ったが」
「そうだねぇ。去年位あるんじゃないかい?」
「これなら竹の子汁の他にも食べれそうじゃのう」
姫竹を一人分ずつ小分けをしている村長家族の様子を見て、誰も彼も胸を撫で下ろします。
皆この日を楽しみにしていたのですから、色々出来るに越した事はありません。
「三巳が一番採ってるね」
「籠からあふれてるよ」
「すごいねー。なんで落ちないんだろー」
三巳の山盛り限界を超えた量の姫竹を見て、子供達が感嘆の声を上げています。
それを聞いても大人達は「三巳だからね」の一言で納得しています。子供達は良く判らない状態で「そーなんだー」と良く判らないまま三巳を尊敬しました。
「結局これは何なの?」
リリだけは姫竹を知らないようです。
「竹の子って聞いたから、もっと太いと思っていたけど。
これは枝みたいに細くて長いのね」
「これは姫竹さ。房総竹とはちと違う。
ま、食ってみればわかるさ」
「うん。楽しみにしてる」
リリは周りのお祭り騒ぎにきっととても良い物だと思い、一緒に楽しんで姫竹を良く観察しました。
「ようし。こんなもんだろう」
「それじゃあ年代別に並んでちょうだいな」
姫竹を小分けし終えて、村長一家は年代別に列を作った人達を整理する人と、姫竹を配る人に別れて捌いていきます。
年代別に別れた列ではその年代が食べれるおよそ平均の量が配られているのです。
「はい。リリちゃんの分。ロキ医師か三巳に調理してもらってね」
村長の奥さんに優しく微笑まれてリリ位の年代の子達と同じ量の姫竹を貰いました。
余所者でも差別はしません。そんな人はこの山では生まれませんから。
「こんなに貰って食べきれるかしら」
「平気平気。皮剥いたら嵩減るから」
「そうなんだ」
リリは姫竹(皮付き)を矯めつ眇めつ見てみましたが、これがどうなるのか判りませんでした。
「帰ったら早速剥くぞ」
「うん」
三巳は不思議そうな顔のリリを連れてロキ医師と一緒に診療所に戻りました。
診療所に着くなりテーブルに籠を用意してその横に姫竹を並べました。
「竹の子の皮は下から剥くんだ。1枚1枚重なっているから上の皮から剥いていけばいいぞ」
「先っちょの一番美味しいところは折れやすいからのぅ。気を付けて剥くんじゃよ」
説明しながらサクサク皮剥きをしていきます。慣れているので早く、そして先っちょまで綺麗に剥いています。
その様子を見ながらリリも見よう見まねで剥き始めました。
けれど先っちょが折れてしまいました。リリはガッカリして焦燥感を漂わせます。
「大丈夫大丈夫。先っちょ貸してみ」
三巳が何てこと無い顔で、リリから折れてしまった先っちょを受け取るとサクッと剥ききります。
リリは感動しました。大雑把そうに見える三巳が器用に剥くものですから、感動はひと押しです。
「折れても三巳が何とかするから気にせずどんどんいこー」
剥けた先っちょを籠に入れて、次々と残りを剥いていきます。
三巳とロキ医師が5本剥くところ、リリはやっと2本目を剥き終わる速度です。けれど丁寧に剥いたので今度は先っちょまで残りました。
リリはやり切った満足感ですっかり裸になった姫竹を手の上で転がしながら観察します。
「本当。中はこんなに小さいのね」
「そ。しかも旨いからいくらでも入るし。むしろこれじゃ足りないかもな?」
小さくなっても十分だと思っていたリリです。三巳の言葉は冗談だと思いましたが、その表情が真面目だったので本気なんだと驚きます。そして余計に楽しみになりました。
「そんじゃ、こんだけ汁にして、3本は七輪で焼くだろ。甘辛煮か天ぷらはするか?」
「天ぷらはのぅ。リリの体調にはまだ油っこ過ぎるかもしれんのぅ」
「それじゃ、それは来年の楽しみだな」
三巳とロキ医師が調理法を相談していますが、リリには判らないので聞き役に徹しています。
話を聞くだけで涎が出てきそうです。味の想像が房総竹ですが。
三巳達はリリを休ませたまま、調理を開始しました。
三巳が竹の子汁を作り、ロキ医師が甘辛煮を作ります。七輪焼きは食事の時に行います。
三巳風竹の子汁の作り方は以下の通りです。
乱切りにした玉ねぎを大きな鍋で軽く炒めます。
角切りにしたジャガイモも投入します。時と場合とその日の気分で人参も入れることもありますが今日は無しです。
バラ肉を投入して、軽く火が通ったら水を鍋の半分まで入れます。
沸騰したら保存瓶に入れてあるサバの水煮と一口サイズよりやや大きめに切った姫竹を投入して出汁と味噌を入れます。
最後に溶き卵を投入して完成です。
三巳が作り終わる頃にはロキ医師も終わっていました。テーブルに竹の子汁と甘辛煮、あと白米と七輪に乗った姫竹が用意されました。
お昼には遅いですが、今日は姫竹尽くしのお昼ご飯です。
「「「いただきます」」」
準備が出来たら手を合わせて食事の開始です。
三巳は早速竹の子汁をパクリ。瞬間ホッペと目尻が垂れ下がりました。
ロキ医師は七輪の姫竹をベストタイミングな焼き具合までじっと待っています。
リリは2人の様子を観察した後、竹の子汁を先に食べてみました。
「!!」
口に入れた瞬間。今までの竹の子の概念が覆りました。
硬すぎず、柔らかすぎず。しゃっきりとした歯ごたえに、房総竹とはまた違った旨味。一口で大好きな食べ物になりました。
たまらず、次は甘辛煮をパクリ。これもとっても美味しく、三巳の様にホッペと目尻が垂れ下がってしまいました。お行儀が悪いと思っても、顔のニヤケも箸も全く止まりません。
どうやらリリは甘辛煮が気に入ったようです。
「おー。リリは甘辛煮派かー。三巳は俄然竹の子汁派だな」
三巳が竹の子汁をお代りしながら言いました。
「ほっほ。儂は七輪焼き派じゃの」
ロキ医師が食べごろの姫竹をはふはふして食べながら言いました。
三者三様の好みにお互い顔を見合わせて楽しく笑いあいました。
こうして楽しい1年に1回のお楽しみは今年も1人増えて楽しく終わりました。
「あ、七輪焼きも美味しい」
最後に七輪焼きを食べたリリは、勿論それも美味しく頂きました。
(来年は竹の子狩りも参加できるといいな)
籠いっぱいの姫竹を村全体で山分けするのです。
「おお。熊が出たって聞いたし、今回は少ねぇと思ったが」
「そうだねぇ。去年位あるんじゃないかい?」
「これなら竹の子汁の他にも食べれそうじゃのう」
姫竹を一人分ずつ小分けをしている村長家族の様子を見て、誰も彼も胸を撫で下ろします。
皆この日を楽しみにしていたのですから、色々出来るに越した事はありません。
「三巳が一番採ってるね」
「籠からあふれてるよ」
「すごいねー。なんで落ちないんだろー」
三巳の山盛り限界を超えた量の姫竹を見て、子供達が感嘆の声を上げています。
それを聞いても大人達は「三巳だからね」の一言で納得しています。子供達は良く判らない状態で「そーなんだー」と良く判らないまま三巳を尊敬しました。
「結局これは何なの?」
リリだけは姫竹を知らないようです。
「竹の子って聞いたから、もっと太いと思っていたけど。
これは枝みたいに細くて長いのね」
「これは姫竹さ。房総竹とはちと違う。
ま、食ってみればわかるさ」
「うん。楽しみにしてる」
リリは周りのお祭り騒ぎにきっととても良い物だと思い、一緒に楽しんで姫竹を良く観察しました。
「ようし。こんなもんだろう」
「それじゃあ年代別に並んでちょうだいな」
姫竹を小分けし終えて、村長一家は年代別に列を作った人達を整理する人と、姫竹を配る人に別れて捌いていきます。
年代別に別れた列ではその年代が食べれるおよそ平均の量が配られているのです。
「はい。リリちゃんの分。ロキ医師か三巳に調理してもらってね」
村長の奥さんに優しく微笑まれてリリ位の年代の子達と同じ量の姫竹を貰いました。
余所者でも差別はしません。そんな人はこの山では生まれませんから。
「こんなに貰って食べきれるかしら」
「平気平気。皮剥いたら嵩減るから」
「そうなんだ」
リリは姫竹(皮付き)を矯めつ眇めつ見てみましたが、これがどうなるのか判りませんでした。
「帰ったら早速剥くぞ」
「うん」
三巳は不思議そうな顔のリリを連れてロキ医師と一緒に診療所に戻りました。
診療所に着くなりテーブルに籠を用意してその横に姫竹を並べました。
「竹の子の皮は下から剥くんだ。1枚1枚重なっているから上の皮から剥いていけばいいぞ」
「先っちょの一番美味しいところは折れやすいからのぅ。気を付けて剥くんじゃよ」
説明しながらサクサク皮剥きをしていきます。慣れているので早く、そして先っちょまで綺麗に剥いています。
その様子を見ながらリリも見よう見まねで剥き始めました。
けれど先っちょが折れてしまいました。リリはガッカリして焦燥感を漂わせます。
「大丈夫大丈夫。先っちょ貸してみ」
三巳が何てこと無い顔で、リリから折れてしまった先っちょを受け取るとサクッと剥ききります。
リリは感動しました。大雑把そうに見える三巳が器用に剥くものですから、感動はひと押しです。
「折れても三巳が何とかするから気にせずどんどんいこー」
剥けた先っちょを籠に入れて、次々と残りを剥いていきます。
三巳とロキ医師が5本剥くところ、リリはやっと2本目を剥き終わる速度です。けれど丁寧に剥いたので今度は先っちょまで残りました。
リリはやり切った満足感ですっかり裸になった姫竹を手の上で転がしながら観察します。
「本当。中はこんなに小さいのね」
「そ。しかも旨いからいくらでも入るし。むしろこれじゃ足りないかもな?」
小さくなっても十分だと思っていたリリです。三巳の言葉は冗談だと思いましたが、その表情が真面目だったので本気なんだと驚きます。そして余計に楽しみになりました。
「そんじゃ、こんだけ汁にして、3本は七輪で焼くだろ。甘辛煮か天ぷらはするか?」
「天ぷらはのぅ。リリの体調にはまだ油っこ過ぎるかもしれんのぅ」
「それじゃ、それは来年の楽しみだな」
三巳とロキ医師が調理法を相談していますが、リリには判らないので聞き役に徹しています。
話を聞くだけで涎が出てきそうです。味の想像が房総竹ですが。
三巳達はリリを休ませたまま、調理を開始しました。
三巳が竹の子汁を作り、ロキ医師が甘辛煮を作ります。七輪焼きは食事の時に行います。
三巳風竹の子汁の作り方は以下の通りです。
乱切りにした玉ねぎを大きな鍋で軽く炒めます。
角切りにしたジャガイモも投入します。時と場合とその日の気分で人参も入れることもありますが今日は無しです。
バラ肉を投入して、軽く火が通ったら水を鍋の半分まで入れます。
沸騰したら保存瓶に入れてあるサバの水煮と一口サイズよりやや大きめに切った姫竹を投入して出汁と味噌を入れます。
最後に溶き卵を投入して完成です。
三巳が作り終わる頃にはロキ医師も終わっていました。テーブルに竹の子汁と甘辛煮、あと白米と七輪に乗った姫竹が用意されました。
お昼には遅いですが、今日は姫竹尽くしのお昼ご飯です。
「「「いただきます」」」
準備が出来たら手を合わせて食事の開始です。
三巳は早速竹の子汁をパクリ。瞬間ホッペと目尻が垂れ下がりました。
ロキ医師は七輪の姫竹をベストタイミングな焼き具合までじっと待っています。
リリは2人の様子を観察した後、竹の子汁を先に食べてみました。
「!!」
口に入れた瞬間。今までの竹の子の概念が覆りました。
硬すぎず、柔らかすぎず。しゃっきりとした歯ごたえに、房総竹とはまた違った旨味。一口で大好きな食べ物になりました。
たまらず、次は甘辛煮をパクリ。これもとっても美味しく、三巳の様にホッペと目尻が垂れ下がってしまいました。お行儀が悪いと思っても、顔のニヤケも箸も全く止まりません。
どうやらリリは甘辛煮が気に入ったようです。
「おー。リリは甘辛煮派かー。三巳は俄然竹の子汁派だな」
三巳が竹の子汁をお代りしながら言いました。
「ほっほ。儂は七輪焼き派じゃの」
ロキ医師が食べごろの姫竹をはふはふして食べながら言いました。
三者三様の好みにお互い顔を見合わせて楽しく笑いあいました。
こうして楽しい1年に1回のお楽しみは今年も1人増えて楽しく終わりました。
「あ、七輪焼きも美味しい」
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