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本編
三巳のしっぽ
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三巳の尻尾はふさふさのもふもふのふわふわの大きな尻尾です。
そんな三巳の尻尾はいつもご機嫌にあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら。右に左に揺れています。
その後ろには元気なちびっ子が尻尾に釣られて、右にとてちて、左にとてちて。ちっちゃなあんよで一生懸命に付いて行きます。
すってーん!あらら大変。1人転んでしまいました。
何が起こったのか判らずぽかーんとしていたちびっ子ですが、痛みは確実にじわじわ、じわじわ広がります。
ちびっ子は痛くて目に大粒の涙を溜め込み、今にも決壊してしまいそうです。
そこへすかさず三巳の尻尾がくるん。ちびっ子を優しく包んで抱き上げます。
「痛いの痛いの~、遠くのあの辺の山まで飛んでいけー」
尻尾で抱き上げたまま、器用に尻尾の先でちびっ子をふさふさ優しく撫でて、土を落として擦ります。
それはもう極上のもふもふのふわふわでふさふさが、なでなでしてくれます。ちびっ子の泣き虫さんは痛みと一緒に遠くのあの辺の山へ忘れ去られました。
「きゃっきゃ。気持ちい~」
暖かい毛布尻尾にむぎゅうっとしがみ付きすりすりほお擦りします。
泣き止んだちびっ子に「よしよし」と安堵した三巳でしたが、後方ではちびっ子を羨ましそうに見ているちびっ子集団がいます。
「ふっふっふ~。三巳のしっぽは最強だから、百人乗っても大丈~夫」
三巳はちびっ子達の前で尻尾を揺らして誘惑します。
勿論ちびっ子はお子ちゃまだからちびっ子なのです。我慢なんてまだ判りません。
「「「きゃー!」」」
一斉に尻尾にしがみつきます。力の加減の判らないちびっ子達ですが、三巳なので大丈夫。
ちびっ子をぶら下げて、ぶら~ん、ぶらん。右に左に上に下に。ちびっ子達を振り回します。
これにはちびっ子達も大喜び。
「「「きゃー!もっとやってー!」」」
催促の大合唱に答えない三巳ではありません。
ぶら~り、ぶらり。ちびっ子が振り落とされない様に気を使いながらもご機嫌に揺らします。
結局この日は、ご飯に呼ばれるまでちびっ子をぶら下げて村を駆けて遊んだのでした。
そんな三巳の尻尾はいつもご機嫌にあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら。右に左に揺れています。
その後ろには元気なちびっ子が尻尾に釣られて、右にとてちて、左にとてちて。ちっちゃなあんよで一生懸命に付いて行きます。
すってーん!あらら大変。1人転んでしまいました。
何が起こったのか判らずぽかーんとしていたちびっ子ですが、痛みは確実にじわじわ、じわじわ広がります。
ちびっ子は痛くて目に大粒の涙を溜め込み、今にも決壊してしまいそうです。
そこへすかさず三巳の尻尾がくるん。ちびっ子を優しく包んで抱き上げます。
「痛いの痛いの~、遠くのあの辺の山まで飛んでいけー」
尻尾で抱き上げたまま、器用に尻尾の先でちびっ子をふさふさ優しく撫でて、土を落として擦ります。
それはもう極上のもふもふのふわふわでふさふさが、なでなでしてくれます。ちびっ子の泣き虫さんは痛みと一緒に遠くのあの辺の山へ忘れ去られました。
「きゃっきゃ。気持ちい~」
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泣き止んだちびっ子に「よしよし」と安堵した三巳でしたが、後方ではちびっ子を羨ましそうに見ているちびっ子集団がいます。
「ふっふっふ~。三巳のしっぽは最強だから、百人乗っても大丈~夫」
三巳はちびっ子達の前で尻尾を揺らして誘惑します。
勿論ちびっ子はお子ちゃまだからちびっ子なのです。我慢なんてまだ判りません。
「「「きゃー!」」」
一斉に尻尾にしがみつきます。力の加減の判らないちびっ子達ですが、三巳なので大丈夫。
ちびっ子をぶら下げて、ぶら~ん、ぶらん。右に左に上に下に。ちびっ子達を振り回します。
これにはちびっ子達も大喜び。
「「「きゃー!もっとやってー!」」」
催促の大合唱に答えない三巳ではありません。
ぶら~り、ぶらり。ちびっ子が振り落とされない様に気を使いながらもご機嫌に揺らします。
結局この日は、ご飯に呼ばれるまでちびっ子をぶら下げて村を駆けて遊んだのでした。
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