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出会い
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キラキラ光る太陽サンサン。葉っぱのお家からお顔を出せば、今日も青空良い天気。
昨日はお体とお洋服を川で洗って綺麗になった僕。うぅ~んと背伸びをすればお背中もグググと伸びる。
「今日は誰かとおしゃべりしたいな」
寝なれない葉っぱのお布団で固まった体を解し、昨日見つけた木の実を食べる。これも知らない木さんがくれた木の実みたいに大きいけれど、こっちはちゃんと切り分けられたよ。黄色っぽい?オレンジっぽい?そんなお色の木の実。食べてみたら甘くって美味しくって直ぐ好きになっちゃった。
朝も食べたら幾つか小さい塊に切ってお弁当に持って行こうね。次行く所でご飯があるとは限らないもの。
「知らないお花も沢山。やっぱり知らない世界に来ちゃったのかなぁ」
独りぼっちで寂しくて、おしゃべりするお友達もいないから独り言が増えちゃう。
「大きい植物が多いね。巨人さんの世界かなぁ。でも昨日出会ったのは言葉はわからないけれど人間さんだったよね」
でも髪の毛はキラキラ金色の人間さんや茶色い人間さん、それにお目々が青い人間さんやお肌が焦げてる人間さんが多かった。
僕が知っている人間さんは黒髪黒目が多い。髪の毛は染めてる人間さんもいるから茶色い人間さんや金色の人間さんもいたけれど、あれは偽物のお色だから。でも昨日の人間さんは元々のお色っぽい。
そう言えば……。人間さんが多い街の中や港の中でああいう人間さん見た事あったかも。遠目だから言葉は聞いた事無かったけれど、もしかしたら同じだったりして?ちょっと遠くを見つめて思い出そうとしたけど……、たまにしか行ってないからうろ覚えだな~。
「うぅ~ん。今日はどっちに行こう」
右を見て、左を見て、もう一度右を見て。
蕗の葉よりも大きい葉っぱからお顔を覗かせてチラリ。人間さんの街を見渡した。
うぅ~ん。やっぱり言葉がわかる気がしない。
「***」
そうそう皆こんな感じのお舌がこんがらがりそうな言葉を使っているよ。
「***」
うぅ~ん。あうは?あるは?
「***」
あろは?うん。これが一番近い気がする。言っている人間さんが多いからもしかしたら挨拶かな?
「***」
うん。わかったってば。あろはでしょ。
……。
……。
……。
うん?
僕ってば何だかお背中ゾワゾワしちゃう。
そういえばさっきからものすごぉ~くお近く様で聞こえている。
僕ってばピルピル震えながらゆっくり後ろを振り向いたよ。だって人間さんの子供は容赦がないから怖いんだよ。
振り向いた先にいたのは……。うん?人間さん?それとも僕と同じコロポックル?
後ろを向いて案の定誰かがいて、ソロソロと視線を上げたんだけれど上げた視線は僕の頭より少し上止まり。人間さんの子供位かそれより低い背丈なんだけれど……。お顔がおじさん。
「***」
ニコニコと頭をなでなでしてくるおじさん。さっきから聞こえたお声はおじさんのものみたい。
「あろは?」
聞こう聞き真似で返せばニッコリ笑顔を深めてくれたよ。
「********」
「うぴゃっ!」
うわ~ん何言っているのかわかんないよう。
僕が困ってしまってわんわん泣き出しちゃったからおじさんお話止めてお眉を下げちゃった。
「ご、ごめんなさ……。ぅぅ~僕おじさんの言葉わかんないよぅ」
えぐえぐお喉を引っかからせていると、おじさんが僕の頭をポンポンして涙もグイグイ拭ってくれる。人間さんかコロポックルかわからないけれどとっても良い人なのはわかって一安心。
「ありがとう」
ニコッて返せばおじさんも安心してニコッてしてくれた。
「ありがとー。こにちわー」
「うぴゃっ!」
同じ言葉だ!
昨日はお体とお洋服を川で洗って綺麗になった僕。うぅ~んと背伸びをすればお背中もグググと伸びる。
「今日は誰かとおしゃべりしたいな」
寝なれない葉っぱのお布団で固まった体を解し、昨日見つけた木の実を食べる。これも知らない木さんがくれた木の実みたいに大きいけれど、こっちはちゃんと切り分けられたよ。黄色っぽい?オレンジっぽい?そんなお色の木の実。食べてみたら甘くって美味しくって直ぐ好きになっちゃった。
朝も食べたら幾つか小さい塊に切ってお弁当に持って行こうね。次行く所でご飯があるとは限らないもの。
「知らないお花も沢山。やっぱり知らない世界に来ちゃったのかなぁ」
独りぼっちで寂しくて、おしゃべりするお友達もいないから独り言が増えちゃう。
「大きい植物が多いね。巨人さんの世界かなぁ。でも昨日出会ったのは言葉はわからないけれど人間さんだったよね」
でも髪の毛はキラキラ金色の人間さんや茶色い人間さん、それにお目々が青い人間さんやお肌が焦げてる人間さんが多かった。
僕が知っている人間さんは黒髪黒目が多い。髪の毛は染めてる人間さんもいるから茶色い人間さんや金色の人間さんもいたけれど、あれは偽物のお色だから。でも昨日の人間さんは元々のお色っぽい。
そう言えば……。人間さんが多い街の中や港の中でああいう人間さん見た事あったかも。遠目だから言葉は聞いた事無かったけれど、もしかしたら同じだったりして?ちょっと遠くを見つめて思い出そうとしたけど……、たまにしか行ってないからうろ覚えだな~。
「うぅ~ん。今日はどっちに行こう」
右を見て、左を見て、もう一度右を見て。
蕗の葉よりも大きい葉っぱからお顔を覗かせてチラリ。人間さんの街を見渡した。
うぅ~ん。やっぱり言葉がわかる気がしない。
「***」
そうそう皆こんな感じのお舌がこんがらがりそうな言葉を使っているよ。
「***」
うぅ~ん。あうは?あるは?
「***」
あろは?うん。これが一番近い気がする。言っている人間さんが多いからもしかしたら挨拶かな?
「***」
うん。わかったってば。あろはでしょ。
……。
……。
……。
うん?
僕ってば何だかお背中ゾワゾワしちゃう。
そういえばさっきからものすごぉ~くお近く様で聞こえている。
僕ってばピルピル震えながらゆっくり後ろを振り向いたよ。だって人間さんの子供は容赦がないから怖いんだよ。
振り向いた先にいたのは……。うん?人間さん?それとも僕と同じコロポックル?
後ろを向いて案の定誰かがいて、ソロソロと視線を上げたんだけれど上げた視線は僕の頭より少し上止まり。人間さんの子供位かそれより低い背丈なんだけれど……。お顔がおじさん。
「***」
ニコニコと頭をなでなでしてくるおじさん。さっきから聞こえたお声はおじさんのものみたい。
「あろは?」
聞こう聞き真似で返せばニッコリ笑顔を深めてくれたよ。
「********」
「うぴゃっ!」
うわ~ん何言っているのかわかんないよう。
僕が困ってしまってわんわん泣き出しちゃったからおじさんお話止めてお眉を下げちゃった。
「ご、ごめんなさ……。ぅぅ~僕おじさんの言葉わかんないよぅ」
えぐえぐお喉を引っかからせていると、おじさんが僕の頭をポンポンして涙もグイグイ拭ってくれる。人間さんかコロポックルかわからないけれどとっても良い人なのはわかって一安心。
「ありがとう」
ニコッて返せばおじさんも安心してニコッてしてくれた。
「ありがとー。こにちわー」
「うぴゃっ!」
同じ言葉だ!
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