Night Street Dream

紅月-AKATSUKI-

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家出-計画編-

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 中学3年の夏。里奈、咲希、沙織3人は遂に家出の計画を立て始める。
「家出かぁ……、ってか何処方面に行くのよ?」と里奈はスマホで地図アプリを見ながら言った。
「それなぁ…、出来れば近場じゃなくて遠くまで行きたいよね」とため息混じりで答える咲希。
 「そりゃそうじゃん。近場だったら即バレしそうじゃん。」とツッコミを入れる沙織。
 3人が住んでるのは東海圏にある政令指定都市。その界隈でも良いが知人に出くわすリスクがある為、出来れば遠い街へと行きたい。 でも、良い行き場所がなかなか決まらない。
「ねぇ、ちょっとこれを見て!」とスマホで何か気になるものを見つけた咲希。
「えっ、なになに?」と話しながら咲希のスマホを覗き込む2人。
咲希のスマホ画面には、ネットニュースの記事が表示されていた。タイトルは『思春期の少年少女の流れ着く最後の場所』だった。
「ネットニュース?これってどういう意味?」と聞く里奈。
「遠くに行くんだったら、同年代の子らが多くいる場所の方がいいんじゃないかなって思ったんだけど。」と答える咲希。
「なるほどね。その辺りに行ったら悩みとか共有出来るよね。」と納得した里奈。
「で、その場所は?」と場所を尋ねる沙織。
「えーとね、大阪だったらグリ下。名古屋だったらドン横。東京だったらトー横って書いてた。」とニュース記事を読んで答える沙織。
「私らからすれば、名古屋は近いから却下。大阪は遠いし……、東京に行っちゃう?」と地図アプリで距離を調べながら話す里奈。
「いいじゃん!東京に行っちゃおう!」と答える2人。
「早速持っていく物を用意しちゃおう!」と準備に取り掛かる里奈。
「えっ! 早くない!? ってか、里奈は何を持って行くのよ!?」
と笑いながら突っ込む2人。
「そーだね、ギターとノートパソコンは絶対に持って行きたいね」
と得意げに言う里奈に
「めっちゃ重そうやし、目立つでしょ!」
とすかさず突っ込む2人。
「流石に目立つかぁ………、でも自分の夢を叶える為に必要な物だよね」
と溜め息をつきながら嘆く里奈。
「夢?そういえば、里奈の夢、進路なんて今まで聞いた事ないよね。」
と聞く2人。
里奈はシンガーソングライター、プロゲーマー。咲希はライター。沙織はインフルエンサー。とそれぞれの夢がある。
「だけど……、そんな夢物語なんて叶えられる訳が無い。もっと手に職をつけて生きなさい。って言われたのよね。」
と嘆く里奈に、
「あたしも言われた。」「分かるわぁ!」
と賛同する2人。
「じゃあ、それぞれ必要な物を持って行こう。」
と提案する里奈。
「そうしよう。で、準備出来たらどこで合流する?」
と聞く咲希。
「とりあえず、駅で合流しよう」
と沙織が言う。
「いいね。」「そうしようよ。」
と賛同する2人。
こうして3人の家出計画は着々と進んでいく。
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