114 / 136
ガン見してたのがバレた!?
しおりを挟む
ほどなくしてハルカがシャワーのハンドルに手をかけた。そう、シャワーを浴び終えたのだ。という事は、この後ハルカはハンドルを捻って水を止め、振り返ってブースを出ることは間違い無い。これはマズい、このままではトシヤがガン見していたのがハルカにバレてしまう。だがしかしトシヤはそんなことすらも頭から完全に飛んでしまっている様で、ぼーっと見蕩れたままハルカから視線を外さずにいた。
そしてその瞬間はやってきた。ハルカがシャワーを止め、振り返ったのだ。だが、ハルカを凝視していたトシヤの目線とハルカの目線がクロスすることは無かった。振り返ったハルカの目線はトシヤの顔に向いていた。しかしトシヤの目線はその下……ハルカの腰のあたりに向けられていたのだ。それにしてもトシヤ……ハルカは胸が寂しいから腰ばかり見ていたのか? それとも単に腰フェチなのか? それはさておきハルカが完全に振り返ったことで我に返ったトシヤは慌てて顔を背け、目線をハルカの身体から逸らしたがもう遅い。と言うか、寧ろトシヤが顔を背けたことでハルカはピンときたらしく、いたずらっぽく笑ってトシヤに言った。
「トシヤ君、見てたんでしょ? 私がシャワー浴びてるところ」
ハルカに尋ねられ、トシヤはギクっとした。もちろん答えは『YES』だ。しかし正直にそれを肯定するのは抵抗がある……と言うか恥ずかしい。
さて、どうする? 悩むトシヤだが、ゆっくり考えている時間は無い。そもそも考えたところでトシヤに上手い答えが導き出せる筈が無い。となれば下手に小細工をするのでは無く、恥ずかしい気持ちを押し殺して素直に認めて頭を下げるのが得策だ。
そう判断したトシヤは背けていた顔を真っ直ぐハルカに向け、おずおずと口を開いた。
「うん……ごめん……」
面目なさそうに言うトシヤの顔はハルカに向けられてはいるが、さすがに直視は出来ない様で目は伏せられている。そんなトシヤを見てハルカは得意げに言った。
「まあ、仕方無いか、私みたいな可愛い彼女の水着姿なんだから見たいのは当然よね」
得意気ながらも冗談めかした口調なのは、嬉しくもあり恥ずかしくもありと言った乙女心の現れだろう。まあ、何にしても怒っているわけでは無さそうだ。安堵の溜息を小さく吐いたトシヤにハルカは笑顔で言った。
「それよりトシヤ君も早くシャワー浴びてきなさいよ、遊ぶ時間無くなっちゃうわよ」
「おっと、そうだな」
ハルカに言われ、トシヤはそそくさとシャワーブースに入った。
シャワーブースに入るという事はハルカに背を向けるという事だ。ハルカはトシヤが背を向けた途端、大きな溜息を吐いたかと思うと顔を赤くして呟いた。
「はぁ……トシヤ君、私のこと見てたんだ……」
やっぱりハルカはトシヤに見られていたのが嬉しいながらも恥ずかしかったようだ。それをトシヤに悟られないように頑張って冗談っぽく言っていたのだが、トシヤが背中を向けた途端に気が抜けてしまったのだろう。まったく乙女心というのは複雑だ。まあ、そこがまた可愛いのだけれども。
そんなこんなでシャワーを済ませたトシヤ達。一刻も早くプールに飛び込みたいところだが、残念ながら目の前にあるのは小さな子供を連れた家族向けのファミリープールだ。いくら早く水に入りたいと言ってもさすがにコレに入るわけにはいかない。トシヤ達は楽しそうに水遊びに興じる子供達を尻目に一般の大人向けのプールを目指して移動を始めた。
熱気と湿気でムンムンとしたプールサイド独特の空気の中を歩くトシヤ達。例年ならトシヤの横を歩いているのは男の友達だ。だが今年は……今日は違う。トシヤの隣に居るのはムサい男の友達なんかじゃ無く可愛い女の子、それも単なる友達では無い。いい感じになっていて、あとは告白するばかりのハルカなのだ。気温と共にテンションはガンガン上がる。
それはマサオも同じこと。隣を歩いているのは冴えない野郎では無く、誰もが認める美少女のルナなのだからそれはもう気分はパラダイス、マサオの心の中では『しらパー』のプールが一流リゾートホテルのプールすら凌駕する楽園へと昇華していた。
そしてその瞬間はやってきた。ハルカがシャワーを止め、振り返ったのだ。だが、ハルカを凝視していたトシヤの目線とハルカの目線がクロスすることは無かった。振り返ったハルカの目線はトシヤの顔に向いていた。しかしトシヤの目線はその下……ハルカの腰のあたりに向けられていたのだ。それにしてもトシヤ……ハルカは胸が寂しいから腰ばかり見ていたのか? それとも単に腰フェチなのか? それはさておきハルカが完全に振り返ったことで我に返ったトシヤは慌てて顔を背け、目線をハルカの身体から逸らしたがもう遅い。と言うか、寧ろトシヤが顔を背けたことでハルカはピンときたらしく、いたずらっぽく笑ってトシヤに言った。
「トシヤ君、見てたんでしょ? 私がシャワー浴びてるところ」
ハルカに尋ねられ、トシヤはギクっとした。もちろん答えは『YES』だ。しかし正直にそれを肯定するのは抵抗がある……と言うか恥ずかしい。
さて、どうする? 悩むトシヤだが、ゆっくり考えている時間は無い。そもそも考えたところでトシヤに上手い答えが導き出せる筈が無い。となれば下手に小細工をするのでは無く、恥ずかしい気持ちを押し殺して素直に認めて頭を下げるのが得策だ。
そう判断したトシヤは背けていた顔を真っ直ぐハルカに向け、おずおずと口を開いた。
「うん……ごめん……」
面目なさそうに言うトシヤの顔はハルカに向けられてはいるが、さすがに直視は出来ない様で目は伏せられている。そんなトシヤを見てハルカは得意げに言った。
「まあ、仕方無いか、私みたいな可愛い彼女の水着姿なんだから見たいのは当然よね」
得意気ながらも冗談めかした口調なのは、嬉しくもあり恥ずかしくもありと言った乙女心の現れだろう。まあ、何にしても怒っているわけでは無さそうだ。安堵の溜息を小さく吐いたトシヤにハルカは笑顔で言った。
「それよりトシヤ君も早くシャワー浴びてきなさいよ、遊ぶ時間無くなっちゃうわよ」
「おっと、そうだな」
ハルカに言われ、トシヤはそそくさとシャワーブースに入った。
シャワーブースに入るという事はハルカに背を向けるという事だ。ハルカはトシヤが背を向けた途端、大きな溜息を吐いたかと思うと顔を赤くして呟いた。
「はぁ……トシヤ君、私のこと見てたんだ……」
やっぱりハルカはトシヤに見られていたのが嬉しいながらも恥ずかしかったようだ。それをトシヤに悟られないように頑張って冗談っぽく言っていたのだが、トシヤが背中を向けた途端に気が抜けてしまったのだろう。まったく乙女心というのは複雑だ。まあ、そこがまた可愛いのだけれども。
そんなこんなでシャワーを済ませたトシヤ達。一刻も早くプールに飛び込みたいところだが、残念ながら目の前にあるのは小さな子供を連れた家族向けのファミリープールだ。いくら早く水に入りたいと言ってもさすがにコレに入るわけにはいかない。トシヤ達は楽しそうに水遊びに興じる子供達を尻目に一般の大人向けのプールを目指して移動を始めた。
熱気と湿気でムンムンとしたプールサイド独特の空気の中を歩くトシヤ達。例年ならトシヤの横を歩いているのは男の友達だ。だが今年は……今日は違う。トシヤの隣に居るのはムサい男の友達なんかじゃ無く可愛い女の子、それも単なる友達では無い。いい感じになっていて、あとは告白するばかりのハルカなのだ。気温と共にテンションはガンガン上がる。
それはマサオも同じこと。隣を歩いているのは冴えない野郎では無く、誰もが認める美少女のルナなのだからそれはもう気分はパラダイス、マサオの心の中では『しらパー』のプールが一流リゾートホテルのプールすら凌駕する楽園へと昇華していた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる