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初心者マークだとぉ!? ~オリジナルジャージを作ろう! 4~
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月曜日の授業はダルい。もちろん授業というのは火曜日から土曜日までその全てがダルいものなのだが、休み明けの月曜日は特にダルい。
そして遂に待ちに待った放課後がやって来た。集合は昨日行ったコーヒーショップ、マサオとしては学校から一緒に行きたいところだったがやむを得まい。ハルカとはクラスが違うし、ルナとは学年も違うので終業時間がバラバラなのだから。
マサオはさっさと帰り支度を整えてトシヤに催促した。
「早くしろよ。ルナ先輩を待たせるわけにはいかないだろーが」
マサオの本音がココで出た? いや、そうでは無い。マサオの本音は『早くルナに会いたい』なのだから。
「わーってるよ、ちょっと待て」
トシヤは急かすマサオに辟易しながら教科書をカバンに詰め込むと席を立った。教科書をちゃんと持って帰るあたりトシヤは真面目なのだろう。もちろんマサオは教科書など机の中に入れっぱなしだ。
教室を出たトシヤとマサオ。マサオは歩きながら「ばったりルナと出くわさないかな」などと考えていたが、現実はそこまで甘く無い。ルナともハルカとも出会う事無く二人はコーヒーショップに着いてしまった。
「やっぱまだ来てねーか」
「そりゃそうだろ。お前の気が早過ぎんだよ」
溜息混じりに言うマサオをトシヤが咎め、二人がテーブルに着こうとした時、トシヤが動きを止めた。
トシヤとマサオが着こうとしたテーブルは四人席だ。二人だけだったら迷うこと無く向かい合って座るのだが、後からハルカとルナが来るのだ。『向かい合って座っていればハルカはトシヤの隣に、ルナはマサオの隣に座るんだろうか? それって、二組のカップルみたいじゃないか……マサオは喜ぶだろうが』などという考えがトシヤの脳裏に浮かんだのだ。
もちろんトシヤだってそれが嫌なわけでは無い。むしろマサオと同様に正直嬉しいのだが、緊張と照れ臭さが入り混じった感情が嬉しさを上回っていたのだ。渋山峠の駐車場では平気で隣り合って座り込んでいたくせに。
かと言って四人席で男二人が隣り合って座るというのも見たくない光景だ。動くに動けないトシヤにマサオが不思議そうな顔で声をかけた。
「なんだよ。座んないのか?」
マサオの声にトシヤが自分の考えを話すと、マサオは呆れた顔で言った。
「バカか。ルナ先輩とハルカちゃんが来たら席を替われば良いだけの話じゃねぇか」
何故そんな簡単な事がわからなかったんだ……恥ずかしそうにマサオの向かいに座ったトシヤの耳にマサオの声が聞こえた。
「まあ、それも悪く無いな。どうだ? いっそ席を移動しないで隣に座ってもらうってのは?」
マサオもなかなかのチャレンジャーだ。もちろんトシヤは即座に首を横に振った。
そうこうしている間にハルカとルナが顔を見せた。一緒に来たという事はハルカがルナを待ったのか、それともルナがハルカを待ったのか……まあ、そんな事はどうでも良いか。
トシヤは二人の顔を見た途端に椅子から立ってマサオの隣に移動したのだが、その時マサオが渋い顔をしていたのは言うまでもないだろう。
「待たせちゃったかしら?」
ルナが先に来ていたトシヤとマサオを気遣って言うが、ハルカは席に着くなりカバンを開けて昨日描いて来たイラストを取り出してテーブルの上に置いた。
「どう? 完璧でしょ!」
ドヤ顔で迫るハルカに気圧されながらトシヤとマサオが見てみると、前面には『HILLCLIMB LOVERS』という文字と胸元に凛々しいネコの顔のエンブレムっぽいイラスト、背面にはでかでかと凛々しい表情で激坂をロードバイク(やはりコレはエモンダに見えるが『トレック』の文字は消してある)で上っているネコのイラストが描かれたジャージのデザイン画が置かれていた。色付けは色鉛筆だが、素人にしては見事な出来栄えだ。ハルカがドヤ顔をするだけの事はある。
「凄いなハルカちゃん。完璧だよ!」
さすがのマサオもコレには文句の付けようが無く、称賛の声を上げた。するとハルカはニヤリと笑った。
「完璧? 残念だけどコレじゃ足りないのよね」
ハルカはニヤニヤしながらカバンを探り、小さな紙片を取り出すとイラストの上に置いた。
「コレで完成!」
「なんだそりゃ!!」
マサオが声を上げ、トシヤは下を向いて黙ってしまった。ハルカがイラストの上に置いた紙片は初心者マークだったのだ。
「コレなら山の途中でへばってても恥ずかしくないでしょ? まあ、私とルナ先輩には不要なんだけど」
「俺達にも要らねぇよ!」
またマサオは声を上げたが、トシヤは黙ったままだ。もちろんハルカとしてはココで笑いを取るところだったのだが、さすがに冗談がキツ過ぎた様だ。
「トシヤ君……冗談よ、冗談。誰だって初めは初心者なんだから……」
焦るハルカの言葉を聞いてトシヤは顔を上げた。
「いや、ハルカちゃんの言う通りだ。俺はまだまだ初心者。だから……」
一気に空気が重くなってしまった。このままではせっかくの集まりが楽しくなくなってしまう。最悪、お揃いのオリジナルジャージを作る話もご破算になってしまうかもしれない。ハルカが自分の失態を悔やみ、その目に涙が滲んだ時、トシヤの目が輝いた。
「だから、このジャージが完成するまでには渋山峠を足着き無しで上れる様になってみせるよ!」
フルオーダーのオリジナルジャージは出来上がるまで約二ヶ月かかる。漠然と「足着き無しで上れる様になろう」と思っていたトシヤに「二ヶ月で足着き無しで上れる様になる」という具体的な目標が出来た。まあ、二ヶ月あれば毎週日曜日に峠を上るとして八回はチャレンジ出来るのだ。それぐらいあれば若いトシヤの事だ、なんとかなるに違い無い。トシヤのやる気に満ちた言葉に重い空気が消え去った。
「うん! 私も応援するからね。頑張って、トシヤ君!」
「トシヤ、頑張れよ」
ほっとしたハルカがトシヤに元気良く声援を送るとマサオは何故か上から目線でトシヤを激励した。そんなマサオにトシヤはボソッと言い返した。
「お前もな」
トシヤに痛いところを突かれてグウの音も出ないマサオに大笑いしたハルカの目から一筋の涙が流れ、それを見たマサオがボヤいた。
「なんだよハルカちゃん、涙が出る程笑わなくっても良いじゃんかよー」
「ゴメンゴメン、つい……ねっ」
言いながら涙を拭ったハルカだが、その涙の本当の理由はマサオもトシヤもわからなかった。ただ、ルナが意味ありげに微笑んで三人の様子を見ていたところを見ると、ルナだけは気付いていたのかもしれない。
「大丈夫よね、マサオ君だってヒルクライムラバーズだものね」
黙ってニコニコしていたルナが静かに口を開いた。こんな事を言われたマサオがその気にならないわけが無い。
「当然っすよ! 俺は将来『渋山峠のプリンス』と呼ばれる男っすから」
マサオはお世辞にも王子様キャラとは言えない。まあ、お金持ちという点では王子様っぽいところもあるかもしれないが……
「何が『渋山峠のプリンス』よ。『乗り』が抜けてるわよ『乗り』が」
嘲る様に言うハルカ。そう、マサオは『渋山峠のプリンス乗り』でしか無いのだと言っているのだ。これにはトシヤもルナも吹き出した。
「確かに今はプリンスに乗ってるだけだけどな。いつか『渋山峠のプリンス』って呼ばれる様になってやっからな、見てろよ」
マサオが鼻息を荒くするが、そもそもヒルクライムに王子様要素など残念なことに全く無い。冬でも汗まみれで息も絶え絶えにハァハァゼーゼー言いながら上っているのだから。もっともだからこそ峠を上りきった時は最高に気持ち良いのだが。
すっかりオリジナルジャージから話が逸れて盛り上がった後、マサオはハルカの描いたデザイン画を大事そうにカバンにしまった。
「じゃあ、コレは郵送しとくから。ハルカちゃん、ありがとうな。ココは俺の奢りで良いぜ」
お金持ちらしい事を言うマサオにハルカのキラリと目が輝いた。
「えっ、本当? さすがは『渋山峠のプリンスさま』ね!」
『プリンス』に平仮名で『さま』と付けると何故かアイドル感が増すが、今はそんな事はどうでも良い。マサオは肩を落として呟いた。
「『プリンス』ネタはもう勘弁してくれ……」
そして遂に待ちに待った放課後がやって来た。集合は昨日行ったコーヒーショップ、マサオとしては学校から一緒に行きたいところだったがやむを得まい。ハルカとはクラスが違うし、ルナとは学年も違うので終業時間がバラバラなのだから。
マサオはさっさと帰り支度を整えてトシヤに催促した。
「早くしろよ。ルナ先輩を待たせるわけにはいかないだろーが」
マサオの本音がココで出た? いや、そうでは無い。マサオの本音は『早くルナに会いたい』なのだから。
「わーってるよ、ちょっと待て」
トシヤは急かすマサオに辟易しながら教科書をカバンに詰め込むと席を立った。教科書をちゃんと持って帰るあたりトシヤは真面目なのだろう。もちろんマサオは教科書など机の中に入れっぱなしだ。
教室を出たトシヤとマサオ。マサオは歩きながら「ばったりルナと出くわさないかな」などと考えていたが、現実はそこまで甘く無い。ルナともハルカとも出会う事無く二人はコーヒーショップに着いてしまった。
「やっぱまだ来てねーか」
「そりゃそうだろ。お前の気が早過ぎんだよ」
溜息混じりに言うマサオをトシヤが咎め、二人がテーブルに着こうとした時、トシヤが動きを止めた。
トシヤとマサオが着こうとしたテーブルは四人席だ。二人だけだったら迷うこと無く向かい合って座るのだが、後からハルカとルナが来るのだ。『向かい合って座っていればハルカはトシヤの隣に、ルナはマサオの隣に座るんだろうか? それって、二組のカップルみたいじゃないか……マサオは喜ぶだろうが』などという考えがトシヤの脳裏に浮かんだのだ。
もちろんトシヤだってそれが嫌なわけでは無い。むしろマサオと同様に正直嬉しいのだが、緊張と照れ臭さが入り混じった感情が嬉しさを上回っていたのだ。渋山峠の駐車場では平気で隣り合って座り込んでいたくせに。
かと言って四人席で男二人が隣り合って座るというのも見たくない光景だ。動くに動けないトシヤにマサオが不思議そうな顔で声をかけた。
「なんだよ。座んないのか?」
マサオの声にトシヤが自分の考えを話すと、マサオは呆れた顔で言った。
「バカか。ルナ先輩とハルカちゃんが来たら席を替われば良いだけの話じゃねぇか」
何故そんな簡単な事がわからなかったんだ……恥ずかしそうにマサオの向かいに座ったトシヤの耳にマサオの声が聞こえた。
「まあ、それも悪く無いな。どうだ? いっそ席を移動しないで隣に座ってもらうってのは?」
マサオもなかなかのチャレンジャーだ。もちろんトシヤは即座に首を横に振った。
そうこうしている間にハルカとルナが顔を見せた。一緒に来たという事はハルカがルナを待ったのか、それともルナがハルカを待ったのか……まあ、そんな事はどうでも良いか。
トシヤは二人の顔を見た途端に椅子から立ってマサオの隣に移動したのだが、その時マサオが渋い顔をしていたのは言うまでもないだろう。
「待たせちゃったかしら?」
ルナが先に来ていたトシヤとマサオを気遣って言うが、ハルカは席に着くなりカバンを開けて昨日描いて来たイラストを取り出してテーブルの上に置いた。
「どう? 完璧でしょ!」
ドヤ顔で迫るハルカに気圧されながらトシヤとマサオが見てみると、前面には『HILLCLIMB LOVERS』という文字と胸元に凛々しいネコの顔のエンブレムっぽいイラスト、背面にはでかでかと凛々しい表情で激坂をロードバイク(やはりコレはエモンダに見えるが『トレック』の文字は消してある)で上っているネコのイラストが描かれたジャージのデザイン画が置かれていた。色付けは色鉛筆だが、素人にしては見事な出来栄えだ。ハルカがドヤ顔をするだけの事はある。
「凄いなハルカちゃん。完璧だよ!」
さすがのマサオもコレには文句の付けようが無く、称賛の声を上げた。するとハルカはニヤリと笑った。
「完璧? 残念だけどコレじゃ足りないのよね」
ハルカはニヤニヤしながらカバンを探り、小さな紙片を取り出すとイラストの上に置いた。
「コレで完成!」
「なんだそりゃ!!」
マサオが声を上げ、トシヤは下を向いて黙ってしまった。ハルカがイラストの上に置いた紙片は初心者マークだったのだ。
「コレなら山の途中でへばってても恥ずかしくないでしょ? まあ、私とルナ先輩には不要なんだけど」
「俺達にも要らねぇよ!」
またマサオは声を上げたが、トシヤは黙ったままだ。もちろんハルカとしてはココで笑いを取るところだったのだが、さすがに冗談がキツ過ぎた様だ。
「トシヤ君……冗談よ、冗談。誰だって初めは初心者なんだから……」
焦るハルカの言葉を聞いてトシヤは顔を上げた。
「いや、ハルカちゃんの言う通りだ。俺はまだまだ初心者。だから……」
一気に空気が重くなってしまった。このままではせっかくの集まりが楽しくなくなってしまう。最悪、お揃いのオリジナルジャージを作る話もご破算になってしまうかもしれない。ハルカが自分の失態を悔やみ、その目に涙が滲んだ時、トシヤの目が輝いた。
「だから、このジャージが完成するまでには渋山峠を足着き無しで上れる様になってみせるよ!」
フルオーダーのオリジナルジャージは出来上がるまで約二ヶ月かかる。漠然と「足着き無しで上れる様になろう」と思っていたトシヤに「二ヶ月で足着き無しで上れる様になる」という具体的な目標が出来た。まあ、二ヶ月あれば毎週日曜日に峠を上るとして八回はチャレンジ出来るのだ。それぐらいあれば若いトシヤの事だ、なんとかなるに違い無い。トシヤのやる気に満ちた言葉に重い空気が消え去った。
「うん! 私も応援するからね。頑張って、トシヤ君!」
「トシヤ、頑張れよ」
ほっとしたハルカがトシヤに元気良く声援を送るとマサオは何故か上から目線でトシヤを激励した。そんなマサオにトシヤはボソッと言い返した。
「お前もな」
トシヤに痛いところを突かれてグウの音も出ないマサオに大笑いしたハルカの目から一筋の涙が流れ、それを見たマサオがボヤいた。
「なんだよハルカちゃん、涙が出る程笑わなくっても良いじゃんかよー」
「ゴメンゴメン、つい……ねっ」
言いながら涙を拭ったハルカだが、その涙の本当の理由はマサオもトシヤもわからなかった。ただ、ルナが意味ありげに微笑んで三人の様子を見ていたところを見ると、ルナだけは気付いていたのかもしれない。
「大丈夫よね、マサオ君だってヒルクライムラバーズだものね」
黙ってニコニコしていたルナが静かに口を開いた。こんな事を言われたマサオがその気にならないわけが無い。
「当然っすよ! 俺は将来『渋山峠のプリンス』と呼ばれる男っすから」
マサオはお世辞にも王子様キャラとは言えない。まあ、お金持ちという点では王子様っぽいところもあるかもしれないが……
「何が『渋山峠のプリンス』よ。『乗り』が抜けてるわよ『乗り』が」
嘲る様に言うハルカ。そう、マサオは『渋山峠のプリンス乗り』でしか無いのだと言っているのだ。これにはトシヤもルナも吹き出した。
「確かに今はプリンスに乗ってるだけだけどな。いつか『渋山峠のプリンス』って呼ばれる様になってやっからな、見てろよ」
マサオが鼻息を荒くするが、そもそもヒルクライムに王子様要素など残念なことに全く無い。冬でも汗まみれで息も絶え絶えにハァハァゼーゼー言いながら上っているのだから。もっともだからこそ峠を上りきった時は最高に気持ち良いのだが。
すっかりオリジナルジャージから話が逸れて盛り上がった後、マサオはハルカの描いたデザイン画を大事そうにカバンにしまった。
「じゃあ、コレは郵送しとくから。ハルカちゃん、ありがとうな。ココは俺の奢りで良いぜ」
お金持ちらしい事を言うマサオにハルカのキラリと目が輝いた。
「えっ、本当? さすがは『渋山峠のプリンスさま』ね!」
『プリンス』に平仮名で『さま』と付けると何故かアイドル感が増すが、今はそんな事はどうでも良い。マサオは肩を落として呟いた。
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