42 / 135
間接キス、再び?
しおりを挟む
マサオはルナのお尻、いや、背中を追いかけて走っていた。ルナはメリハリの付いた走りをマサオに教え込む様に視界が開けている所ではスピードを出す時は出し、ブラインドやヘアピンでは落とす時は落とした。もちろん安全マージンは十分に取った上でだ。また、ハルカとは違いマサオを試す様な事はせず、ゴールまでマサオとの距離を見ながらペースを調整し続けたのでペースは遅いながらもマサオは安全且つ快適にルナのお尻を堪能、いや、ダウンヒルを楽しむ事が出来た。
「あれっ、二人が居ないっすね」
ゴール地点の信号が見えた時、そこで待っているとばかり思っていたトシヤとハルカの姿が見え無い事に気付いたマサオが後ろから叫ぶが、ルナにとっては想定内だった様だ。
「ハルカちゃんったら待ちきれなかったのね。まあ、行き先は解ってるから私達も行きましょうか」
信号が青なのを確認したルナは左右にも気を配りながら交差点を少しだけスピードを落として通過し、マサオもルナに続いた。
一足先にコンビニに着いたトシヤとハルカはリアクトとエモンダを車止めに立て掛けてワイヤーロックをかけ、店内に入った。ハルカは「あっいすっ、あっいすっ」と鼻歌を歌いながら上機嫌で一直線にアイスクリームの入った冷凍ケースに向かった。
「奢ってくれるって言ったわよねー。どうせなら普段買えない様なヤツを……」
恐ろしい事を言いながら真剣な目でアイスを吟味するハルカの一挙一動をトシヤは恐怖を感じながら見ていた。
アイスを選ぶハルカの後ろ姿は中々刺激的だった。このコンビニの冷凍ケースは平型のオープンタイプだ。上から品物を見定める為に身を乗り出すと、どうしてもお尻を突き出す体制になる。ピッタリと肌に張り付いたビブショーツがハルカのお尻の丸みを強調し、膝上の裾からはスラリとした足が伸びている。もちろん踝あたりまでは生足だ。
「コレにしよーっと」
ハルカが選んだのは果汁感溢れるマンゴーのアイスバーだった。
「えっ、ソレで良いの?」
拍子抜けしたトシヤが思わず口にした。ハルカが選んだアイスバーは150円弱、選んでいる時の口振りからすると300円以上する大きなカップアイスや、小さいが有名ブランドのアイスを奢らされるのではないかとトシヤは覚悟していたのだ。
「うん、コレが良い!」
はちきれんばかりの笑顔で答えるハルカに「150円でこんな笑顔が見られるのなら安いものだ」と思ってしまうトシヤだった。
ハルカからアイスバーを受け取ったトシヤはドリンクのコーナーに足を向け、スポーツドリンクの500ミリペットボトルに手を伸ばした。その時、ハルカの声がトシヤを止めた。
「トシヤ君、それは買わなくても良いわよ」
言うとハルカは500ミリのペットボトルでは無く、1リットルのペットボトルを手に取った。トシヤはハルカに言われるままにアイスバーだけをレジに持って行き、お金を払うと、ハルカもスポーツドリンクのお金を払い、二人は店を出た。
「とりあえず、はい」
トシヤがアイスバーをハルカに渡すと、ハルカは嬉しそうな顔でそれを受け取り、袋を開けた。マンゴーの甘い匂いが立ち込め、一口齧ったハルカがうっとりした顔となった。
「美味しい! 本当にマンゴーを食べてるみたい」
幸せそうにアイスを食べるハルカの横顔を見るトシヤの視線に気付いたのか、ハルカはアイスバーをトシヤに差し出した。
「一口食べる?」
ほんの数十分前にボトルを巡って間接キスがどうとか騒いでいたとは思えない様な大胆な事を言うハルカに、トシヤはドキッとしながら差し出されたアイスバーを見た。ボトルの飲み口が仄かに濡れているどころでは無い。ハルカの歯型そのままに齧り取られた周囲は触れた唇の温かさで溶かされ、色が変わっている。
ここはどうすべきか? トシヤは悩んだ。真剣に悩んだ。もちろん本心は「ハルカが齧ったところを一口齧り付きたい」だ。しかし、そんなあからさまな事が出来るトシヤでは無い。普通ならハルカが口を付けていないところを一口いただくのが妥当な線だろう。しかし……
だが、悩む必要は瞬く間に無くなってしまった。
「あっ、ごめんなさい。変な事言っちゃって」
ハルカがバツが悪そうにアイスバーを引っ込めてしまったのだ。トシヤがほっとした様な、残念な様な複雑な思い(割合で言えばほっとしたのが2、残念なのが8ぐらいだろう)でいると、ハルカは肩を落として呟いた。
「だからダメなのよね、私って。男の子とか女の子とかすぐ忘れちゃうから……」
ハルカらしからぬ小さな声で嘆き、俯いてしまったハルカにトシヤはどんな言葉をかければ良いか解らなかった。だが、黙っている訳にもいかない。
「ダメな事なんて無いよ。だって、それがハルカちゃんなんだから」
とりあえずはハルカを肯定するところからスタートするがハルカは俯いたまま、首を横に振った。
「でも、こんなだから私、女の子として見てもらえないんだよね」
ハルカも面倒臭い、いや、可愛い事を言うものだ。こういう時に男の子がかけるべき言葉は? 彼女居ない歴=年齢のトシヤにとっては恐ろしく難しい問題だ。
「あれっ、二人が居ないっすね」
ゴール地点の信号が見えた時、そこで待っているとばかり思っていたトシヤとハルカの姿が見え無い事に気付いたマサオが後ろから叫ぶが、ルナにとっては想定内だった様だ。
「ハルカちゃんったら待ちきれなかったのね。まあ、行き先は解ってるから私達も行きましょうか」
信号が青なのを確認したルナは左右にも気を配りながら交差点を少しだけスピードを落として通過し、マサオもルナに続いた。
一足先にコンビニに着いたトシヤとハルカはリアクトとエモンダを車止めに立て掛けてワイヤーロックをかけ、店内に入った。ハルカは「あっいすっ、あっいすっ」と鼻歌を歌いながら上機嫌で一直線にアイスクリームの入った冷凍ケースに向かった。
「奢ってくれるって言ったわよねー。どうせなら普段買えない様なヤツを……」
恐ろしい事を言いながら真剣な目でアイスを吟味するハルカの一挙一動をトシヤは恐怖を感じながら見ていた。
アイスを選ぶハルカの後ろ姿は中々刺激的だった。このコンビニの冷凍ケースは平型のオープンタイプだ。上から品物を見定める為に身を乗り出すと、どうしてもお尻を突き出す体制になる。ピッタリと肌に張り付いたビブショーツがハルカのお尻の丸みを強調し、膝上の裾からはスラリとした足が伸びている。もちろん踝あたりまでは生足だ。
「コレにしよーっと」
ハルカが選んだのは果汁感溢れるマンゴーのアイスバーだった。
「えっ、ソレで良いの?」
拍子抜けしたトシヤが思わず口にした。ハルカが選んだアイスバーは150円弱、選んでいる時の口振りからすると300円以上する大きなカップアイスや、小さいが有名ブランドのアイスを奢らされるのではないかとトシヤは覚悟していたのだ。
「うん、コレが良い!」
はちきれんばかりの笑顔で答えるハルカに「150円でこんな笑顔が見られるのなら安いものだ」と思ってしまうトシヤだった。
ハルカからアイスバーを受け取ったトシヤはドリンクのコーナーに足を向け、スポーツドリンクの500ミリペットボトルに手を伸ばした。その時、ハルカの声がトシヤを止めた。
「トシヤ君、それは買わなくても良いわよ」
言うとハルカは500ミリのペットボトルでは無く、1リットルのペットボトルを手に取った。トシヤはハルカに言われるままにアイスバーだけをレジに持って行き、お金を払うと、ハルカもスポーツドリンクのお金を払い、二人は店を出た。
「とりあえず、はい」
トシヤがアイスバーをハルカに渡すと、ハルカは嬉しそうな顔でそれを受け取り、袋を開けた。マンゴーの甘い匂いが立ち込め、一口齧ったハルカがうっとりした顔となった。
「美味しい! 本当にマンゴーを食べてるみたい」
幸せそうにアイスを食べるハルカの横顔を見るトシヤの視線に気付いたのか、ハルカはアイスバーをトシヤに差し出した。
「一口食べる?」
ほんの数十分前にボトルを巡って間接キスがどうとか騒いでいたとは思えない様な大胆な事を言うハルカに、トシヤはドキッとしながら差し出されたアイスバーを見た。ボトルの飲み口が仄かに濡れているどころでは無い。ハルカの歯型そのままに齧り取られた周囲は触れた唇の温かさで溶かされ、色が変わっている。
ここはどうすべきか? トシヤは悩んだ。真剣に悩んだ。もちろん本心は「ハルカが齧ったところを一口齧り付きたい」だ。しかし、そんなあからさまな事が出来るトシヤでは無い。普通ならハルカが口を付けていないところを一口いただくのが妥当な線だろう。しかし……
だが、悩む必要は瞬く間に無くなってしまった。
「あっ、ごめんなさい。変な事言っちゃって」
ハルカがバツが悪そうにアイスバーを引っ込めてしまったのだ。トシヤがほっとした様な、残念な様な複雑な思い(割合で言えばほっとしたのが2、残念なのが8ぐらいだろう)でいると、ハルカは肩を落として呟いた。
「だからダメなのよね、私って。男の子とか女の子とかすぐ忘れちゃうから……」
ハルカらしからぬ小さな声で嘆き、俯いてしまったハルカにトシヤはどんな言葉をかければ良いか解らなかった。だが、黙っている訳にもいかない。
「ダメな事なんて無いよ。だって、それがハルカちゃんなんだから」
とりあえずはハルカを肯定するところからスタートするがハルカは俯いたまま、首を横に振った。
「でも、こんなだから私、女の子として見てもらえないんだよね」
ハルカも面倒臭い、いや、可愛い事を言うものだ。こういう時に男の子がかけるべき言葉は? 彼女居ない歴=年齢のトシヤにとっては恐ろしく難しい問題だ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
完結【R―18】様々な情事 短編集
秋刀魚妹子
恋愛
本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。
タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。
好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。
基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。
同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。
※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。
※ 更新は不定期です。
それでは、楽しんで頂けたら幸いです。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
淫らなお姫様とイケメン騎士達のエロスな夜伽物語
瀬能なつ
恋愛
17才になった皇女サーシャは、国のしきたりに従い、6人の騎士たちを従えて、遥か彼方の霊峰へと旅立ちます。
長い道中、姫を警護する騎士たちの体力を回復する方法は、ズバリ、キスとH!
途中、魔物に襲われたり、姫の寵愛を競い合う騎士たちの様々な恋の駆け引きもあったりと、お姫様の旅はなかなか困難なのです?!
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R18】もう一度セックスに溺れて
ちゅー
恋愛
--------------------------------------
「んっ…くっ…♡前よりずっと…ふか、い…」
過分な潤滑液にヌラヌラと光る間口に亀頭が抵抗なく吸い込まれていく。久しぶりに男を受け入れる肉道は最初こそ僅かな狭さを示したものの、愛液にコーティングされ膨張した陰茎を容易く受け入れ、すぐに柔らかな圧力で応えた。
--------------------------------------
結婚して五年目。互いにまだ若い夫婦は、愛情も、情熱も、熱欲も多分に持ち合わせているはずだった。仕事と家事に忙殺され、いつの間にかお互いが生活要員に成り果ててしまった二人の元へ”夫婦性活を豹変させる”と銘打たれた宝石が届く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる