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魔法王国アルテナでの日々
腐れ縁
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「だから、魔法の国アルテナで魔法が使えなくても大丈夫なのかな……って」
ルークの疑問に対し、ミレアが質問で返した。
「じゃあ聞くけど、騎士の国ルフトの国民は全員騎士だったりするのかしら?」
「さすがにそんな事は無いよ」
当然だ。国民全員が騎士だったら、国どころか町としても機能しない。答えたルークにミレアはさもありなんといった顔で言った。
「それと同じよ。魔法の国アルテナと言えど魔法使いじゃない人は大勢いるわ」
「いや、どっちかと言うと魔法使いの方が少ないんじゃないかな」
エディが一言付け加えた。これは全くの予想外だ、ルークの口から率直な感想が溢れ出た。
「そうなんだ。アルテナの人はみんな魔法が使えると思ってたよ」
「現実はそんなもんよ。イメージって怖いわよね」
溜め息混じりで言うミレアにデイブが続いて彼なりの解釈での持論を口にした。
「乱暴に言えばアルテナじゃ魔法を使えるか使えないかってのは、泳げるか泳げないかぐらいの感覚なんだよ」
いや、それはちょっと違うだろ。ミレアとエディは思ったが、疑う事を知らないルークは素直にデイブの持論を受け入れた。
「そんなもんなんだ」
「ああ。だから、魔法が使えなくたって萎縮する事は無い」
デイブが何故か胸を張って言い切るとミレアが突っ込んだ。
「ルーク君はあんたと違って先生に褒められてたじゃない。それ、自分に言って聞かせてない?」
「そ そんな事ねぇよ!」
またデイブとミレアの寸劇が始まりそうな雰囲気だ。ルークが目を細めて
「仲良いんだね」
と言うと同時にデイブとミレアが申し合わせた様に声を上げた。
「腐れ縁だ!」
「腐れ縁よ!」
まさに息ピッタリの二人だった。睨み合うデイブとミレアにたじろぐルークだったが、エディは落ち着いた顔……と言うよりニコニコした顔で言った。
「小さい時から家が近かったからね。物心付いた時からずっと一緒だもの」
この二人、いやエディも含めてこの三人はいつもこんな感じなのだろう。
「そうなんだ。羨ましいなぁ」
自分にもそんな存在、いわゆる幼馴染が居たのだろうか? そんな事を思うルークにミレアから声がかけられた。
「そっか、ルーク君は昔の事を覚えてないんだったね」
憐れむ様なミレアの言葉に場の空気が重くなるかと思われた。だがデイブが豪快な笑顔でルークの背中を叩いた。
「良いじゃねぇか。前を向いて生きるんだろ。これからは俺達が友達だ!」
「うん ありがとうデイブ君!」
目を輝かせて言うルーク。デイブはルークを呼び捨てにしているのに対し、ルークは律儀にも君付けで呼んだ。記憶を失っていても王家の生まれだけあって育ちが良い? まあそれもあるかもしれないが、それが普通だろう。寧ろ初対面の相手を呼び捨てにするデイブが普通では無いのだ。するとデイブがとても人好きのする笑顔で言った。
「デイブで良いよ。俺達もルークって呼ばせてもらうからよ」
ミレアとエディは『いやいや、デイブは既にルークを呼び捨てにしてるだろ!』なんて思ったが、ソレを突っ込むのは野暮というものだ。
「うん デイブ! あらためてよろしく!」
ルークは声を弾ませてデイブに応えた。
ルークの疑問に対し、ミレアが質問で返した。
「じゃあ聞くけど、騎士の国ルフトの国民は全員騎士だったりするのかしら?」
「さすがにそんな事は無いよ」
当然だ。国民全員が騎士だったら、国どころか町としても機能しない。答えたルークにミレアはさもありなんといった顔で言った。
「それと同じよ。魔法の国アルテナと言えど魔法使いじゃない人は大勢いるわ」
「いや、どっちかと言うと魔法使いの方が少ないんじゃないかな」
エディが一言付け加えた。これは全くの予想外だ、ルークの口から率直な感想が溢れ出た。
「そうなんだ。アルテナの人はみんな魔法が使えると思ってたよ」
「現実はそんなもんよ。イメージって怖いわよね」
溜め息混じりで言うミレアにデイブが続いて彼なりの解釈での持論を口にした。
「乱暴に言えばアルテナじゃ魔法を使えるか使えないかってのは、泳げるか泳げないかぐらいの感覚なんだよ」
いや、それはちょっと違うだろ。ミレアとエディは思ったが、疑う事を知らないルークは素直にデイブの持論を受け入れた。
「そんなもんなんだ」
「ああ。だから、魔法が使えなくたって萎縮する事は無い」
デイブが何故か胸を張って言い切るとミレアが突っ込んだ。
「ルーク君はあんたと違って先生に褒められてたじゃない。それ、自分に言って聞かせてない?」
「そ そんな事ねぇよ!」
またデイブとミレアの寸劇が始まりそうな雰囲気だ。ルークが目を細めて
「仲良いんだね」
と言うと同時にデイブとミレアが申し合わせた様に声を上げた。
「腐れ縁だ!」
「腐れ縁よ!」
まさに息ピッタリの二人だった。睨み合うデイブとミレアにたじろぐルークだったが、エディは落ち着いた顔……と言うよりニコニコした顔で言った。
「小さい時から家が近かったからね。物心付いた時からずっと一緒だもの」
この二人、いやエディも含めてこの三人はいつもこんな感じなのだろう。
「そうなんだ。羨ましいなぁ」
自分にもそんな存在、いわゆる幼馴染が居たのだろうか? そんな事を思うルークにミレアから声がかけられた。
「そっか、ルーク君は昔の事を覚えてないんだったね」
憐れむ様なミレアの言葉に場の空気が重くなるかと思われた。だがデイブが豪快な笑顔でルークの背中を叩いた。
「良いじゃねぇか。前を向いて生きるんだろ。これからは俺達が友達だ!」
「うん ありがとうデイブ君!」
目を輝かせて言うルーク。デイブはルークを呼び捨てにしているのに対し、ルークは律儀にも君付けで呼んだ。記憶を失っていても王家の生まれだけあって育ちが良い? まあそれもあるかもしれないが、それが普通だろう。寧ろ初対面の相手を呼び捨てにするデイブが普通では無いのだ。するとデイブがとても人好きのする笑顔で言った。
「デイブで良いよ。俺達もルークって呼ばせてもらうからよ」
ミレアとエディは『いやいや、デイブは既にルークを呼び捨てにしてるだろ!』なんて思ったが、ソレを突っ込むのは野暮というものだ。
「うん デイブ! あらためてよろしく!」
ルークは声を弾ませてデイブに応えた。
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